今年も「桜の季節」がやって来た。
2023年の開花テンポは統計開始以来、記録に残る早さだという。
わが津幡町のそれは、今投稿の2日前・3月23日に開花宣言。
現状はまだチラホラといったところだ。
東京、京都、高知あたりでは既に満開と聞くが、
拙ブログをご覧の皆さまがお住まいの地域はいかがだろうか?
春の到来を告げる桜はエンターテイメントの要素もある。
「お花見」だ。
その始まりとされるのは、花の咲き方で豊作を占っていた奈良時代の農耕行事。
最初は梅の花が主流だったが、梅は大陸から渡来した外来種。
平安時代になると日本の固有種・桜を愛でるようになる。
江戸末期に“桜界のスーパースター”「染井吉野」が登場。
園芸家が人為的に造り出したとも、自然交配によって生まれたとも言われるが定かではない。
ともかく、花だけが先行する華やかさがウケ、明治時代に花見の主役となった。
以来、各所で観桜会が催されているのはご存じの通りである。
津幡町・能瀬(のせ)では、4月9日(日)に「桜まつり」を予定。
僕はまだ観覧したことがない。
今年こそはと思っている。
能瀬から場所を移したところで、一足早く咲き誇る桜を発見。
これも染井吉野。
花の色は淡紅より白に近く、年月を経たベテランさんかもしれない。
早咲きな理由は分からないが、ともかくお陰で楽しませてもらった。
染井吉野の花芽は、真冬の寒さに一定期間さらされることで休眠から目覚め、
その後の気温上昇につれて開花する。
今年の開花時期が早まったのは、地球温暖化の影響もあるとかないとか。
温暖化が進み、目覚めに必要な寒冷が不足すると花の営みも変化するかもしれない。
そんな事を考えながら目を落とすと、大地から土筆が伸びる。
跪いてシャッターを切っていると、上空から鳴き声が聞こえた。
「グワッ、グワッ」
「カァン」
体の上面、翼の上面はうすく黒味のある灰色、下面が白っぽい。
アオサギのようだ。
大きな鳥が空を往く。
花が咲き、草萌えいずる。
まだ少しだけ肌寒いが物静かな冬に比べ、春は賑やかなのである。