人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

2019年 ホセ・クーラ、プッチーニの家を訪ねる

2019-09-27 | 2019年プッチーニ音楽祭

 

 

ホセ・クーラは、今年、2019年のプッチーニ・フェスティバルに、20年ぶりに出演しました。演目は、初出演の1995年の時と同じ、プッチーニのトスカでした。この時の舞台の様子は、すでにこのブログでもお伝えした通りです。

 →  「(公演編)ホセ・クーラ、2019プッチーニ・フェスティバルのトスカに出演」 と、「インタビュー編」、「告知編

 

今回は、音楽祭の期間中、クーラがプッチーニゆかりの家を訪問した時のことを紹介したいと思います。 

プッチーニは、イタリア・トスカーナ地方のトッレ・デル・ラーゴという小さな町の、マサチュッコリ湖という湖のほとりで、長年暮らしたそうです。このプッチーニが愛した湖畔の家が、現在は、ヴィラ・プッチーニ博物館として保存されています。フェスティバルが行われる専用の野外劇場は、かつてはその敷地にすぐ隣接して作られていたそうですが、現在は、すぐ近くですが少し離れて、近代的な大きな劇場が建設されています。

また、プッチーニが生まれた家は、そこから東に30キロほどの、ルッカという町にあり、こちらも現在はプッチーニ生家博物館として公開されています。この生家を2008年にクーラが訪問した時の報道やインタビューについても、ブログ記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。

 → 「2008年 ホセ・クーラ、生誕150年のプッチーニの生家を訪ねる

 

クーラは今回の音楽祭の間、その両方の家を訪問したようです。そこでの写真や動画、クーラのフェイスブックの投稿のリンクなどを掲載しています。

 

 


 

 

 ≪湖畔のプッチーニの家、ヴィラ・プッチーニ博物館にて≫

 

クーラは、博物館を管理する財団の招待によって、特別に、通常は非公開のプッチーニのプライベートなスペース、寝室や書斎に入ることができたそうです。そして許可を得て、プッチーニのピアノの前に座り、プッチーニが生前使っていた小物に触れ、寝室でベッドにもたれるなどしながら、しばらくの時間を過ごしました。敬愛するプッチーニを非常に近く感じることができたようで、インタビューでも、とてもエモーショナルに語っています。 

 

ーープッチーニ博物館のFBより

●プッチーニが愛した湖畔の家、前景

 

●改装・保存されている室内の様子

 

 

●プッチーニの家で ーークーラのFBより

” 財団のジョバンニ・ゴディ氏のプライベートな招待を受けて、プッチーニの家を訪問した。ゴディ氏は私に、ヴィラの一般公開されていないエリアを開く特権を与えてくれた。それゆえ私は、マエストロ・プッチーニのピアノに触れ、彼の机に座って彼の眼鏡をかけ、彼の寝室にも入り、彼のベッドの同じ側にいることができた。 たくさんの感情...このような名誉を与えてくれて、プッチーニ財団に大きな感謝! "

 

●フェスティバルのFBに掲載されたクーラのインタビュー動画より

イタリア語とスペイン語での2種類で、インタビュー動画がFBにアップされていました。

私にはイタリア語もスペイン語もまったく理解できないのですが、字幕によるとクーラは、” プッチーニの家には素晴らしい雰囲気があり、湖の湿気やまわりの木々、まるでドアの後ろにプッチーニがいるようで、彼の神聖な部屋にいると、とても感情的な気分になる” ”プッチーニ音楽祭は、ワーグナーのバイロイト音楽祭、モーツアルトのザルツブルク音楽祭と同等といえる”・・などと語っているようです。

 

●同じくプッチーニの家で。こちらはプッチーニ博物館のFBにアップされた写真

 

●プッチーニ博物館のFBの動画 



≪ルッカのプッチーニの生家にて≫

 

クーラは、フェスティバルの公演の合間に、トッレ・デル・ラーゴの家だけでなく、少し離れたルッカにある、プッチーニが生れた家にも足をのばしたようです。これまでもこの生家には何度も訪れています。

 

●ルッカのプッチーニの生家にて

クーラがFBに掲載した写真です。プッチーニの生家の壁、看板を背景に。8月のイタリア、とてもリラックスしたスタイル。

 

