磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

海の水と涙

2006年01月26日 | 短編など
海の水と涙

「海の水をなめてみたい」
それは僕の幼いころの願いでした。

母さんはけらけら笑っていました。
「海の水をなめてみたい。塩からい海の水を」

広い海がすべて塩水だなんて、
僕には信じられなかった。

「海の水をなめてみたい」
それから、しばらくして海に行った。

秋の海だった。くもり空で深い色の海だった。
それが初めての海だった。

今で思うには、クルべーの波に似た色だった。
靴下をぬいで、海辺から海へと足を運んだ。

波が脈のように打っていた。
何度も何度もカーテンコールがある

盛況なコンサートのように、
波は僕の心を海にとかした。

「海の水をなめてみたい」
もう、ずっと思いつめていたことだった。

「海の水をなめてやるんだ。ついにやるんだ」
と、左手で水をすくった。

一度きりで舐めてみるのは、
もったいないような気がして、
一度すてて、手を洗って、
また左手ですくって、
「海の水をなめてみる」

……海の水は涙と同じだった。
緑の味があった。
食塩水にはない緑の味があった。

悲しくなると人は海を見たくなる。
なぜなら、涙と海の水はよく似ているからだ。
きっと悲しくなると、海を思い出すのだろう。
生命の故郷ともいうべき海を思い出すのだろう。
そして、人はまた涙をふいて生きていくんだろう。



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もくじ[創作その他]




霞ヶ関の正体 国を滅ぼす行政の病理

2006年01月26日 | 読書日記など
『霞ヶ関の正体 国を滅ぼす行政の病理』
   稲葉清毅(きよたけ)・著/晶文社2005年

帯に書いてあります。
「お役人の生態を知りつくした行政改革のエキスパートによる直言。」
それにこの著者は土光さんに褒められたという。



こんな本は十年前に出ていて当然の本で、
このようなことを書かれた本もありました。
エリート公務員が書かれたということが、
ポイントかもしれません。

戦後も日本の行政は変っていないんです。
看板かえただけですね。
これをまず考慮しておかないと確かにいけないと思う。

司馬遼太郎が口を酸っぱく語られているように、
この国の間違いは日露戦争勝利から始まると思う。

この本にも無責任であることが書かれてあります。

書いていただけた点でとても興味深い点があります。下「」引用。

「わが国は、西欧諸国に比べれば国民負担率は低いといわれているが、公共サービスの価格、税外負担、累積債務等この種の組織的非行に原因をもつ様々な形での国民への転嫁を加えれば、実質的な負担率ははるかに大きく、国民生活に様々な悪影響がもたらされているのではないだろうか。」

社会福祉なども癒着していると書かれてあります。
特別会計と各種法人という悪性腫瘍。
これもよく書かれてあることですね。

これらのことは税金のムダ遣いだけでなく。
エイズ、スモンなどの薬害事件、干拓、ダム建設などの環境破壊なども、癒着が起こした問題ですね。どれも、もうわかっていたのに、知らないふりをしていますね。誰の責任も問われなかったということも指摘されておられます。

短い言葉でも表現されています。
「昔切腹、今頬かむり」

官僚は知的発育不全と書いておられます。下「」引用。

「霞が関の官僚の中には、自分達はエリートだという自負をもっている者が多い。その根拠は、有名大学を優秀な成績で卒業したとか、-略-むしろ、どう見ても能力不足、知的発育不全と思わざるを得ない面も目立つ。」

本当は無能な偏差値優等生と書かれています。

著者は書きます。下「」引用。

「支出の手続も形式的でややこしく、ボールペン一本、書籍一冊を買うにも、事務職員の手をわずらわせ、長い時間と多くの書類を必要とする。」

あきれたものですね。高給をとっておいて、ボールペンまで税金でとろうというなんて。
ご自分の給与で買ってください。
ボールペンも機能がいろいろ違うのです。
良い仕事をするなら、当然道具にも凝ってもらいたいものです。

書籍も自分で買ってください。
民間企業と同様にしていただきたい。
お金がなかったら、図書館で休みの日などで借りてください。

上げ膳据え膳が当たり前のエリート公務員にはあきれます。
ボールペン一本にも、技術革新があるのですよ。


マスコミの癒着も書いておられます。下「」引用。

「いわゆる政業官の鉄のトライアングルに、学者、マスコミ、それにアングラのその筋までが寄生しているという構図もある。」

これほどになっているのです。

ぼくの意見ですが、ナチスの犯罪には時効がないと決められたという。
このような行為を繰り返している官僚たちにも、時効をなくした、
法律を作らないと効果が示されないと思います。


