人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

(動画公開編)2020年 ホセ・クーラ脚本・作曲のオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」世界初演へ

2020-04-26 | クーラ脚本・作曲オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」

 

 

 

ホセ・クーラが、脚本執筆、作曲、オーケストレーションを手がけ、今年2020年1月29日、ハンガリー・リスト音楽院での世界初演で自ら指揮をした新作オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」、初演の舞台の動画が公開されました。セミステージ形式です。

当日、ラジオで放送され、1か月ほど聞くことができましたが、今回は、世界的なコロナ禍で家に閉じ籠らざるを得ない音楽ファンのために、クーラ自身がYouTubeチャンネルにアップしてくれたものです。

いつまで公開されているかはわかりません。突然、非公開にしてしまうこともありますので、興味をお持ちの方はぜひお早めにどうぞ。

なお、物語は、キューバの作家カルペンティエールの「バロック協奏曲」を原作としています。主人公のメキシコ出身の男爵と、ヴィヴァルディ、ヘンデル、スカルラッティという3人の作曲家たちとの出会い、実在のオペラ「モンテズマ」誕生に至るエピソードが盛り込まれています。

音楽としては、クーラの作曲と構成のなかに、中心人物のヴィヴァルディやヘンデルをはじめ、様々な有名な曲やセリフが引用されていて、どこに誰の何が出てきているのかを知る楽しさもあります。

また使用言語は、スペイン語、イタリア語、ドイツ語など、キャラクターによって使い分けられています。字幕はありませんが、クーラが脚本を原語版、英語版の両方で公開してくれています。下にリンクを掲載していますのでご参照ください。

とはいえ、英語の脚本でも、私などには、なかなかすぐには理解しにくく、いずれ訳して紹介したいとは思っていますが、まだまだ先になりそうです。なので、以前の投稿で、初演の舞台に登場したナレーション(録画ではカット)の原稿をざっくり訳していますので、多少はストーリー展開を知る参考になるかと思います。よろしければどうぞ。  →  (オンデマンド録音編

 

 

 


 

 

 

≪ホセ・クーラ脚本・作曲「モンテズマと赤毛の司祭」 録画≫

 

Montezuma e il Prete Rosso, opera buffa ma non troppo by José Cura

 

 

World Premier in Concert at the Budapest Music Academy Great Hall ,  January 29, 2020

Cast in order of appearance

Prologo
Francisquillo – János Alagi
The Baron – Matias Tosi
The Lover – Katalin Károlyi

Backstage voices
A Woman – Gabriella Sallay
A Man – Péter Tóth

Quintet
1. Nóra Ducza
2. Bernadett Nagy
3. Kornélia Bakos
4. József Csapó
5. Szabolcs Hámori

Il Carnevale
Vivaldi – Donát Varga
Handel – Domonkos Blazsó
Scarlatti – József Gál
Filomeno – Zoltán Megyesi
Host – Róbert Rezsnyák

Orchestrina
Dávid Simon (flute)
Zsanett Pfujd (bassoon)
Balázs Csonka (violin)
Eszter Reményi Csiky (violoncello)
Helga Kiss (percussion)

Stornello

Uomo 1 – József Csapó
Donna 1 – Kornélia Bakos
Donna 2 – Nóra Ducza
Uomo 3 – Szabolcs Hámori
Donna 3 – Katalin Süveges
Uomo 2 – Gábor Pivarcsi
Donna 4 – Bernadett Nagy

L’Ospedale
Orderly Noun – Borbála László

Orphans orchestra
Bianca Maria – Fruzsina Varga (flute)
Claudia – Melinda Kozár (oboe)
Cattarina – Yoshie Toyonaga (clarinet)
Lucietta – Dóra Béres (trumpet)
Pierina – Ildikó Fazekas (violin)
Bettina – Katalin Madák (viola)
Margherita – Rita Keresztes (cello)
Giuseppina – Gerda Kocsis (contrabass)

Il Cimitero
The Gondoliere and the Friar – Róbert Rezsnyák

Hungarian Radio Symphony Orchestra and Choir (choirmaster: Zoltán Pad)
Organ, harpsichord continuo: Soma Dinyés

 

 

 

≪ 脚本 ≫

 

クーラが執筆した脚本です。公式HP(全体はリニューアル作業中)に掲載されています。44ページのPDFで、左右に「原語版」と「英語版」が並んでいます。以下の画像にリンクをはってあります。

なお、今回、公開された動画では、最後のシーン、「リハーサル」の場面がカットされています。クーラの説明によると、初演後に大幅に書き直したそうで、そのために動画からはカット、この脚本には改訂後の文面が掲載されているようです。

クーラが執筆した脚本には原作があり、キューバの作家カルペンティエールの「バロック協奏曲」にもとづいています。

 

 

 

 

 

≪解説と資料≫

 

同じく、クーラの公式HPに掲載されたもので、PDFで13枚、クーラ自身が執筆した脚本や音楽面、史実などに関する解説、引用元、資料の紹介、クーラやヴィヴァルディの自筆の楽譜の写真、原作本の写真なども掲載されています。(英語)

 

 

 

 

 


 

 

クーラの新作オペラ、動画に加え、脚本、解説・資料まで、すべてを無料で公開してくれました。クーラの丹念な仕事ぶり、凝り具合がよくわかるのではないでしょうか。作曲だけでなく、歴史的事実と資料収集などの探求と研究、執筆、英語版の作成、解説の作成、動画のアップ作業・・本当に、大変な労力と時間、情熱がつぎ込まれています。こういう手間のかかる仕事を、コツコツと熱心に続け、多面的に展開させている多才なアーティスト、本当にユニークな存在ではないかと思います。しかも、しかるべきレーベルから出版、書籍化すれば、収益にもなるだろうに、今、みんなが苦しんでいる時だからと、すべて無料で公開してくれています。

クーラが原作とした「バロック協奏曲」は荒唐無稽な空想的なストーリーで、私が読んだ印象では、なかなかオペラ化するのは難しそうに思われましたが、その奇想天外な展開をそのままに、エッセンスをぎゅっと詰め込み、ドラマティックでカラフル、コミカルな音楽を豊富に付けたという印象です。

音楽の楽しさ、素晴らしさとともに、人種差別と自由、他民族への侵略の歴史、文明の対立、アーティストのアイデンティティなどの社会的、歴史的視点も編み込まれています。

そしてこれは、もともと何年か前に作曲されたたものですから、クーラが意図したものではないのですが、そして原作がそもそも描いていることですが、伝染病による悲劇を悼む内容ともなっていることです。オペラの冒頭、旅に出た主人公が、キューバで疫病の流行に巻き込まれ、同行した従者が亡くなるという悲劇に見舞われます。そしてクーラは、この部分に、死者を悼み、悲しみと祈りのレクイエムを、たっぷりの時間をかけて作曲しています。全体としては喜劇を標榜していますが、この前半部分は、とても切なく、美しくドラマティックな悲劇的な場面となっています。作曲時に意図していたわけではないけれど、今、この曲が公開されたことで、世界が直面している新型ウイルスによる犠牲者を悼み、困難に直面している人々を慰める音楽となっているようにも、私には思われます。これはあくまでも偶然ですが、クーラの人間と人間社会に対するリアリズムとヒューマニズムが、そういう受け止めを可能にしているのではないかとも思います。

ぜひ、大勢のみなさまにご覧いただければと願っています。また、今回はセミステージ版でしたが、いつか舞台化され、完成版として上演されること、またDVDなどで映像化、リリースされることを心から願っています。

 

 

*画像は、クーラとハンガリー放送協会のFBからお借りしました。

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(オンデマンド録音編)2020年 ホセ・クーラ脚本・作曲のオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」世界初演へ

2020-02-01 | クーラ脚本・作曲オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」

 

 

2020年1月29日(日本時間は1月30日早朝)、ホセ・クーラの新作オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」の世界初演が無事に終了しました。クーラが脚本・作曲・オーケストレーションを手がけ、演出(セミステージ形式)と当日の指揮も担いました。

緊急告知)でお知らせしたように、この公演はハンガリーのラジオ局バルトークラジオで生中継され、日本でも、とても良い音質で聞くことができました。生放送は終わりましたが、うれしいことに、1月30日からの30日間、オンデマンドで録音を聞くことができます。今回は、あらためてオンデマンド視聴先のリンクをご紹介します。

珍しい作品を聞くチャンスだと思いますが、しかし、全く知らない新しいオペラを音だけで楽しむのは、なかなか難しいことです。しかもクーラのオペラは、ハンガリー語、イタリア語、英語、スペイン語・・など多言語で歌い、演じられています。また今回は、セミステージ形式で舞台装置がなく、演技・動きも制限されていて、劇場の観客にとっても、字幕があるとはいえ、理解しにくさがあるだろうと思います。

こうした事情をふまえ、この公演では、話の流れをつかめるように特別にナレーターを登場させています。ナレーターが冒頭と各場面の前に登場し、大まかなあらすじを語る(現地のハンガリー語)形をとっていました。もちろんラジオ放送にも含まれています。

さらに、ラジオ放送を聞く視聴者のために、クーラが、ナレーター用の原稿をフェイスブックに英語にして掲載してくれました。これを不十分ではありますがざっくりと和訳して紹介したいと思います。誤訳やニュアンスの違いがあると思いますので、ぜひクーラの原文をご参照ください。

今回は、①クーラ掲載のナレーター原稿(あらすじ・元の英文)、②各場の初出登場人物一覧(リスト音楽院HP)、そして③ハンガリー放送協会が178枚もアップしてくれた舞台写真の一部、をお借りして、オペラの流れに沿って組み合わせてみました。オンデマンドで録音を聴くときに、不十分ではありますが、多少の参考になればうれしいです。

なお、クーラがこの脚本を書くにあたって、原作としたのは、カルペンティエールの小説「バロック協奏曲」です。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

≪クーラのFBより≫

 

●初演の翌日に

”1枚の写真は、多くの言葉よりも優れている...…「モンテズマと赤毛の司祭」の昨日の初演は、非常に特別なものだった!”

