ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

今こそチャンス

2012-09-22 13:47:43 | Weblog
iPhone5、やはり気になる。

一番気になったのは、発売イベントの大盛り上がり。
予約待ちの人がいるなかで、「2つお願いします」とおねだりするタレントの能天気さも、
iPhoneのほとんどの部分は中国で作られていると知らずに、
「ほぼ中国製」のiPhoneを嬉々として手に入れつつ、「中国排除!」と言う人がいるあたり、
日本だなあ~と感じる。

まあ、私もiPhoneをはじめ、アップル製品を使って中国の悪口を
ネット上に書いている以上、他人のことは言えないのだが。

日本がなんでこんなに不景気なのか。
いろいろと理由はあると思うけど、
むかし国内でやっていた製造工場が、海外、主に中国に移転しているせいもあるだろう。
しかも、中国で安く生産して日本国内および欧米で売ることしか考えておらず、
中国人を単なる労働力としか見て来なかった企業が、
中国の人件費の高騰と、そのあいだ、まったく市場調査をしてこず、
結果、いま中国市場で伸び悩んでいることが、結構大きい。

確かに日本の製品は素晴らしい。
でもそのほとんどが、80年代に築かれた技術なり発想なりの上に立っている。
その後の30年間、日本人はそれをブラッシュアップして効率化することはした。
でも、新しい何かを、世界をリードする何かを生み出したか、というと、
それはほとんど成功していないように思う。

政府すら、そもそも土地は全て国有地という中国への対抗措置として、
くだんの島を「国有化する」という、意味不明なことをやってしまい、
完璧に論点がずれてしまうあたり、
もう、日本は、他国と対等に話ができるレベルにないと思う。
自分の中のルールにしばられるだけで、他人が何を求めているかなんて、
考えるだけの想像力がない。

上海では、日本の大学に留学した経験をもつ中国人と一緒に働く機会が多い。
多くは、日本留学中、コンビニやファストフードでアルバイトをしていた。
彼らは、日本の仕事というのは、すべてマニュアル化されていて、
マニュアルに書いてあることをやるのが仕事だと思っている。
せめて、水商売のアルバイトでもしていてくれたらよかったのに、と思う。
そのほうがよっぽど使いものになる。

きっと、日本人でも同じ状況になっているんだと思う。
仕事は、マニュアルなんてない必要なこと(喜ばれること)をやって、
それをブラッシュアップして、
それがシステム化されたときに、マニュアルとして整備していくものだと思う。

その対話を、日本の企業ではちゃんとやっているのだろうか。
「どうやったらいいんですか?」と聞かれ、「どうやったらいいと思う?」と聞き返す。

横並びが大好きな日本の企業が、
というよりも、お金を牛耳っている銀行と地方自治体が、
日本企業のこの先の中国展開をどのようにリードするか、非常に興味がある。

自信を持って言う。
絶対、ミスリードする。

いま、にわかにチャイナリスクに気がついてしまった日本本社の偉い人たち、
銀行や地方自治体がなんて言うかよりも、
そろそろデモも落ち着き始めているいま、自分の会社の中国支社なり工場なりを見に来い。
遠い日本の会議室で、文書の報告やテレビ報道だけを頼りに決めるのではなく、
自分の会社の将来を見極めに、絶対来い。

いまは、日本が変われるすごいチャンスの時期なんだから。