人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

(告知編)2020年 ホセ・クーラ脚本・作曲の新作オペラ、リスト音楽院で初演へ――ハンガリー放送芸術協会初の首席客員アーティストに

2019-02-22 | ハンガリー放送芸術協会と指揮・作曲・歌 2019~





ラフマニノフの交響曲第2番のリマスター版リリースの情報に続いて、また大きなニュースが飛び込んできました。

2月20日に記者会見して発表されたことですが、ホセ・クーラは、この秋から3年間、ハンガリーの放送芸術協会の首席客員アーティスト(Principal Guest Artist)として活動する契約を結んだそうです。

ハンガリー放送芸術協会は、ハンガリー放送交響楽団や合唱団、児童合唱団などを傘下にもつ団体とのことです。クーラは、指揮者として、作曲家として、そして歌手として、オケや合唱団などとともに、つよい協力関係のもと、さまざまな音楽活動をすすめることになります。

そして大きな目玉のひとつは、来年2020年1月に、ブダペストのリスト音楽院(音楽アカデミー)で、クーラが脚本を書き、作曲、オーケストレーションした新作オペラの初演が決まったことです。

記者会見とインタビューの報道記事と、そこからざっと読み取れたことを紹介したいと思います。




≪最初の首席客員アーティストに――ハンガリー放送芸術協会のHPより≫ 





"José Cura is the first permanent guest artist of the Hungarian Radio Art Association"




――ホセ・クーラは、ハンガリー放送芸術協会の最初の首席客員アーティストです

2019年2月20日、ハンガリー放送芸術協会のマネジメントディレクター、GézaKovácsは、2019年9月から、世界的に有名なアルゼンチンのオペラ歌手、指揮者であり作曲家であるホセ・クーラが、ハンガリー放送芸術協会の最初の首席客員アーティストであると発表しました。

ハンガリー放送芸術協会(MRME)とホセ・クーラとの間の契約は、2019/20年のコンサート年度から締結されました。このコラボレーションは、MRMEのマネジメントディレクターであるGézaKovácsと、有名な作曲家、指揮者、オペラ演出家、セットデザイナーである有名なオペラ歌手ホセ・クーラの芸術的なスキルを、できるだけハンガリーの人々に紹介するという意図で署名されました。このイニシアチブでは、ホセ・クーラは、ハンガリー放送交響楽団、合唱団と子どもたちの合唱団との価値あるパートナーになります。

ホセ・クーラは、2018年にコンサート「ホセ・クーラの音楽的世界」の制作においてハンガリー放送芸術協会と共同作業を行いました。そしてコンサートの後、プロフェッショナルな協力に非常に満足したので、共同作業を続けるための交渉はすでに進行中でした。今日署名された合意は、それ以来存在していた関係の成果です。

秋から始まるコンサートシーズンの間、ホセ・クーラは、芸術宮殿(Müppa)でヴェルディのレクイエムを指揮し、彼自身のオペラ - MontezumaとHeroic Priest - を音楽アカデミーでステージ形式で初演上演します。歌手としては、レオンカヴァッロの道化師のカニオの役で、ハンガリーの聴衆は彼を見ることができます。





≪クーラがFB上で報告≫




クーラの文の下に、ハンガリーでのメディアの報道リンクがたくさんついています。



≪この秋からの活動内容について≫


報道や協会のHPから、この秋からはじまる2019/20シーズンのクーラとの活動は、以下のような内容が計画されているようです。


●ヴェルディのレクイエムを指揮

クーラ指揮、ブダペスト音楽宮殿・Müpa  2019年11月13日 

●クーラ作曲の3作品、オラトリオ「あの人を見よ」、「Modus」、「マニフィカト(Magnificat)」のCD録音   

2019年11月    
キャスト 
ソプラノ= Elisa Balbo,  メゾソプラノ=ヴェッセリーナ・カサロヴァ Kazarova mezzoszoprán,  
テノール=ラモン・ヴァルガス Ramón Vargas , バス ニコラス・テステ=Nicolas Testé

●クーラ脚本・作曲の新作オペラ「Montezuma és a rőthajú pap」の世界初演 

コンサート形式 2020年1月19 29日(失礼しました、19は間違いです) リスト音楽院 音楽アカデミー

表題は「モンテズマとろくでなしの司祭」というような意味でしょうか?
 → 正しくは「赤毛の司祭」でした。失礼しました。ヴィヴァルディはその髪色から「赤毛の司祭」と呼ばれていたそうです。
オペラの内容は、作曲家ヴィヴァルディ、スカルラッティ、ヘンデルの出会いと、彼らの間の会話などをもとにした喜劇だということです。「モンテズマ」は、2002年に発見されたヴィヴァルディのオペラの題名で、同名のアステカ王とスペインの征服者の確執をテーマにした作品だそうです。
クーラは指揮でしょうか?まだ詳細は発表されていません。

