貴の一文~22年度の酒造りが始まりました。
酒造好適米の新米も入荷し始め、いよいよ仕込み第一次戦線です。
今年は米の出来が皆???? 心配しておりますがそのあたりどうなのでしょうか?
蔵元を代表して「貴」 たあぼに近況を報告してもらいました!
さぁ、今年も酒造りが始まりました。
まず、お米の話から行きますと、
今年は夏とくにお盆明けに30℃以上の日がずっと続いたために、
穂が出る時期や受粉する大切な時期に、高温障害といわれる症状が出てしまったようです。
どうなるかといいますと、今年の傾向としては腹白や乳白と言われる、お米の白っぽい部分が出ています。
そして、心白の部分が中央よりややずれているのが特徴だと言われています。
加えて、高温障害が出ると、お米は水を吸わなくなります。
ようするに、腹白や乳白でお米は精米時に割れるけど、
お米自体は本質的に硬いという理解不能な状態にあるのです。
さぁ~て、こういう場合はどうすればよいのでしょうか。。。
とにかく、こういう時こそお米と会話をするしかないです!!
我が尊敬する師匠、「喜久酔」の青島孝専務は
米が今年と似たような傾向にあった19酒造年度に静岡県新酒鑑評会において首席を取られました。
青島さん曰く、
「お米をじっと見てたらお米の目が水を吸っていく瞬間が見えるのだ」との事。
蔵人から蔵の標準汲水時間をはるかに超える時間に達したときに
「ここだっ!!」って感じたそうです。
昔、キャプテン翼に「ボールはともだち」という話がありますが、
まさに、「おこめはともだち」という思いで対話をしながら
造っていかなければならない年なんだと思います。
蔵の改良点といえば、まず、こちら
酒母室が冷蔵庫になりました。
酒母というのは、温度を上げたり下げたり2週間いろいろコントロールしながら
きちんと収まる場所に着地をさせてやって
もろみにバトンを引き継がなければなりません。
冷蔵庫にしたことで本当に思った酒母管理が出来るようになりました。
見た目的にも衛生的になりましたよ。
お米の品質の事ばかりは今年はどうする事もできませんが、
こういう年だからこそ、お米と向き合って高い品質のものが出来た時に
一つの酒造りの壁を越える事が出来るのかもしれません。
特に今年は辛口のお酒は造りやすいが、口当たりの柔らかい辛口を造るのがかなり難しいはず。
みなさんのご期待に沿える様頑張りたいと思います。
春にお会いできる日を楽しみにしております。
例のやつも「たあぼ」宜しく! 宿題ばかり増えてきたぞ!!!
はりきって仕込んで下さい!!!