磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

司馬遼太郎と丸山真男

2006年01月28日 | 読書日記など
『司馬遼太郎と丸山真男
    中島誠・著/現代書館1998年

司馬さんSideで読んでしまいます。
その点を考慮して読んでください。



この本は福沢諭吉批判がすごいと思う方も
おられるかもしれない。

しかし、民間人といいながら、朝鮮半島へ
行った福沢諭吉を伊藤博文よりの悪人と、
とらえる方がおられます。
それは正しいと思いますが、この本では
書かれてなかったので省略します。

このことを書いたのは、福沢諭吉批判は、
当を得ているとこの著者の書いておられることでも、
納得できるものでした。

福沢と勝との争いは有名です。
咸臨丸にどちらも乗って米国へ渡航しました。
その後も勝は東大をつくり、福沢は慶応をつくった。
この図式から生まれると解説する書もありました。

福沢という差別主義者が生み出した。
その思想を鵜呑みしている人たちには、
それは民主主義の思想からかけ離れたものだと
指摘します。

何度も書きますが、「天は人の上に人をつくらず……」
というのは、啓蒙主義者として書かれたことで、
上になるのは学問があるなしと福沢諭吉はかいています。
これでは民主主義ではないと指摘する人がいます。

この著者がどうして福沢諭吉のことを多くかくかは、
丸山真男が福沢諭吉をとっていたからです。

現代日本の大きな問題も、福沢の間違った思想から
はじまっていると彼は書いている。下「」引用。

「一国の独立と国民一個の独立(自立)を一つのものとして追求したのが福沢諭吉であり、生涯にわたって福沢の矛盾に満ちた思想遍歴を辿ったのが丸山だったわけだから、生前の丸山さんに、一度、日本は独立国でしょうかと聞いてみたかったとも思う」


司馬遼太郎は坂本龍馬や西郷隆盛をとっていた。

志の大切さを司馬は、
役に立つとはただ単に、機能すればよいてのではなく、
「志」がなければ、人間の行動しての意味がないと、
司馬は常に言っていたという。
これは実に大切なことだろう。

司馬さんは環境問題についても語っている。

「司馬は、日本は、このままだと森林と土地の荒廃で亡びるかもしれないと言って、それが遺言のようになった。丸山も、市民のネットワークの必要性と、それによる日本再生の可能性をうたいながら亡くなった。」











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けんか

2006年01月28日 | 短編など
けんか

「どうしたの」
母は子の顔をみる。

「けんかしたの」
と子はすげなく言った。

「それで」
「手を出しちゃったの」

「それで勝ったの負けたの」
「勝ったよ。でも真田くんは
泣いて帰ちゃった」

負けたら勝つまで
けんかしなさいと説教していた母。

「それで」
母は両手を腰にやった。

「帰っちゃった。案外、
真田くん弱いんだ」

「そう、どうして」
「一発なぐってやったら
泣いて帰っちゃった」

「あのワンパク小僧が?」
少し考えて、
「どうして手を出したの。
暴力はダメだと言ったでしょう」
母は少年をにらみつけた。

少年はいつも
聞かされていること違うと思った。

少年は怒った。
「負けたら勝つまで
ケンカしないといけないんでしょう」

「暴力はダメに決まっているでしょう」
母は矛盾したことをいっているとは思わない。

「でも……」
少年は真田くんが悪いと言い張った。
「悪いのは真田くんや真田くんや……」
と、またいきさつを話した。

「なあ、母さんは真田くん、悪いやろ」
「ああ、真田くんが悪いって。
でも暴力を使ったおまえも悪い」
とエプロンをはずした。

「真田くんの家へ行きましょう。
もし真田くん、ケガしていたら大変だしね。
謝っておかなくっちゃいけない」

この世には、やすやすと正義の剣が
ないことを幼稚園坊主は知った。





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CB132.さよならカール

2006年01月28日 | 【小説】 レインボー...
X.赤色の部屋

CB132.さよならカール





 ユリカは青虫くんを家につれて帰りたいと思ったが、おばあさんは虫類が苦手なのを知っているので、そっと、花の咲いている木の葉にのせた。
「それじゃあね、カール。さようなら、ありがとう」

 ママにきこえないくらい小さな声でお礼の言葉を述べた。
 ママはユリカの前で右手をパーにして差し出した。

「ひさしぶりに、手でもつなごうよ」

 ユリカも手を出した。手をつなぐと気持ちまでつながった気分になった。

「ママ、虫がついたリンゴは美味しいリンゴなんだよ」
「その通りね。虫もつかないリンゴがいいリンゴだなんて、素人の人たちは思っているのよね」

「ママ、知っているんだ、ああ、ママからもこの話し聞いたことあるよね」
「そうよ、農薬まみれにすると、虫がつかなくなるのよ。でも、そんなリンゴを使ったら、お客さんに申し訳ないわよ」
「ママはプロのお弁当屋さんね」
「その通りよ」

 川で手を洗う。とても奇麗な水だ。もし、この川にDDTが流れこんだら、魚だって生きてはいられない。魚が住んでいるということは、それだけ人間にとってもいい水なのだ。水がなければ人間は生きていけないのだ。それも汚染された水では生きていけないのだ。

 二人は、手をつないで二人は山をおりて行く。

 二人の姿は夕日に照らされ、影絵のようだった。

 ママはユリカに、
「歌でも、うたって帰りましょう」
 と言った。

 ユリカは自転車をおしながら、ふもとまで、ママと二人で歌を歌った。ふもとで自転車はライトバンに乗せられ、エンジンがかけられた。







閑話休題

昨夜のBSEについての続きです。

プリオンが原因物質ではなく、

プリオンは原因物質によって、

生成されたものではないかというのです。

タンパク質は胃酸では解けると生物学でも、
習われた方は多いでしょう?

そして、
焼いても破壊されない何か?
それがBSEの原因物質であるだろうという
仮説は説得力があると思います。

根本的な解決法を探って欲しいものです。







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