セントラル・ワールド・プラザ(元ワートレ)の、ZENの前のイルミネーション☆
タイ人ってライトアップされた所で写真撮るの好きですよね。
このZEN前には巨大ツリー&パネル、それと噴水もあって、タイ人みんな撮影会。
ってことで、俺も友達と行ってきました~。 ←ノリノリじゃん!
ZEN前以外にも、向かいのゲイソン・プラザやペニンシュラ・ホテル前もキラキラです。
もちろん今も思っきしクリスマス・イルミ・・・。
そんなこと気にせず、光のある所で撮影するってのを楽しんでるようです。
ソイ・トワイライトにもミニ・ツリーが出てたよ~。
店からG君が早足で出て行くのが見える。 あぁ、もうダメだ・・・。
コケてるところを見られなかっただけでも、よかったと思おう。
出て行ったG君を見て、もう帰ることにした。 あの様子じゃもう店には戻って来ないだろうし。
最後にトイレに行く途中、店の入口付近でNが手を振ってる。
“さっきGに抱きつかれてよろめいたっしょ、見てたヨ” と身振り手振りで説明しながら楽しそうなN。
そして驚きの一言。
“Gはボクの兄ちゃんだヨ、似てるでしょ?” ・・・あ、似てると言えば、似てる。
けどG君のほうがもっとカッコイイ。 子供のようなNに対して、G君には青年の色気と魅力がある。
二人ともこの界隈じゃ目をひく美形であることは事実だけど。
Nと親しくなればG君のことをもっと知ることができる、G君と仲良くなりたい、近づきたい。
そんな安い考えでNの顔を見てしまう。
G君を追おうとする気持ちは、A君を別の誰かに映して求めてるようで、そんな自分を情けなく思う。
会いたいと思うだけで会いに行けずにいるのは、A君の今を現実として受け止めるのがツライから。
いっそ引退してどこか遠いところ、もう探すことができないところに行ってくれたら・・・
ウソ、俺の知らない場所には行かないでほしい。 会わなくてもいいから会えるところにいてほしい。
いつもいる場所が分かってるなら、それでいいから。
それでも、ココロとジカンは君を越えていくためにある。
それでも、結局何も変わってない。
A君じゃなかったところで、別の店では確実に働いてるしショーにも出てる。
頭では分かってるつもりなのに、まだ心で整理できてない。
考えてどうなることでもないのに、まだ何か自分の中で解決出来ないものを引きずってる。
不思議そうに顔をのぞきこんでくるEちゃん。
今日はビール飲んだし驚いて急に立ち上がったし客がみんな見てたし・・・ って、よく分からん説明。
本当の理由なんか友達には話せない。
ようやく笑えるようになってからでも、まだ心臓が早く動いていた。
今日はもう帰りたい気持ちと、Gってコにもう一度会ってみたい想いが絡み合ってる。
会ってどう、ってことはなくても、心の動揺の原因のコと話してみたかった。
着替え終わったG君がバーカウンターにいるNと話してる。 話しかけに、行ってみよう。
ステージ奥のカウンターへ向かう。
が次の瞬間、なんと二段しかない階段を踏み外してコケるというマジボケをかましてしまう。
カッコつけて髪なんか触りながら立ち上がったからこうなるんだ・・・。
アハハ、酔ってた~、みたいな三流芝居でさらなる恥の上塗りをしてしまうイタイ俺。
・・・ココ一番ってとこでハズレなことするんだよね、昔から。
どうやらめまいを起こしたらしい。
気付けばEちゃんに水を飲まされていた。
意識はあったし気付いてたけど、ただ反応できてなかっただけか。
“大丈夫”と繰り返し言ってたのをなんとなく覚えてる。
ステージから降りたG君はこっちに向かって歩いてきた。
微笑みながらまっすぐ歩いてくる。 そしてそのまま俺の席に来た。
2列目の、しかも奥の席に座ってた俺のところまで来るなんて、全く予想してなかった。
俺の席まで来て右手を差し出して握手を求めてきた。
そのまま手を引きながら抱え上げられて・・・ 抱きしめられたときに意識が飛んだ。
極度の緊張と驚いたせいか、瞬間的な呼吸困難になったらしい。
そのまま崩れるように席に落ちたときに打ったケツが痛かった。
その距離20cmで見たG君は・・・ 別人だった。
全てがA君によく似ていた、けど別人だった。
いろんな感情が自分の中に渦巻いて急激に弾け飛んだ感じ。 自分で制御できなかった。
やっぱ別れた相手と言ってもまだ気持ちは残ってる。 これはもうどうしようもない。
いつまでも情けないことを言うけど、俺にとってA君は今も特別な存在だから。
違う人だった、安心した。 よかった。 A君じゃなかった・・・。
ここでのショーは少し変わっていた。
終了後はダンサーの名前がひとりずつ呼ばれてステージに登場する。
そして客席に降りて誰か一人を選んで抱きしめたり股間をさわらせたりして場を盛り上げる。
客は歓声を上げたり抱きついたり、女の人は笑いながらも困ってたり、それを見てまわりは爆笑する。
もちろん俺にはそんなもんで笑ってる余裕はなかった。
Eちゃんと話すのも忘れ、ただステージにA君が出てくるのを待っていた。
どうしようもないけど、どうにかしたい。
確認してどうこう、ってことはなくても、このまま帰れるはずもない。
そろそろA君の出番のはず・・・ ジッとステージを見据える。
最後のほうになって・・・ 出てきた!
ダンサー君は名前を呼ばれて手を振りながら笑顔でステージに歩いてきた。
やはり名前はGと呼ばれていた。
G君はステージを降りるとこっちに向かって歩いてきた。
チャンスだ! もっと近くで顔を見てやる!
それでもまだ心のどこかでA君じゃないかもという細い期待が気持ちをつなぐ。
客を連れて歩いてきたウェイター君にダンサーの名前を聞く。
G、って言ったような気がする。 よく聞こえんかったけどAではなかった。
少し、ホッとした。
けどステージ名かも、もしかしたらゴーゴーで働くときに名前を変えたのかも。
もう別れた相手だ、ゴーゴーで働き始めたことも、ショーのダンサーをやってることも聞いてる。
なのに実際こうして見てしまうと息が苦しい、店全体に圧迫感を感じる。
見たくない、というよりも誰にも見てほしくない。 店中にそう叫びたい衝動。
早くショーが終わってほしい。 早くステージから消えてほしい。
そんなどうしようもない思いが、意味なく焦る自分の中で繰り返される。
ようやくショーが終わり、また別のショーが続いていった。