●レオンカヴァッロ「道化師」 

クーラはカニオ役で出演 2020年4月21日 ブダペスト音楽宮殿・Müpa

●コンサートツアー

ブダペスト放送交響楽団とともに、ドイツ、スロベニア、オマーンなどのツアーにクーラも同行する計画があるようです。日程は未公表です。




≪ハンガリーでの記者会見の様子≫







記者会見の中継動画。全体は20分超で、クーラの発言は13分過ぎから。クーラが英語で話し、ハンガリー語の通訳が続きます。




クーラの就任を伝えるハンガリーのニュース動画  ↓画像をクリックするとニュース動画のページにリンクしています。
会見場に入る様子から、クーラのミニインタビュー、2016年にハンガリーのジュールでヴェルディのオテロを指揮した時のリハーサルなども入っています。





この数年来、ハンガリーでの音楽活動が多く、協力関係を深めてきたうえに、今回のとても素晴らしい首席客員アーティストの契約です。
昨季まではチェコのプラハ響のレジデントアーティストとして、そして今年からは、フランスのミュルーズ交響楽団との協力アーティストに加えて、今回のハンガリー放送文化協会との共同の場です。

今回はとりわけ、チャレンジングなプログラムが組まれています。
何といっても、クーラがここ数年、脚本から取り組んできた新作オペラの初演が可能になったこと、そしてクーラの作曲作品がCD録音されるというのは、画期的です。
もともと指揮者、作曲家志望であり、多面的なアーティストとして努力と研鑽を積んできたクーラにとって、本当に大きな新しいチャンスです。夢を一歩一歩、実現させてきたことに、ファンのひとりとして、心からのお祝いを伝えたいと思います。
このハンガリー放送芸術協会との3年間の協力関係を通じて、作曲家、指揮者としてのクーラの活動が、またひとつ大きく、開けてゆくことになりそうです。




*画像は協会のFB、HPなどからお借りしました。

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2019年 ホセ・クーラ、ラフマニノフの交響曲第2番をiTunes、Amazonでデジタル配信

2019-02-17 | CD・DVD・iTunes




新しいニュースがホセ・クーラのフェイスブックで発表されました。(2019年2月15日

クーラがシンフォニア・ヴァルソヴィアを指揮したラフマニノフの交響曲第2番が、iTunesなどでデジタル配信されるようになったということです。
2002年録音でCDリリースされていたものを、デジタルリマスターしたのだそうです。

クーラは2017年に、初めてiTunesやAmazonを通じて、デジタル配信を開始しました。その時も、やはりすでにCDで発表していたドヴォルザークの歌曲集「愛の歌」をリマスターしています。
その時のことは、以前の投稿で紹介しています。
 
 → 「ホセ・クーラ iTunesで楽曲配信を開始!まずドヴォルザークの愛の歌(ラブ・ソングス)」
 → 「ホセ・クーラが歌う、ドヴォルザークの歌曲『愛の歌』」

これまでも何度か紹介してきましたが、クーラは2000年前後に当時契約していたレコード会社が閉鎖されて以降、メジャーレーベルとは契約せず、自分のレーベルを設立して、数枚のCDを発表してきました。しかしその後、無断複製などの問題もあり、CDリリースに興味を持てなくなっていたそうです。

そして久しぶりに2017年「愛の歌」のデジタル配信で録音事業に復帰、今回が第2弾というわけです。
今後は、新録音の計画もあるようです。楽しみです。




≪FBでのクーラの告知≫



(抜粋)
――初めに、一番新しいニュースを。私の次のミュルーズ交響楽団とのコンサートでは、私のマニフィカトとラフマニノフの交響曲第2番を演奏する。それに合わせて、2002年にシンフォニア・ヴァルソビアと一緒に録音した、このロシアのピアニストで作曲家のセルゲイ・ラフマニノフによる素晴らしい作品を、私たちはリマスターした。そしてそれは「JoséCura Sinfonia Varsovia」とタイプするか、またこのリンクをクリックするだけでiTunesで入手可能になった。
当初、最初の数日間はフルアルバムを1,99€で販売し、その後、最終価格2,99で販売する予定だ。

まだニュースがある。2019年11月に、ハンガリー・ラジオオーケストラと合唱団、そして選ばれた国際的な歌手のグループと力を合わせて、私のオラトリオ「この人を見よ」(Ecce Homo)をレコーディングする予定だ。2019年のクリスマスにリリースすることを期待して、我々はレコーディングに向けての数週間の間、懸命に働いているだろう。
だから最後まで、クリスマスの買い物を持っていて!





――お知らせ
ラフマニノフ2は本日リリースされたため、まだすべての地域ではないかもしれない。しかし次の日にはあるだろう。
もし、1週間経ってもそれを見つけるのに問題があるのなら私に知らせてほしい。
ありがとう!




