磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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ロマンブック ひとりひとりの戦争

2008年12月15日 | 読書日記など
『ロマンブック ひとりひとりの戦争』
   菊地澄子・作/理論社1975年

生活にかんすることがよく書かれてあった。



「あとがき」に書かれてあります。下「」引用。

「あなたの歩いている舗道の敷石をはがして、南瓜をうえたあの頃。松根油から燃料をとっていたあの頃。神風が吹き、戦争に必ず勝つと信じていた国民学校五年の私。
 終戦の日を境に、世の中がひっくりかえった。
「一学期まで教えてきた軍国主義はまちごうとった。これからは、民主主義じゃ」
 先生にいわれるままに、教科書や地図に墨をぬって消すことから、二学期がはじまった。
     *
「戦死した わたしの父は もどってこない。なぜ死んだん? なぜ戦争したん?」
 国民学校五年の私には、世の中はわからなかったが、先生や大人に対する怒りと不信が高まっていた。」

■もくじ■
第1話 大豆をそだてる
  --昭和十九年春から秋へ  5
第2話 米と塩の夜道
  --昭和十九年夏の終りに  51
第3話 赤い手ぶくろ
  --昭和二十年冬から春へ  87
第4話 カッパ淵のうた
  --昭和二十年春から夏へ  127
第5話 広島からきた子どもたち
  --昭和十九年から二十年夏まで  163

ヤミの食糧を買っていた教師……。下「」引用。

「先生は、いいにくそうにいった。
「いけない先生でしょ。ヤミをしたら非国民になるって、あれほどみなさんに教えておきながら」
 先生は、急に肩をおとして、ひとりごとのようにつぶやいた。」

墨塗りをして、戦争責任を捨てた先生たち!
先生たちが、神風や、天皇は神と教えたことも、禊して忘れてしまった……。
国家神道の重要なメンバーの要因、学校の先生!
そして、平和は清い人だけのもののように、ウソを教え続けた。
もし、清い人たちだけのものなら、教師よ! あなたたち自身はどうなのですか?
--伝統も歴史も重んじもしない教師たち……。
どこから、わいてきたの?

--原爆に関する章は「第5話 広島からきた子どもたち」

学童疎開で広島市内の学童がやってくる……。

広島からの一団。下「」引用。

「徳平は、おもわずあとずさりをした。見なれないよそ者の一団だ。男か女かわからない。四人もいる。髪の毛はさかだち、灰をまぶして、ひっかきまわしたようだ。シャツやもんぺはちぎれ、ワカメのようだ。小柄なひとりは、片腕、皮がつるっとむけてぶらさがっている。手首は、血がふきだしている。……徳平とタカシは、ぶるぶるふるえた。足がすくんでうごけない。」

誰が、敵なのか、「はだしのゲン」ではいうが、教師もそうだったのではないか?……。
「はだしのゲン」では、原爆で死亡した姉なども、ひどい目にあっていた。
彼らもまた、反省しなかったことだろう!

しかし、そんな先生ばかりでもないことは、「はだしのゲン」でも表現されていた……。
それは戦後のことだけど……。
だけど、いい先生は、学校から追い出された……。

墨塗りの儀式で罪が消える魔法使いの先生じゃない!
人間の心をもった先生、がんばってください!









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