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<リアル ラグビー ルポ> ぶざまな、日本代表チーム。4月26日、今期初戦の試合で見せつけた弱さ

2014-04-28 12:28:00 | スポーツ

 いやあ、淋しい行く末を案じる試合内容、だった。

 内容だけではない。観客の入りも、淋しい。

 メインスタンドで、7割弱。反対側の自由席中心のバックスタンドに至っては、両ゴールサイドも入れ込むと、1割しか入っていない。

 天候、快晴。温度適温、そよ風、心地良し。なのに・・・・

 これで、「関西ラグビーまつり」だそうな。

 これが、今の、腐っても「日本代表」の”厳実”だ。

 久しぶりの<リアル ラグビー ルポ>で、こんな書き出しで始めるとは、自分でも予想していなかったが、こんな試合と背景で、他のヨイショ番記者のように書くわけにはいかない。

 チームとしては、4月18日から丸1週間、九州は宮崎県で合宿を行なってきた。

その一週間前までは、長野県の菅平で合宿。

 相も変わらずの、朝というより、早朝の5時から練習開始!

 それも、なんとウエイト・トレーニング。

 屈強な面々とはいえ、筋肉が起きてもいないのに、やらせる。もう、数年も前からの、レギュラー・スケジュール。

 理由を聞くと、海外へ行っても時差ボケと環境にすぐ合わせられる体調作りだと言う。

 そんな、アホな! と思ったが、スタッフの顔はマジ。

 こんなムチャクチャな夜明けのベンチプレスと、マシン使用。他のスポーツ競技の日本代表合宿で、耳にしたことは無い。

 1日、3部制の強化スケジュール。

 それで、「効果」が実るのならいい。だが・・・・。

 グラウンドで、ちんたらランニングしかしない、サッカー日本代表の面々なら、さぼって寝ているだろう。

 おまけに、ヘッド・コーチのエディー・ジョーンズは、大相撲の部屋へ行き、朝稽古見学。力士の立ち合いを見て、スクラムに生かしたいとのコメント。

 この類いは、昔からあった視察。だが、ラグビーのスクラム力学と相撲の立ち合いは、似て非なるもの。

 それでも、恒例行事化。無駄と言う他、言葉もない。

 会場の花園ラグビー場では、前日練習は、軽く45分で切りあげた。

 強化で、クタクタに疲れた体を、休ませる意味合いもあった。

 片や、緊急寄せ集めの、その名も「アジア・パシフィックライオンズ」。

 38歳の箕内”入れ墨”拓郎など、「昔の名前で出ています」的日本人プレイヤーも入れ込んだ選手と、外国籍のプレイヤーの合体チーム。

 合宿などは、一切していないまま、試合に臨んでいる

 やったことといえば、日本に馴染みの無いヘッドコーチらが緊急来日し、大阪で表敬訪問と、記者会見。

 それに、中学生ラグビー部部員に、ちょいと指導。そして、パーティ・・・・・・・。

 それで、花園ラグビー場に集結した。

 ちなみにすべて、全国スポーツニュースでは、一切流れていない。いつものことだ。日本代表の動向も。

 知られない、日本のラグビー。

 まさか、日本代表サイドが、「相手は寄せ集めさ」と舐めていた、甘く見ていたということは、無いと思いたい。

 ただ、「アジア・・・」。急造でも、簡単には負けないだろうな。ひょっとしたら、一泡吹かせるかも知れない。そう、思っていた。

 もはや、「アジア・・・」には、綿密な連係プレイからのトライは望めない。だが、個人技で一直線にトライにまで持ち込めるプレイヤーが、数人いたから。

 で、そうなった!

 前半24分までは、15点の差をつけ、日本代表がリードしていたのに、あっさりとひっくり返された。

 あとは、一気、イッキ。

 終わってみれば、35-29。

 実質、もっと点差があった試合展開だった。

 あわやトライ寸前が、他に2本あった。

 日本代表が、ノック・オン(キャッチしたボールを、前へ落としてしまう)や、パスのタイミングがずれて落とすイージー・ミスなどを、繰り返した。

 一体、ナニを合宿で練習していたのだろう? 

