つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町に捨てられた、鉄の竜騎兵。

2010年09月06日 07時21分18秒 | 日記
扉絵の前。
ファーストシーンは、雨に打たれた鉄の馬。
そして、漫画「鉄の竜騎兵」は、こんなストーリーテリングから始まる。

『ここはゼラバンカ、レイテの古戦場。
 今ではゼラバンカの草原に足を踏み入れる者は稀にしかいない。
 耳を澄ます時、どこからともなく2人の男の雄々しく無残な運命を語る
 つぶやきが聞こえてくる。
 ここで、このエンジンが鼓動を止めてから、もう50年近い歳月が流れた。
 全ては永遠の眠りにつき、赤錆びた機銃は二度と火を吹く事はないのだ。
 雨に打たれ、風にさらされ、焼けつく太陽に照らされながら、そのエンジンは語る。
 あの二人の男の鉄と血の物語を。』

軍用バイク“陸王”に跨がり、米軍の飛行場をゴールと決めて、
命を賭けた最後のレースへ向かう男の最期を描いた「鉄の竜騎兵」。
1970年代「週間少年サンデー」に連載されていた「松本零士」の作品である。

小学生の頃、僕は、この話を含めた「戦場まんがシリーズ」が大好きだった。
夢潰えるであろうラストを予感させる幕開け。
物語の舞台は戦場という特殊な環境。
全体的に暗いトーンに包まれたストーリー展開。
その中で燃え上がる一瞬の輝き。
そして、予感通りのアンハッピーエンド。
読み終えると心に哀切の余韻が残り、戦争や人生について考えてしまう。
「松本零士」と聞くと「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」を
代表作に挙げる方も多いと思うが、その根底にあるのが戦場まんがシリーズだと思う。

「今日の一枚」…津幡町の片隅に打ち捨てられ、夏草に覆われた単車を見て、
久しぶりに読みたくなった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本津幡駅、往時を偲ぶサイン... | トップ | 津幡四ツ角に立つ道標。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