1時をまわった。 他に客はいない。 そろそろ閉店のようだ。
N君はR達と一緒に住んでるって言ってたから、たぶんこのままタクシーだろう。
他のコと一緒じゃN君だけを引き止めるわけにいかない・・・ 今日はここまでか。
N君と十分仲良くなれたってことで、初戦はこれでOKかな。
みんなに挨拶して立ち上がる。
お姉さんが何か言ってN君も立ち上がる。 見送ってくれるらしい。
N君と手をつないで外へ。 幸せのピークを迎えつつある。
そして扉のところで・・・ キスしてもらったーっ!!!!!
ホントに超軽く、唇にチュッって感じだったけど、俺は嬉しさのあまり破裂しそうになった!
N君はテレまくって笑いながら両手で顔を隠してる。
そのかわいらしさに俺は気絶しかけた。
男とキスするのは初めてだー、って恥ずかしそうにコロコロと笑ってる。
N君にはほんの遊びの、特に意味も気持ちもなくても、俺には夢のような瞬間だった。
この嬉しさで、この幸せに溢れた想いで、俺は世界中の人に優しくできると思ったね。
けど、これがN君と会った最初で最後の日になった。