この国のかたち
講談社現代新書1721 粉飾国家
『断罪の核心』~元裁判長が語る水俣病事件~
私物国家 日本の黒幕の系図
日本マスコミ「臆病」の構造
巨怪伝 正力松太郎と影武者たちの一世紀
日本の電気料金はなぜ高い 揚水発電はいらない理由
薬害ヤコブ病
ドキュメント検証C型肝炎 薬害を放置した国の大罪
薬害エイズ奪われた未来
われらチェルノブイリの虜囚
危険な話 チェルノブイリと日本の運命
原爆は落ちている!! 過去でも未来でもなく今現在………
消えた年金!
非核三原則
不思議の薬 サリドマイドの話
アスベスト禍--国家的不作為のツケ
カネミ油症事件 過去・現在・未来
水俣病の真実
水俣の教訓を福島へ part2 すべての原発被害の全面賠償を
マスコミとゴミ問題
国交省天下り8法人、全業務入札せず契約
約230人が天下り 施設庁OB、02年度以降
だれのための政策 年金と介護保険 2007年
新聞は死んだ 驕り、偽善、エゴを衝く

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もくじ[文学・哲学・法律・政治]

正式サイン! 小野伸二「早く暴れたい」

2006年01月26日 | 読書日記など
『小野“欧州流”浦和復帰会見の席上で正式サイン!

古巣復帰のMF小野に準備される“欧州流”の入団会見。今後のハード日程も“欧州流”で乗り切る?!
26日にさいたま市内で行われるMF小野伸二(26)=フェイエノールト=の古巣復帰会見がメ欧州流モになることが25日、分かった。席上で正式サインを行う欧州主流のスタイルがそれ。日本代表に参戦する場合はその後、約1カ月間で約5万キロ、地球1周と4分の1を移動する超過酷日程が待つが、これも身につけたメ欧州流モで乗り越える。

サンスポ(後藤茂樹)』

詳しくはここをクリックしてくださいませ。

大人ぽくなりましたね。
今年はレッズで
倶楽部チーム世界一を目指してください。

『スポーツナビでは。

小野が浦和で入団会見「早くグラウンドで暴れたい」

 オランダ1部リーグ、フェイエノールトから浦和レッズへの復帰を果たした日本代表MFの小野伸二は26日、さいたま市内の埼玉スタジアム2002で記者会見を行い、「挑戦という言葉を胸に、精いっぱい頑張りたい」と抱負を語った。』

詳しくは、ここをクリックしてくださいませ。









ぼくは相変わらず子どもっぽいなあー。(-_-;)

C130.世界一高い山が海の底

2006年01月26日 | 【小説】 レインボー...
X.赤色の部屋

C130.世界一高い山が海の底





 スゥー、スゥー。
「ねぇ、ねぇ」
 どこかで、きいた声がした。

 ユリカは
「なぁに」
 と目をあけた。

「あっ、ママ」
 ユリカは大きな平らな岩の上で寝ていた。

 ユリカのママは心配そうな顔をしていたけど、ユリカの眠そうな顔をみると、笑っていた。

「ママ、ごめんなさい」
「うぅーん、ママこそ、ごめんなさい。あなたの気持ちをすこしも考えていなかったわ……」

 ママはユリカを抱き起こし、体の草をはらった。親子といっても、同じ心を持っているわけではないのだ。

「きゃー!」

「どうしたの、ママ」

「ポケットに虫、虫よ」
「あっ、カールよ」
 カールは、ふつうの芋虫の大きさになっていた。

 七色の光ももう放っておらず、それにチョビ髭もつけていなかった。
「毛虫?…。それは毛虫じゃないわよ。それは青虫よ」
「青虫?」
「蝶々の幼虫よ。それが蝶々になるのよ」
 蛾と蝶々を日本人はわけている。しかし、フランス人は分けていない。日本人は蝶々と蛾を区別したがる。蝶々はいいもので、蛾はよくないものだと思い込んでいる。これもお国柄の違いだろう。

「へぇー、これが。じゃー毛虫じゃないのね」
「そうよ。理科は得意なのに、虫ぎらいはママ似なのかなあ?」
 ママとユリカは夕日に染まる美しい花咲町を手袋山の展望台から見ていた。

「そうだ、お腹空いたでしょう」
 ママはユリカにピーナツのまじったチョコレートをくれた。

「ありがとう」
 ユリカは言って食べた。

 ユリカはむらさき色の部屋でも、こんなことがあったなぁーとふっと思った。
 お菓子を食べ終わると、こんなところにいるのもなんだからと思って、
「ママ、家に帰りましょう」
 とユリカは話した。

「ああ。そうだ、いい物を見つけたの」
「なに?」
「サメの歯の化石よ」
「えっ」
 ユリカは青色の部屋でのことを思い出していた。

「不思議だと思わない。こんな山あいが大昔は、海の底だったのよ。あの世界一といわれるエベレストも大昔は海の底だったらしいのよねえー」

 ママはそう話した。でも、海が空の世界にあったら、ママももっと不思議だと思うだろうなぁと、ユリカは思った。





閑話休題

地球というのにも歴史があって、

星というのにも、年齢があって、

人間はほんのひととき、

この世にいるんだけど。

そんな目でみていると、

人はだんだんよくなっているんだよ。

失敗や挫折をしても学んでいるわけだからね。

ジョン・レノンがどこかから、

まだ、そう応援してくれているような気がします。









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