クーラがFBにアップした、ルッカの大聖堂の写真。写真が趣味で、公演旅行の際にも必ずカメラ持参のようです。鐘楼にのぼり、内部からルッカの町を眺めた写真でしょうか。

 

 


 

2019年の8月は、長期にイタリアに滞在して、プッチーニフェスティバルに出演したクーラ。そのため夏の休暇をまとめてとることはできなかったのではないでしょうか。公演の間にプッチーニの家をはじめ、イタリア・トスカーナ地方を訪ねたりして、休暇を兼ねたのかもしれません。

今回の訪問で、プッチーニの遺品に触れ、プッチーニをいっそう身近に感じ、思いを深める機会を得たクーラ。20年ぶりの出演で、当時からの友人、同僚との再会、温かい歓迎を受け、初出演と同じトスカのカヴァラドッシでも、熱狂的な喝采とビス(アンコール)の声が止まらないなど、公演を大きく成功されることができました。とても実りあるフェスティバル出演になったことと思います。

クーラの次の公演は、10月20日の中国・上海でのオペラアリアコンサートです。そしてその後、11月以降には、ハンガリーのブダペストで、ハンガリー放送文化協会との活動が本格的にスタートします。11月4日にベートーヴェン「エグモント」、クーラ作曲「Modus」を指揮するコンサートがあり、11月13日にはヴェルディ「レクイエム」を指揮します。またクーラ作曲のオラトリオの録音もおこなわれます。そして、来年1月に初演を迎えるクーラ作曲オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」、その準備作業も併せてすすめられるでしょうから、この秋、クーラは、カレンダー上の出演予定は多くはなくとも、非常に多忙で、充実した期間だと思います。

そういう時期に、はるばる上海まで来てくれることになっています。過労による体調不良やキャンセルなく、アジアの地での公演を成功させてくれることを願っています。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(告知編) 2019年ホセ・クーラ 上海でオペラアリア・コンサート

2019-09-17 | コンサート ②

   (*上写真は2019年2月、リュブリャナでのコンサートより)

 

 

ホセ・クーラは、2019/20年シーズンのスタートを中東のオマーンで迎えました。オマーンの王立歌劇場マスカットのシーズン開幕公演のカルメン3公演に出演、さらにその合間に、ベートーヴェンの第9の指揮も行いました。いずれも大成功で、いずれまた紹介したいと思っています。

 → 公演の概要は以前の記事で紹介しています。 「(告知編) 2019年ホセ・クーラ、オマーン王立歌劇場のシーズン開幕公演カルメンに出演

 

そしてクーラの次の公演は、中国・上海でのオペラアリア・コンサートです。

実は、昨年からクーラの公式カレンダーには、上海のコンサートが掲載されていたのですが、なぜか、「上海、10月、歌手、オペラアリアとデュエット」とだけあり、9月半ばの現在も、日程と場所が記載されていません。

そのため調べてみたところ、日時は10月20日、午後7時半~、会場は、上海東方芸術中心(上海オリエンタルアートセンター)のようです。もちろん、会場の公式サイトをはじめ、現地のプレイガイドでチケットもすでに販売されていますし、中国のメディアでたびたび報道もされています。

公式カレンダーに日時・場所が記載されるのを待ってからと考え、今までブログでの紹介は控えてきたのですが、コンサート開催1か月前が迫ってきたので、紹介に踏み切りました。少々不安ですが、しかしこの公演は、第21回上海国際芸術フェスティバルの企画のひとつとして正式招待されたもののようですので、まさか間違いやキャンセルということはないと思いたいです・・。

日本と上海は、飛行機で約2時間、時差も1時間、とても近いですので、現在のところ来日の予定がないクーラを聞きに行くには、なかなか良いチャンスではないでしょうか。無事開催されることを願いつつ、以下、コンサートの概要を紹介します。

 

 


 

 

≪第21回中国上海国際芸術祭のHPより≫

 

上海国際芸術祭は、中国文化観光省が主催し、上海市の政府が組織する芸術祭で、1999年から取り組まれているようです。非常に大規模で多彩なプログラムが組まれており、中国の国内外の音楽、演劇、京劇、オペラ、バレエ、伝統舞踊、美術展、展示会、芸術教育プログラム、フォーラム等々、豊富な内容で、今年は10月18日から11月17日までの1か月間、続くのだそうです。