 とりわけ、さまざまな形式で、宮崎の合宿で、ハンドリングエラーを少なくするパス練習に、集中的に励んできたはず、なのに・・・・。

 ましてや、この試合。「アジア・・・」は、今後の日本代表のタイトなスケジュールを気遣ってか、激しい相手の当たりも、無かったのに・・・・・。

 なのに、ハンドリング・エラーが、日本が15。それに対して、アジアが8。

 ペナルティが、日本10に対して。アジア5。

 その差に、ため息が出てしまう。

 4トライと、3ゴール(キック)は、両チーム同じだが、選手個々の技量の差が、大きかった。

 例えば、後半の、元フィジー代表のルペニ・ザウザウニンブの、独走トライ。

 33歳にして、軽く日本のディフェンスの薄い壁をスルリスルリと、抜き去った。

 また、NECチームの牽引者だった、ニリ・ラトゥの突破力に、なすすべもなかった。

 エディーは、惨敗したというのに、試合後、こう言った。

「とても良い試合だった。今の現状を知ることが出来た」

 そこに、指導者責任感は無い。いつも、ヒョーロン家的発言。勝てば、自分の手柄と力量滲ませる。負ければ、出た選手の責任。自分は、蚊帳の外。

 主将を自分の目で選んだのに、その廣瀬俊朗を記者会見の席上で、完膚なきまでにボロクソに批判したこともある。

 なのに、コロッと、また起用するという、まか不思議な信じられない感覚。

 かつて、連敗続きだった時、思い切って記者会見で、エディーに聞いたことがある。

 ---御自分の責任については、どう考えているのですか?

 通訳を通じて、質問の真意を聞かされ、エディーは、目を剥いて怒った。

 「私に辞めろと言うのなら、今すぐにでも辞めてやる!」

 会場は、一瞬凍り付いた。なので、「そうして下さい」という言葉を、ちょいと言い出しかねた。

 あとで探ったら、辞める気などカケラも無い、パーアホ―マンスだったらしい。

 以後も、彼の指揮官としての能力に感心したことは、ただの1度もない。

 今期の主将、リーチ・マイケルは、試合後、こう言った。

 「今回は、相手チームにスーパースターがいて、簡単にトライを取られてしまった」

 日本代表チームの一員でもある、薫田真広は、言う。

 「今日みたいなプレイをしていたら、ワールドカップに向けての予選は通過出来ない」

  5月3日から、アジア五か国対抗が、待ち受けている

 「勝たなければならないのは当然だが、勝つ内容が問われる大会になる」

 そう、薫田は付け加える。

 ココまで来ても、課題はてんこ盛り。

 27日からは、今度は福岡で合宿。また、朝5時からウエイト・トレーニングの愚行が再開されている。

 その上、マスコミにでさえ非公開の練習が目立つ。

 これは、同じ男子の7人制ラグビーが、27日まで合宿をやっているのだが、依然として非公開。

 人気があって、マスコミが押し寄せて練習の妨げになった経験があるので、やむなく非公開では無い。

 人気がないのに、非公開。見せない、見せません。でも、お客さん、一杯来てね! の、ありえない広報手法。いまだ、悲後悔は、していない。

 そんななか、ファンは来て、3人。たったの、3人。

 極めて珍しく、この4月19日と20日の土日には、地元のラグビーをやっている中高校生を招いてセレモニー的見学させたり、一般の人達の見学を許した。

 しかし、付け焼刃ではなく、今後も2019年まで慣例的に公開していかねば、何の意味も無い。

 客足、認知度は伸びない。努力が、足りない。

 ちなみに、サッカー日本代表。女子のなでしこも含め、事前に非公開と言っていても、結局、観客とファンが、200人ほど並び、詰め掛け、いつも公開。

 それでも、練習に何の支障も無い。

 人気と、不人気。それ以前の、根本姿勢。

 唯一、試合を放送し続けている「Jスポーツ」も、試合が終えたら、1分でも早く終了する。低視聴率番組に、無駄な制作費は使いたくない意向。

 BSで放送していた番組も、日時変更しただけでなく、放送時間も短縮。経費節減。

 世間に知られていかない方向へ、ひた走っている。

 これで、5年後には、この日本で、ワールドカップが行なわれるというのに、逆行を、いまだに繰り返しているラグビー協会広報と、チームのおかしな姿勢。

 先の薫田が、次期ヘッドコーチの既定路線。

 それを早め、エディーに今までの責任を問い、その辞任を経て、荒療治をしなければ、今後も勝つには勝っても、冷や冷やの綱渡りが続くことは、間違いない。

 体格の差?

