ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)23日の米国債市場では、2年債を除くすべての年限が4営業日連続で下落し、
利回りが今年の最高水準へ上昇する動きを後押しした。
最近相次いで発表される好調な米経済指標に加えて、欧州発の悪材料がないことが、過去数営業日にわたり安全
逃避先である米国債市場を圧迫してきた。このような変化は、高リスクの持ち高を抱えるとともにより高い投資
収益を求める意欲が新たに浮上し、投資家が低利回りの米国債から資金を引き揚げることを意味する。
多くのアナリストの見通し通り、ギリシャと民間債権者との間で合意達成に至らなかったにもかかわらず、市場
参加者はこの日も楽観的な見方をとり続けた。現在欧州債務危機の中心にある、ギリシャの財務省のある高官は
23日、同国は2月13日までに債権者に対して正式な債券交換の提示を行うことを目指していると述べた。
「このような期待感と国内要素が最近の一連の指標改善と組み合わさる中で」米国債は下落したと、クレディ・
アグリコールのストラテジスト、オーランド・グリーン氏は述べた。「当社では利回りの上昇を予想している」
と語った。
23日に下落したことで、昨年10月初め以降では最長の下落相場となった。昨年10月初めは、市場参加者が欧州債
務危機の解決に向けた欧州指導者の決意を確信する一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)が「オペレーション・
ツイスト」(ツイスト・オペ)と呼ばれる刺激策を通じて米国経済の支援を始めた時期だ。
DBプライベートウェルス・マネジメントの債券取引ヘッド、ゲイリー・ポラック氏は、米国債は徐々により魅力
的な水準に近づきつつあり、買いの好機として2.1%~2.15%近辺の10年債利回りに注目していると述べた。「欧
州全体では依然として多くの不透明感がある」と述べ、驚くようなユーロ圏関連の報道が1つ浮上するだけで、米
国債価格の下げはすぐに解消される可能性があるとし、そのほか多くのアナリストと同様の警告を発した。
価格 前日比 利回り
2年債 99 25/32 + 1/32 0.238%
5年債 99 28/32 - 1/32 0.901%
10年債 99 15/32 - 7/32 2.058%
30年債 99 25/32 -21/32 3.135%
(米東部時間23日午後5時)
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