つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

半ドンの思い出。

2016年01月09日 21時32分50秒 | これは昭和と言えるだろう。
僕には、オランダ・アムステルダム在住の知り合いがいる。
僕よりも年長で、人生の師と尊敬している方だ。
去年、その人が、ご家族連れで一時帰国した際、ご一緒する機会があった。
楽しい四方山話の中で「半ドン」の話題が出た折、
【半ドンのドンは、オランダ語の日曜日や休日を意味する言葉、
 「ゾンターク」が「ドンタク」に変化したもの。 
 一日の半分が休み、半分ドンタク、半ドンになった。】と教えてもらった。
ネットで「半ドン」の由来を調べてみると、確かに有力な説らしい。

ご存知だろうか?「半ドン」。
平成生まれは馴染みがないだろうが、
90年代初頭、国家公務員の完全週休二日制が始まるまで、
世の中は土曜日半休の「半ドン」が一般的だった。
公立の学校も同じ。
土曜日の授業は午前で終わり、弁当を食べて、午後からは部活動。
日が暮れる頃、帰宅の途に就くのがスタンダードなサイクルである。

何故、こんな書き出しになったのかというと、
今日午後イチの散歩で、部活帰りらしい女子中学生とすれ違ったからだ。

交わす話の内容は分からないが、仲睦まじく歩く様子は、無邪気で屈託がない。
後姿を見送りつつ、彼女たちと同年代だった頃を思い出した。
半ドンの開放感に浸りながら、同じ道を歩いていた自分を。

独りで帰る時に口ずさんだのは流行歌。
「夢追い酒」「ガンダーラ」「チャンピオン」、
「ダンシング・オールナイト」に「異邦人」、
♪今のキミはピカピカに光ってぇ~などと歌いながら、
「宮崎美子」の眩しいビキニ姿を思い浮かべた。

誰かと一緒の時は、お喋りに花が咲いた。
一億円拾った人が羨ましいだの、 宝くじの一等が5,000万円になっただの、
日本がモスクワ五輪をボイコットしてつまらないが、コマネチは相変わらず綺麗だとか、
百恵ちゃんが結婚したとか、ジョン・レノンが殺されショックだとか…。
今よりも道幅が狭く、賑やかだった商店街を歩きながら、
他愛なく取り留めのないやり取りをしていた違いない。
それは、幸せな時間だった。

肩から下げた、白い帆布製(ズック生地)鞄の中には、
セーラー服やガクラン姿で鉢巻を巻いた猫の下敷きが入っていた。

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