 いえいえ、先のルペニ。身長、わずか179センチ。体重105キロでしかない。

 どの選手も、筋肉は付いた。そ~ゆ~練習ばっかり、やってきているから、当然だろう。

 格闘技に誘われるくらいだ。

 しかし、実戦練習が、足りなさすぎる。許可された公開練習をみて、何度も痛感した。これで、「世界」と、闘っていけるのか?

 本気で、そう考えているのだろうか?、と。

 将来を見据えて、作戦や戦略を考えなければならない脳が、その段階で梗塞されていたように感じた。

 もう、数年間にもわたる、ワンパターン筋肉マン作りは、卒業していい。

 「いい練習試合になった」と、前脳梗塞患者は、やせ細った体と顔で、試合後に強気に言い放った。

 まだ、それを許す協会。無駄ガネ、捨てガネ。

 あと5年。たった5年。すぐ5年。間もなく5年。

 知る人ぞ知るままの、ラグビー。淋しき、ラグビー。コアなファンしか知らない、ラグビー。世間に知られない、悪循環ラグビー・・・・・。

 く、苦、暗いラグビーの将来・・・・・・・

 

 

 


福岡ソフトバンクホークス投手 東浜巨。4月3日、日本ハム戦に先発登板するも・・・・。続く、11日は

2014-04-26 17:25:36 | スポーツ

 亜細亜大学のエースとして活躍していた時代は、素晴らしいピッチャーだった、東浜巨(ひがしはま・なお)。

 打者との駆け引き。ここぞ!という時の、速球と変化球を巧みに織り交ぜての三振は、胸のすくような上手さだった。

 沖縄尚学のエースとして、甲子園でも活躍。一気に、野球ファンの注目を浴びた。

 今年のセンバツでの後輩の頑張りにも、刺激を受けたと聞いている。

 だから、約1年半前。彼が、ドラフト会議で、福岡ソフトバンクホークスから1位指名を受けた時には、大きな期待を持って記事にした。

 最低でも、1年目にして5勝は堅いな、と。獲らぬ狸の皮算用まで、内心していた。

 なにしろ、大学通算35勝。そのうち22完封。加えて、420奪三振。

 それも、人気の六大学、実力の東都と言われる、その東都球界で挙げた戦績だ。

 かなり、試合は見続けた。

 本人に直接インタビューも、取材もしたことは無い。だから、実像は正直なところは、わからない。

 だが、浮かれて勘違いし、”天狗”になっているとは、耳にしたことは、無かった。

 少なくとも、斎藤佑樹のように、いまだ勘違いし、思い上がってはいない。

 早稲田大学のピッチャー時代に、年上のキャバクラ嬢とホテルでセックスしまくり。

 それを、日ハムに入団し、私の予想通り、不振にあえいでいるときに、その当時のベッドでの自分のあえぎぶりを、全て暴露されて、取材に答えたときの言葉に、斎藤の本性が露呈した。

 「わずか数万円のカネで、そういうことをしゃべってしまう。信じられませんよねえ」

 自分の置かれていた立場も考えず、スケベ心と快楽を求めてしたことへの反省や後悔の、カケラも無い。

 そのうえ、数万円もの金額を、学生からプロになったばかりの身で、「わずか」と、言ってのけてしまう歪んだ金銭感覚。

 呆れ果てた。

 調べると、早稲田大学時代は、練習こそキチンとやっていたが、夜ともなれば、気晴らしにと、カラオケバーに、酒場。そして、キャバクラ三昧。

 取り巻きの番記者が、よせばいいのに、おごっていたりした。コメント欲しさに。

 行きついた先が、ホテルでのセックス。

 溺れていた。調子こいてた。青いハンカチは、ドロドロに汚れていた。

 元々、プロでは使い物にならない。そのレベルのチカラは、どうあがいても、持ち合わせていなかった。

 早稲田時代も、プロになっても、少し打ち込まれて、走者が塁上にたまると、すぐ交代。

 乳母日傘の傷付かずという、ゆるゆるの、特別待遇。

 その上での、勝ち星。

 四死球も多く、もはや、プロ野球投手としては生き残りは、難しい。

 そういう人間のクズには、少なくとも東浜は、成らないだろうことは、予期出来た。

 が、1年目の戦績。

 いきなり、2試合、ボロボロの惨敗投球!

