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-空から見るからこそ見えてくるものがある-

雲上を飛ぶ (41)

2010-03-25 | その他

日本で最も交通量の多い首都圏の空には、羽田や成田を利用する民間機だけでなく、米軍の横田基地や厚木基地、自衛隊の百里基地などを発着する軍用機が飛び交っている。
その首都圏の西の空には米軍横田基地が管制権を握る横田空域(ラプコン Rader Approach Control=レーダー管制空域)がある。

この国内最大の軍事空域のため、とくに羽田発の西行きの民間機は危険な飛行を強いられている。
例えば、羽田を離陸して、北陸、中国地方、北九州地域に向かう航空機は、東京湾上空で大きく旋回、急上昇し、高度を4,000m以上に上げてから、神奈川県座間市上空の横田空域の上を通過する。
また、地方から羽田に着陸する便も、この空域を南に迂回して大島、房総半島上空から進入しなければならない(大阪便に限っては、域内を一定高度で通過することが認められているが、徐々に高度を上げるのとは違って、域内通過後に急上昇しなくてはならない)。

つまり横田ラプコンがあるため、民間航空機は、羽田からの緩やかな上昇が難しく、急な上昇が燃料費の増加とパイロットの負担増につながっている。


横田ラプコンの南側、関東南空域は、羽田、成田などの空港の出発、到着機、アジアからアメリカ西海岸等に向かう通過機が錯綜し、一日の管制取り扱機数が400機を越える日本でも有数の過密空域である。


そして、2001年1月31日、日航機のニアミス事故は、この空域で発生した。




現在、2010年10月供用開始を目指し、羽田空港新滑走路(D滑走路)の建設が進められている。この新滑走路ができると、「年間発着能力」は現在の約1.4倍に増えるという。


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