当時、日本国内では、航空需要が年々高まる一方で、空港の処理能力や騒音問題などで安易に増便ができないという特殊事情を抱えていた。
ボーイング社は、高需要の短距離路線向けに特化したB747の派生型、-SR (Short Range・短距離)を、日本の航空会社に提案、それに応じてJALが発注、1973年10月、羽田―那覇路線に就航した。
空港へ乗り入れる便数を少なくする代わりに、一度に輸送できる旅客数(最大で550人)を多くするため、従来のB747-100を1~2時間程度の短距離飛行用に改良したのがSR型で、JALとANAの2社のみが、ボ社に発注した特殊仕様機である。
長距離飛行用の燃料タンクを撤去、離着陸を頻繁に行えるよう車輪を従来より強化、強力な冷却装置を取り付ける等の疲労破壊に備えた特殊加工が施された。
いよいよ国内線にも憧れのジャンボが飛ぶということで、私も羽田空港にかけつけ、ピカピカの新造機を目にし、その美しい巨体に惚れ惚れと見入っていたのを思い出す。
以降、JALのジャンボ機は急増し、遂には、世界一のジャンボユーザーになった。