地酒屋のロックンロール日記

酒好き・音楽好きの仕事がらみと個人事をつらづらと・・・

平成23年5月12日(金)  雨   篠峯 堺さん

2011-05-12 19:46:50 | 日本酒


篠峯(奈良) 今年の酒造りについて

仕込みを終えた蔵元の上京が増えてまいりました。
本日は「仙禽」ウスイ・ブラザーズ兄と昨日の反省会とこれからのお酒の打ち合わせ。
午後には「司牡丹」竹村社長が新作酒を持ってご来店。

奈良からは造りの苦労があまり体型に出ていない「篠峯」堺さんがご来店。



東京市場いかが?
 
では今年の「篠峯」の造りはいかが?

今年は37本の清酒と2本の濁酒を仕込みました。

10月1日より精米を開始し、途中何度か仕込みを切りながら、
最終火入れを4月28日に無事終えることが出来ました。

けが人も無く事故も無く無事酒造りを終えることが出来た事にまず、本当に感謝です。
3月11日以後、モチベーションを保ちながら
無心に酒造りをする事が難しい時期もありましたが、
根気強く、粘り強く、丁寧に、丹念に造り上げる事が出来ました。

ここ最近のテーマですが、酒は造るが味を作り過ぎないをモットーに
美味しいお酒になるように、酒造りが出来ました。



「今年の特徴~米」

今年は、北海道産吟風、富山県産五百万石、富山県産雄山錦、

奈良県産山田錦、兵庫県産山田錦、兵庫県産愛山、岡山県産雄町、
岡山県産山田錦、広島県産八反三五号のお米を使いました。

既に言われていることですが、硬く溶けにくい米でしたので、
例年より2~3%多く吸水させて仕込みましたが、粕歩合が3~4%多い
造りになりました。
当初、心配していたより上質であり特に雄町のお酒については良い出来になりました。

今後酒造りを続けていく上で、非常に良い経験になりました。

このような年のお米で出来たお酒を飲む機会はそうそう無いと思いますので、
しっかりと沢山お飲み頂きたいと思います。



「今年の一押し!」

正直、全ての仕込みが素晴らしくそれぞれに満足頂けるお酒ですが、
特に「櫛羅純米吟醸」の出来は造り手からすると満点に近いです。

派手さは無くクラシックな味わいのタイプですが、そこはかとなくバランスを超越した旨味があって、
お酒を知っている方ほど満足頂けると思います。

後は、今年から赤磐雄町に変わった「凛々」、初めて7号酵母を使用して雄町で醸した「辛々」は是非飲んで頂きたいなと思います。

来年も頑張らなくちゃ。と言うのが正直今の気持ちです。

 

「被災した蔵元様へ」

今回の地震やその被害は我が身に置き換えて考える事が出来ない、想像を絶する事です。

ただ、人間の強さを信じて復興されることをお待ちするばかりです。

義援金などで僅かばかりの支援の活動もさせて頂いていますが、
信念があれば物事は動かせていけると思いますので頑張って下さい。

皆さん言われていることですが、私たちに出来るのは、
その時までにもっと素晴らしい日本酒業界、
いえいえ素晴らしい日本に出来るように頑張る事だけ。

良い日本酒(地酒)にはその力があると信じて!!


奈良のお酒も是非 お試し下さい。