 

 

後ろ姿がクーラ、抱き合っているのが、主役のモンテズマとヴィヴァルディを演じた2人。長いハードワークの結果、世界初演を成功させ、思いを分かち合っている姿がとても印象的です。

 

 

●ナレーション原稿(英文)をアップしたFB投稿

 

 

”ハンガリー人でなくて今夜の放送を聞く予定の人にとって、ハンガリー語で話すナレーターや対話を聞き、何も理解できないとしたら、がっかりするだろうと思う。なので、印刷してフォローできるように、ナレーターのテキストがここにある。・・・”

 

 

 

 

 

≪バルトークラジオの録音オンデマンド≫

 

以下の画像にリンク

 

*録音が流れ始めると、最初にアナウンサーの声、続いて男性のナレーターの声がしばらく続きます。

 

 

 


 

 

 

≪オペラの流れーークーラのナレーター原稿を中心に≫

 

クーラの「モンテズマ」は、6つの場から構成されているようです。それぞれの場に合わせて、上記の3種の材料を配置してみました。

*訳も不十分で誤りもあると思われますので、ぜひ上記のリンクから元ページをご確認ください。

 

 

 

JOSÉ CURA: MONTEZUMA AND THE RED PRIEST

ホセ・クーラ 「モンテズマと赤毛の司祭」 (原作・カルペンティエール「バロック協奏曲」)

 

 

◆プロローグ ~ 伝染病 /  Prologue ~ The Plague◆ (登場順にキャスト紹介)

Francisquillo – Alagi János (フランシスキーリョ・従者)
Az Uraság – Matias Tosi  (男爵)
A Szerető – Károlyi Katalin (恋人)
Hangok a háttérből:  (背景からの声)
Egy nő – Sallay Gabriella  
Egy férfi – Tóth Péter
Kvintett:  (クインテット)
1. Ducza Nóra (még: Donna 2)
2. Nagy Bernadett (még: Donna 4)
3. Bakos Kornélia (még: Donna)
4. Csapó József (még Uomo 1 és Pignatta)
5. Hámori Szabolcs (még Uomo 3)

 

年は1732年、メキシコ、より正確にはベラクルスの街にいる。銀鉱山ブームの間に一家の財産を築いたスペイン人移民の孫である男爵は、余暇のためにヨーロッパに旅行することにした。男爵はアマチュアのバリトンで、いつの日か偉大な歌手になることを願っている。男爵は、彼の若い従者のフランシスキーリョが、この先の長い旅行のために彼らの鞄の荷造りするのを眺めながら、少年が辛い虫歯に苦しんでいることにすぐに気が付いた。痛みを和らげるのに役立つと期待して、フランシスキーリョに飲み物を与える。

突然、男爵の恋人の1人が、男爵が古い大陸に向けて出航する前に、彼へのある種、早すぎる慕情に苦しむふりをして駆けつけてくる。彼女の本当の意図は、うまくいけば恋人から高価なプレゼントを受け取ること。その女性を落ち着かせるために、男爵は彼女に高価なネックレスを贈り、フランシスキーリョは彼女に伝統的なメキシコの子どもの歌を歌う。

 

 

ドアがにノックされ、予想外の2人の訪問者が男爵に、きれいに折りたたまれた文書を手渡す。男爵がそれを開くと、彼が外国から帰国する際のお土産物のリクエストの長いリストが明らかになる。「もしパリを通ったら、その素晴らしい香水を持ってきてくれないか?」、または、「カーニバル中にヴェネツィアにいるなら、どうか、私にマスクを買ってくるのを忘れずに!」……等々が、無限のリストのなかに。怒った男爵は使い走りになることを拒否し、怒りを抑えるために恋人と一緒に寝室に引き取る。…

一方、フランシスキーリョは状況を楽しむことに決め、モンテヴェルディの “Oh, dolente partita”(「ああ、悲しみの出発」)を歌う。この美しい音楽が流れる間ーー実際には、ゆったりとした旅ではなく、死者の出発に関するものだがーー主人公たちは、大西洋を越えてヨーロッパに向かう船に乗るために、キューバのハバナに到着する。そこでは街を破壊する疫病の流行の真っ只中だった。男爵と彼の従者は、船が到着するまで待たなければならない2週間を安全に過ごすことができる場所を探す。医師が病気に感染した多くの人々の世話をし、救われない人々の遺体が火葬のために戦車の上に投げ込まれていく間、コーラスは葬送曲を歌う。

運命は、若くて弱いフランシスキーリョを疫病に感染させようとする。地元のキューバ人男性が看病してくれるが、少年は悪化し、死んでしまう。ヨーロッパに向かう旅行中に突然、アシスタントが必要となった男爵は、たまたまフランシスキーリョの看護師だった “el negro Filomeno”(「黒人のフィロメーノ」)を雇い、彼は亡くなった従者の代わりになる。

 

 

 

◆カーニバル / The Carnival

Vivaldi – Varga Donát  (ヴィヴァルディ)
Vendéglős – Rezsnyák Róbert  (レストラン店主)
Filomeno – Megyesi Zoltán  (新しい従者・フィロメーノ)
Händel – Blazsó Domonkos  (ヘンデル)
Scarlatti –  Gál József  (スカルラッティ)

Donna 3 – Süveges Katalin
Uomo 2 – Pivarcsi Gábor

 

男爵と彼の新しい従者フィロメーノは、1733年、カーニバル中にヴェネツィアに到着する。そこで彼らは、シンバル、ラトル、ドラム、ヴェネツィアン・コルネットのくぐもった騒音は、カリブ海のパーティーの不協和音とあまり変わらないことを発見する。男爵は負けないようにドレスアップすることを決め、ヴェネツィア人が毎年の祭りの期間中にやらないようなことをするため、より良いアイデアがなければ、伝説のアステカ皇帝モンテズマの肖像を採用することに決めた。その反対に、フィロメーノは、手を加えずに誇らしげに彼のルックスを誇示することにした。

やがて通りの騒ぎに飽きてきた男爵とその従者は、補給のためにヴェネツィアのレストランに足を踏み入れた。運命は、神秘的に暗くエレガントな人物とテーブルを共有することを望んだ。バイオリニスト兼作曲家のアントニオ・ヴィヴァルディ、赤毛の司祭その人だ。そのヴェネツィア人は、伝説のアステカ皇帝の装いをしているメキシコの男爵に、その服装は誰のものかと質問する。その時、常連客たちを楽しませるために小さなオーケストラが到着する。

店主は、シェークスピアのロミオとジュリエットからの一節を引用して、ミュージシャンのためのエリアを設定するが、プレイヤーたちは、伝説のマエストロ・ヴィヴァルディの存在に気付き、彼に敬意を表して、彼らが演奏するためよう雇われた楽しいポピュラー音楽の代わりに、彼の曲を演奏することにした。店主は偉大な作曲家に謝罪し、ヴィヴァルディの美しく洗練された音楽が、街のレストランの世俗的な場所に合わない理由をかなり哀れに説明しようとする。気分を害したヴィヴァルディは、自分が望むなら、彼の芸術を、いつでもどこでも、いかに実際に適合させることができるのか、音楽の爆発で証明する。

 

 

ミュージシャンたちはイベントの転換を恥じ、シャイなメヌエットを演奏し始める。非常に怒っているゲオルク・フレデリック・ヘンデル、続いて軽快なチェンバロの名手であるドメニコ・スカルラッティが火を噴く。ヴィヴァルディは2人の男性にテーブルを共有するよう招待し、会話はサン・ジョヴァンニ・グリソストモ劇場で最近初演されたヘンデルのオペラ「アグリッピナ」に向けられる。

数杯飲み、みんなリラックスして、オーケストラがそれまで演奏していた気まぐれなメヌエットから楽しそうなガボットへ引き継がれると、本当のパーティーが始まる。パーティーは、誰が最も粋な戯れ歌を思い付くことができるかを決定しようとする、男性と女性の間の突然のコンテストで終了する。 2編の悪戯っぽい14世紀の詩に基づくストルネッロ(男女の戯れ歌)は、4番目のシーンにつながっていく。

 

 

 

 

◆救貧院 / The Hospice◆

Apáca – László Borbála (修道女)
Az Árvák zenekara: (孤児のオーケストラ)
Bianca Maria – Varga Fruzsina (fuvola)
Claudia – Kozár Melinda (oboa)
Cattarina – Yoshie Toyonaga (klarinét)
Lucietta – Béres Dóra (trombita)
Pierina – Fazekas Ildikó (hegedű)
Bettina – Madák Katalin (brácsa)
Margherita – Keresztes Rita (gordonka)
Giuseppina – Kocsis Gerda (bőgő)

