磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

葬式

2006年01月08日 | 短編など
葬式

葬式のとき泣いちゃいやと母は生前いっていた
泣いて忘れちゃおうなんてイヤといっていた

それよりもひっそりとでもいいから
心を大切にといっていた
だから泣くなといっていた

何度も何度も死にかけた事のある母だったから
そんな事を言うのもわかった
気丈な母だった

だから泣かなかった
涙をこぼせなかった
さらし者のように正座して
馬鹿みたいに唇をかんだ

死んだら教会でといっていた茶目っ気も
16の僕にはつらいものだった

唇ばかりバカみたいにかんで
涙をこらえていたから
唇のうらはざらざらの歯がたができた

それさえも防波堤にならず
今度は太ももを積めで力いっぱいつまんだ

あの時の読経はとても涙をよんだ
泣けばよかった
あの母さんだから
やはり許してくれる

泣いて泣いて早く確実なものにしたらよかった
心が大切なんだから……






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もくじ「母」




【本人談】これを友達にみせたら、ずいぶん泣いていたといわれた。
友人たちには、それをカバーしてくれたことを今も感謝している。
いい友達をもったものだ。よすぎたね。


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2 コメント

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友達って(^^) (みっちゃん)
2006-01-08 21:20:23
有難いですよね。

  > これを友達にみせたら、ずいぶん泣いていたといわれた。



ふふふっ。本人は、覚えてないものなのかも。その時の精神状態って。

アタシは・・・涙を堪えると、鼻水が出ます(・_・)



でも、その時は、女優のごとく涙が止まらなかったなぁ~・・・鼻は出ずに・・

妙にそのことだけが心に残っています。



もっとも・・もぉ16ではなくその倍近くの人生を積んでおりましたが・・

やはり友は有難いものです。



鱧男さんのお母様は、小さい鱧男さんが心残りだったでしょうね。



きっと、いまは鱧男さんの方が年、とってる姿かも(・_・)
返信する
こらえているつもりが (鱧男)
2006-01-08 22:03:39
あかんかったみたいですね。



ぼくは授業中も思い出し泣きしてしまったんですよ。

友達が授業中でも、席を近づけて、隠してくれました。



いい意味で、

男というのを意識していた連中でしたから、

やさしかったですよ。
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