地酒屋のロックンロール日記

酒好き・音楽好きの仕事がらみと個人事をつらづらと・・・

平成21年8月19日(水)  晴れ  貴の一文

2009-08-19 15:07:18 | 貴の一文


帰ってきた「貴の一文」

売れっ子になりすぎてローカル中野村にも戻って来なくなった「貴」たあぼ・・・・
命の洗濯に久しぶりに帰省です。

  

【貴の考える「ひやおろし」とは?】

シンプルに言えば「ひやおろし」=「秋」です。
いわゆる「冷酒」ではなく「ひや」=「常温」から始まり温めの燗で
楽しみながら秋刀魚と徳利に入ったお酒でかっこよく呑むのが
「ひやおろし」のスマートな楽しみ方だと思います。

そして、蔵元もきちんと夏を越して味の乗った純米酒を
呑みきりで味のりをチェックして旨味のバランスを考えて出荷を開始するのが理想だと思います。

重陽の節句は「旧暦の9月9日」すなわち10月20日前後です。
もちろん、私が他の蔵の出荷に関してどうこう言う立場にはありませんが、「暑さ寒さも彼岸まで」

是非とも彼岸を越えて涼しくなってきた時に呑む「ひや=常温」でおいしい
お酒(燗もOK)こそ「ひやおろし」であってほしいとおもいます。


【今年のひやおろしの酒質について】

19酒蔵年度はお米が硬く正直味乗りの良くない年でしたが、
20酒蔵年度(今年の秋に出荷するお酒)は山田錦の品質も良く、
ほっくりとした旨味の乗った酒質になっております。

お酒は冷たい温度では、のど越しは良くなりますが個性が消えます。
お酒の味のよさが一番分かるのは再三言ってますが「ひや」です。
そして、45℃程度の燗酒がそのお酒の良さをより引き出します。
是非とも20BYはお米の面からも良いビンテージイヤーだと思いますので、
心からお薦めいたします。


【フランスへ行って感じたこと】

6月20日から29日までフランスのドメーヌを12蔵回ってきました。
そのすべてが「自然派」とよばれるスタイルをされてる蔵でした。

酸化防止剤をほとんど加えることが出来ない制約を自ら課すため、
例えば、あるブルゴーニュの蔵ではスポイトで抜いた樽はすべてマーキングを行い、補液(ワインを加える)を行なっていました。
ワインが一番酸化する果汁をプレスして発酵が始まるまでも、
炭酸ガスを充填するなど「酸化」にシビアに対応してました。

あっ・・・日本酒の「老香」も「生老香」もその多くは「酸化」に起因します。
近年私の蔵もそのほとんどが「瓶貯蔵」でタンク貯蔵はほとんどしていません。
タンク貯蔵では、一杯にお酒が入っていれば良いのですが、
一旦お酒を抜くとそこから「酸化」が始まってしまうのです。

ワインのように「樽貯蔵」を行なわない日本酒では、
300~400Lの貯蔵密閉容器を開発しない限りは瓶貯蔵しない限り酸化が起こってしまいます。

そして、近年多くの方がこの「酸化」から来る香りを好ましくない香りと判断しているように思います。
(もちろん、熟成酒の中にも素晴らしいものはありますが、
ここでの定義とは違うのでその点はご了承下さい)。

お酒は決して「若いからおいしい」わけではありません。
ただ、「酸化」をさせない状態で瓶詰めてじんわり空気と触れながら
秋に花開く瞬間を待ちわびている「ひやおろし」を是非ともおたのしみ
いただければとおもいます。

【言い訳・・・・】

最近、熟成という事をここで書いておきながら「貴」は20BYばかりという
ご指摘を頂戴しておりますので、もう少し「熟成」という事も視野にいれた
出荷管理を検討していきます。。。すみません。。。


9月27日(日)は味ノマチダヤ「ひやおろし試飲会」です。


「貴の一文」のあと味ノマチダヤ ワイン試飲会に軽く参加

  

本日の修行部屋は 西新宿 「菊うら」さんへ

次々と出てくるおいしい料理と次々と出てくる勉強酒に
恒例の熊手をバックに記念撮影も2次会への誘いも不可能なほどの眠りに・・・


今宵もかなり早めに撃沈です。。。。  とほほ・・・

  
  

30代前半にはとても見えない・・・ とほほ・・・  早く嫁取りを