おおっ! わたしゃ、見た! じっくり、見た! つぶさに、見た! 挑戦者の、ハイデル・パーラの公開練習を!
そりゃあ、もちろん、知ってまっさ! マスコミが詰め掛ける 「公開」練習では、手の内は、容易に明かさないことは。手の外は? んんん~ わかりましぇんが。
それでも、分かった事実、見た事実は、書くし、打っておきます。
スポーツ新聞や、テレビのスポーツニュースでは、おおむね、王者にせよ、挑戦者にせよ、日本人ボクサーの模様や、発言は強調して報じるが、逆は無いに等しい。
ましてや、内山の試合や会見は、テレビ東京の仕切りで中継。テレビカメラも、いつも局のだけ、1台。世の中の一般の人には、広く知られないまま、日本最強の、且つ、安定感のあるチャンピオンである内山の試合は、また1ケタ台の低視聴率で、終えるであろう。
それでも、プロデューサー兼ディレクターは、少しクチをとがらせ、不満げに言う。
「これでも、ウチとしては、良い方なんですよ」と。
ホントは、数字を上げる方策は、多々あるのだが、ここでは書くつもりは無い。
さて、内山の相手、ハイデル・パーラだ。
すでに結婚しており、なんと子供が4人もいる。
んなんで驚いてちゃいけまへん。河野公平の相手の暫定王者、リボリオ・ソリスなんざあ、7人もいる。愛人が? 勘違いしては、いけまへん、子供がですわ。
前日計量で、ボクサーパンツ1枚になった時の、アレのふくらみが、まあ~デカかったこと! これで・・・・・をして、拳2つで7人+妻を養っているんだなあと、しみじみ想いましたわ。
まあ、中南米の、気質もあるんでしょうが。べつに、産めよ、増やせよ政策がなくとも。
さてさて、戦績は、テレビ東京が「是非、売りにしたい!」と、熱望したように、確かに無敗。
今まで21戦して、20勝1引き分け。しかも、20勝のうち、半分の10が、KO,もしくは、レフェリーストップを呼び込んだ勝ち方。
しかし、それらの相手は、ボクシング・ファンなら誰もが知る強打者や、冠を付けた王者は、1人もいない。
かつて、亀田ファミリーが意図的にやった手口だ。
だから、無敗でも、まだ10位どまり。そ~ゆ~ことだ。
とはいえ、データ上だけでは無く、実際にこの目でその力量を見ときたいと、先日、「公開練習」に足を運んだ。
一言でいうなら、う~ん、やっぱりこの程度か。今の内山高志を脅かすチカラは無いといえる。
見せたのは、業界では「ロープ」と呼ばれる、縄跳びを、じっくりと。
ヒザと足首のしなやかさと、軽やかさは、充分に見て取れた。
シャドーボクシングと、トレーナーの構えるミットに自在に打ち込む「ミット打ち」。
その両腕から繰り出すパンチのスピードの、遅さには驚いた(写真上。中央の赤いタンクトップが、パーラ)。
コレで、10KOは、あり得ない!
どうやら、その疑問も含め調べたが、この遅さは「日本のマスコミ向け」のもの。本当は、”まとも”なスピード、のようだ。
足も使えるのだろう。しかし、パンチに重さや、内山のような破壊力は全く感じられない。
左右のパンチのコンビネーションも、単調。
しかし、大振りのパンチは、1度も見せない。それどころか、キチンと的確に、且つ、コンパクトにパンチを、狙う的に向けて正確に打ち込む能力にたけている。
接近戦に持ち込んで、本領を発揮するタイプのようだ、
じっと見ていた内山のトレーナー、佐々木修平(写真上。パーラと、ミットを構えるトレーナーの間に顔をのぞかせる人物)は言う。
「大振りのパンチは、無いようですね。しかし、的にむけて、キチッと、はずさずに打ってくる小さいパンチには、気を付けたいですね」
言いつつ、どこか余裕を感じさせるのは、こちらの気のせいか?
パーラは、写真のように最後まで、この日は上半身を見せぬまま。
囲み取材では、リミットまであと3・4キロほどオーバーしているだけと言っていたが、ひょつとして減量に苦しんでいるのではないか? との声が囁かれたが、前日計量では、リミットを100グラム切る結果を示し、周囲から「お~っ!」と、思わず声があがった。
終えると、すぐ、乾ききった体に、水分補給。いかにも、おいしそうに、身体に水を与えていた。
一方の、王者、内山高志。前日計量では、リミット一杯で、クリア。
この強者にして、やはり1人の「人間」だなあ~と思わせたのが、前日の「調印式」「グローブ(8オンス)チェック」 「記者会見」と、いわばセレモニーを終えて、「前日計量」が始まる直前、トイレへ直行!
別に寒くて突然の尿意や糞意が! という訳じゃない。気持ちだ。例え、1グラムでも身体から出したい!! という思いが、そうさせたというわけだ。
もちろん、頬がげっそりこけて、減量苦をしのばせた河野公平も、トイレへこもったのは、言うまでもない。
それにしても、前日の5日、パーラと共に、並んで写真撮影に応じた時、一変した内山の目の鋭さには、恐れおののくほどの怖さを漂わせた。
すでに、臨戦モードに突入か。むろん、ガン付けなど、かつてのバ亀田兄弟みたいなことはしない。視線も、合わせない。額も、押し付けたりなんかしない。
その感想をぶつけると、とたんに笑顔。
「そうですかあ。自分としては、特に意識はしてなかったんですけど。まあ今回は、いつも以上に、キツイ練習をやってきたんで、ソレが出たのかなあ」
テレビ東京の要請で、「KOします!」と、拳をテレビカメラの前にグィツと付き出させる作りポーズで、撮らせているが、実は内山は、1度もKO宣言をしたことが無い。
いくら水を向けても、言わない。
結果として、KOを積み重ねているということだ。
「防衛回数も、特に意識しないし、ましてや、相手を倒す回(ラウンド)なんて、意識もしません」と、内山。
しかし、今度の7回目の防衛戦については、おそらく、そう遅くないラウンドで、いや、むしろ早いラウンドで、パーラを倒し切るのではないか。
危惧するポイントは、対パーラに関しては、何もない。
目にも鮮やかなKOか、圧倒する連打の末のレフェリー・ストップを呼び込むはずだ。
期待していい!