 

まだ冷めないパーティの興奮をほぐそうとして、ヴィヴァルディは友人たちを誘い、ピエタ院を訪問する。孤児の女の子のための歴史的な救貧院で、楽器を演奏する方法を教えることで彼女たちに人生のスタートを教えている。救貧院の教師であるヴィヴァルディは、厳格な修道女によって歓迎される。彼は生徒たちを温かく友達に紹介する。

スカルラッティはチェンバロに座って彼の最新作を演奏し、ヴィヴァルディはヴァイオリンを手に加わる。誰もが参加して、忘れられない音楽の瞬間が形になる。ヘンデルまでがヴィヴァルディの挑発に応えるまで参加し、彼の有名な「ハレルヤ」のものすごい演出で爆発し、圧倒的な音の流れで全員を覆い尽くす。自分の能力に合った楽器を探しに出かけていたフィロメーノは、急いで戻り、いくつかの鍋を大きな音で叩き始め、皆を驚かせる。作曲家たちは、音楽スタイルの突然の転換に喜び、ヘンデルの「ハレルヤ」による予想外のジャムセッションで団結するが、しばらくすると、バイオリンの凄まじいアクロバット演奏に常に飢えているヴィヴァルディは、彼の「四季」の夏の嵐のモチーフで即興演奏を止める。すぐに誰もが再び参加し、その有名な作品の即興の抜粋は、疲れ果てた笑いの爆発で終わる。

誰もが楽しんで、飲んで、ますます親密になった時、突然、フィロメーノが、エデンの園で蛇に誘惑されるイブの絵を見つめながら、不気味なメロディーを歌い始める。思いがけない気分の変化により、みんながゆっくりと互いの仲間で夜を楽しむ。貞操の誓いのためにグループに参加することができない修道女を除く誰もが...。彼女はその代わりに、ペルーのカホン(打楽器)を必死に打ち鳴らすことに慰めを見つける...。

 

 
Gondolás/Szerzetes – Rezsnyák Róbert (修道士)
 
 
救貧院で夜を過ごし、午前中、寝ていたヴィヴァルディの一行は、頭をはっきりさせるために町を散策することにした。サン・ミケーレ島の墓地にある庭にゴンドラに乗っていく。そこでは、墓石が、広い空っぽのカフェの固定されていないテーブルのように見える。彼らは、修道女によって与えれた食べ物を穏かに消化できることを望んでいる。
 
モンテズマの物語が再び会話の話題になり、ヴィヴァルディの熱意が再び現れる。当時のオペラのベースになったテーマを近代化することを決意した革命的なヴェネツィア人は、より保守的なヘンデルに向かう。彼を怒らせる恐れがあるにもかかわらず。
 
多くの作品について話が飛ぶ間に、ヴィヴァルディはストラヴィンスキーの墓を発見する。ヘンデルはこの機会を利用して、友人にリベンジするために、偉大なロシアの作曲家が彼の音楽を公然と嘲笑ったことを思い出させた。ヴィヴァルディは、少なくとも、ストラヴィンスキーが「サーカス・ポルカ」(バーナム・サーカスに委嘱されて作曲)で書いたような、ゾウを踊らせる音楽を書いてはいない、と言って反論する。
 
フィロメーノ(従者)は、フランスの海賊と戦って死んだ奴隷である祖父サルバドール・ゴロモンのオペラを書くべきだと無邪気に提案するが、ヘンデルは、黒人が何かの主役になることは不可能だと主張して拒否する。フィロメーノは、ヴェネツィアとトルコの戦争中における黒人の冒険についての戯曲が、ロンドンで絶対的な成功が収めていることを指摘して、ヘンデルの誤りを指摘し、召使としての地位から推測される以上に博識であることを証明した。男爵は、高位の身分の人物を公然と正して、自らの分際を越えた従者を猶予し、後者はグループから距離を置き、バッグから、ホスピスの孤児の一人であるルシエッタからの贈り物のトランペットを取り出す。
 
遠くで葬儀の鐘が鳴り、行列を導く僧が説明するように、前日にヴェネツィアで亡くなった有名なドイツの作曲家の遺物を運ぶ行列で歌われたレクイエムが遠くから聞こえてくる。スカルラッティは、これは、馬が飛び、ドラゴンが火を吐き、水の下で話すことのできる女性まで出てくる、幻想的に長いオペラを書いた男だと説明する。驚いたフィロメーノは、ウォルト・ディズニーのことかと聞き返す…。リヒャルト・ワーグナーに敬意を表して合唱団に加わるまえに、みんなは爆発的な笑い声をあげる。
 
 
 
 
 
 
◆リハーサル / The Rehearsal◆
 
Montezuma – Matias Tosi (モンテズマ・男爵)
Teutile – Ducza Nóra   
Ramiro – Bakos Kornélia
Fernando – Nagy Bernadett
Mitrena – Károlyi Katalin
Színpadi rendező – Könyves Pál Kálmán (舞台監督)
Egy néző – Tóth Péter  (観客)
 
 
数週間が経ち、ヴィヴァルディは、Nをとったスペルで命名したオペラ「モテズマ ”Motezuma”」(「モンテズマ」でなく「モテズマ」もしくは「モテスマ」)の最初の草稿を書き終え、レチタティーヴォの一部をリハーサルしている。ヘンデルとスカルラッティは、同僚の仕事の様子をバルコニーから眺め、フィロメーノは反対側のボックスから眺めている。
 
男爵は、歌う夢を現実に変え、彼自身が同名の皇帝の役を担当している。リハーサルが進むと、ヴィヴァルディのますます斬新になる発言と、男爵の抗議が繰り広げられる。男爵は、作家による、不当な歴史的不正確さに不満を抱いている。最終的に、男爵とヴィヴァルディの間で議論が巻き起こる。前者・男爵は歴史的事実の重要性を擁護し、後者・ヴィヴァルディは詩的幻想の重要性を擁護する。スカルラッティとヘンデルは、味方になりたくないので、劇場を出て散歩に出かける。議論はますます激しくなり、ヴィヴァルディは、メキシコ人(男爵)の感性の欠如の疑いに腹を立てて出ていく。
 
 
 
 
男爵はこうした傲慢さと愚かさにうんざりして、メキシコに戻り、彼の本来の習慣と愛情に帰ることに決め、その間、従者をしばらく仕事から免除することにした。フィロメーノはパリに行くことを決めた。そこで彼は、いつものような、ただの「黒人」ではなく、ムッシューと呼ばれるだろう。
 
最後に、舞台には「ムッシュー・フィロメーノ」だけがいて、トランペットを演奏し、その背景には、ルイ・アームストロングのパリでの伝説的なコンサートを宣伝するポスターが映し出される。
 
 
(終)

*この文は、脚本作者のホセ・クーラがFBに掲載したナレーター用原稿を簡易的に和訳したものです。ぜひ原文をごらんください。

 

 

 


 

 

 ≪ハンガリー放送芸術協会のFBより≫

 

●公演当日の舞台写真

178枚もアップしてくれています。時系列になっているので、これを見ながらだと、舞台の様子がイメージできて楽しいです。これを見ると、舞台装置こそありませんが、ちょっとした小道具あり、簡単な衣装あり。演技も表情もしっかりとつけて、演じられているようです。

写真はここからお借りしました。


 

 

≪ハンガリーのTVニュースよりーーリハーサルとインタビュー≫

 

 

 

 


 

 

クーラの初の新作オペラの世界初演、大成功といってよいようで、本当に素晴らしいことでした。またラジオ放送によって、私もその目撃者(?)の1人になれて、とてもうれしいです。

初めに聞いた印象では、とにかくカラフルで多彩、時空を超えた様々な音楽、バロック音楽から、ロマン主義、現代音楽、ジャズ風、ラテン・カリブ風、イタリア民謡風・・等々、数多くの楽曲が、さまざまにアレンジされてちりばめられています。また従者の死の場面では、クーラ自身が以前に作曲したレクイエムも引用されているそうで、ドラマティックで印象的なシーンとなっています。一言ではいえないけれど、とにかくユニーク、楽しく、いわゆるオペラという型にはまらない、観客、キャスト、オケ、一体となって音楽を楽しむ公演となったことは間違いないと思います。

クーラが脚本の原作とした「バロック協奏曲」の作者カルペンティエールは、小説家・評論家であるとともに、学位をもつ音楽学者であり、音楽に対する造詣が非常に深かったのだそうです。そのことが小説のストーリー、さらにクーラのオペラにも反映していて、たくさんの歴史的な音楽作品引用の根拠となっています。さらにクーラが古典文学から引用したりと、知的な遊びにあふれた作品となっているようです。どこに誰の、どの曲が出てくるか、探してみるのも楽しいのではないでしょうか。

またクーラは、原作者が作品に込めたテーマの一つでもある、モンテズマとアステカ文明への侵略と征服という歴史への認識、人種差別の問題など、現代に通じる課題についても、オペラに位置付けています。このあたりについて、インタビューで語ったこともありますので、またいずれ紹介したいと思っています。