内容も、中国の伝統的芸術とともに、クラシック音楽、現代芸術など幅広く、出演者も国際的です。国外から、クーラの他にも、ティーレマン率いるウィーンフィルをはじめ、ソプラノのルネ・フレミング、ミラノスカラ座のオペラ、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団、ピアニストのシフ・アンドラーシュなどなど、多くのアーティスト、オケが招待されています。

*すでに完売している公演もあるようです。

日本の東京交響楽団のコンサートも掲載されています。でもなぜか、東京交響楽団のHP他には情報が見当たらないのですが・・。

 

 

●第21回中国上海国際芸術祭の公式サイトのクーラのコンサート紹介ページ

「誰も寝てはならぬ」がコンサート表題になっていますね。

 

 

  

●芸術祭の音楽の企画一覧から、公演ページへの入口

ぜひフェスティバルの多彩な企画の数々をご覧ください。

  

 

 

 

≪会場の上海東方芸術中心のHPより≫

 

クーラのコンサートの会場は、上海東方芸術センター。2004年末に正式開業、こけら落とし公演はベルリンフィルだったそうです。

クーラの公演は、約2000席のメインのコンサートホールです。そのほかに、オペラホール、300席のコンサートホール、リハ室、展示ホールなどを備えた巨大な施設で、規模、内容ともに、上海の芸術の拠点となっているようです。素晴らしいロケーション、美しい施設です。

 

●会場の外観

 

●クーラのコンサートが行われるメインホール

 

 

●会場HP クーラのコンサートのページ ーー しかしチケットのオンライン購入には、大きな”壁”が・・

 

 

 

1元は、日本円で約15円ちょっと。80元から設定されていましたが、すでに安価な席は完売しているようです。平土間では、前方の約1万6千円~2万円の席か、後方の約9千円~1万3千円の席はまだあります。また2階席の両サイドと最後方の約7千~9千円の席は、今のところまだ余裕があるようです。(9月17日現在)

この公式サイトから、チケットのオンライン購入ができる仕組みですが、実はいろいろと調べた結果、ここで重大な問題があることがわかりました。中国でコンサートに行かれた経験のある方には常識かもしれませんが、結局のところ、日本からは購入ができないようです。せっかくオンライン・システムがあるのですが、チケットの購入には、中国の携帯電話の番号を登録する必要があり、また決済にも中国国内の決済手段が必要だからです。日本で通常使われているクレジットカードは利用できません。

大麦という中国のチケットサイトでも販売していますが、問い合わせたところ、やはり同様に、中国の携帯電話番号が必要で、日本では購入できないとの回答がありました。

結局のところ、中国在住の知り合いがいる人以外は、チケット購入代行の業者に依頼するしか、方法はなさそうです。もし良い方法をご存知の方は、ぜひお知恵をお貸しください。

 

 

●上海東方芸術中心の2019/20年シーズンパンフレットより


センターのシーズンパンフレットにも、クーラのコンサートは掲載されています。

 

 

 ≪予定されているプログラム≫

 

当日変更があるかもしれませんが、現在、発表されているプログラムです。

 

●歌剧《丑角》ーーレオンカヴァッロ 「道化師」
Opera Pagliacci
1.序曲 rologue
2.第一幕 咚叮 咚叮 Act I Don Din Don Din
3.内达咏叹调 Nedda’s aria
4.间奏曲 Intermezzo
5.卡尼奥的咏叹调 Canio’s aria (カニオのアリア「衣装をつけろ」)
独唱: Jose Cura 
指挥:马里·奥·德·罗斯 演奏:上海爱乐乐团
合唱:上海爱乐交响合唱团

●歌剧《纳布科》ーーヴェルディ 「ナブッコ」
Opera Nabucco
1.交响序曲 Sinfonia
2.飞翔吧!思想,乘着金色的翅膀 Va pensiero (合唱「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」)
指挥:Jose Cura 
演奏:上海爱乐乐团 合唱:上海爱乐交响合唱团
 