≪配信サイト≫

●iTunes

クーラがFBで紹介したiTunesでは、日本語版でもすでに配信されています。
第1~4楽章までのアルバムで450円です。






●Amazon

クーラの発表では触れていませんでしたが、前回の「愛の歌」と同様に、アマゾンのデジタルミュージックのコーナーでも、購入、ダウンロードができました。
私は初め、「愛の歌」同様に、iTunesで試したのですが、ウィンドウズの最新版がどうの、認証がどうのと、うまくいかず。思いついてアマゾンを見てみたところ、すでに配信されており、こちらはアルバムが400円、ダウンロードもすぐできました。

今回のリマスター版、音質も良くなり、MP3でダウンロードしたので、とても聞きやすく使い勝手がよいです。






≪CDについて≫


こちらは2001年発売のCD版です。絶版のようですが、時々、アマゾンなどで購入可能になっています。
私も比較的最近、購入しました。

とても評価が高く、よいレビューをたくさん受けています。ただ再生方法が少し変わっていて、CDに入っているソフトで再生する仕組みです。その点でも、今回のリマスター版は、聞きやすく、音質も向上し、おすすめです。





Sergei Rachmaninoff
SYMPHONY N. 2 IN E MINOR OP. 27
Complete Version

2002 - Cuibar Phono Video

Running time: 58 min.
Artists: José Cura
Conductor: José Cura
Members of Sinfonia Varsovia

1. Largo. Allegro Molto
2. Allegro Molto
3. Adagio
4. Allegro Vivace




≪CDリリースの際のレビュー≫

いくつかのレビューを紹介します。またこのCDだけでなく、クーラはコンサートでたびたびこのラフ2を指揮しており、それらをふくめ高い評価を受けています。上で紹介したクーラのFBで、多くのレビューが引用されていますので、興味のあるかたはぜひ。


●心地良いエクスタシーのよう
プロダクションは、その情熱的で、非常にエモーショナルな表現、そのロマンティックな活気、広がり、高められた表現、そして感情のコミュニケーションにおけるその直接性によって、説得力をもっている。指揮者の中には、長い音楽のフレーズで、歌手の「呼吸(ブレス)」を感じる。十分で豊かな音―― 心地良いエクスタシーのように。
(「Salzburger Nachrichten」)


●素晴らしいラフマニノフ
素晴らしいラフマニノフの交響曲第2番。可能なより良いバージョンの1つ。
(「Classics Today」)



そしてこのCDは、グラムフォンという音楽レビューのサイトで、最も良いラフマニノフ交響曲第2番を検討する企画でも、とりあげられています。





こちらがクーラのCDについての部分。








≪今後について≫

そして、次回の配信予定は、クーラが作曲したオラトリオ「この人を見よ」だそうです。2019年11月に録音予定。
こちらはプラハ交響楽団で世界初演を迎えた際の、クーラによる説明の動画です。

José Cura about Ecce homo



もともと指揮者、作曲家志望で、大学でも指揮と作曲を専攻したクーラ。長年の夢が、少しづつ、着々とかないつつあります。
魅力的な声と歌、演技を見聞きする機会が減っているのは残念な面もありますが、アーティストとして自分の道を切り開いていくクーラの姿を見るのは、本当に嬉しく、楽しいことです。

この間、クーラは、新作オペラの台本を書き、作曲し、オーケストレーションまでふくめ、すべて手掛けた作品を完成させたそうです。
その上演のチャンスも近い将来に拓けることを楽しみにしています。



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2018年 ホセ・クーラの演出ノート カヴァレリア・ルスティカーナ&道化師 in サンフランシスコ

2019-02-15 | サンフランシスコのカヴァレリアと道化師




すでに何回か紹介しましたが、昨年2018年9月に、ホセ・クーラが演出・舞台デザインを手がけた道化師とカヴァレリア・ルスティカーナのプロダクションが、アメリカ・サンフランシスコオペラの2018/19シーズンの開幕公演として上演されました。
  → (レビュー編)    (告知編)

ただし、ちょうど同じ時にエストニアでプッチーニの西部の娘の演出・指揮に取り組んでいたクーラは、残念なことに、再演の演出も出演もできませんでした。そのためこの再演にあたって、クーラは、サンフランシスコで演出を担当したホセ・マリア・コンデミと一緒に、事前に時間をかけてしっかり準備をしたということです。

そういう経過をふまえ、サンフランシスコオペラのHPには、クーラのディレクターズ・ノート(演出ノート)が掲載されています。今回は、その内容を紹介したいと思います。

「ヴェリズモ・マニア」を自称するほど、ヴェリズモのオペラの研究を深めてきたクーラの、カヴァレリアと道化師の作品論、今回の演出のコンセプト、現代社会への批判として今日に通用する作品のテーマに関することなどが記されています。