いつか舞台セット、映像なども含めた公演が実現することを願っています。

 

 

*写真はハンガリー芸術放送協会のFBよりお借りしました。

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(解説編3ー作曲について)2020年 ホセ・クーラ脚本・作曲のオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」世界初演へ

2020-01-29 | クーラ脚本・作曲オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」

 

 

ホセ・クーラの新作オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」の解説編、3回めになります。解説編としては、たぶんこれで最後と思われます。

前回の(解説編2)では、台本についてのクーラの解説を紹介しています。また(リハーサル編)では、オペラの一場面のリハーサル動画リンク(クーラのFBに掲載)も掲載していますので、ご覧いただけるとうれしいです。

今回は、クーラがFBに投稿した「作曲について」を中心に紹介しています。クーラがもうひとつのリハーサル動画をアップしてくれましたので、そのリンクも掲載しました。

また、ハンガリーでのインタビューで、同じく音楽についてクーラが語った部分を抜粋して和訳しています。いつものように、不確かな訳のため、ぜひ原文をご覧ください。

クーラがFBのコメントで、”オペラの主役は、マティアス・トシ(男爵・モンテズマ)、ドナト・ヴァルガ(赤毛の司祭・ヴィヴァルディ)。 リハーサルは順調に進んでいる!”と報告していました。初日は2020年1月29日、場所はブダペストのリスト音楽院大ホール、セミステージ形式で、1公演のみです。

 

なお、1月29日の初日がラジオでライブ放送されることについては(緊急告知・ラジオ生中継、オンデマンド放送編)でもお知らせしましたが、クーラがFBで告知しましたのでリンクを。

 


”明日(2020年1月29日)のラジオ放送へのリンクはこちら。アクションを見ずにオペラを聞くのは、少し当惑させるものだということを知っている。 ほとんどの場合、これまでに見たことのないオペラでは、頭のなかで絵をイメージすることはできないが、何もないよりはまし。 楽しんでもらえればうれしい!”
リアルタイム放送:1月29日19:30 ハンガリー時間。(日本時間1月30日3時30分頃~)

 

 

 


 

 

≪クーラのFBより≫

 

●作曲についてのクーラの説明

 

ーーモンテスマと赤司祭の物語の最後のエピソード

作曲について

 

いわゆる「現代的」なシステムのほとんどが激しくドラマティックであるとき、コミックオペラを作成するためにどのような音楽的な言語を使用すべきだろうか。

全くの不協和音、クラスター(密集和音)、セリエル音楽(音列主義)、電子機器・・等々は、作曲家がそれらを知的に使用するならば、猛烈なドラマを強調するために最適だ。しかし、それらをコミカルに使用する方法は?

私は各キャラクターの性格を定義するために、さまざまな音楽のモチーフを演奏してみたが、前の投稿で言及した音楽の引用を選んだ後、ついに「モンテズマと赤毛の司祭」のために、ネオバロック様式(「新古典主義」)の音楽言語で折り合いをつけることに決めた。

さらに、ヴィヴァルディ、ヘンデル、スカルラッティが、重く編曲された音楽の層(レイヤー)のもとで生き返るのをみるのは間違っているように感じた。それは彼らの時代にはあまりにも奇妙だっただろう。だから自分の作品には、小規模なオーケストラを使用することにした。

また、私が以前、作曲を試みたオペラ「マッチ売りの少女」(1992)のいくつかの曲は、新しい作品のいくつかの場面にぴったりすることがわかった。ガヴォット、メヌエット、ワルツなどのようなダンスの「香り」と結合させて、それらの音楽を蘇らせることができたのは非常にうれしかった。

ラテンアメリカのキャラクターを特徴づけるために、カリブ音楽のスウィングが存在する必要があり、オペラを開けたり閉じたりする簡潔だがキャッチーなルンバを書いた。

作品にバロック風の雰囲気を追加するために、私はある種類の対位法を使用し、カーペンティエ―ルの小説の一部である時間的な分離を強調するために、ジャムセッションも含めた...…。「ペスト」の時(*主人公が旅先で疫病の蔓延に遭遇し、従者を病で失う)の「ラクリモサ "Lacrymosa"」の瞬間は、私が1994年に書き、南大西洋戦争(マルビナス戦争・フォークランド紛争)40周年にあたる2022年に初公開される予定の「レクイエム・ミサ」から引用した。

 

 

●もうひとつのリハーサル動画

このリハーサルの場面では、ヴァイオリニストがヴィヴァルディの有名な「四季」の一節を弾いています。これはオケメンバーによる伴奏ではなく、主人公のひとりであるヴィヴァルディの役のテノールの方だそうです。これ自体がオペラの一場面。出演者の多くは、歌手であるとともに楽器を演奏することが求められ、またオーケストラのメンバーも、演技でドラマに参加することが求められているそうです。マルチタスクのクーラらしい発想、ドラマの作り方ですね。

 

”昨日のリハーサルのある瞬間...” by ホセ・クーラ

 

 

 

≪出演者とハンガリー放送芸術協会のFBより≫

●ヴィヴァルディ役の紹介

こちらの動画は、クーラの動画でヴァイオリンを弾いていた、ヴィヴァルディ役のドナト・ヴァルガさんが、同じ動画を短縮してアップしたものです。そしてそれをシェアした放送芸術協会が、彼についての紹介を書き込んでくれていました。

 

 

”ドナト・ヴァルガは、コメディオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」では主人公の1人、ヴィヴァルディを演じている。この役では、ドナトは彼のバイオリンと歌のスキルを同時に磨くことができる! ドナト・ヴァルガは1976年にセゲドで生まれ、8歳の時にセゲド音楽学校で音楽の勉強を始めた。彼は後にリスト・フェレンツ音楽大学(リスト音楽院)とスイスで楽器のスキルを磨いた。2007年まで、彼はセゲド国立劇場のオーケストラのコンサートマスターだった。彼は2005年に歌い始め、それ以来、コンサート、オペラパフォーマンス、演劇の定期的なソリストを務めている。ビデオでは、彼はヴィヴァルディの四季のバイオリンを演奏しているーーオペラの一部として!”

 

 


 

 

≪クーラのインタビューよりーー作品に関する部分の抜粋≫

 

 

 

Q、役にミュージシャンを選んだ理由は?

A(クーラ)、それは私の仕事ではなく、オーケストラの芸術監督がそれを担当した。 彼らのほとんどは以前から知っていたし、2か月前にこの作品の最初のリハーサルの準備をしていた時から一緒に働いてきた。

キャラクターに多様性があるために、適切な人物を見つけることは困難だった。たとえばヴィヴァルディは、作曲家であるだけでなくバイオリニストでもあったため、この作品の上演には、楽器を演奏できるテノールが必要だった。私たちは、素晴らしいヴァイオリニストであり、同時にテノールであるドナト・ヴァルガを得て、非常に幸運だ。

 

 

Q、物語はメキシコの男爵がヴェネツィアへと旅立ち、そこでモンテズマはヴィヴァルディと出会う。ヴィヴァルディはアステカの王についてのオペラを書く。どのようにして視聴者を1700年代に押し戻す?

A、オペラの音楽的言語はバロック様式の美学に従うーーステージ上には40人だけの小さなオーケストラがいて、テキストがより致命的に重要になる。

対照的に、ロマン派の時代には、レチタチヴォや対話の最中にもオーケストラ全体が演奏し、時にはその連続性を中断する。ちなみに、バロックは音楽史上私のお気に入りの時代で、音楽の始めと終わりであるバッハの大ファンだが、ヴィヴァルディ、ヘンデル、スカルラッティも私の心に近いものだ。

 

 

Q、この喜劇オペラの観客は?

A、これはとても賢明で危険な質問だ!(笑) 

モンテズマは幅広い聴衆向け。これは、他の作品への多くの言及を含む知的なコメディオペラだ。聴衆は事前に知識がなくても楽しむことができるが、ヒントを知っていれば舞台は最も楽しくなる。

同じことが他の芸術分野にも当てはまる。事前にモナリザについて何も聞かずにルーブル美術館に行くと、笑顔の女性を見るだけだが、誰かがその絵の背後にある根本的な意味、色、絵筆の使用、絵に込められた思慮の深さを説明してくれるなら、より多くの意味をもたらす。認識はより多くの楽しみに役立つ。

 

 

Q、オペラに引用されているものは?

A、カルペンティエール(原作「バロック協奏曲」の作者)は音楽史家でもあったので、多くの音楽作品を引用している。モンテズマでは、ヴィヴァルディ、ヘンデル、スカルラッティに加えて、ヴェルディのオテロ、イーゴリ・ストラヴィンスキーのサーカス・ポルカ、シェイクスピアのロミオとジュリエットの作品などを引用している。またジョークとして、ウォルト・ディズニーの物語を、ワーグナーの幻想的な世界と並べて参照した。

 

 

Q:モンテズマはあなたの最初のオペラ。作曲がキャリアでこれまで無視されてきた?

A、テノールとして、私は年間100回の公演をしてきたため、作曲する時間はとれなかった。

作曲はフルタイムの仕事。モンテズマの音楽をオーケストレーションしたとき、私はスタジオで誰とも話をしないで数週間を過ごした。その時、外の世界は私にとって消えていた。

 


Q、近い将来、より多くの曲を作曲する予定は?