 長らく、2軍で辛酸を舐めていた。

 だが、昨シーズン後半。3勝を挙げ、チームの信頼も、得始めた。

 加えて、そのうち1勝は、無四死球完封!

 調子が上がってきたな。そう、感じていた。

 そして・・・・・4月3日。対、日本ハムファイターズ戦。

 投げ合う相手は、大谷翔平。高校出で、東浜より、4歳年下ながら、1年目から、投手と打者の”二刀流”で脚光を浴びた。

 おまけに、”話題先行”だけで終わらず、それなりに客寄せパンダとしても、「実績」も積み上げてきた。

 敵にとって不足無し、だった・・・・・はず。

 Dscf4360 ところが・・・・・。

 1回の表。いきなりの、4死球の、滑り出し。おい、おい、おいっ・・・・。

 早くも、あせりと、緊張感の為か、汗が吹き出し、流れ始める。ドーム球場独特のカクテル光線に反射して、よくわかる。

 2人目の打者に対しては、キレの良いスライダーが決まり、インコース攻めも、うまくいく。

 が、3人目のミランダには、再び、四死球を献上。

 早くも、髪が汗で濡れている。

 Dscf4358 四人目の打者は、中田翔

 勝負しょうと、思いっきり良く、キャッチャーのミットめがけて放り込むが・・・、ご覧の通りの、子供でも分かる高めのボール球(写真左上)。

 「性急」に勝負にいったせいか、気負いか、またまた「制球」に苦しむ。

 結局、狙ったコースに甘く入ったボールを、あわやホームランか!?と思えるほど飛ばされた。

 フェンスぎりぎりでキャッチしてもらったものの、まさに、冷や汗、ドバッ!

 2年目で、結果を出したい!という、東浜の気持ちは、見ていて痛いほど伝わってくる。

 しかし、一方では、この中田にしたって、丸2年半もの間、芽が出ず、球団と、ファンを裏切り続けたのだから、東浜よ、あせるな、とも思う。

 中田は、広島市立国泰寺中学校時代、リトルリーグでの活躍に目を付けられ、三年生の時、この世代の日本代表に、選出された。

 多くの強豪校などからの誘いのなか、超特待生として、大阪桐蔭高校へ。

 甲子園でも、東浜同様、大活躍。

 「高校三羽烏」の1人として、注目を浴びた挙句、2007年のドラフト会議では、この日ハムを含む4球団から、1位指名を受けた逸材だった。

 だった・・・・のだ。

 翌2008年、次の2009年。絵に描いたように、泣かず飛ばず。いくらバット振り込んでも、飛ばず、飛ばず・・・・・・・。

 泣いているんだろうなあ~・・・。なんとか、這い上がってこようと、努力してるんだろうなあ~と、2軍の練習兼公式野球場の「鎌ヶ谷球場」へと、何度か足を運んだ。

 ところが、ただの1度も、その姿を見かけたことは、無かった。

 無駄足。また、無駄足。

 寮に行き、実情を聞いた。

 遊んでいた。練習にも、身を入れずに・・・・。

 そんな男が、大変身!

 心を入れ替えた。

 それに比べたら、東浜は、マジメ。しかし、プロは、「結果」が、すべて!

 東浜にとっての、今シーズン第2戦は、それから1週間後の4月11日。対、オリックス戦。

 また、この試合も打ち込まれたうえに、四死球。

 時折り相手を打ち取れる良い球を投げるのだが・・・・・

 まるで、エレベーター。まるで、シーソー。

 上がったり、下がったりが、交互に来る。

 増えるのは、冷や汗と、あせりと、走者。

 結局、この試合でも、4回途中で、6失点して、マウンドから引きずり降ろされた。

 そして、いわば1軍生き残りを賭けた、6人目の投手陣枠ギリギリ残留をめざして、さらに1週間後の4月18日。

 対、楽天戦。またも、5回6失点・・・・・

 もはや、球団にとって用無し。無用のピッチャーの烙印を押され、ラストチャンスは、ついえた。

 打たれる。それも、ボール3分の一、甘く入っただけで、田中将大(まさひろ)も、ダルビッシュ有も、見事にホームランを喰う。

 しかし、四死球は、出さない。

 この悪癖を直さねば、斎藤佑樹や、松井裕樹(楽天)並みに、墜ちてしまう。

 今,2軍のグラウンドで、東浜は、何を想うだろうか?

