Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

スペインの旅(2) サンティジャーナル・デル・マル

2010-11-29 01:23:57 | キャンパーヨーロッパ 2010年



Santillane Del Mar

午後1時前にはキャンプサイトに落ち着き、この日の午後は近くの村へ散歩に出かけた。気候は穏やかでTシャツで歩けるくらい暖かかった。キャンプサイトから2kmに在るという村を目指して長い坂道を登り、丘の頂上から4方が見渡せる。なだらかな丘と牧場が連なり、あちこちにかたまったテラコッタ色の屋根と明るい緑が絶妙のコントラストをなしている。首に大きな鈴をつけた牛が動く度にガラガラ音を立てていて、"よくも発狂しないものだ "と二人で笑いながら通り過ぎた。

坂道を下ってゆくと観光バスが数台停まった村はずれ、まず目についたのが高い塀に囲まれた教会らしいもの、まるで監獄みたいだと思いながらただ一つ見える鉄格子のドアでここが尼僧院だと判った。
それにしてもこの村の石畳の素敵なこと、すべての石が磨かれ輝いているようだ。






全然期待していなかったここは、中世から歴史的由緒のある村で2階、3階建ての立派な建物が多く、観光客が多かった。初日にしてこんな素敵な村に来れて、まるで宝くじに当たったような気がした。ほとんどの建物が16-18世紀のものだそうだ。





土産屋さんの店先に出してある絵葉書に教会の手前で黄色い日傘を差して絵を描いている画家が写っていて、まったく同じ場所で同じように教会の絵を描いている画家を見つけた。
もしかしてこの画家は毎年、毎日同じ絵を描いているのかも知れない。観光協会からお給料が支払われているのかも知れない。道の真ん中には中世の共同洗濯場がありあまりきれいとは言いがたい水があふれていた。





村の最奥に古い王宮があった。何の変哲もない宮殿でこの日は閉まっていたが、ここも歴史やいわくを知れば興味がわくかもしれない。教会広場の一角はジーザス・オテロという面白い名前の彫刻家の美術館が占め、庭や屋内に野生動物の顔を彫刻したものが展示されていた。たぶんスペインでは有名人だろうと思う。



村の中心はなんと言っても12世紀建立のロマネスク教会、教会内部は撮影禁止だったがすばらしい石造りの回廊は許可されていて,石柱の上を飾る細かい彫刻にはいたく感激した。
この彫刻には物語があるらしく、スピーカーから流れるスペイン語に耳を傾けた観光客がやたらと写真を撮っていた。このサンタ・ジュリアナ・コリゲイト教会はカンタブリア州で最大のロマネスク教会であるという。
あちこちの大きな石造りの家の玄関には家紋が彫刻され、この村がただの田舎の村でないことが判る。






夕方すっかり寒くなってきた2kmの道を歩いてキャンプサイトに戻り、持ってきた天本英世著スペイン巡礼を開いてみた。この著者は今から30年以前に、バスや汽車で全スペインを回り、もちろんこの村にも意図して立ち寄っている。彼の訪れた頃と今も全然変わっていないはずだ。

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