日本航空(JAL)のエアバスA300-600Rが、本日、5月31日、青森から羽田へのJL1208便で最後の役割を終え引退した。
1991年7月、日本エアシステム(JAS)に導入され、羽田と地方空港を結ぶ路線を中心に、約20年間にわたり活躍してきた。
濃霧や雪など視界が悪くても着陸が可能な着陸方式「カテゴリーIII」(CAT-3)に対応できる高機能計器着陸装置を搭載し、短い滑走路での運用に適した冷却ファンを内蔵した強力なブレーキ、航空貨物用コンテナの積みやすい機体設計など、優れた性能をもった機体であった。
日本航空(JAL)の経営合理化のため、機種数の削減と小型化を柱としたJALの経営再建策の一環として退役が決定。当初は3月26日の鹿児島-羽田のフライト引退する予定となっていた。
しかし、東日本大震災で新幹線や仙台空港が被災。引退は延期され、東北地方の輸送力強化で青森、秋田などへ飛び、人や物資を運び続けた。
3月初旬のボーイング747-400ジャンボ機退役時のような記念イベントは震災のため中止され、異例のラストフライトで日本の空から姿を消すこととなった。