クーラが書いたセットのスケッチや、発想のもとになったアルゼンチンのイタリア系移民地区のストリートアートの写真なども掲載されています。

また、クーラのプロダクションが2015年にテアトロコロンで上演された時の様子や、クーラの詳しい作品解釈、動画などもブログ記事で紹介しています。よろしければご覧いただけるとうれしいです。
  → 「カヴァレリア・ルスティカーナと道化師の演出」


なお、いつものように和訳の誤りや直訳、ご容赦ください。








CAVALLERIA RUSTICANA / PAGLIACCI
Director's Note  by José Cura

カヴァレリア・ルスティカーナ / 道化師  ディレクターズ・ノート  ホセ・クーラ




私が最初にカヴァレリア・ルスティカーナと道化師の演出と舞台デザインを依頼された時、この2つのオペラを、1900年代初頭のアルゼンチンのイタリア人移民へのオマージュとして形づくるという考えがすぐにわきあがった。

ヴェリスモ運動のこの二つの象徴的な作品の精神――その両方、過激さと臆病さ、明るさと暗さ、愛情深さと残忍さ――それらは、そのルーツであるイタリア人の祖先たちに非常によくあてはまるように思われた。そしてブエノスアイレスのイタリア人地区であるラ・ボカは、そのすべての歴史と、絵になる色とりどりの美しさによって、理想的な設定だった。



台本に合わせて、私は、実際には存在しないスペースをセットに追加することにした――食堂、教会、アルフィオとローラの家など。それ以外の風景 - 広場、物干しの綱がついた窓、教区――はすべて計画段階からあった。

私はコスチューム・デザイナーのフェルナンド・ルイスに、衣装について、カヴァレリア・ルスティカーナで通常見られるようなグレーの色合いである必要はないという考えを投げかけた。むしろ、色彩やその「即興的」な感覚は、つつましい暮らしの人々の集団が、自分が持っている最高の服を着たときのものだ。

ブエノスアイレスのレサマ公園にある壁画(Escenográfico)の写真を見つけたとき、啓示は起きた。ラ・ボカ地区の入り口を彩っている1999年に完成したこのストリートアートは、私にとって、道化師と完全に関連づけられる一連のキャラクターを描いている。



カヴァレリア・ルスティカーナと道化師は、イタリアのヴェリズモ(リアリズム)の文学的伝統にもとづいている。ジョヴァンニ・ヴェルガ(イタリアの作家、カヴァレリア・ルスティカーナの原作者)とルッジェーロ・レオンカヴァッロの両者が、人生そのもので起こったイベントから、彼らの文学的なインスピレーションを見出した。

道化師の物語の由来を説明する2つの説がある。1つめは、レオンカヴァッロ自身が幼い頃、コメディアンのネッダが、その愛人を現行犯で捕らえた彼女の演技のパートナーであり夫であるジョバンニ・ダレッサンドロの手によって殺されたことを目撃したというもの。
2つめは、ルッジェーロ・レオンカヴァッロの父親が、自分の息子に彼自身が裁判に関わった同じ様な犯罪を語ったものだという。

さらに複雑なことに、レオンカヴァッロの作品は、スペインの劇作家マヌエル・タマーヨ・イ・バウス(Manuel Tamayo y Baus)による『新演劇』(Un Drama Nuevo:1867)と題された戯曲に「危険なほど」似ていると示唆した音楽学者がいる。

レオンカヴァッロを盗作だと非難するのは少し行き過ぎだ。私はむしろ、彼が劇場の動向に精通していたことについて彼を「非難」したい。それは彼がおそらくタマーヨの作品を知っていて、そこから影響を受けたことを意味する。それは伝統的に、創造の世界ではいつもそうであり、これからも続く。

大体において、道化師とカヴァレリア・ルスティカーナのプロットは、互いにかなり似ている――既婚女性の違法な関係は、裏切られた夫の嫉妬を引き起こす。しかし、カニオのキャラクターと今日との関連性は圧倒的だ――人生とアルコールに押しつぶされた、盛りを過ぎたアーティスト。

今日においてほど、「目新しさ」が一旦なくなったために、多くの才能が捨てさられるのを見ることはない。2本の映画の後、人気を失った俳優、あるいはもっと悪い場合、舞台とスクリーンの巨人たちがちょっとした役を演じるだけに追いやられ、かろうじて食べていくことができる―― これらは、一瞬だけ輝く「瞬間のスター」の背景の効果的な装飾。

犠牲者のリストは非常に長く、そこに含まれてるのは俳優だけではない。準備のないままに、目まぐるしく動きの速いキャリアに投げ込まれた歌手や、勝利のプレッシャーの下でドーピングに頼るアスリートたちがいる。





そのリストはさらに大きくすることができる――ただ私たちのまわりを注意深く見るだけで。「カニオ症候群」は今日、これまで以上に蔓延している。
「私たちの衣装だけでなく、私たちの魂を考えてみてください。私たちもまた、肉と骨をもつ人間なのだから」とプロローグのなかで著者は訴える。