●歌剧《奥赛罗》ーーヴェルディ 「オテロ」
Opera Otello
1.二重唱第一幕,苔丝狄蒙娜·奥赛罗 Duet first act, Desdemona-Otello
2.信条-伊阿古 Credo – Iago  (イアーゴのクレド「俺は残忍な神を信じる」)
3.圣母颂-苔丝狄蒙娜 Ave Maria - Desdemona
4.奥赛罗之死 The death of Otello
独唱: Jose Cura 
指挥:马里·奥·德·罗斯
演奏:上海爱乐乐团

●歌剧《参孙与达丽拉》ーーサン=サーンス 「サムソンとデリラ」
Opera Samson et Dalila
1.参孙咏叹调(第3幕) Samson aria (3 act)  (サムソンのアリア)
2.酒神之舞 Baccanale
独唱: Jose Cura 
指挥:马里·奥·德·罗斯
演奏:上海爱乐乐团 合唱:上海爱乐交响合唱团
 
●普契尼选段ーープッチーニ・セクション
Puccini section
1.今夜无人入眠 Nessun dorma (「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」)
2.多么可爱的姑娘 O Soave fanciulla (「ラ・ボエーム」より「愛らしい乙女よ」)
独唱: Jose Cura
指挥:马里·奥·德·罗斯
演奏:上海爱乐乐团
*实际演出曲目以现场演出为准
 
上海フィルハーモニー管弦楽団コーラス、上海フィルハーモニー管弦楽団
指揮 マリオ・デ・ローズ
 
 
 
●ポスター
 
 
 
 
 

 
 
 
クーラの魅力満載のプログラム、カニオ、サムソン、オテロと、クーラの18番の演目からの曲に加え、プッチーニの名曲、さらにクーラ指揮でナブッコがあります。
同郷の指揮者マリオが同行するようですし、上海フィルと合唱団が出演します。
デュエットがありますから、まだ名前は発表されていませんが、ソプラノの共演者がいると思われます。
そして不思議なのは、イアーゴのクレドがプログラムにあることです。バリトン歌手がゲストで出演するのか、それともクーラがはじめてイアーゴに挑戦するのでしょうか?
道化師のバリトンのプロローグは、クーラはよく歌っているので、今後、イアーゴもレパートリーにいれるつもりなのか?とても興味津々ですが、当日のお楽しみですね。
 
中国は、距離的には近いですが、やはり、チケット購入をめぐって、壁も感じさせられました。同時に、急速な経済発展を遂げ、国際的にも大きな位置を占めるようになった中国は、文化・芸術の分野でも、欧米のクラシック音楽、オペラなどの著名なアーティスト、オーケストラなどを旺盛に招聘していて、非常に活気があることも実感しました。クーラはこれまでも、中国では、2007年の上海でのトゥーランドット公演とコンサート、北京・国家大劇院での2015年のサムソンなど、何回か、出演しています。韓国でも、2010年にサムソンの公演とコンサートを行っています。すぐお隣の国までは来ているクーラですが、なぜか、なかなか日本には来るチャンスがないようで、とても残念でなりません。今回のコンサートが無事成功し、上海の人々にクーラの魅力をたっぷりとみせてくれることを願っています。
 
 
 

 

  

 *写真は、劇場HPなどからお借りしました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(公演編)ホセ・クーラ、2019プッチーニ・フェスティバルのトスカに出演

2019-09-03 | 2019年プッチーニ音楽祭

 

 

 

ホセ・クーラが20年ぶりに出演したイタリア・プッチーニフェスティバルのトスカ。3公演は、大盛況のうちに終りました。

会場は、プッチーニが暮らした湖畔に建てられた野外劇場ですが、報道によると、プッチーニが作曲した当時と同様に、字幕がないばかりか、マイク・スピーカーのシステムもないのだとか。湖の波の音、鳥や虫の鳴き声などを背景に、オーケストラの音楽に負けずに、人間の声だけで広い野外劇場全体に歌を届けきるわけですから、出演者には大変なことだと思いますが、多くの観客が、音楽と雰囲気を合わせて、「素晴らしかった」「夢のような夕べだった」などのメッセージをSNSにあげていました。

