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11 ユーカリの木の下で
31 進め!!ドンガンデン上
1.2. いつか見た空
3. ユーカリの木の下で
4.5. ゲキの河
6. おはよう
7. お好み八ちゃん
8 野球バカ
9 悪太郎
10 男なら勝利の歌を
1、2 広島カープ誕生物語
3 オキナワ
4.5.チンチン電車の詩
8.9.平和の鐘シリーズ
黒い雨にうたれて
黒い雨にうたれて
【アニメ】クロがいた夏
絵本クロがいた夏
どうわの もりへ むらさき色のピカ
かっ飛ばせ！ドリーマーズ－カープ誕生物語－
２０１１－８－５ ２０１１－８－１２ 合併号
２０１１－３．２７
草の根平和行進の道程
広島・原爆災害の爪跡
ヒロシマの記録－被爆50年写真集－
ドキュメンタリー原爆遺跡
核関連Web小説
もくじ
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もくじ
DV・虐待にさらされた子供のトラウマを癒す
Index
性犯罪被害にあうということ
加害者家族
仕事がうまくいくコミュニケーションの技術
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| VIII.黄色の部屋（虹の世界） Ｄ111.サーカスが見たい  「わたしね、これから、街でチラシを配っている人に会ったら、ぜったい受け取ってあげるんだ」 「用もないのに、受け取っては、ゴミになるだけだから、受け取らない人もいるんだよ」 「そんなことはわかっているわ。でも、私、ぜったい、受け取るんだ！」 ユリカは首を何度も振っていた。だって受け取ってもらうとうれしかったから、ユリカはそう思うのだった。 サーカスのテントのところにもどってきた。 「まじめに、仕事してくれたね。ご苦労様でした」 猛獣使いのピエロは、そう言ってお金を渡してくれた。 ユリカは、失敗ばかりしていたのにと思い、 「どうして、まじめにやってたかわかるの」 と尋ねた。 まさか、風にチラシを飛ばされているところを見たんじゃないでしょうねとユリカは思った。それなら恥ずかしい気もする。 「用事があったついでに見たんだ。ほら、10ポイントだ。これで、きみたち、サーカスが見られるってわけさ」 「やったー！ 大ダコ・セールのサーカスが見られるぞ」 カールは大喜びした。 「カール、これは、悪いけれど。バス賃にするわ」 「バス賃？」 カールは、しょんぼりとした。 「バスじゃなかったわねえ。でも、そんなものでしょう」 ユリカは話した。 「なんだ、サーカスは見ないのかい」 猛獣使いのピエロはがっかりしていた。 カールは、もじもじして 「サーカスはなんどきあるの？」 と知っているのにきいた。 ユリカはきっとカールがサーカスが見たいんだと思った。 「お金がいるよ」 猛獣使いのピエロは力なく笑った。 カールは、そんなことわかっているのにと、口をとんがらかせていた。 「サーカスを見るのにはいくらかかるのかしら」 ユリカはきいた。 「そのお金だけだよ」 「これは必要なお金なのよ」 そうは言ったものの、ユリカも辛かった。だって、ユリカだってサーカスを見たかったのである。 カールは、見たいのにつらいなあーと思っていた。 「じゃ、また金もうけをすればいいさ」 猛獣使いのピエロは笑っていた。 「えっ、何か仕事があるんですか？」 ユリカはまた仕事かと思うより、サーカスが見れるんだと思った。そうしたら、カールだって、きっと辛そうな顔はやめるだろうと思ったのである。 「あるとも。また働くのはつらいかもしれんがなあー」 「いいえ、そんなことはありません」 ユリカもやはりサーカスを見たかったのだ。大ダコのセールを見たかったのだ。何しろ、大ダコのセールとはユリカを助けてくれたヒーローなのだから、会いたい。 男の人は、屋台にユリカを連れて来た。そして、 「この風船を売ってくれ、大ダコのセールの風船で、とってもよく売れるんだ」 と説明した。 その風船は、ヤスにそっくりだと笑えてきたけれど、不真面目と思われたくないので、我慢した。 村人たちがサーカスに集まってきた。ユリカは、風船を売った。小さな男の子たちに大人気だった。 親につれられている子どもはおとなしいなとユリカは思ったが、それよりも何よりも算数の苦手なユリカにはお釣りを計算するのがやっかいだった。 「早くしてよ」 小さな子供に文句を言われる始末。それで、カールが助け舟をだす。
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