プロローグは、私にとってこのプロダクションの最も感動的な瞬間の一つであり続ける。その言葉は、物乞いと新聞配達の少年だけが聞き、感じた。関連づけられた物語を描き出すためにこれらのキャラクターを使用することは、ステージングの非常に重要な部分を活気づける――両方のオペラを通じた2つのキャストの存在。

両方のオペラで同じセットを共有するという選択において、課題は、司祭や市長、バーテンダー、理髪師、食料雑貨屋、子どもたちなどによって、社会的に構造化された町を構築することだった。

そこで、カヴァレリアの冒頭には、ネッダとピエロが一座のポスターを掲示するのが見える。道化師では、サントゥッツァが妊娠7ヶ月のお腹を抱えていて、同様に、マンマ・ルチアは、ウェイターのシルヴィオに助けられながら、まだ彼女の居酒屋を経営しているようにした。



しかし、私の一番気に入っている瞬間は、依然としてエンディングだ。ルチアが、「喜劇は終わった」( “La commedia è finita”)と叫ぶ―― 彼女の本来の権利として、まるで「信託」のように。

それはただ老いた女性の声なのではなく、地球の声、全宇宙の声でもあり、全世界にむけて「バスタ!」 “Basta!”――「もうたくさんだ!」と叫んでいる。


(原文:サンフランシスコオペラHP)









*画像は、劇場のHPなどからお借りしました。
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2019年 ホセ・クーラ、 オペラアリアと指揮ーースロベニア・リュブリャナ冬のフェスティバル

2019-02-11 | コンサート ②




今年2019年、ホセ・クーラの歌手としての最初の公演は、2月4日、スロベニアの首都リュブリャナで開催された第3回リュブリャナ・ウインターフェスティバルでのコンサートでした。
指揮者としては1/19が今年最初
現地に駆けつけた欧州在住のクーラファンの話では、とても素晴らしいコンサートだったとのことです。

スロベニアは旧ユーゴから1991年に独立した中欧の国で、オーストリアの南、イタリアの東側に位置しています。
以前、同じリュブリャナで開催されている夏のフェスティバルで、オテロに出演したことがあります。とても美しい舞台でした。
 → 2016年のリュブリャナでのオテロを紹介したブログ記事

リュブリャナのフェスティバル、今年も、クーラのコンサートの他に、ドミンゴがヴェルディのレクイエムを指揮するなど、多彩な企画があるようです。











José Cura, tenor and conductor
Elvira Hasanagić, soprano
Monika Bohinec, mezzo-soprano
Simon Krečič, conductor
SNG Maribor Symphony Orchestra

PROGRAM
R. Leoncavallo: Pagliacci Prologue Intermezzo “Recitar!…Vesti la giubba”, Canio’s aria
V. Bellini: Norma Sinfonia  “Mira, o Norma…Si, fino all´ore”, Norma and Adalgisa’s duet
C. Saint-Saëns: Samson and Delilah  Bacchanale  “En ces lieux, malgré moi”, Samson and Delilah’s duet
C. Gounod: Faust “Oh Dieu! Que de bijoux! … Ah! Je ris de me voir”, Marguerite’s aria
G. Verdi: Vespri Siciliani  Overture
G. Verdi: Otello  “Già nella notte densa”, Desdemona and Otello’s duet
***
C. Guastavino: Las niñas, Symphonic Poem
C. Guastavino: Four Songs Violetas El albeador Jardín antiguo Alegría de la soledad
G. Bizet: Carmen Prelude  Seguidilla, Carmen’s aria   Intermezzo III
“C’est des contrebandiers…Je dis que rien ne m’épouvante“, Micaela’s aria
“C’est toi !… C’est moi!“, Don José and Carmen’s duet



≪ライブ放送から、サムソンとデリラの二重唱≫

今回のコンサートでは、クーラはテノールとしてオペラアリアやデュエットを歌い、指揮もしました。ソプラノとメゾソプラノの2人の女性歌手が共演しています。

コンサート全体がネットでライブ放送されたらしいのですが、残念なことに現在では録画全体を見ることはできません。
幸い、サムソンとデリラの二重唱「あなたの声に私の心は開く」(Mon coeur s'ouvre à ta voix)の1曲だけですが、オンデマンドで視聴できます(約7分)。クーラは指揮をしながら、「ダリラ~、ダリラ~」と歌っています。