 2年目のジンクスどころか、3年目にはもう、ソフトバンクスには、いないかも知れない。

 ただただ、頑張って、スピードや、変化球より先に、まず、制球力をつけて欲しい。4死球で自滅は、ピッチャーとして、最低なのだから。

 

 


<リアル 演劇 ルポ>結成、実に32年目に突入! 劇団「離風霊船」公演 「運命なんてぶっとばせ!」

2014-04-26 14:09:00 | 芸能ネタ

 いわゆる小劇団と、芝居好きに俗に呼ばれるなかで、抜群の人気と実力を、”魅せて”くれているのが、劇団「離風霊船」(りぶれせん)

 今回の、最新作「運命なんてぶっとばせ!」の、作・演出を手掛けた大橋泰彦と、看板女優となる伊東由美子が出会って、劇団創立。

 以来、32年目に突入!

 年間、劇団として、2~3本の公演。他の期間は、役者及び制作スタッフは、それぞれアルバイト、仕事、客演、稽古をこなしている。

 専用の稽古場も所有。

 4月6日には、大橋の脚本も完全に出来上がり、キンコンカンコン、金づち片手に舞台セットも作り上げながら、本読み、立ち稽古に入っている。

 Dscf5251

 今回の作品は、<コメディタッチの、ウエルメイド・サスペンス>との、フレコミ。

 イメージは膨らむが、あらすじが透けて見えてこない。

 チラシに記載されている物語を、転載する。

 [ とある秘境の、ひなびた温泉宿で起きた、出来事。事故なのか、事件なのか?

 はたまた、それは偶然なのか? 宿命なのか?

 あの刑事コンビが復活し、人々の不可思議な言動の真相に迫る]

 ・・・・・・という。

 以前、公演前に書いた紹介記事で、多分こ~ゆ~展開になるんではなかろうか?と、想い描きつつ書いて出した。

 そして、いざ舞台公演をみたら、半分近く違っていて、内心あわてふためいた苦い想い出がある。

 なので、今回は、読者が想像してみて下さい。

 出る役者陣は、先の伊東由美子に加え、松戸俊二、山岸諒子、橋本直樹、江頭一晃、竹下知雄、瀬戸純哉。

 それに、稽古場レポートを見ると、相変わらず太って健康的なままの体型を維持している柳一至

 女優陣には、ベテランの栗林み~こ、祥子

 さらに、前回公演は制作に回っていた小林裕忠が出演する。

 どんな役柄をやらせても、難無くこなす倉林えみ、今回出ないのは残念だが、小林が出てくれるのは、楽しみが膨らむ。

 この小林。演技力は、過日他界した蟹江敬三クラス。

 上手い! 噛みしめるほどに、味がある。リアリティ溢れるワルも演れれば、親しみやすい善人もサラリとこなす。

 また、さらに先の伊東。

 先日、やはり演劇出身の渡辺えり子改め、えりが、単発長編ドラマ「銭女」(ぜにじょ)に主演し、目を射抜く熱演を見せた。

 が、見ながら思った。このクラス、伊東もどっこいどっこいの演技出来るな、と。

 関西の演劇出身、キムラ緑子が、NHKの朝の連ドラに出て、一躍世に広く知られることになったが、伊東もそんな流れに乗れないものかと思う。

 キムラに伍して戦える、千変万化の演技が出来る女優だけに、なんかのタイミングで、そうなれればこれに越したことは、ない。

 客演陣は、今回、4人。

 はてさて、どんな演技力を開花してくれるだろうか?

 今回は、タイトルに書いたように、下北沢の「ザ・スズナリ」(東京都世田谷区北沢1-45-15。下北沢駅南口より、徒歩7分)で、4月23日から、30日まで全9回行われる。

 各日、公演時刻は、以下の写真で見て下さい

 Dscf5252 チケットは、指定席3800円。限定シート、3000円。各回、18席のみ。

 さらに、学生割引3300円。ペア席7000円。

 チケットの問い合わせは、劇団離風霊船 ?03-3359-0516

 ドラマや映画とは、一味も、100味も違う、ナマの上手い演技を、ひととき堪能して欲しい

 


