リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

66. エルケさんの笑顔

2017年04月30日 | 旅行

2016年・ドイツ14回目の旅 No.30


    

   ヴァルトブルク城のオーヴ 左は図書館 右は何の部屋のドアだったか忘れてしまいましたが、家に帰ってパソコンで写真を見たらたくさんのオーヴが映り込んでいたので驚きました。


◆10月30日(日) エルケさんの笑顔 12490歩

  今日からドイツは冬時間。間違えないように昨日エルケさんに腕時計を直しておいてもらったので安心です。朝食用に買い物に出たのですが、日曜日の朝で、どこも閉まっていました。仕方がないのであちらこちらでいただいたお菓子や残っていたパンで軽い朝食。
 9時にホテル前に出るとちょうどエルケさんの車が停まっていました。ヴァルトブルク城に向かう道はまだ早いので混んでいませんでした。(帰るときには道路が混んで、ヴァルトブルク城への入り口は閉鎖されていました。)空いているところを探して駐車、細い階段を上がります。エルケさんも体調が整わず、今まで見たことが無い苦しそうな様子に胸が痛みました。

 それでも元同僚と会うと以前の笑顔がパーッと戻ってきて、お城にいる間は以前のエルケさんのようにエネルギーに満ち溢れていました。彼女がこの地から離れられない気持ちが心の底から理解できました。マルティン・ルターの部屋、歌合戦の間、リーメンシュナイダーの彫刻などをもう一度見て回り、一緒にコンサートを聴いたこと、庭でワインパーティーを開いてもらったことなど、たくさんの思い出を語りながら歩きました。2017年には宗教改革500年を迎えるということで、ますますヴァルトブルク城の訪問者も増えるようです。私が写したルターの部屋近くの図書室の写真(頁のトップ・左)には、たくさんのオーヴ(写真などに映り込む、小さな水滴の様な光球)が映り込んでいて、何かルターが残した精神も高揚しているのかもしれないと思えるほどでした。


       

                ルターの書いた手紙                                ヴァルトブルク城

 ヴァルトブルク城に別れを告げ、夜また迎えに来てくれるというエルケさんがホテルまで送ってくれました。ここからは私の目的の一つ、ゴータという街にある城美術館までリーメンシュナイダーの弟子に当たるペーター・デル(父)のレリーフを見に行くのです。
  アイゼナハからゴータまでは列車で30分。駅は小さくて質素でしたが町はなかなか大きく、歴史のある町のようでした。しかし、残念ながら美術館では探しても尋ねても結局ペーター・デル(父)の作品を見付けることができず、どっと疲れが出ました。


  夜はエルケさんが思いがけず丘の上のホテルに夕食を予約してくれていました。ウヴェさんが疲れているようだからと。でも、いつ引っ越しがあるかわからない中で散財させるのは内心とても辛く思いました。喜んでお食事に呼ばれるのが彼女にとっては一番嬉しいことのはずですが、私は量をあまりたくさん食べられないのです。その分、三津夫があまり口に合わないものを頼んでしまったようでしたが頑張って食べてくれて、少し気持ちが治まりました。
 ホテルの前で彼女の今後の幸運を祈って、握った手に私のエネルギーを込めてお別れしました。
 ※2017年2月末、大家さんから今後も住んでいいというお話があったそうです。息子さんは別のところに住むことになったとのことでした。本当に嬉しいニュースでした。

  ※ このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA

コメント
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