いつまで見られるかわかりませんが、以下の画像↓に録画のリンクをはってあります。






フェスティバルの宣伝用動画

フェスティバル事務局のフェイスブックには、宣伝用の短い動画が何回も掲載されていました。
クーラの声は入っていません。












≪フェスティバルのFBに掲載された画像より≫

主催者のFBに掲載された画像からいくつかお借りして紹介します。

クーラと共演の女性歌手2人



クーラはオペラの序曲や、女性が歌う時なども指揮したようです。オケとともに拍手をうけています。












終演後でしょうか、指揮者とクーラ、そしてソプラノ、メゾの2人と。



共演者の方がFBにアップした写真。



こちらはフェスティバルのFB。紹介した以外にもたくさんの画像がアップされています。



コンサート終了後に、レセプションが開催されたようです。そこで何か記念品を受け取るクーラ。


髪はだいぶ白くなりましたが、好奇心いっぱいのいたずらっ子みたいな表情は変わりません。



******************************************************************************************************************


あまり大きすぎないホールで、クーラと指揮者、オケと女声2人という、なかなか贅沢なコンサートでした。
今年のクーラは、指揮の比重が大きくなっていますが、オペラ・アリアコンサートは、この先、3/14モスクワ、3/26,28プラハ、10月には上海で行われる予定です。

上海の詳しい日程は未公表ですが、日本から近いところで開催されるチャンスです。この先、ますます指揮や演出に軸足を移していきそうなクーラ。クーラを一度聞いてみたい、久しぶりに聞いてみたい、という方がいらしたら、上海はひとつの選択肢ではないでしょうか。
早く詳細が発表されるよう願っています。






*画像はフェスティバルのFBなどからお借りしました。
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1996年 ホセ・クーラ、マスカーニのイリスに出演

2019-02-08 | オペラの舞台―その他




今回は、クーラのキャリア初期の舞台、マスカーニのオペラ、イリスについて紹介したいと思います。

1996年1月、ローマ歌劇場での公演です。クーラは当時、33歳、アルゼンチンから欧州に渡って5年目の年です。

このオペラ、あまり上演されない珍しいオペラだと思います。クーラもこのローマのプロダクションが最初で最後だったのではないでしょうか。
物語は、日本の江戸が舞台。大坂と京都という名前の2人によって、イリス(アヤメの意味)という娘が誘拐され、遊郭に売り飛ばされ、最後は身投げをして死んでしまうという、とても痛ましい物語です。
しかし、このようなどろどろした悲惨なストーリー、舞台設定ですが、マスカーニの音楽はとても美しく、時に非常に切なく、素晴らしいものです。


演出はクーラと同郷のアルゼンチン出身のウーゴ・デ・アナ。
クーラは、その2人組の大阪役、金持ちで好色の若旦那という役柄です。
写真でご覧の通り、白塗りにちょんまげ姿、着物に羽織、袴という姿で登場します。日本人としては、ちょっと何とも言えない感じもしますが、クーラのちょんまげ着物姿、意外と悪くない(笑)のではないでしょうか。




≪全曲盤CDにも≫

この時の舞台の録音がCDにもなっています。
主人公のイリスがダニエラ・デッシー、大阪がホセ・クーラ、芸者の置屋の主人である京都がニコライ・ギャウロフです。
中丸三千絵さんも芸者役で出演されています。
残念ながらすでに入手は困難です。時折、ネットでとんでもない高額で出品されていることもありますが、とても買えません。




1996 - BMG - Ricordi
Running time: 126 min.
Artists: José Cura, Daniela Dessí, Roberto Servile, Nikolai Ghiaurov
Conductor: Gianluigi Gelmetti
Orchestra e Coro del Teatro dell'Opera di Roma


≪貴重な録画≫

幸いにして録画がネットにアップされています。画質はあまりよくありませんが、こうやって見られるだけでも本当にありがたいです。
あまり上演機会がない珍しいオペラなので、ぜひ、まずは次の録画――大阪のアリア「窓を開けて」をご覧ください。

第1幕で、イリスを誘拐するために人形芝居をうつ場面で大阪が歌う歌です。この難易度の高いアリア「窓を開けて」をクーラはらくらくと歌い、オケからも喝采を受けています。この頃のクーラの声は、秋の空のように輝かしく澄みわたっています。

Mascagni Iris/ Jose Cura - "Apri la tua finestra!"


その続きの場面
Mascagni Iris/ Act1 e questa poesia /Dessi,Nakamaru,Cura




≪「イリスは素晴らしい」とクーラ≫

ストーリーとしては少し難があるように思われるオペラ、イリス。クーラもこの1度だけしか出演していませんが、マスカーニの音楽については、高く評価をしているようです。もともとヴェリズモが好きで研究を深めてきたクーラ。次のようにヴェリズモとマスカーニ、そしてイリスについて語っていたことがありました。


――ヴェリズモは、"通常の"ロマン派オペラの成果、例えばヴェルディに到達していないのは事実だ。しかし、ヴェルディとワーグナーに達するには200年にわたる進化があり、これまでのすべての作曲家がそこを通過している。ヴェリズモは、音楽を作る方法への反作用として生まれ、それは模索である。その誕生は物議を醸し、平静なものではなく、むしろ伝統に対する反発だった。

