人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

2019年 ホセ・クーラ スペイン・リェイダでベートーヴェン交響曲第4番、ロドリーゴ・アランフェス協奏曲を指揮

2019-02-05 | 指揮者・作曲家として





ホセ・クーラの2019年最初の公演は、1月19日、指揮者としてのコンサートでした。
マドリード在住のクーラにとっては自国内の都市、スペイン東部カタルーニャ州のリェイダで、オケはフリア・カボネル・デ・レス・テレス・デ・リエダ交響楽団 (OJC)です。

このオケとは、2016年12月に初めて共演して、クーラがドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」など指揮しています。
 → その時の様子を紹介したブログ記事

2回目の今回は、ベートーヴェンの交響曲「第4番」と、スペイン人の作曲家ホアキン・ロドリーゴのギターと管弦楽のための「アランフエス協奏曲」などが演奏されました。
哀愁あふれるメロディで有名な「アランフェス交響曲」は、80年前の1939年に作曲され、翌年、同じカタルーニャ州の州都バルセロナで初演されたのだそうです。

今回のギターソリストは、チェコ出身の18歳と若い女性ギタリストBarbora Kubíkováさん。チェコのプラハ響とのコンサートやドレスデンでのコンサートなどで共演を重ねています。クーラ自身も12歳からギターを学び、今もギターを最も愛する楽器と語っていますが、この若い才能あるギタリストに対するクーラの大きな期待を感じます。





José Cura again with OJC!
4th of Beethoven and the Concert of Aranjuez
Saturday January 19 - 8pm
Lleida. Auditori Enric Granados

Program
Tres Viejos Aires de Danza J. RODRIGO
Concert by Aranjuez J. RODRIGO
Symphony no. 4, Op. 60, at Sib Major LV BEETHOVEN

Julià Carbonell Symphony Orchestra of the Terres de Lleida - OJC
Barbora Kubíková , guitar
Director: José Cura

ロドリーゴ「3つの古い舞曲の調べ」、「アランフェス協奏曲」
ベートーヴェン「交響曲第4番」
フリア・カボネル・デ・レス・テレス・デ・リェイダ交響楽団 / エンリケ・グラナドス音楽堂 / スペイン・リェイダ









≪リェイダの街に張り出されたポスター≫

共演者のFBより





≪レビューより≫

●敏感でコミュニケーション力のあるミュージシャン

ホセ・クーラは、自分が何を求めているのかを知っていて、それを達成するために働く、敏感でコミュニケーション力のあるミュージシャンだ。テノールとして有名であり、彼は常に興味深い解釈をする監督である。
そして、コンサートの最初の作品からすでに、彼が、音楽の呼吸を可能にし、歌詞を探求し、各フレーズを味わい、また常に透き通った肌合いを求めていることは明らかだった。


●アンダルシアの刺激的な色合い

アランフェス協奏曲、確かに最もポピュラーなギター協奏曲であり、間違いなく今までに書かれた中で最も美しいものの一つ。そして、その夜の最も期待される瞬間の一つだった。
・・・
アンダルシアの刺激的な色合いは、そのリズム、メロディーの好み、そして微妙なオーケストレーションによって、曲の始まりから明白になる。輝く「Allegro」は、ソリストに注意を払いながら、活気に満ちたリズムを際立たせた。よく知られている「アダージョ」では、私達にイングリッシュホルンとギタリストとの美しい対話を提供した。間違いなく、定評のある弦と、有機的に構築されたクライマックスを提供する、最も完成された瞬間の1つ。

チェコのギタリストは、オーケストラに飲み込まれない素晴らしいサウンドを持ち、優雅さ、感度、そして豊かな色彩を見せた。






●生き生きとした、最高のオケ、クーラによる素晴らしい仕事

コンサートの第2部では、非常に生き生きとしたベートーヴェンの交響曲第4番で、私たちにこの夕べの最高のオーケストラを与えた。
オケのミュージシャンたちは、ゲスト指揮者クーラと完全に調和して、しかし劇的なフィット感やハイライトに引きずられることなく、激しいバージョンを達成した。

木管の良い仕事、特にオケの演奏のなかでのファゴットは、指揮者とともに一生懸命に働くことで素晴らしい瞬間が可能であることを示していた。そしてホセ・クーラによる素晴らしい仕事、彼はOJCのメンバーからすべての果汁を引き出す方法を知っていた。

(「revistamusical.cat」)



"土曜日の素晴らしいコンサートの写真のごく一部をお楽しみください。
いつものように、マエストロ・クーラとともに仕事をするのは、スイングがたくさんある素晴らしい経験です!"



≪リハーサルの様子≫

オケのFBより




オケ関係者のFBより




≪リハーサル動画≫

ギタリストのBarboraさんがFBに投稿してくれた動画です。

有名な哀愁漂うメロディを歌って指示しながらリハーサルするクーラ。もっと歌ってほしい(笑)



こちらは昨年5月のドレスデンのコンサートにむけたリハ、ソリストと2人で。クーラの声とギターがしみじみ美しい。

 

≪追記・本番の動画 アランフェス協奏曲≫

共演したギタリストのバルボラさんが、アランフェス協奏曲の全曲と、アンコールの様子の動画をアップしてくれました。約30分です。とても美しく郷愁に満ちたメロディが素敵で、ギターもよく響いています。ただ、客席からの録音のため、咳の音が何度も酷く響いているのがとても残念です。クーラの指揮、後ろ姿だけでとても存在感があります。

Concierto de Aranjuez - Barbora Kubíková (guitar) & José Cura (conductor)

 



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今回のコンサート、実は、演奏中に、不幸にも観客の携帯電話が鳴るということが1回ならず3回もあったそうで、まったく残念なことでした。しかし、音楽的な内容の上でも、またほぼ満席となったという点でも、大成功だったようです。

今年2019年のクーラは、指揮者としての新たな挑戦がたくさんです。ベートーヴェンのシンフォニーあり、ヴェルディのレクイエムあり、プッチーニのオペラ、聖女アンジェリカあり、そしてクーラ自身が作曲した曲も演奏されます。

こうした指揮者としての研究と準備、作曲や編曲の仕事とともに、歌手としてのコンサートやオペラ出演があり、そしてもしかすると、来年以降の新しい演出など未公表のプロダクションもすすめているのかもしれません。本当にハードワークの人生です。

良いスタートを切った今年、ひとつひとつの公演が成功すること、そしてクーラの努力と研鑽により、その芸術がいっそう深く、高く、多面的に、豊かに実る年となることを願っています。



*画像はオーケストラのFBなどからお借りしました。


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