地酒屋のロックンロール日記

酒好き・音楽好きの仕事がらみと個人事をつらづらと・・・

平成20年9月25日(木) 曇のち晴  稲刈り

2008-09-25 20:11:36 | 会津娘レポート


会津娘 レポート  稲刈り in 2008 

米からはじまる酒造り

9月14日(日) 奇しくも「若手の会」と同じ日
会津若松 門田町では「会津娘」の収穫祭・無農薬栽培「五百万石」の
稲刈りが行われました。

 
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      ※画像提供 「植木屋商店」 サンクス! 

米作りから始める「酒造り」を実践する「会津娘」 高橋 亘
今回の「汚染米流通」をどう思ったのでしょうか。

では「あっ君」お願いします。

「会津娘るぽ」

日本酒は、お米と水から作られます。

よく目にする日本酒のコピーといえば
『厳選した(あるいは良質の)酒米と○○の名水で仕込んだ・・・』という
文句が浮かぶ方も多いかと思います。

日本酒の面白いところのひとつは、造り手によって酒質が決まるところであり、
誰が何処で、どんなオモイをもってお酒を仕込むのかが、
そのお酒にとって大切なアイデンティティとなります。

とはいえ、その酒質の基幹となるのはやはり原料である『米』『水』。

どのような酒を、自分たちは造りたいのか。
どのように呑んで頂きたいのか。

水との相性、蔵人の技量、蔵の方向性によって、米を選択します(酵母も然り)。

現在50種を超える数の酒造好適米が国内では栽培され、
酒造用原料として用いられており、新しい品種も年々開発されています。
かつての『山田錦絶対』といった価値観は過去のものとなりつつあり、
全国で、その土地々々、蔵々にあった米を選択し、
米の特質を生かした多様な味わいの酒が造られるようになりました。

もちろん、その中には酒造好適米だけではなく、
ササニシキ、コシヒカリ、日本晴等々、
いわゆる一般米も選択肢として当然あることでしょう。

酒造好適米の市場流通価格は品種によりますが
1俵14,000~19,000円前後が相場で(2007全農実績)、
より良質の酒米を求めれば当然入手も困難が増し
価格も前述の限りではありません。

そんななかで中小の酒蔵が進むべき方向性は・・・という問いに
全国の酒蔵は今もそれぞれ自分たちの信じる道を
自分たちの信じる方法でもって、ひた進んでいます。

そのひとつの成果が、先述した百花繚乱のごとき地酒文化となって
いまの時代花開いたことなのではないでしょうか。

そこには当然、そんな新たな和酒文化を支え、励まし、共に歩んできてくれた
販売店、料飲店、消費者があり、皆様の存在なくして今の日本酒はありえません。

当蔵も、自分たちにしかできない酒造りを求めて試行錯誤を重ねてきました。
会津の穀倉地帯に蔵を構え、自社田に囲まれた立地をいかし、
自家栽培米を中心とした地元産酒造好適米100%の純米酒造り。。

大切な主原料である酒米を自分たちで栽培し、ここでしか造れない酒を仕込み、
顔のみえる商売をしていきたいという私たちの仕事を支えてくれたのは
やはり酒販店、消費者の皆様でした。

もっとも、よりよい「酒米」を全国に求めて至高の酒を
自らの手で醸すという仕事はもちろん酒造りに携わるものとして
当然考えることであり、地酒の醍醐味のひとつで、
私の大好きなそんな蔵も数多くあります。

しかしいうところの『マーケティング理論』ではむしろよりコストパフォーマンスを
追求することのほうが大切な場合が多いでしょうし、
そのような酒蔵経営ももちろん否定するものではないと思います。

なんであれ、私たちが造るのは工業製品ではなく、
もちろん芸術品でもないでしょう。 

嗜好品ですが、なにより食品であり、何よりも安全と信頼であると考えます。
では、その安全を約束し、信頼に足る商品・蔵であるためには何が必要なのか、
今回の米の問題で改めて、和酒業界全体が問われているのではないでしょうか。

今回の件で私が懸念することのひとつが、和酒文化入り口に立とうとしている
消費者層の本格焼酎・日本酒敬遠です。

鳥インフルエンザ、狂牛病、食肉偽装等々、近年のさまざまな問題のたびに、
もともとあまり好んで食べてはいなかった消費者はそれぞれの問題をきっかけに
口にしなくなってしまった例がとても多いのではないでしょうか。

同じように、これからこの素晴らしい和酒の世界に迎えるべき人々の何割かが
おそらく今回の問題で和酒文化に背をむけてしまうとすれば、
それはとても寂しいです。

宮城県の名醸蔵、平孝酒造では8年もの歳月を掛けて
『山田錦』の父母種である『山田穂』『短稈渡船』という二品種を復活させ、
蔵元の「オモイ」をのせて商品化しました。

商品の詳しくははりきり企画部さまに譲るとして、
“ハート”とソフトが絶妙に合致したスバラシイ試みとスバラシイお酒です。

先頃縁あっていただいたこの2本の純米大吟醸『日高見』を飲みつくづく、
米から造られる日本酒の面白さと可能性を改めて強く感じました。

こんな素敵な和酒の世界を今トーンダウンさせてはいけません。

アプローチ方法は蔵それぞれですが、『米からのはじまる酒造り』、
(もうすでに全国各地で多くの蔵が取り組んでいます!)
改めて見直すよいきっかけにして、
ますます日本酒をおもしろい世界にしていければ!と、考えています。

ありがとう 「あっ君」

まもなく「会津娘 ひやおろし」入荷!

お酒は20歳になってから 「ひやおろし」は10月になってから!
熟成で味の乗ったお酒こそ「酒米」に対する最大の恩返しです。

 


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2 コメント

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Unknown (船木)
2008-09-27 03:59:17
いや~心に響きます。

昨日、つるしを買って飲みました。
旨い酒に言葉がいらないのに… 

そう思わせたこの事件!!

けどやっぱり危機こそ最大のチャンス
蔵元さんの思いをしっかりお客さんに伝え、もっともっと心底まで日本酒を楽しんで貰えるように底辺から頑張って行きます。

あと残り5日間 
今年のひやおろし 本当にたのしみっス
返信する
ひやおろし (はりきり企画部)
2008-09-29 18:53:19
マチダヤの「ひやおろし」はやっぱ違うわ!
と言って頂けるよう先鋭で行きます!

乞うご期待!!!!!
返信する

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