磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

後書き

2006年02月26日 | 【小説】 レインボー...
あとがき

『レインボー・ループ-魔法の粉-』が
一昨日終わりました。

読んでいただいて、
ありがとうございます。

この作品は17歳のころ、
考えた『虹の扉』という
作品を書き換えたものです。

ジョン・レノンが『不思議の国のアリス』が
好きだったというので、真剣に読んでしまって、
この作品が生れました。

ザ・ビートルズの
「ルーシ・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンド」に
『不思議のアリス』の影響があるそうです。

『レインボー・ループ-魔法の粉-』を
書き終わる前に、続編として、
ヤスとチャボ編のお笑いバージョンの
プロットを考えました。

でも、まだ一行も書いていません。(-_-;)



[レインボー・ループ]もくじ



おわりに

2006年02月25日 | 【小説】 レインボー...
XII.魔法かもしれない?


おわりに





 カールはときたま青虫になることが気にいった。
 雨がふったあとの野原で、葉っぱを食べるのがとても素敵なことに思えた。

「おっ、虹が出ている」

 虹を見て人は幸福を思い浮かべる。
 虹を超えていくことで、どこに幸せがあると思っている。
 虹の架け橋はそんな夢をみせてくれる。

 しかし、
 虹は空から見れば、虹の輪になっている。
 その輪のなかに生き物がいきている。
 そのなかに人間も生きている。

 今すんでいるところで、
 紫色の世界で生きている人たち、
 紺色の世界で、青色の世界で、……。
 いろんな環境で人は生きている。

 悲しみも大切な心、
 もし、あなたの愛する人が悲しんでいるとき、
 悲しみを知らなかったとしたら、どうやって、
 あなたは愛する人を励ますことができるだろうか……。





閑話休題

お話の小見出しのところに、
AとかBとかあったのをお気付きに
なられたでしょうか?

これは場面をあらわしています。
この話の構成はバームクーヘン型
という人もいるものです。

お話自体も鳥瞰図的にみれば、
そういう形になっていたのです。

見る場所によって、
それぞれ感じがかわるものですね。

富士山のこぶの話は有名ですが、
お互いの立場を理解できるように
努めたいものですね。

明日からはイースターのお話(中編)を、
20回します。





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[レインボー・ループ]もくじ



D159.いい魔法、わるい魔法

2006年02月24日 | 【小説】 レインボー...
XII.魔法かもしれない?


D159.いい魔法、わるい魔法





「調子が悪いのに、こんなきれいな景色がうつるなんて、ロマンチックね」
「この景色、どこかで、見たことがあるんだがなぁ」
 アゴに手をおく石井。

「ええ、どこなの。こんなきれいなところ、わたしも行きたいわ」
 桃子ははずむように話した。

 石井は、考えこんでいる。
「そうだ。これは大学時代に行ったことがある。埼玉県の田島ガ原というところだよ。田島ガ原だけにサクラソウの自生地があるそうだし、天然記念物に指定されているはずだよ」

「どこにあるの」
「昔でいう浦和市、浦和レッズのあるところだ。今は合併して「さいまた市」だね。だけど、花が咲くのは今ごろではないよ。サクラソウは四月ごろ咲く花だよ」

「四月ごろ咲く花がいまごろ咲くの。まるで魔法ね」
「魔法というよりも、録画だろうなあー」

「今度、あやちゃんと、パパとでピクニックに行きましょうね」
 桃子が言ったとき、テレビの画面は花でいっぱいになった。

「しかし、こんなにたくさん咲くものだろうかなあー」

 みどりの部屋のように黄色の花ではなく、ピンク色の本当のサクラソウの花で、画面はいっぱいになった。

 しばらく、サクラソウの花をながめてから桃子は微笑んで話す。
「兄貴、一人暮らしで大変ね。それじゃ兄貴、アキラとよく話しあうから、心配しないで」
 あやちゃんを抱いて、帰っていった。

 あやちゃんたちが帰ると、画面はいつものテレビ番組をうつしていた。リモコンにさわるといつもの通り、正確に作動した。

 もしかしたら、本当に魔法の粉があって、自分たちの身の上にも変化があったのかもと思った。

「そんな非科学的なことがあるわけないな、でも、もしかして魔法だとしたら、ピーチに“何でも叶う魔法の粉”がついていたのかもしれない」
 石井はひとりごとを言った。

 そして、石井は引き出しから『王様と乞食II』を取り出した。
「このゴールは、人への思いやりができる人物になったら、大人であって、『本当の王様』であるという結末だったなあー。桃子にプレゼントしてやるかあー」

 それから、キッチンに行ったが、ピーチのかけらも机の上にも流し台の上にもなかった。
「桃子が後かたずけまで、ちゃんとしていくなんて……。これは魔法としか考えられない!」