とりわけクーラが出演した最後のトスカ8月18日の公演は、「すべてが完璧で、調和していた」と書いた人もいたように、最高の舞台だったようです。クーラの「星は光りぬ」は、歌の後に大興奮した観客から、ビス(Bis=イタリア語のアンコール)の声がどうしても止まらず、2回歌ったのだそうです。いつもクーラはドラマの流れと緊張感を大切にしているので、アンコールに応じるのはとても珍しいです。通常のオペラ公演とは違うお祭りということに加え、それほど、舞台上、劇場内の盛り上がりと一体感が素晴らしかったのでしょう。

最後の公演後の報道には、「トスカ:プッチーニ音楽祭でのホセ・クーラの勝利」と見出しをたてたものもありました。別のレビューでも、「ホセ・クーラは確かに演出家の仕事を助けた。ステージに登場するやいなや、クーラは空間の真の支配者となった。彼は、同僚たちのパフォーマンスに敬意をもって、最低限の動きだが、しかし、たとえ顔と体の姿勢だけでさえ、解釈の絶対的な強さを与える」と評価されていました。一部、20年前と比べて声が同じではないと書いたレビューもありましたが、全体としてクーラのプッチーニフェスティバルへの復帰は、大きく歓迎されたと思います。

 

劇場がFBにアップした写真や動画、現地のニュース動画などを紹介したいと思います。

*フェスティバルの全体は、(告知編)をどうぞ。またフェスティバルやイタリアとの関係、カヴァラドッシの役柄についてなど、クーラが語った記事を紹介した(インタビュー編)もぜひご覧ください。

 

 

 

Floria Tosca = Maria Guleghina
Mario Cavaradossi = José Cura
Il Barone Scarpia = Carlos Almaguer
Cesare Angelotti = Davide Mura
Spoletta = Francesco Napoleoni
Il Sagrestano = Lisandro Guinis

Direttore Dmitri Jurowsky
Regia Dieter Kaegi
Scene Carlo Centolavigna
Costumi Fondazione Cerratelli, Pisa
Disegno luci Nino Napoletano
Maestro del coro Roberto Ardigò
Maestro del Coro di voci bianche Viviana Apicella

Orchestra, Coro e Coro delle voci bianche del Festival Puccini

Gran Teatro Giacomo Puccini - Torre Del Lago

65° Festival Puccini 2019    Tosca   2, 11, 18 August

 


 

 

 ≪劇場のFBより、劇場や舞台、セットなどの写真≫

 

プッチーニフェスティバルのFBには、連日、様々な情報がアップされました。ここで紹介しているトスカ以外の演目の投稿も同様に豊富ですので、ぜひご覧ください。今年の全公演を終え、すでに来年の演目、日程も発表されています。ただし出演者は未公表、さて、来年クーラは出演するのでしょうか?

 

 

●まずは、劇場の美しいロケーションやトスカのセットなどが見られる投稿を。

 

 

●今年の全公演終了後、劇場のFBに掲載されたトスカのアルバム。トップの写真はこちらからお借りしたものです。右上のFマークをクリックすると、すべての写真を見ることができます。迫力ある舞台写真がたくさんです。

 

●カヴァラドッシ用の拷問による流血で赤く染まった衣装、小道具、セット、オーケストラピット、劇場のまわりの風景など。

 

 

≪ニュース動画より≫

 

現地メディアがたくさんニュース動画で紹介してくれています。ただしどれも短いカットばかりで、見れば見るほど欲求不満がつのるという面も・・。

 

●「トスカ:プッチーニ音楽祭でのホセ・クーラの勝利」と題されたニュース映像。各シーン、指揮者インタビュー、最後にクーラのカーテンコールの様子など。

Tosca: il trionfo di Josè Cura al Festival Pucciniano

 

●同じくニュース映像。第1幕の2重唱のごく一部、第2幕尋問シーン少々、第3幕「星は光りぬ」一瞬だけ・・と各シーンをチラ見できます。

 

●今回のフェスティバルのトスカ全体を振り返るようなニュース映像、13分と長めです。指揮者、クーラをはじめ、キャストのインタビューや舞台の様子も。 クーラのインタビューは10分10秒過ぎから。

 