その後、アーリゴ・ボーイトがリードしていたヴェリズモが、ヴェルディに影響を与えた。しかしヴェリズモには成熟する時間がなかった。それが洗練されなかった理由だ。ピエトロ・マスカーニは長年活動していたので洗練された。彼の最後のオペラには素晴らしい豊かな色彩がある。イリスは素晴らしい。

ヴェリズモが始まったとき、フランスで印象派が始まり、シェーンベルクがオーストリアに登場した。吸収することがたくさんあった。1900年以降、素晴らしい達成があった。ジャコモ・プッチーニが、「マダムバタフライ」、「トスカ」、「西部の娘」などのオペラを驚くほどの密度で作曲し、「三部作」(1918年「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」)、「トゥーランドット」において音楽的色彩を豊かに洗練した。
(クーラの2017年インタビューより)






≪レビューより≫

「ダニエラ・デッシーと、アルゼンチンのテノールであるホセ・クーラは、スピントの歌のカラーとスタイルをすでに示している。決して容易ではない2つの役柄、イリスと大阪として優れている。」
(「ElPais」1996年1月)

「視覚と音と想像力がすべてうまく結合するケースはめったにない。私自身にとって、このウーゴ・デ・アナによるイリスは、最も重要なイベントの1つだった。そして、ホセ・クーラの個性があり、時々調子のムラはあるものの、しかし、リリックテノールの希少で堅実な音色をもっている。」
(「Corriere della Sera」)

「クーラは素晴らしく、その役柄のうちに合っている。鮮やかな発声、そして華麗な「開放的な」音色がある。」
(「Opera」)

「このレコーディングは、クーラが並外れたクオリティをもち、そしてさらに大きく約束された歌手であることを説得力を持って示している。」
(「Gramophone」)





≪共演したデッシーを悼んで≫

この時、主役のイリスを歌ったソプラノ歌手ダニエラ・デッシーは、惜しくも2016年にガンのために亡くなりました。
クーラはFBで、デッシーを追悼し、マスカーニのイリスで初めて共演、その後も多く共に舞台に出演したエピソードにふれて、深い哀悼を表明しました。





――私がこれを書いている時、20年以上にわたって友人であり同僚であったダニエラ・デッシーの死を知った。
ダニー、友人はそう呼ぶが、彼女は私のリューではなかったけれど、コンサートや貴重な録音のパートナーであった以上に、私の最も偉大なデズデモーナであり、トスカ、マッダレーナ、マノン、イリスの1人だった。
私は彼女の思い出にこのプロダクションを捧げる。
   ホセ・クーラ 2016年8月21日 マドリードにて
(2016年リエージュでのトゥーランドットのクーラによる演出メモより)



≪オペラ全編の録画≫


こちらは全編の録画です。さらに画質、音質が悪いのが残念です。いつまで見られるかわかりませんが、リンクをおいておきます。
できればDVDやCDの復刊などがされるとうれしいのですが・・。


Mascagni - Iris ( José Cura, Daniela Dessí, Nicolai Ghiaurov ) 1996






ローマ歌劇場


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2019年 ホセ・クーラ スペイン・リェイダでベートーヴェン交響曲第4番、ロドリーゴ・アランフェス協奏曲を指揮

2019-02-05 | 指揮者・作曲家として





ホセ・クーラの2019年最初の公演は、1月19日、指揮者としてのコンサートでした。
マドリード在住のクーラにとっては自国内の都市、スペイン東部カタルーニャ州のリェイダで、オケはフリア・カボネル・デ・レス・テレス・デ・リエダ交響楽団 (OJC)です。

このオケとは、2016年12月に初めて共演して、クーラがドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」など指揮しています。
 → その時の様子を紹介したブログ記事

2回目の今回は、ベートーヴェンの交響曲「第4番」と、スペイン人の作曲家ホアキン・ロドリーゴのギターと管弦楽のための「アランフエス協奏曲」などが演奏されました。
哀愁あふれるメロディで有名な「アランフェス交響曲」は、80年前の1939年に作曲され、翌年、同じカタルーニャ州の州都バルセロナで初演されたのだそうです。

今回のギターソリストは、チェコ出身の18歳と若い女性ギタリストBarbora Kubíkováさん。チェコのプラハ響とのコンサートやドレスデンでのコンサートなどで共演を重ねています。クーラ自身も12歳からギターを学び、今もギターを最も愛する楽器と語っていますが、この若い才能あるギタリストに対するクーラの大きな期待を感じます。





José Cura again with OJC!
4th of Beethoven and the Concert of Aranjuez
Saturday January 19 - 8pm
Lleida. Auditori Enric Granados

Program
Tres Viejos Aires de Danza J. RODRIGO
Concert by Aranjuez J. RODRIGO
Symphony no. 4, Op. 60, at Sib Major LV BEETHOVEN