A、別の台本を探しているが、見つけるのにまた30年もかからないことを望んでいる(笑)。今日、最大の挑戦は音楽ではなく、人々の興味を引く完璧な台本を見つけることだ。

 

 

 

 

 

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(緊急告知・ラジオ生中継、オンデマンド放送編)2020年 ホセ・クーラ脚本・作曲のオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」世界初演へ

2020-01-29 | クーラ脚本・作曲オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」

 

 

2020年1月29日に、ホセ・クーラが脚本・作曲を手がけた新作オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」が初日を迎えます。

うれしいことに、ハンガリー放送芸術協会が、クーラのオペラがラジオ生放送され、さらに録音を30日間のオンデマンドで聞くことができると告知してくれました。ライブラジオ放送の時間は、ハンガリーの現地時間1月29日19時35分から、日本時間では1月30日3時35分からの予定です。

以下、現時点でわかっている放送関係の情報をまとめてみました。

なお、クーラの新作オペラについての詳しい情報は、これまでの投稿まとめをご覧いただけるとありがたいです。

 

 


 

 

 

≪放送の告知ーーハンガリー放送芸術協会のFBより≫

 

●芸術監督のインタビューで告知

 

 

”ハンガリー放送芸術協会の芸術監督であるジョージ・イグリックは、昨日の朝、M1TVのライブ放送で、コメディオペラ「モンテスマと赤毛の司祭」の起源と特別な特徴について講演した。 彼は、ほとんどのキャストに完璧なボーカルスキルだけでなく、指揮者ホセ・クーラによる「総合的で芸術的」なパフォーマンスが期待されると語った。明日の夜のリスト音楽院での世界初演のパフォーマンスは、観客に間違いなく忘れられない体験を提供する!
購入可能なチケットは限られている。

https://www.jegymester.hu/.../8180.../Dohnanyi-berlet-II-2019/20

オペラは、水曜日の夜に19.35からバルトークラジオで生放送される。”

 

 

●中継・録音リンクの紹介

 

”海外の視聴者向けの更新:ホセ・クーラの新しいオペラのライブオーディオ放送”

「モンテズマと赤毛の司祭」は、次のリンクからアクセスできる。

https://mediaklikk.hu/bartok-radio-elo

時間:1月29日、水曜日、19.35ローカルブダペスト時間(UTC + 1)  
録音は、コンサートのホームページで1月30日木曜日から30日間利用できる。

http://radiomusic.hu/…/jose-cura-montezuma-and-the-red-pri…/

 

 

 

≪オンデマンド予定のHP≫

 

こちらがハンガリー放送芸術協会の「モンテズマと赤毛の司祭」のHPです。画像にリンクがはってあります。

現地時間1月30日以降、こちらのページでオンデマンド可能になるそうです。30日間限定の予定。

 

 

 

 

≪バルトークラジオのサイトより≫

 

●告知

 

●番組表

 

 

●ライブラジオ放送

ライブで聞かれる方は以下の画像をクリックしてください。バルトークラジオの生放送が始まります。

ライフ放送は、日本時間1月30日午前3時35分~の予定です。

 

 

 

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(リハーサル編)2020年 ホセ・クーラ脚本・作曲のオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」世界初演へ

2020-01-26 | クーラ脚本・作曲オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」

 

 

ホセ・クーラが脚本・作曲した新作オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」、数日後に迫った世界初演(2020年1月29日)にむけて、リハーサルもいよいよ大詰めを迎えています。

今回は、(告知編)(解説編)(解説編・その2)に続き、(リハーサル編)ということでまとめてみました。

サプライズは、クーラがリハーサルのワンシーンを動画で公開してくれたことです。貴重な初演前の新作オペラ、ごく一部ですが、リハーサル室でクーラが指揮し、オケと合唱が演奏している場面を見ることができたのは、とてもうれしいことです。

以下でリンクを紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。

 

 

 


 

 

 

JOSÉ CURA: MONTEZUMA AND THE RED PRIEST – opera buffa (ma non troppo) – world premiere – half-staged version

Prologo
Francisquillo – János Alagi
El Amo – Matias Tosi
La Amante – Katalin Károlyi
Backstage voices:
A Woman – Gabriella Sallay
A Man – Péter Tóth

Quintet:
1. Nóra Ducza (also Donna 2 in Stornello)
2. Bernadett Nagy (also Donna 4 in Stornello)
3. Kornélia Bakos (also Donna 1 in Stornello)
4. József Csapó (also Uomo 1 and Pignatta in Stornello)
5. Szabolcs Hámori (also Uomo 3 in Stornello)

Il Carnevale
Vivaldi – Donát Varga
Host – Róbert Rezsnyák
Filomeno – Zoltán Megyesi
Händel – Domonkos Bazsó
Scarlatti: József Gál 

Stornello
Donna 3 – Katalin Süveges
Uomo 2 – Gábor Pivarcsi

L’Ospedale
Orderly Noun – Borbála László
Orphans orchestra:
Bianca Maria – Fruzsina Varga (flute)
Claudia – Melinda Kozár (oboe)
Cattarina – Yoshie Toyonaga (clarinet)
Luciett – Dóra Béres (trumpet)
Pierin – Ildikó Fazekas (violin)
Bettina – Katalin Madák (viola)
Margherita – Rita Keresztes (cello)
Giuseppina – Gerda Kocsis (double bass)

Il Cimitero
The Gondoliere and the Friar – Róbert Rezsnyák

La Prova
Motezuma – Matias Tosi
Teutile – Nóra Ducza
Ramiro – Kornélia Bakos
Fernando – Bernadett Nagy
Mitrena – Katalin Károlyi
Stage Manager – Pál Kálmán Könyves
Spectator – Péter Tóth

Hungarian Radio Symphony Orchestra and Choir (choirmaster: Zoltán Pad)

Organ, harpsichord, continuo: Soma Dinyés

Conductor: José Cura

 

*リスト音楽院のHPに掲載されたもので、各場面ごとの詳しい配役と出演者のリストのようです。プロローグを含め、全部で7場で構成されているということでしょうか。

 

 


 

 

≪リハーサルの動画ーークーラのFBより≫

 

 

”リハーサルでの短い瞬間ーーフランシスキーリョの死の間際のディエス・イレ(Dies irae=怒りの日)の断片” by ホセ・クーラ

 

 

 

≪SNSより、リハーサルの様子≫

 

●ハンガリー放送芸術協会のFBから、アーティストとリハ中のクーラ

全部で10枚の写真が掲載されています。右上のFBをクリックしてご覧ください。

 

 

”来週、1月29日水曜日に、ホセ・クーラの新しいコメディ「モンテズマと赤毛の司祭」を演奏する。初演まであと1週間、オーケストラとボーカルのアーティストとソリストが、作曲家・指揮者とハードに働いている。写真は今朝Radio 6スタジオで撮影された。”

 

 

●同じくハンガリー放送芸術協会のFBより、主演のマティアス・トシの紹介

 

 

●ハンガリー放送芸術協会のインスタより

こちらも同じ協会によるリハの風景ですが、FBとは違う写真が10枚、掲載されています。

 

 
 
 
 
 
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#mrmemost #rehearsal #JoséCura #Montezumaandtheredpriest #music #teamwork

MagyarRádióMűvészetiEgyüttesei(@magyarradiomuveszetiegyuttesei)がシェアした投稿 - <time style="font-family: Arial,sans-serif; font-size: 14px; line-height: 17px;" datetime="2020-01-23T13:03:17+00:00">2020年 1月月23日午前5時03分PST</time>

 

インスタの10枚の写真のうちから2枚を。

主要なキャストの方たちなのでしょうか、ピアノを囲み、クーラの説明を聞いているようにみえます。

 

ヴァイオリンを弾くクーラ。ヴィバルディなど作曲家が主要なキャストで、音楽がふんだんに出てくるドラマのため、ヴァイオリンを弾く役、シーンをやってみせているのでしょうか。

 

 

●出演者のFBより

ヘンデル役の方がアップされていたリハ風景。とても楽しそうです。

 

 

 


 

 

1月29日の初日が迫っています。この時点で、ゲネプロの直前という頃でしょうか。

リハーサルは笑いが絶えないなかですすめられたそうです。ハンガリーに滞在中の日本の音楽家の方がSNSでクーラのリハの様子を紹介されていましたが、英語、ハンガリー語、イタリア語、フランス語が入りまじり、バロック音楽、モダン音楽、ジャズが入りまじり、そして喜劇で笑いが絶えない現場、マエストロ・クーラが面白すぎる、という内容を記されていました。これを読むだけで興味がかきたてられます。クーラのユーモア、リーダーシップとカリスマ性、出演者、同僚、劇場関係者へのフランクで寛容な姿勢、そして劇場と音楽、芸術を深く愛するクーラの全面的な能力とパワーが発揮され、初演へと着実に前進しているのだと思います。

クーラが数年がかりで執筆、作曲をすすめてきた新作オペラ。どんなものなのか、どんな音楽なのか、話を聞くだけではあまりイメージしにくかったのですが、今回、クーラが1場面を紹介してくれたおかげで、期待が大きくふくらみました。主人公の従者の死の場面、ヴェルディなどレクイエムでおなじみの「怒りの日」、とても迫力ある音楽、ドラマティックな合唱の場面でした。わくわくして、もっと聞きたいと思います。ぜひ、放送をお願いしたいです。

