梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

「つまらない人生だった」

2018-01-10 16:01:09 | 日記
「孤独死の予感」の次は「つまらない人生だった」・・・。何だか夢も希望も無いタイトルが続きますが、この際ですので続けて書いてしまいます。
 新人教師だった頃、私と仲良くしてくれた人がいました。学年的には同じですが、教師歴は私の方が一年先輩でした。彼については未だに解けない謎があります。それは、異常なまでに女生徒からも女教師からも、人気が無かったことでした。私はと言えば、毎朝早く登校して始業のベルが鳴るまで私の席の横で話し込んでいく女子がいたり、廊下で好意溢れるちょっかいを出して来る女子がいたり、相思相愛をうわさされる女子がいたり、新人男性教師としてはまあ、有り得るレベルだったのでした。後には私が既婚者だと知って、未婚なら自分がお嫁に行って面倒見てあげられたのに・・・と、ふくれっ面で言いに来た女子もいました。

 先述の男性教師を仮にKさんとしておきましょう。失礼ながらそのもてなさぶりは異様なほどで、恐らく私の人生で出会った中で、最も女生徒は縁遠い人だったのではないかと思います。あまりの人気の無さに、ある日私は先輩の女性教師に尋ねたことがあります。

「先生、Kさんがどうしてあんなに女子から敬遠されるのか、私にはどうしても理解できないのですが?」

答えはただ一言、

「私は分かります。」

でした。恐らくは女性一般を遠ざけてしまう何かを彼が持ち合わせていたのではないかと思いますが、男である私には、それが一体何なのか、よく分からないことだったのです。今でもその原因はよく分かりません。私から見て実にくだらないと思われる男が案外人気があったりしますし、女性からの男性観というものがよくわからないのです。あるいは私が男ばかり4人兄弟の中で育ったことが原因なのかもしれません。

 彼も自分が女性にもてないという事は自覚しているので、彼なりに女性に対して気を使った対応はするのですが、不器用なのか、それが相手に媚びているように見えたりする時があって、私の目にもこれでは難しいのではないかと思わせました。

 もっとも私も女生徒からは人気が無いと信じている同僚もいて、別の勤務先で、一番もてないと言われていた同僚から、「梅さんなら分かると思うけど・・・」と相談めいた話を持ち掛けられたこともありました。Kさんが私と特に親しくしてくれたのは、私も自分と同じように女生徒に不人気なのだと思われていたからなのかもしれません。

 そんなKさんは、その後も一向に女性とは縁が無く、途中で若い中国人女性と婚約してルンルンだという年賀状を貰ったこともありますが、案の定すぐに破綻をきたしたようで、その後そうなったかという連絡すらありませんでした。私も予想通りの展開に、後日談を聞く気にもなれず、その件はそのままになっていました。

 それでも彼は人生の終わり近くを共に過ごせる女性を求めて、何人も紹介を受けていたようですが、ある年の年賀状には、「紹介されるのは年増とブスとデブばかり・・・」というグチを寄せていました。それを読んで、彼が結婚にこぎつけることはもはやあり得そうもないと、一抹の寂しさを抱いたものでした。

  今年の年賀状にはこんなことが書いてありました。肺癌になり、つまらない人生だった・・・と。

 肺癌は耐え難い極度な痛みを伴います。薬で押さえることも出来るのでしょうが、痛みに耐えかねて暴れまくり、四肢を拘束されるような処置を受けないことを祈るのみです。彼がベッドに縛り付けられて身動きできないまま人生の最後を迎えなければならないとしたら、本当に悲しいことですから。

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