 石井は、心底、驚いていた。そして、こんなことをカールが言っていたのを思い出した。
『人間は魔法に夢を見るらしいね。でも、魔法使いにとっては、魔法はあるのだから、魔法にしかすぎない。魔法なんて、人間の科学みたいなものさ。でも、本当の魔法はあると思うね。ほら、子どものころ、こけた時、お母さんが、膝小僧の泥を払いのけて、薬をつけてくれて、『痛いの、痛いの、飛んで行け!』と言ってくれると、不思議なことに痛みが薄れただろう。これこそが魔法さ』

 頑固な魔法使いも認める正真正銘の魔法だなあーと石井は大笑いした。

 今はバーチャルリアリティと呼ばれる時代である。
 ないものもあるように、表現できる時代である。それも魔法のように思える。

 魔法にはよい魔法もあれば、悪い魔法もあるだろう。愛情のある魔法は人を幸せにするかもしれない。この人類の魔法もきっと使う人によって、その意味は変わることだろう。

 でも、現実を忘れては何にもならないだろうと思う。
 君の幸せは現実か、空想か、そんなこともわからなくってしまう人たちもいるのが、現代社会である。

 本当に魔法があるとしたら、魔法も空想でなく現実に起こることだろう。

 そして、今日あったことで、もし石井が魔法と認めることができるのは、桃子がしたことだけである。気まぐれに桃子はかたづけたという人がいるかもしれないが、桃子のことをよく知っている鈴木は、そんなことが100パーセントないことを知っている。

 そして、他はバーチャル・リアリティでも表現できることであるからである。
 鈴木は自分が現実に見たことだけを信じている。

 魔法はあったらいいと思うが、愛情のない魔法には気をつけたほうがいい。世の中には、ひどい人たちもいるのだということを、心にしよう。魔法使いにも悪い魔法使いがいるように……。

「でも、空想を楽しむことができるのは、人類だけだろうなあー。科学にも空想が必要なことなんだ。昔は空を飛ぶなんていったら、頭がおかしくなったの? って思われたが、ライト兄弟によって、空を飛ぶことができるようになった。それは、ライト兄弟の空想からはじまったことだし。環境問題を解決するのは、自然を大切にする科学だろうと思う」

 石井はコーヒーを口にした。
「新幹線もそうだったなあー。200キロ以上のスピードなら、空を飛ぶから不可能だといわれていた。今じゃ200キロ以上で走っているが、まだ新幹線は空を飛ぶまでにいたっていないなあー」

 そして笑った。
「空をとんだら困ることになるなあー」

 石井はPCに入力した。

 技術とはできないことも可能にしてしまう。
 しかし、その技術で今までに起こらなかった問題もおきてくる。
 今までの人類はよい部分しか見つめないでいた。悪いところも見なければ……。
 理性が大切だろう……。新しいものをつくりだしていくということは。




閑話休題

さいたま市を雑誌で
読みましたが、なかなか
素晴らしいところですね。

田島ケ原だけでなく、
いろいろな施設もあるし、
もちろん、浦和レッズがある
ところですね。

田島ヶ原桜草公園
さいたま市宇宙劇場



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A158.ハッカー?

2006年02月23日 | 【小説】 レインボー...
XII.魔法かもしれない?


A158.ハッカー?





 石井は桃子と、大切な話が終わった。
「このピーチとっても、おいしかったわ」

「そりゃ、故郷のおふくろが丹精こめてつくったピーチだもんな」
 桃子は微笑んだ。石井は、桃子に食事をきちんと摂らないといけないことも教えて、しっかりとヨーグルトも食べさせたのである。

「これ、あやにも食べさせたいわ」
 桃子はピーチをさわっていた。

「キッチン、使ってもいいぞ」
 石井は、リヴィングルームに行った。

 あやちゃんは、きゅうに人が来たので、びっくりした。また、あやちゃんが動いたので、リモコンが作動した。部屋はあい色に染まって、画面には星々がかがやいた。

 石井は床からリモコンを拾った。
「この機械、調子わるいなぁ。これじゃ、プラネタリウムじゃないか」
 桃子が、あやちゃんのためにピーチのジュースをつくって来た。

 桃子は穏やかに話す。
「あらー、感じいいじゃないの。家にプラネタリウムがあるなんて」
「そんな、つもりはないんだがな」

 石井は、ぼやいた。
 あやちゃんを抱いて、桃子が、ジュースを飲ませていると、部屋はみどりの草原になった。艶やかな緑色である。

「どうしのだろう」
 石井は、リモコンを操作したわけでもないのにと思った。

「どうかしたの」
 桃子が心配そうに石井を見ている。

 石井は、リモコンをもって、チャンネルをかえようとしたが、いくらスイッチを押しても、画面はかわらなかった。

「どうしたの」
「リモコンの調子も悪いんだ」

 石井は、これはもしかしたら、ウィルスのせいかなあと思った。すべてのモニターが、パソコンにつながって制御されている。このウィルスとはコンピューター・ウィルスのことで、パソコン通信やフロッピーから、ソフトウェアやハードウェアを破壊したり用事もないのに、鳩時計がなったりするようにするハッカーのしかけた悪だくみを言う。

しかし、正確にいえばハッカーではなくクラッカーなのだが、ハッカーの方が一般の人にはわかりやすい表現かもしれない。

 石井は、また新しい悪戯を考えたやつがいるのかも知れないが、これだけのことをインプトできるやつはぼくよりもコンピューターの知識があるやつだなぁと思った。誉める気はないが、技術力はあるってことだ。こんなの魔法じゃない、いや、技術力ではない。技術とは人を幸福にすることだと石井は思う。

 それにしても、機械にウィルスやワクチンなんて、機械はどんどん人間らしくなると石井は思った。そして、反対に、人間は機械みたいになっていくような奇妙さを感じていた。




閑話休題

どんどん人間も機械のように
なっていっているのでしょうか?

