久々の投稿です。
道を歩いていると、とあるお宅のお庭で見事なユリが咲いていました。清楚で気高く、凛とした貴婦人のようなたたずまいでした。ユリの姿は地に咲く姿が一番美しいと感じます。
今回の作品はユリです。
"オパール”と呼ばれる乳白色の生地に、瑠璃色のガラスが被せてあります。コロンとしたかわいい形の花瓶です。
花を飾る器に、具象的な花の柄を彫るのってどうなんだろう?花を生けたら、ケンカするんじゃないだろうか?などと思うこともあるのですが、そんな心配はまったく野暮なことで、花を彫った器は、花器としてではなく、絵画のようにそのまま飾って眺めればよいのでしょう。
瑠璃色はグラデーションを出すのが難しいのですが、今回は色生地が薄くもなく厚くもなくいい感じにかかっていて、なんとか色を飛ばさずに優しい感じに仕上がりました。同じ色でも、パーっと一瞬で色が飛んでしまいグラデにならない生地もあれば、思い通りに濃淡が出せる生地もあるようです。色生地に使う材料の配合や品質が違うのでしょうか・・・・。
彫ってみて初めて素材の癖や性格を知り、どうつきあったらよいだろう?とじっくり生地と対話しながら作業を進める。そんな過程もサンドブラスト工芸の面白いところかもしれません。