人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

(告知編)2020年 ホセ・クーラ脚本・作曲の新作オペラ、リスト音楽院で初演へ――ハンガリー放送芸術協会初の首席客員アーティストに

2019-02-22 | ハンガリー放送芸術協会と指揮・作曲・歌 2019~





ラフマニノフの交響曲第2番のリマスター版リリースの情報に続いて、また大きなニュースが飛び込んできました。

2月20日に記者会見して発表されたことですが、ホセ・クーラは、この秋から3年間、ハンガリーの放送芸術協会の首席客員アーティスト(Principal Guest Artist)として活動する契約を結んだそうです。

ハンガリー放送芸術協会は、ハンガリー放送交響楽団や合唱団、児童合唱団などを傘下にもつ団体とのことです。クーラは、指揮者として、作曲家として、そして歌手として、オケや合唱団などとともに、つよい協力関係のもと、さまざまな音楽活動をすすめることになります。

そして大きな目玉のひとつは、来年2020年1月に、ブダペストのリスト音楽院(音楽アカデミー)で、クーラが脚本を書き、作曲、オーケストレーションした新作オペラの初演が決まったことです。

記者会見とインタビューの報道記事と、そこからざっと読み取れたことを紹介したいと思います。




≪最初の首席客員アーティストに――ハンガリー放送芸術協会のHPより≫ 





"José Cura is the first permanent guest artist of the Hungarian Radio Art Association"




――ホセ・クーラは、ハンガリー放送芸術協会の最初の首席客員アーティストです

2019年2月20日、ハンガリー放送芸術協会のマネジメントディレクター、GézaKovácsは、2019年9月から、世界的に有名なアルゼンチンのオペラ歌手、指揮者であり作曲家であるホセ・クーラが、ハンガリー放送芸術協会の最初の首席客員アーティストであると発表しました。

ハンガリー放送芸術協会(MRME)とホセ・クーラとの間の契約は、2019/20年のコンサート年度から締結されました。このコラボレーションは、MRMEのマネジメントディレクターであるGézaKovácsと、有名な作曲家、指揮者、オペラ演出家、セットデザイナーである有名なオペラ歌手ホセ・クーラの芸術的なスキルを、できるだけハンガリーの人々に紹介するという意図で署名されました。このイニシアチブでは、ホセ・クーラは、ハンガリー放送交響楽団、合唱団と子どもたちの合唱団との価値あるパートナーになります。

ホセ・クーラは、2018年にコンサート「ホセ・クーラの音楽的世界」の制作においてハンガリー放送芸術協会と共同作業を行いました。そしてコンサートの後、プロフェッショナルな協力に非常に満足したので、共同作業を続けるための交渉はすでに進行中でした。今日署名された合意は、それ以来存在していた関係の成果です。

秋から始まるコンサートシーズンの間、ホセ・クーラは、芸術宮殿(Müppa)でヴェルディのレクイエムを指揮し、彼自身のオペラ - MontezumaとHeroic Priest - を音楽アカデミーでステージ形式で初演上演します。歌手としては、レオンカヴァッロの道化師のカニオの役で、ハンガリーの聴衆は彼を見ることができます。





≪クーラがFB上で報告≫




クーラの文の下に、ハンガリーでのメディアの報道リンクがたくさんついています。



≪この秋からの活動内容について≫


報道や協会のHPから、この秋からはじまる2019/20シーズンのクーラとの活動は、以下のような内容が計画されているようです。


●ヴェルディのレクイエムを指揮

クーラ指揮、ブダペスト音楽宮殿・Müpa  2019年11月13日 

●クーラ作曲の3作品、オラトリオ「あの人を見よ」、「Modus」、「マニフィカト(Magnificat)」のCD録音   

2019年11月    
キャスト 
ソプラノ= Elisa Balbo,  メゾソプラノ=ヴェッセリーナ・カサロヴァ Kazarova mezzoszoprán,  
テノール=ラモン・ヴァルガス Ramón Vargas , バス ニコラス・テステ=Nicolas Testé

●クーラ脚本・作曲の新作オペラ「Montezuma és a rőthajú pap」の世界初演 

コンサート形式 2020年1月19 29日(失礼しました、19は間違いです) リスト音楽院 音楽アカデミー

表題は「モンテズマとろくでなしの司祭」というような意味でしょうか?
 → 正しくは「赤毛の司祭」でした。失礼しました。ヴィヴァルディはその髪色から「赤毛の司祭」と呼ばれていたそうです。
オペラの内容は、作曲家ヴィヴァルディ、スカルラッティ、ヘンデルの出会いと、彼らの間の会話などをもとにした喜劇だということです。「モンテズマ」は、2002年に発見されたヴィヴァルディのオペラの題名で、同名のアステカ王とスペインの征服者の確執をテーマにした作品だそうです。
クーラは指揮でしょうか?まだ詳細は発表されていません。

●レオンカヴァッロ「道化師」 

クーラはカニオ役で出演 2020年4月21日 ブダペスト音楽宮殿・Müpa

●コンサートツアー

ブダペスト放送交響楽団とともに、ドイツ、スロベニア、オマーンなどのツアーにクーラも同行する計画があるようです。日程は未公表です。




≪ハンガリーでの記者会見の様子≫







記者会見の中継動画。全体は20分超で、クーラの発言は13分過ぎから。クーラが英語で話し、ハンガリー語の通訳が続きます。




クーラの就任を伝えるハンガリーのニュース動画  ↓画像をクリックするとニュース動画のページにリンクしています。
会見場に入る様子から、クーラのミニインタビュー、2016年にハンガリーのジュールでヴェルディのオテロを指揮した時のリハーサルなども入っています。





この数年来、ハンガリーでの音楽活動が多く、協力関係を深めてきたうえに、今回のとても素晴らしい首席客員アーティストの契約です。
昨季まではチェコのプラハ響のレジデントアーティストとして、そして今年からは、フランスのミュルーズ交響楽団との協力アーティストに加えて、今回のハンガリー放送文化協会との共同の場です。

今回はとりわけ、チャレンジングなプログラムが組まれています。
何といっても、クーラがここ数年、脚本から取り組んできた新作オペラの初演が可能になったこと、そしてクーラの作曲作品がCD録音されるというのは、画期的です。
もともと指揮者、作曲家志望であり、多面的なアーティストとして努力と研鑽を積んできたクーラにとって、本当に大きな新しいチャンスです。夢を一歩一歩、実現させてきたことに、ファンのひとりとして、心からのお祝いを伝えたいと思います。
このハンガリー放送芸術協会との3年間の協力関係を通じて、作曲家、指揮者としてのクーラの活動が、またひとつ大きく、開けてゆくことになりそうです。




*画像は協会のFB、HPなどからお借りしました。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2019年 ホセ・クーラ、ラフマ... | トップ | 2019年 ホセ・クーラ "私は... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。