そんなわけがないから、
壊れてきているような気が
してなりません。


このお話ですが、
赤ちゃんもピーチについた、
魔法の粉で願いをかなえようと
しているのです。





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A157.科学が人を環境を痛めつける

2006年02月22日 | 【小説】 レインボー...
XII.魔法かもしれない?


A157.科学が人を環境を痛めつける





 素晴らしい“魔法”と思っていた科学が、僕らの情況を悪くしはじめたのだ。そして、有吉佐和子が『複合汚染』を書いた時代よりも、確実に環境汚染はひどくなってきている。

 アトピーの子供は増えているという。そして、癌の人たちも増えている。化学化合物が確実に遺伝子を痛めつけているというのである。

 しかし、田舎はやはり都会より自然がある。そう思える。しばらく、石井は、ぼんやり考えたあと「故郷の手袋山に行きたいなぁ」なんて、ポツリと言った。

 ピッポーン!
 チャイムがなった。
 ガッチャ、ガッチャ!
 ドアのノブを動かす音がした。

 はいはいしていたあやちゃんは止まり、それらの音をきいて、ここに来た最初のころのテレビを思い出した。それは、

『戦闘機がごう音をとどろかせ。
 プシュ。
 ミサイルが発射された。
 ドカーン!
 戦闘機が爆発した』
 と、いうものだった。

「ただいま」
 桃子が帰ってきた。石井はテレビのスイッチをきり、眉をつりあげて、にぎりこぶしをつくって、立ち上がった。

 後ろからはいはいをして、
「マンマ、マンマ」
 と、あやちゃんが続いた。

 テレビは部屋中をあい色にそめていた。外の景色もあい色だった。星たちが涙のようにふりそそいでいた。

 石井と桃子は、ダイニングでピーチを食べながら話し合っていた。

 リビィングのTVでは終戦記念の番組を放送していた。

 テレビの老人は、
「今はたいへん平和だ。物のありがたみもわからず、多くの人はダイエットブーム…」
 あやちゃんが、あい色に染まった部屋で、テレビのリモコンにのって遊んでいた。
 ガー・ピー! テレビは雑音を出し、ちがう放送をうつした。

「多くの子どもたちが、内戦の影響で、難民となって国から逃れ。今、×××の国境近くでは、コレラで何万人もの人々が死んでいます」
 死体と間違われて、生き埋めにされかけた子どもの大きなまん丸の黒い瞳が輝いていた。
 ガー・ピー

「陰湿ないじめは、少年を死においやった」
 ガー・ピー

「エリート学生は、そして、凶行におちいったったのでした……」
 ガー・ピー

「働き盛りの男性が首を吊って亡くなりました。またも、不思議なことに遺書がないのです。二歳の子供と生まれたばかりの赤ちゃんを残して、そんなこと考えられません!」
 ガー・ピー

「……昆虫農薬の会社ができました。益虫であるテントウムシを大量に飼育して農家に売り出します。益虫であるテントウムシは化学化合物の農薬とちがって、自然を利用したものであり、汚染の心配はないとのこと。それでいて害虫であるあぶら虫を食べてくれます」
 ガー・ピー

「有機農法に取り組む太田さん一家では、カモを飼育することをはじめました。わが岡本村では初めてのことです。カモは雑草を食べてくれるのです。これで雑草を抜く手間が減るというわけです。それに、カモが成長すれば、肉を食べることができるのです。ところが、太田さんはカモに愛着が生まれて殺すなんてとんでもないと怒っています」

 ガー・ピー
「ニニロッソ……、日本には1967年を皮切りに毎年のように来日し、いつかサンタ・クロース代わりに来日するのが常となり、そのたび収益を寄付したり、施設を訪問したり、トランペット教室を開いたり……」

 ガー・ピー
 ガー・ピー
 ガー・ピー
  ………(テレビの画面は細胞のようだ)。

 一つのあるいは多くの有機体を映しだしているのだ、それが地球という星を彩っているのだ。人知で、現在知られている生命の星は地球だけである。




閑話休題

アレルギーも若い世代ほど、
罹患している率が高い。

博物学には日本にはないといっても
いいほど、発達していないという。

アレルギーも昔より、
ひどいような気がしてなりません。

何度も書きますが、
よいところばかり見ないで、
予防原則を守ってもらいたい。

苦しんでいる人たちのことを、
忘れないでいただきたいものです。

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