機は新潟県南西部、妙高高原上空を南下する。西側には、妙高山(2,454m)、火打山(2,462m)、焼山(2,400m)、雨飾山(1963m)、そしてはるかに北アルプス白馬連峰を臨む。このあたりから長野県北部にかけては、日本で最も火山が密集した地域といえる。
本州のほぼ中央に位置する諏訪湖は、糸魚川静岡構造線の断層運動によって地殻が引き裂かれて生じた断層湖である。有名な「御神渡り」は全面結氷した真冬の諏訪湖で起こる自然現象だが、諏訪大社上社の男神が下社の女神のもとへ渡る恋の道であるというロマンチックな言い伝えもある。
今日4月17日、富山県立山町と長野県大町市を結ぶ観光道路「立山黒部アルペンルート」が冬季閉鎖を終え全線開通した。北アルプスを横断した搭乗機は立山の弥陀ヶ原付近で室堂(2,450m)へ延びる曲線をとらえた。高さ10mを超えるこの雪の回廊を観光バスが縫うように走る。
長野県と山梨県の県境にある「八ヶ岳」は赤岳(2,899m)を最高峰とする八ヶ岳連峰の総称である。フォッサマグナの中央部に位置し、南北に弧状に連なる20以上の火山の噴火活動によって形成された火山群だ。南部の険しい山容に対して北部はなだらかな山々が連なる。
羽田を離陸して、およそ30分。機窓には、真っ白な雪を頂いた北アルプスの雄姿が現われた。何度も足を運んだ上高地や穂高の山々がまるで箱庭のように見える。四季折々すばらしい景色を見せてくれるこの地は上空から眺めても日本屈指の絶景である。