ひとりで歩いてきた男の人が話しかけてきた。
「君、ラオス人?」
どこ見てだよ、オッサン。
たとえ暗がりのナンプーでも分かんだろ。
40歳くらいのファラン。
ひとりでここに来るってことは、間違いねぇな。
ちっ、ライバル出現かよ。 ←何のよ?
「日本人?」
そうですが何か?
と書きながらも、実は愛想よかった俺。
ひとりで座ってたからすることなくて、話し相手がほしかった。
ルアンから来たイギリス人の旅行者。
カメラマン、らしい。 ←信じず。
いきなり、
日本人の男は世界で一番美しい!とベラベラしゃべりだしてビビッた。
いつか日本に行っていろんな男の写真を撮りたい、と熱弁。
この流れだと・・・
とモテ自慢予定のはずが、
俺をホメることなく、俺を撮りたいと言うこともなく、目の前にいるのにバッサリ素通り。
あのー、俺に興味は? ←それはそれで傷つくらしい。
ルアンにものすごく男前の日本人がいたらしく、そのKって男の話が長い長い。
つーかオッサン、どうやって名前聞いたんだよ。
カフェでそのKって人が手紙だか日記を書いていて、ナナメ向かいに座ってずっと見ていた。
ってコワすぎんだろ、お前。
Kさんが帰ろうとした時に声をかけて名前を聞いた、らしい。
ただ名前を聞いただけで終わったのが残念だ・・・ って何を期待した?
そこまで言われるほどの日本人なら会ってみてぇわ。
翌日、偶然そのKさんに会った。
(特に何もないんですけどね。