●劇場FBにアップされた告知動画。音声はありませんが、クーラのカヴァラドッシが大勢の警吏を振り払おうとする場面や、3幕ラストのトスカとカヴァラドッシのシーンなどが少し見られます。

 

 

≪劇場のライブ放送より≫

 

実は、プッチーニフェスティバルの各公演は、毎回、各幕からそれぞれ一部分が、ネットライブ中継されました。本当にありがたいことで、うれしいのですが、一方でとても残念なことに、観客席内からスマートフォンでとったのかと思われる感じの映像で、画質、音質ともに、少々・・というものでした。とはいえ、中継してくれるだけでも、もちろんうれしいです。

クーラが出演した3回のトスカも、それぞれ、部分的にライブ中継され、その録画が劇場のFBで現在も見ることができます。その日によって、少しづつ録画のシーンが違っていますが、なぜか冒頭の「妙なる調和」だけは3回とも中継され、期待の「星は光りぬ」は1度もなし・・。トスカのアリアもありませんでした。

とりあえず、2つだけ、初日の第2幕「ヴィットーリア」と、最終日、長めに中継された第1幕の録画リンクを紹介します。それ以外にもたくさんの録画がありますので、劇場のFBをご覧ください。 

 

●8/18 第1幕、冒頭~「妙なる調和」~トスカとカヴァラドッシの2重唱

 

●8/2 第2幕、拷問に屈せず、共和派の勝利に歓喜の声をあげる「ヴィットーリア」のシーン

 

 

≪舞台裏の写真≫ 

 

バックステージの写真は、独特の面白さ、魅力があります。劇場や関係者のSNSからいくつか紹介します。

 

●気合十分、すでに役に入り込んでいるような、幕間の控室のクーラ。

 

●拷問による出血を丁寧にメイク中。メイク担当の方がいるのだと思いますが、仕上げは自分がやっているのでしょうか?

 

 

●カメラマンがインスタに投稿した、舞台袖で出番を待つクーラの写真。生の舞台の緊張感が伝わってきます。

 
 
<svg width="50px" height="50px" viewBox="0 0 60 60" version="1.1" xmlns="https://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="https://www.w3.org/1999/xlink"><g stroke="none" stroke-width="1" fill="none" fill-rule="evenodd"><g transform="translate(-511.000000, -20.000000)" fill="#000000"><g><path d="M556.869,30.41 C554.814,30.41 553.148,32.076 553.148,34.131 C553.148,36.186 554.814,37.852 556.869,37.852 C558.924,37.852 560.59,36.186 560.59,34.131 C560.59,32.076 558.924,30.41 556.869,30.41 M541,60.657 C535.114,60.657 530.342,55.887 530.342,50 C530.342,44.114 535.114,39.342 541,39.342 C546.887,39.342 551.658,44.114 551.658,50 C551.658,55.887 546.887,60.657 541,60.657 M541,33.886 C532.1,33.886 524.886,41.1 524.886,50 C524.886,58.899 532.1,66.113 541,66.113 C549.9,66.113 557.115,58.899 557.115,50 C557.115,41.1 549.9,33.886 541,33.886 M565.378,62.101 C565.244,65.022 564.756,66.606 564.346,67.663 C563.803,69.06 563.154,70.057 562.106,71.106 C561.058,72.155 560.06,72.803 558.662,73.347 C557.607,73.757 556.021,74.244 553.102,74.378 C549.944,74.521 548.997,74.552 541,74.552 C533.003,74.552 532.056,74.521 528.898,74.378 C525.979,74.244 524.393,73.757 523.338,73.347 C521.94,72.803 520.942,72.155 519.894,71.106 C518.846,70.057 518.197,69.06 517.654,67.663 C517.244,66.606 516.755,65.022 516.623,62.101 C516.479,58.943 516.448,57.996 516.448,50 C516.448,42.003 516.479,41.056 516.623,37.899 C516.755,34.978 517.244,33.391 517.654,32.338 C518.197,30.938 518.846,29.942 519.894,28.894 C520.942,27.846 521.94,27.196 523.338,26.654 C524.393,26.244 525.979,25.756 528.898,25.623 C532.057,25.479 533.004,25.448 541,25.448 C548.997,25.448 549.943,25.479 553.102,25.623 C556.021,25.756 557.607,26.244 558.662,26.654 C560.06,27.196 561.058,27.846 562.106,28.894 C563.154,29.942 563.803,30.938 564.346,32.338 C564.756,33.391 565.244,34.978 565.378,37.899 C565.522,41.056 565.552,42.003 565.552,50 C565.552,57.996 565.522,58.943 565.378,62.101 M570.82,37.631 C570.674,34.438 570.167,32.258 569.425,30.349 C568.659,28.377 567.633,26.702 565.965,25.035 C564.297,23.368 562.623,22.342 560.652,21.575 C558.743,20.834 556.562,20.326 553.369,20.18 C550.169,20.033 549.148,20 541,20 C532.853,20 531.831,20.033 528.631,20.18 C525.438,20.326 523.257,20.834 521.349,21.575 C519.376,22.342 517.703,23.368 516.035,25.035 C514.368,26.702 513.342,28.377 512.574,30.349 C511.834,32.258 511.326,34.438 511.181,37.631 C511.035,40.831 511,41.851 511,50 C511,58.147 511.035,59.17 511.181,62.369 C511.326,65.562 511.834,67.743 512.574,69.651 C513.342,71.625 514.368,73.296 516.035,74.965 C517.703,76.634 519.376,77.658 521.349,78.425 C523.257,79.167 525.438,79.673 528.631,79.82 C531.831,79.965 532.853,80.001 541,80.001 C549.148,80.001 550.169,79.965 553.369,79.82 C556.562,79.673 558.743,79.167 560.652,78.425 C562.623,77.658 564.297,76.634 565.965,74.965 C567.633,73.296 568.659,71.625 569.425,69.651 C570.167,67.743 570.674,65.562 570.82,62.369 C570.966,59.17 571,58.147 571,50 C571,41.851 570.966,40.831 570.82,37.631"></path></g></g></g></svg>
この投稿をInstagramで見る