 

 

*写真はハンガリー放送芸術協会、関係者のFBなどからお借りしました。

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(解説編2ー台本について)2020年 ホセ・クーラ脚本・作曲のオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」世界初演へ

2020-01-20 | クーラ脚本・作曲オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」

 

 

2020年1月29日のクーラの「モンテズマと赤毛の司祭」初演にむけて、引き続き、オペラの詳細な情報が発信されています。

前回の(解説編)に続いて、2回目をまとめました。このシリーズ、たぶんまだまだ続きそうです。今回、まったくのオリジナルの脚本・音楽の新作オペラであり、成功させるために、クーラも、ハンガリー放送芸術協会も、可能な限り、このオペラを理解してもらえるように努力し、キャンペーンをしているのだと思います。

オペラの内容・背景について、説明が古典文学や歴史的事実に関わっていることもあり、教養に欠ける私の和訳はいつも以上に不十分かと思います。間違いや事実誤認、誤訳等、お許しいただき、ぜひ元の記事を見ていただければと思います。 

 

 


 

 

≪クーラのFBより≫

 

●台本についてのクーラの説明

 

先週、「モンテズマと赤毛の司祭」を私が書くことになった理由を紹介した。
今日は、台本の起源についてもっと話したいと思う...。
 
【台本について】
 
ーー独自の加筆と参考資料

前述のように、「モンテズマと赤毛の司祭」は、アレホ・カルペンティエールの小説にもとづいている。
もっと適切な言い方をすれば、それに触発された。実際、例えばモンテズマの死につながった出来事の説明など、多くの瞬間が、カルペンティエールの本にはなく、明らかにドラマ上の理由から、追加が必要だった。
 
したがって、ディエゴ・ドゥラン『ヌエバ・エスパーニャのインディアスの歴史』、ベルナル・ディアス・デル・カスティーリョ『メキシコ征服記』、エルナン・コルテスの皇帝チャールズ5世との2番目の手紙や、フランシスコ・デ・アギラールの『Relación breve de la conquista de la Nueva España』は必須だった。
 
これらの歴史的なテキストとは別に、執筆の過程で、愛するシェークスピアへのオマージュを含める必要性を感じた。ロミオとジュリエット第1幕5場から選んだ断片を引用した。正確には、舞踏会が準備されている場面の数節、主人が怠惰な召使を探しまわる様子など。
 
ーーデカメロンをヒントにイタリアの恋愛詩を挿入
 
しかしもし1つの大きなライセンスというなら、「Stornello(ストルネッロ)」(*補足=イタリアの恋心を歌うイタリアの庶民的な詩で、14世紀から十六世紀に大流行したものらしい)を挿入したことだろう。男性と女性がお互いに、どちらが最も小粋な戯れ歌を思いつくかを競う。14世紀の2編の詩にもとづくもので、タイトルがボッカチオの『デカメロン』に引用されている。調査に長い時間がかかったが、ついにこの2編の全文を、ジョズエ・カルドゥッチ(*イタリアの詩人、古典文学者で、ノーベル文学賞受賞者)著の「Cantilene e ballate、Strambotti e Madrigali」という本のなかに見つけた。
 
ーーオペラで使う言語をどうするか
 
台本をすすめるうえで決定的な決断の1つは、その主要言語を定めることだった。ヴェルディのオペラ「運命の力」のように、スペインを舞台にイタリア語で人々が語りあったり、または、ワーグナーのパルシファルのように、イギリスの物語(中世の騎士道物語、英アーサー王伝説に登場する騎士パーシヴァル)をドイツ語でーー無数のなかの2つの例だが、確かにこのようにすることも可能だった。しかし、ヴェルディとワグナーの時代にはほぼ必須条件だったが、今日の台本作家は、このジレンマを処理するためにもっと多くの自由裁量権を持っている。
 
2012年に50歳になったとき、最も親しい友人の何人かとパーティーを開催した。私がさまざまな国に住んでいたこと、また、それぞれからの友情の結果として祝福されていることを考えると、避けられないことだが、私の家はまるで国際的な規模での不協和音のように聞こえた…。しかし驚いたことに、誰もが自分の言語を話していても、理解しようと努力し、面白いジェスチャーを使って、最終的には彼らはみんな、コミュニケーションをとることができた。イエス、いくつかの誤解があったが、これらはイベントを楽しくした要素の一部となり、コメディが提供された。
 
多言語を使うことによる喜劇の可能性
 
その個人的な経験をもとに、また多言語アプローチにより可能になる喜劇の可能性を試してみたいと考え、私はオペラのすべての登場人物に、自分の母国語で自分自身を表現させることにした。彼ら自身のバックグラウンドに応じてやるように。 
 
これがマッドキャップ・コメディではなく、よりリアリスティックな作品の場合は、互いを適切に理解する方法の特定の技術について議論することもできるだろう。しかし、ここでの言語の衝突は、単一の統一された舌よりも、作品の性質をより優れたものにするだろう。

来週は、音楽についての詳細を!
 
 
 

 


 

 

 

≪ハンガリー放送芸術協会FBより≫

 

●メディアのインタビューをうけるクーラ

1月29日、私たちはリスト音楽院(音楽アカデミー)で、ホセ・クーラによる新しいオペラ「モンテズマと赤毛の司祭ーーオペラブッファ・マ・ノン・トロッポ」を初演する。公演の10日前の今日、私たちはプレス向けの日を持ち、マエストロ・クーラはいくつかの機関に対し、この作品の特徴について語った。

 

 


 

 

≪リハーサルの様子≫

 

リハーサル風景などの写真はまだほとんど公開されていませんが、新作オペラであり、すでに昨年からリハーサルは始まっていたようです。登場する3人の作曲家のうちの1人、ヘンデル役の方が投稿してくれました。

 

●ヘンデル役のバス・バリトン、ドミニク・ブラソさんのFBより

”ホセ・クーラ率いる「モンテズマ」のリハーサルがすでに始まっている。マエストロ・クーラと一緒に働くのは大変に光栄だ。”

 

 

 


 

 

今回のクーラの解説を読んで、脚本を執筆・仕上げるにあたって、クーラが、様々な参考文献を研究し、内容を豊かによりドラマティックに、面白くするために努力してきたことがよくわかりました。

メキシコのアステカの王モンテズマを主人公としたドラマを描くために、アステカ帝国を侵略、征服した側のスペイン人による著作や手紙などを読み込み、またドラマを豊かにするために、シェークスピアやボッカチオなど古典文学の世界を探求して材料を集めるなど、さまざまな努力と苦労があったようです。プロの作家、脚本家にとっては当然のことでしょうが、クーラのように、ミュージシャンとして公演をこなし、作曲や指揮をしながらの作業は、いかにハードワーカーのクーラにとっても、かなり大変な時間のかかることだったのではないかと思います。しかしクーラ自身には、楽しく、好奇心がそそられる知的探求という面がつよかったのかもしれません。

リハーサルの写真には、ピアノと譜面を前に、キャストらしき人とクーラの姿が見えます。全くの新作、書下ろしのオペラであり、初めて音になるわけで、作曲家・指揮者のクーラにとっても大きなチャレンジ。キャストの方たちもオケのメンバーにとっても当然ですが、初めての物語であり初めての音楽です。とてもエキサイティングであり、自分が譜面に書いたオペラが、実際に音として鳴り、歌として歌われ、キャストとオーケストラによって音楽ドラマとして組み立てられていく様子に立ち会うのは、どれほどわくわくすることでしょう。公演の映像化とともに、ぜひ、準備過程を含めたメイキング・ビデオのような形で紹介してほしいものです。

 

 

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(解説編)2020年 ホセ・クーラ脚本・作曲のオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」世界初演へ

2020-01-18 | クーラ脚本・作曲オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」

  

 

ホセ・クーラの新作オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」の世界初演まで、あと10日余(2020年1月29日、於リスト音楽院)となりました。クーラやハンガリー放送芸術協会のFBで、オペラの内容や背景、登場人物などに関する紹介記事がアップされはじめています。

初演の日まで、引き続きこうした記事が出されていくと思いますが、(告知編)に続き、まず1回目の(解説編)として、現時点でのいくつかの記事を紹介してみました。

もともとのヴィバルディのオペラがあり、それを題材にしたカルペンティエールの空想的な小説があり、クーラはそれらを題材にして、史実も加えて脚本・オペラ化したということで、少々、話が込み入っています。クーラやハンガリー放送芸術協会などによる解説を、そのままざっくり訳して掲載していますので、分かりにくいかもしれません。ダブりや訳文の不十分さと合わせ、ご容赦ください。

今のところ、まだ放送予定の情報は出てきていません。ライブ中継、または録画やラジオ放送など、ぜひ、何らかの形で公開してほしいと切に願います。

  

 


 

 

