(ウォール・ストリート・ジャーナル)米ゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)は最近、ニューヨーク連銀
が2008年に米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(NYSE:AIG)を救済した際に取得した数十億ドル規模のリスクの高い住宅ローン担保証券(MBS)の購入を打診した。
関係者の話で明らかになった。
打診を受けてニューヨーク連銀は水面下で複数の証券会社に接触。
ゴールドマンの提示額が最も高いかどうかを見極めるため、対抗案提出を求めたという。
こうした動きは非公開で進められるはずだったが、ニューヨーク連銀が「メイデン・レーン2」と呼ばれるポートフォリオに含まれるこうしたMBSの追加売却を検討していることが一部市場関係者に伝わり、12日のサブプライ
ムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)債券市場では混乱が生じた。サブプライムローン証券の価格に連動する指数は額面1ドル当たり2%下げて47セント前後となった。同指数は今月に入り、10%近く上昇していた。
関係者によると、ゴールドマンが取得を希望しているのは、未返済元本残高が200億ドル近くに上るMBSポートフォリオの約3分の1。提示額は不明だが、メイデン・レーン2のMBSの昨年9月末時点における平均価格は額面1ドル当たり47セント前後であり、ゴールドマンは30億ドル程度を支払う意向であることも考えられる。
ニューヨーク連銀は、十分な価値が得られる場合のみMBSを売却するとこれまでに述べており、ゴールドマンな
どの証券会社による取得が実現するかは不透明だ。
ニューヨーク連銀は昨年、メイデン・レーン2に含まれる個別のMBSの入札を実施したが、これにより4月から6月にかけて一部MBSの市場価格が下落するという影響が出たとディーラーらは指摘している。額面100億ドル前後の売却を終えた6月には、当時の市況を理由に入札を中止した。
関係者の話では、ニューヨーク連銀がこうした個別のMBSの入札を再開する計画はないという。
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