Tenkuu Cafe - a view from above

ようこそ『天空の喫茶室』へ。

-空から見るからこそ見えてくるものがある-

Cafe belvedere - (31)

2014-07-27 | Cafe 


♪ 裏庭を抜けて お石の茶屋へ寄って

君がひとつ 僕が半分 梅ヶ枝餅を食べた ♪




太宰府の参道では小豆を、米粉の皮に包んで焼いた「梅ヶ枝餅」が売られている。

菅原道真が左遷され、榎寺で、毎日の食事にも事欠くという悲惨な暮らしぶりをしていたとき、安楽寺(太宰府天満宮)の門前で老婆(後の浄明尼)が餅を売っており、道真の境遇に同情し、元気を出して欲しいと餅を持参して、道真公を慰めたという。
後に、道真の死後、老婆が餅に梅の枝を添えて墓前に供えたという故事にならい「梅ヶ枝餅」と称されるようになった。



「お石茶屋」は、太宰府天満宮本殿裏側の北神苑にあり、明治32年生まれの先代女将、江崎イシさんが始めた茶店。

イシさんは、筑前三大美人のひとりで、「おイシしゃん」と親しみを込めて呼ばれ、当時の帝国大学の学生の人気の的であったという。皇族の高松宮殿下、詩人野口雨情、歌人吉井勇、佐藤栄作首相も度々訪れていたという。炭鉱王、麻生太吉は自宅から通いやすいようにとおイシしゃんのためにトンネルを掘ったといわれ、そのトンネルは今も使われている。おイシしゃんは、昭和51年に亡くなるまで独身を貫き、現在はおイシしゃんの姪が跡を継いでいる。