≪クーラのFBより≫


●オペラ脚本のきっかけとなった、友人からのプレゼントの小説『バロック協奏曲』と献辞の写真。そして完成までの経過などについて


「モンテズマと赤毛の司祭」世界初演開始へのカウントダウン

ー長い構想の物語
1988年、私の友人であるディエゴ・ヴィデラ・グティエレスーー若いセットデザイナー(当時私たちは皆、非常に若かった)が、私の26歳の誕生日にアレホ・カルペンティエールの『バロック協奏曲』の本をプレゼントしてくれた。著者がメキシコ皇帝モンテズマとベネチアの巨匠アントニオ・ヴィヴァルディとのありそうもない出会いを想像するファンタジー小説。カルペンティエールはその物語の中で、ヴィヴァルディに彼のオペラ「モテズマ=Motezuma 」を書くことを促す。

本の内側に記されたディエゴの私への手書きメッセージは、この素晴らしい小説からオペラを作るというアイデアの種を私に植えつけてくれた。そこで私はすべてのページを読み、記録した。しかし当時、私はすでにレクイエムを書き、オラトリオ「Ecce Homo」を制作中だったが、オペラを書くとなるとどこから始めたらよいのかわからなかった。

この本は、2017年に家族の蔵書整理を決断するまで、29年にわたって私の図書室で「眠った」。2世代のクーラが収集したかなり濃密な品揃えの蔵書で、私の母が50年以上前にその始まりを手がけたものだった。その過程で『バロック協奏曲』は棚から落ち、私の膝に戻った。今回は友人の予言がここに留まった。

私は小説を読み直し、それがコミックオペラの台本に完璧に収まることに感銘を受けた。「喜劇」が、意図的に笑いを誘うという意味だけでなく、無鉄砲な風でありながら、展開に沿っていくつかの興味深いモラルが見つかるという物語の構成の方法においても。私が副題をつけたように、”An opera buffa, ma non troppo”(「オペラ・ブッファ、マ・ノン・トロッポ」=音楽用語「しかし、甚だしくなく」)。

ある午後に台本の最初の草案を書き(もしくは30年がかりで?)、2017年の夏に音楽をつけた。それから1年半の間、この作品を「休ませ」、時々「香り」をかいで熟成プロセスをチェックし、そして最終的に2019年にオーケストレーションを行った。

 

  

 

≪ハンガリー放送芸術協会FBより≫


●クーラの写真をシェアして、初演までの2週間に、脚本、制作方法、作品のあらすじ、登場人物などについて詳細な情報提供を行うと告げた記事

2020年1月29日、ハンガリー放送芸術協会の最初の常設ゲスト・アーティストであるホセ・クーラが、作曲家および指揮者として再び、音楽アカデミー(リスト音楽院)に迎えられる。初演されるのは、ホセ・クーラの新しいコメディ・オペラ、「モンテスマと赤毛の司祭」。「モンテズマ」の物語、オペラのプロットは、ハンガリーでも出版されたアレホ・カルペンティエールの「バロック協奏曲」にもとづいている。

初演までの間、私たちは非常に興味深く、また難しいリハーサルを行う。これがオペラの最初の舞台であり、ハーフステージのパフォーマンスになるためだ。次の2週間、劇、その起源、あらすじ、キャラクターについての詳細な情報を提供するために取り組み、この特別なショーに皆様を迎えられることを楽しみにしている。

写真は、ホセ・クーラ所蔵「バロック協奏曲」スペイン語版、1988年。

 

  

●ヴィヴァルディの「モンテズマ」の楽譜と再発見の様子を紹介する記事

 

「モンテズマと赤毛の司祭」ーー これは、1月29日に音楽アカデミーで紹介する、ホセ・クーラの新しいコメディオペラのタイトル。約束どおり、オペラの初演まで、劇の背景について多くの詳細を共有する。

オペラのタイトルは、実在の2人の名前を指す。アステカ帝国の第9代の王であるモンテズマ2世(1466-1520)と、赤毛の司祭は有名なバロック作曲家のアントニオ・ヴィバルディ。

1733年、ヴィバルディはオペラ全体をモンテスマに捧げたが、作品の音楽は失われ、テキストだけが残された。しかしソビエト連邦の崩壊後、ベルリン・ジングアカデミーの貴重な楽譜がドイツに返還された時、ヴィバルディの作品であることが音楽学者ステフェン・ヴォスによって特定され、数年後、そのオペラの音楽はロッテルダムのコンサートで演奏された。そう、ホセ・クーラの新作オペラの出発点は、そのオペラ ーーつまり、オペラ、音楽、バロック音楽の誕生である。

写真は、オリジナルの作者ヴィバルディによって書かれた、オペラ「モテズマ」の楽譜(1733)。

 

 

●原作「バロック協奏曲」のあらすじ紹介

 

1733年、アントニオ・ヴィバルディは新しいオペラに特別なテーマを選択したーーアステカのモンテズマ王。そして、このエキゾチックなテーマについて作曲家にインスピレーションを与えたものとは?奇妙な出会いではないか?キューバの作家アレホ・カルペンティエールのファンタジーと彼の小説「バロック協奏曲」のなかに、まさに答えがある。

1709年、ヴェネツィアのカーニバルに、多色の鳥の羽の特徴的な衣装を着たメキシコの支配者モンテズマが現れる。キューバ人の従者フィロメノとともに。運命の気まぐれは、2人の旅行者を、赤毛の友人ヴィヴァルディ、ナポリ人のスカルラッティ、そしてたくましいヘンデルに巡り合わせた。

陽気な一行は、ピエタ慈善院の夜の静寂に反響させ、3人のミュージシャンは初心者のバンドと見事なバロックコンサートを即興演奏する。これが、アレホ・カルパンティエールの空想小説において3人の作曲家が出会った方法であり、こうしてアントニオ・ヴィバルディのオペラ「モンテスマ」は生まれた!

この短編小説のプロットに基づくホセ・クーラのコメディオペラは、1月29日に音楽アカデミーで初演される。
写真はハンガリー版「バロック協奏曲」の表紙。

 

 


 

 

≪ハンガリーでのインタビューより≫


Q、これは初めてのオペラ?

A(クーラ)、厳密に言えば3番目だが、実際には最初のもの。これをどう理解する?

とても若かった頃ーーあえて思い出したいとは思わないが(笑)、子ども向けのオペラを書いた。時が経つにつれて、私はその作品に非常に批判的になり、最終的に原稿を破ってしまった。最初の元の形では何も残っていない。もちろん、その時書いたフレーズの多くは、後に使用したけれど。その後まもなく、「Ecce homo」というオラトリオを書いた。ミュージシャンは、ジャンルとしてのオラトリオがオペラと見なすことができることを知っているが、ステージプレイはない。それゆえ私の本当の最初のオペラは、初演されようとしている「モンテズマと赤毛の司祭」だ。

 

Q、ストーリーは?

A、ヴィバルディが「モンテズマ」という題名のオペラを書いたことを知っている人は多くない。「モンテズマ」は1733年にヴェネツィアで初演された。台本は、タイトルキャラクターのアステカのルールに暗に従っているのみで、元のオペラの歴史でさえほとんどフィクションだ。非常に特別なことは、台本は最初の演奏の後も生き残ったが、音楽は失われたこと。2002年までそれが再び見つかることはなかった。長い再構成プロセスの後、2005年にステージにかけられた。最初はコンサート形式のようなパフォーマンスで、後にステージングされた。

私のオペラはほぼ完全にファンタジーの結果だ。物語では、メキシコの旅行者がヴェネツィアのカーニバルに予期せずに登場する。モンテズマのコスチュームに身を包んだ異邦人は、彼のアイデンティティを隠し、旋風を起こす。彼は偶然ヴィバルディに出会う。その場所でメキシコ人はモンテズマの物語を語り、ビバルディを感銘させた。その結果、巨匠はオペラを書く。その続きは教えられないが、エキサイティングなものになることを保証する。

ヘンデルやスカルラッティなどのキャラクターも登場する。ヴィバルディの時代の音楽やスタイルだけでなく、未来の、ストラヴィンスキーやワーグナーなどについても多くの会話を聞くだろう。

 

Q、そのメキシコの旅行者がモンテズマについてあなたに教えてくれた?