Lorenzo Montanelliさん(@lorenzo.montanelli)がシェアした投稿 - <time style=" font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; line-height:17px;" datetime="2019-08-25T17:29:31+00:00">2019年 8月月25日午前10時29分PDT</time>

 

●クーラがFBにアップした写真。最終日、「星は光りぬ」をアンコールで歌うことになった、その舞台袖からとった、湖の上に輝く月の写真。

「”星は光りぬ”を歌うために歩き出す数分前、舞台から撮った写真。文字通り、観客によって”強いられ”て、繰り返し歌った。プッチーニの家の前で、最も象徴的なアリアのアンコール、そしてこのような月を背景にするのは、夢を見る以上のものだ。」

  

●初出演の1995年以来の付き合い、サブ・ディレクターのルカさん、スカルピアのカルロスさんと。

 

●同じくルカさんが投稿した、クーラとの3人組の写真。

 

 

 


 

クーラにとってトスカのカヴァラドッシは、インタビュー編でも紹介したように、正義のために命をかける屈服しない人であり、アンドレア・シェニエとともにクーラ自身が共感できる役柄だと繰り返し語っています。とりわけ、世界がさまざまな困難に直面している現代だからこそ、今回の公演でも、クーラ渾身のカヴァラドッシは自由と民主主義の価値、それらを守り抜く信念と行動、人生について問いかけ、ドラマティックな音楽とともに多くの観客に深い感動をもたらしたのではないでしょうか。

そのカヴァラドッシにロールデビューしたのが、このプッチーニフェスティバルであり、1995年、クーラ32歳の時でした。その後、ウィーンやニューヨーク・メトロポリタンをはじめ、世界中の歌劇場で繰り返しこの役柄を歌い、演じています。そういう生涯をかけて演じ続けている役を、プッチーニ生誕の地の音楽性でデビューし、そしてまた20年余を経て、また同じ役柄で戻ってきたことに、クーラもとても深い思いを抱いたようです。

この滞在期間に、ルッカのプッチーニの生家を再訪し、またプッチーニが暮らした湖畔の家にも訪問しています。その際のクーラのプッチーニへの思いの込もったインタビュー映像などもありますので、いずれ紹介したいと思います。

 

 

*画像はフェスティバルFBなどからお借りしました。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする