私は、作ること以上に好きなのが、綺麗なジュエリーを鑑賞することです。アンティークジュエリーを常設展示している美術館があるとか、ジュエリーが特別展示される美術展があると聞けば、すぐさま馳せ参じています。
でも、ジュエリーショップは・・・・・、ゆっくりと鑑賞する場所ではありませんね。小心者の私は、買う気がないのに、がっつり穴が開くほど商品を見ているのは、そもそも失礼ですし、”この女、スパイ?”と思われても仕方がないですし、どうも気が引けてしまいます。
さて、数年前までは、毎年、だいたいこの時期(クリスマス商戦シーズン)になると、ジュエリーのムック本が発刊されていました。私は、このムック本が出るのが非常に楽しみでして、本屋さんで見つけ次第、必ず買って、ニマニマと何度も何度も鑑賞していました。2002年くらいから、かれこれ20冊以上は買いましたでしょうか・・・。複数の出版社から出てましたしね。
でも、最近はあまりジュエリーだけの雑誌は見かけなくなってしまったようで、とても残念です。でも、あきらめきれず、”あるかもしれない”と未練タラタラと本屋さんを通るたびに物色しています。普通の女性ファッション誌では、ジュエリーやアクセサリーは、ほんのおまけ程度の扱いなので、買ってまで見たいと思わないですし、やはりジュエリーだけの雑誌があったらなぁと思います。
私の本棚は、そうした過去に買ったジュエリー雑誌でいっぱいになっていましたが、このほど、新たなスペースを作る必要が出てきたので、古いジュエリー雑誌を処分することにしました。
捨てる前に、1冊1冊、ていねいに眺めなおしました。当時の時代背景を反映するかのように、ジュエリーの流行の移り変わりを振り返るかのようで、大変楽しい作業です。 ジュエリーはとくに経済状況に左右される商品なので、デザインもその影響を少なからず受けていることがうかがわれます。
そして、眺めた後は・・・・・。カタログでも雑誌でも、ジュエリー関係の資料を処分する際に、私がいつもしていることは、印象に残ったジュエリーの写真や記事を切り抜いてスクラップしていることです。こうしておけば、本を捨ててしまった後も、このスクラップブックは、私のお気入りジュエリーの写真集のような感覚で、後から楽しく閲覧することができます。
最近、さらに発展して、このジュエリー作品鑑賞に新たな愉しみを見つけました。(・・というか、こんな簡単なことに今まで気づかなかったなんて・・・)
たとえば、このアンティークジュエリーのページ。どういう作りになっているんだろう、と思って、いくら本を目に近づけても(笑)細かいところまではよく見えません。
デジカメで拡大したい被写体を接写し、その画像をパソコンで拡大表示してみると、目視では見えない構造や作りの詳細部分まで浮かび上がってきて、新鮮な驚きと感動を覚えます。
『へぇ、こうなってたんだー!』 『うわーー、こまかーい!』
こうして、”なんちゃってルーペ”で観察すると、アンティーク・ジュエリーの作品は、とくに興奮を覚えます。
電気もなく、また高度な工具や機械類も存在しなかった時代、人間業とは思えない非常に精巧な細工を施す技術を見るにつけて、昔の宝飾職人さんはスゴかったと思います。
王室御用達のジュエリーは、何ヶ月もかけて丁寧に丁寧に造られたのでしょう。また、門外不出の工法であったために、後継者がいなくて今ではすっかり途絶えてしまった工法もあるのでしょう。
パソコンで細部を観察していると、いろいろな思いが巡り、時間が経つのをすっかり忘れてしまいます。