Julià Carbonell Symphony Orchestra of the Terres de Lleida - OJC
Barbora Kubíková , guitar
Director: José Cura

ロドリーゴ「3つの古い舞曲の調べ」、「アランフェス協奏曲」
ベートーヴェン「交響曲第4番」
フリア・カボネル・デ・レス・テレス・デ・リェイダ交響楽団 / エンリケ・グラナドス音楽堂 / スペイン・リェイダ









≪リェイダの街に張り出されたポスター≫

共演者のFBより





≪レビューより≫

●敏感でコミュニケーション力のあるミュージシャン

ホセ・クーラは、自分が何を求めているのかを知っていて、それを達成するために働く、敏感でコミュニケーション力のあるミュージシャンだ。テノールとして有名であり、彼は常に興味深い解釈をする監督である。
そして、コンサートの最初の作品からすでに、彼が、音楽の呼吸を可能にし、歌詞を探求し、各フレーズを味わい、また常に透き通った肌合いを求めていることは明らかだった。


●アンダルシアの刺激的な色合い

アランフェス協奏曲、確かに最もポピュラーなギター協奏曲であり、間違いなく今までに書かれた中で最も美しいものの一つ。そして、その夜の最も期待される瞬間の一つだった。
・・・
アンダルシアの刺激的な色合いは、そのリズム、メロディーの好み、そして微妙なオーケストレーションによって、曲の始まりから明白になる。輝く「Allegro」は、ソリストに注意を払いながら、活気に満ちたリズムを際立たせた。よく知られている「アダージョ」では、私達にイングリッシュホルンとギタリストとの美しい対話を提供した。間違いなく、定評のある弦と、有機的に構築されたクライマックスを提供する、最も完成された瞬間の1つ。

チェコのギタリストは、オーケストラに飲み込まれない素晴らしいサウンドを持ち、優雅さ、感度、そして豊かな色彩を見せた。






●生き生きとした、最高のオケ、クーラによる素晴らしい仕事

コンサートの第2部では、非常に生き生きとしたベートーヴェンの交響曲第4番で、私たちにこの夕べの最高のオーケストラを与えた。
オケのミュージシャンたちは、ゲスト指揮者クーラと完全に調和して、しかし劇的なフィット感やハイライトに引きずられることなく、激しいバージョンを達成した。

木管の良い仕事、特にオケの演奏のなかでのファゴットは、指揮者とともに一生懸命に働くことで素晴らしい瞬間が可能であることを示していた。そしてホセ・クーラによる素晴らしい仕事、彼はOJCのメンバーからすべての果汁を引き出す方法を知っていた。

(「revistamusical.cat」)



"土曜日の素晴らしいコンサートの写真のごく一部をお楽しみください。
いつものように、マエストロ・クーラとともに仕事をするのは、スイングがたくさんある素晴らしい経験です!"



≪リハーサルの様子≫

オケのFBより




オケ関係者のFBより




≪リハーサル動画≫

ギタリストのBarboraさんがFBに投稿してくれた動画です。

有名な哀愁漂うメロディを歌って指示しながらリハーサルするクーラ。もっと歌ってほしい(笑)



こちらは昨年5月のドレスデンのコンサートにむけたリハ、ソリストと2人で。クーラの声とギターがしみじみ美しい。

 

≪追記・本番の動画 アランフェス協奏曲≫

共演したギタリストのバルボラさんが、アランフェス協奏曲の全曲と、アンコールの様子の動画をアップしてくれました。約30分です。とても美しく郷愁に満ちたメロディが素敵で、ギターもよく響いています。ただ、客席からの録音のため、咳の音が何度も酷く響いているのがとても残念です。クーラの指揮、後ろ姿だけでとても存在感があります。

Concierto de Aranjuez - Barbora Kubíková (guitar) & José Cura (conductor)

 



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今回のコンサート、実は、演奏中に、不幸にも観客の携帯電話が鳴るということが1回ならず3回もあったそうで、まったく残念なことでした。しかし、音楽的な内容の上でも、またほぼ満席となったという点でも、大成功だったようです。

今年2019年のクーラは、指揮者としての新たな挑戦がたくさんです。ベートーヴェンのシンフォニーあり、ヴェルディのレクイエムあり、プッチーニのオペラ、聖女アンジェリカあり、そしてクーラ自身が作曲した曲も演奏されます。

こうした指揮者としての研究と準備、作曲や編曲の仕事とともに、歌手としてのコンサートやオペラ出演があり、そしてもしかすると、来年以降の新しい演出など未公表のプロダクションもすすめているのかもしれません。本当にハードワークの人生です。

良いスタートを切った今年、ひとつひとつの公演が成功すること、そしてクーラの努力と研鑽により、その芸術がいっそう深く、高く、多面的に、豊かに実る年となることを願っています。



*画像はオーケストラのFBなどからお借りしました。

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