A、ほとんど、そうだ。 ただ、私は元のプロットに従っていたが、それ自体は刺激的なオペラには十分でないと感じた。私は既存のフレームに、リアルな歴史的な断片と対話を加えた。 私の情報源は通信と文書であり、それらを研究し、勉強することに多くの時間を費やした。たとえば、フェルナンド・コルテス(アステカを征服したスペインの植民者)の手紙から、オペラを美しく補完する情報を使うことができた。

もちろん、物語のすべてのキャラクターはおそらく同じイベントを異なる方法と異なる重みで伝えるため、そのような情報源がどれくらい古いと信じられるかは常に疑問がある。一定の時点で、私は取り組みのアプローチを決定する必要があった。したがって、私はそれが歴史的なオペラであると主張することも、また、すべてが確かにありのままに起こったと主張することもできない。

(「zene-kar.hu」)

 

 

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(告知編)2020年 ホセ・クーラ脚本・作曲のオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」世界初演へ

2020-01-10 | クーラ脚本・作曲オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」

 

 

今年2020年11月に予定されているバーリ歌劇場のアイーダへの出演がどうなるのか、ホセ・クーラの公式カレンダー更新を今か今かと待っていましたが、1/9現在、まだ更新されていません。1/3にクーラがFBで公式HPをチェックするよう告知し、HPがリニューアル中だということが知らされました。カレンダー発表は、もう少し待つ必要があるようです。

そしてHPには、新年の大きなニュースとして、3つが紹介されていました。

①1月29日、ブダペストのリストアカデミーで、クーラ作コミックオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」の世界初演
②クーラ作曲オラトリオ「Ecce Homo」録音、イースターにむけてリリース。 詳細については、Facebookページですぐにお知らせ予定
③3月29日、4月1日、4日、7日、サムソン(オペラ「サムソンとデリラ」)で、ウィーン国立歌劇場へ戻る  → 告知とライブ放送紹介記事

 

そこで今回は、世界初演が間近に迫ったクーラの初オペラ作品について、公開されている情報を、クーラのSNSやインタビュー、オケや劇場のHPなどからまとめて紹介したいと思います。

なお、この世界初演の場を提供したハンガリー放送芸術協会は、今シーズンからクーラを主席客員アーティストとして迎え入れ、歌、作曲、指揮など、多面的な活動でのパートナーシップを結んでいます。当面する今シーズンプログラムこれまでの活動についてもブログ記事で紹介しています。

 

 

●クーラの公式HPより

 

  

●クーラ FBでオペラ初演の告知とメッセージ

 

”私のオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」の世界初演まであと20日。誰もがそれを楽しむことを望んでいるが、人々がそれを好む、好まないは、正当な選択肢だ。しかし、何が起こっても、そこに参加した人たちは常に、「私はそこにいた」と言うことができる...。お見逃しなく!”

 

 


 

 

≪ハンガリー放送芸術協会HPの告知≫

 

 

 

José Cura: MONTEZUMA AND THE RED PRIEST   – comic opera (world première)

Hungarian Radio Symphony Orchestra and Choir (choirmaster: Zoltán Pad)
Conductor: José Cura

Music Academy, Great Hall 2020-01-29 szerda 19:30

(Cast)

The Baron/Motezuma: Matias Tosi
Francisquillo: János Alagi    The Lover/Mitrena: Katalin Károlyi         Filomeno: Zoltán Megyesi
Vivaldi: Donát Varga      Scarlatti: József Gál        Händel: Domonkos Blazsó        
The Nun: Borbála László  The Innkeeper/The Gondolier/The Friar: Róbert Rezsnyák         Teutile/Quintet 1/Woman 2: Nóra Ducza
Fernando/Quintet 2/Woman 4: Bernadett Nagy        Ramiro /Quintet 3/Woman 1: Kornélia Bakos
Pignatta/Quintet 4/Man 1: József Csapó              Quintet 5,/Man 3: Szabolcs Hámori
Woman 3: Katalin Süveges     Man 2: Gábor Pivarcsi
Woman voice: Gabriella Sallay      Man voice/A spectator: Péter Tóth        Stage Manager: Pál Kálmán Könyves

The Orphans:
Bianca Maria: Fruzsina Varga (flute)       Claudia: Melinda Kozár (oboe)     Cattarina: Yoshie Toyonaga (clarinet)
Lucietta: Dóra Béres (trumpet)     Pierina: Ildikó Fazekas (violin)      Margherita: Rita Keresztes (violincello)
Giuseppina: Gerda Kocsis (contrabass)

Organ, harpsichord continuo: Soma Dinyés

 

「モンテズマと赤毛の司祭」 コミックオペラ(世界初演)

2020年1月29日 19時30分~22時

ホセ・クーラ 脚本・作曲

マティアス・トッシ(バリトン) 他
ハンガリー放送交響楽団、合唱団(合唱指導:ゾルタンパッド)
指揮者:ホセ・クーラ

リスト音楽院大ホール ブダペスト 

”ホセ・クーラ自身が、オペラブッファ「モンテズマと赤毛の司祭」の台本を書いた。その出発点は、アレホ・カルペンティエールの幻想的な小説『バロック協奏曲(”Concierto barroco”)』(1974年)であるが、これは明らかに、ヴィヴァルディのオペラ『モンテズマ』の誕生に関するものであり、文学的、そして当然、音楽的な想像力の両方に巨大な想像力を提供している。”

 

 

 

≪リスト音楽院HPの告知より≫

 

 

 

”ここ数年、私は歌のリクエストをあまり受け入れてこなかった。そしてようやく、最初の決断、私が実際にプロのミュージシャンになるために勉強した職業に戻ることができた。これは作曲と指揮に他ならない。”  

(上記の告知記事で紹介されたクーラの言葉) 

 

 

 

≪ハンガリーでのインタビューより≫ 

  

 

 

 

Q、来年1月(記事は2019年公表。2020年1月に初演)、あなたのオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」の世界初演が、ハンガリーのブダペストにあるフランツ・リスト音楽アカデミーで開催される。あなたはオペラを指揮する。そのオペラを作曲するのに何年かかった? 

A(クーラ)、込み入った答えになるだろう。1987年、私の友人が最初のページに献辞を記した小説をくれた。「この小説にはとても良い台本を見出すことができる」と。当時、私は非常に若く、オペラの経験がなかった。どこから始めればいいのかわからず、あきらめた。

30年後、2017年に、娘が私に尋ねたーー「パパ、図書室を整理しようか?乱雑だから、本を探す必要があるたびに、それを見つけることができない」。蔵書の全体を並べ替えている間に、小さな本が再び出てきた。私はそれを開いて、ある午後、台本の草案を書いた。

私は妻に言ったーー「おお、私は天才じゃないか!午後だけで台本全体を書きあげた」。妻は答えたーー「あなたは間違っている。午後だけでそれを書いたのではなく、30年かかって書いた」。彼女は正しかった。ある午後にその台本を書きおろすには、30年の経験が必要だった。

しかし、私は2017年の夏に2ヶ月でその音楽を作曲した。それを1年半の間、熟成するために落ち着かせてから、オーケストレーションするために2019年に再び取りだした。これで準備は完了したが、初演後にまた調整すべきことがでてくるのは確かだ。こうするのは日常的なことだ。

 

Q、バロック、古典派、ロマン派、20世紀のどの音楽の時代があなた自身の音楽に影響を与えている?

A、私たちの時代の人々は、500年から600年の音楽の偉大な財産を受け継いでおり、幸運だ。ただひとつの時代に影響されていると言うのは非常につまらないことだ。

今日の作曲家の秘密は、過去から受け継いだすべての要素を使用し、それらを組み合わせて、そこから何かを作りだすことだ。オリジナルになる唯一の方法は、すでに発明されたものを発明しようとすることではなく、その経験をすべて大きなカクテルグラスに注ぎ込んでシェイクし、素敵な飲み物を作ろうとすること、そしてあなた自身の他とは違う個性を通してそれを引き出すことだ。それが、結果として作品をユニークにするのに十分だ。

ヨハン・セバスチャン・バッハの後、この世で新しいものは何もない、とモーツァルトと呼ばれる男は言ったが…。

 

 


 

 

インタビューでもふれていましたが、クーラは、50歳になって以降、徐々に歌の公演を減らし、本来の志望であった指揮者、作曲家、そして演出家としての活動の比重を高めてきました。もちろんオペラやコンサート出演など、歌を続けてきましたし、またワーグナーの仏語版タンホイザーへの挑戦や、ブリテンのピーター・グライムズの演出・主演など、歌手としても新たなチャレンジをしながらですが、指揮、演出・舞台デザイン、衣装・照明、作曲作品の上演など、多面的な芸術活動を発展させてきました。今回の新作オペラの世界初演は、こうした多面的な活動のひとつの結晶であり、あらたな大きなチャレンジです。

クーラのオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」の原作、アレホ・カルペンティエールの小説『バロック協奏曲』は、日本でも翻訳・出版されていました。現在は入手しにくくなっているようですが、私はサンリオSF文庫の中古本を入手して、読んでみました。決して長くはないのですが、なかなか突拍子もない物語で、時代を超えて話が展開していきます。旅する主人公がイタリアで、ヴィヴァルディとヘンデル、スカルラッティという3人の巨匠と出会い、ヴィヴァルディのオペラ「モンテズマ」が誕生していく様子が描かれています。そこにワーグナーの話がでてきたり、ルイ・アームストロングのトランペットが音楽を奏でたりと、意表を突くドタバタ喜劇のような展開をしながら、南アメリカのアステカの王モンテズマと、アステカを征服し滅ぼしたスペイン、植民地宗主国の存在、こうした歴史的な構造も示されていきます。作者カルペンティエールはキューバ出身、音楽の素養が深く、音楽学者でもあり、作家、評論家だったそうです。このような複雑で少し難解、幻想的で魅力的、そして不思議な物語を、クーラはどのような脚本に仕上げ、どのような音楽をつけたのでしょうか。放送や映像化を期待せずにはいられません。

 

 

 

これらの題材となったヴィヴァルディのオペラ「モンテズマ」は、楽譜が行方不明になって幻の作品となっていたのが、最近になって2002年発見されるという、ドラマティックな経過をもっているようです。ネットに、上演された「モンテズマ」の録画がありましたのでリンクを掲載しておきます。

 

Motezuma - Vivaldi 1-2

 

Motezuma - Vivaldi 2-2

 

 

*画像はハンガリー放送文化協会のHP、クーラのFBなどからお借りしました。

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