< リアル ボクシング ルポ > 4月20日(日)[西遠ボクシングアワー]第3試合 奥田翔太 対工藤哲也

2014-04-24 16:24:05 | スポーツ

 この56・5㎏契約、フェザー級の試合。

 パンフレットには、名前(リングネーム)、所属ジム名、それと戦績しか掲載されていない。ので、こちらで、付け焼刃ながら、調べた。

 奥田翔太は、1990年3月生まれの、24歳。2011年9月11日、21歳の時、スーパー・フェザー級で、プロテスト合格。

 ちなみに、この時、大体2人に1人が合格。厳しい門には、今も変わりが無い。

 これまで4戦して、3勝(1KOまたは、TKO)1敗。

 うち、試合内容が少し判明したのが2試合。

 同年11月27日、おそらくデビュー戦。3-0の判定勝ち。

 そして、翌年の8月5日。刈谷市あいおいホールで行われた「中日本新人王 バンタム級決勝戦」で、1ラウンドにダウンを喫し、持ち直したものの、結果、大差のスコア判定で、0-3の負け。

 そして、この日の試合では、フェザー級のリミット500グラム落ち契約。

 相手と戦う前に、減量との戦いの日々の繰り返し。

 ジムは、岐阜県岐阜市にある「岐阜ヨコゼキジム」。ジム内では、指導者らから、「チャラ男」と、見られている。

 姿勢、アフロヘアなどにしちゃう、見た目、言動が、今ふうの24歳の若者・・・なのだろう。

 とはいえ、この試合に勝てば、B級ボクサーに昇格となる。それだけに、何としても勝利を手にして、岐阜へ、笑顔で帰りたいはず。

 かたや、工藤哲也

 聴き取りにくかった場内アナウンスによれば、1982年3月生まれの、32歳。デビュー戦が、2005年1月。22歳の時。

 もう、続けていれば、丸10年のキャリアの持ち主となるはず。

 だが、試合はわずか4戦しか、これまで経験していない。

 ということは、仕事や家庭の事情で一時、事実上の引退か、その後、移籍したり、負けてヤル気なくして、練習にぷっつりと来なくなって、再び始めたなどのケースの、いずれかであろう。

 さまざまなケースが、ボクサーにはあり、取材していると意外と多いことを知ってゆく。

 通算戦績、4勝(3KO&TKO)1敗。

 デビュー戦は、日本ボクシングコミッションの試合結果にも載っていない。

 ズサンと言うべきか、この時期、メインとセミ程度しか、掲載していない。

 近年の専門誌というより、単なる業界誌の、ボクシング・マガジンや、ボクシン・グビートの、試合日程紹介のページと同じようなもん。

 人名や所属ジム、日にちなど、間違いが多く、ならばと詳細を正しく記載することをしなくなった。校正は、楽ちん楽ちん。それでも業界誌。ちょいな、ちょろいな。

 ただし、実売数がガッツリ落ちた。

 後楽園ホールでよく顔を見かけるボクシングファンの方々に話しを聞くと、皆「買わなくなった」と言う。「元々薄くて、値段高かったし」、とも。情報は、「試合日程表を検索」し、難なく得ている。

 で、工藤。現在の所属ジムは、沼津石川ジム

 地図を開くと、海水浴場の砂浜近くにジムは建っている。太平洋を望めるところだが、いずれ急襲すると予測される「東南海大地震&大津波」が襲ったら、ひとたまりも無いだろう。

 願わくば、夕方から夜にかけての練習時間内に、震災に巡り合わないことを願うばかりだ。

 前戦の4勝目は、今年1月14日、後楽園ホールで手にした。

 相手は、国分寺サイト―ジムの、大木理生(みちお)、28歳。8戦して、2勝6敗。2勝は、すべてKOないし、TKO。

 自分の型に、はまったならば強い、と言う条件付きタイプか。

 その日の試合。工藤はこの4月20日の試合でも見せるのだが、上体を大きくクネクネと揺すって前へ出た。下がる、大木。

 どんぴしゃのタイミングで放った左フック1撃で、大木ダウン! 立ち上がりはしたものの、効いていた。

 次の3ラウンド、またも左フックで、大木、2度目のダウン!

 すぐさま、レフェリー・ストップ。目にも鮮やかな勝ち方だった。

 だから、本人以上に、応援の声に、”期待”がこもっていたわけだ。

 

 午後5時3分、両者入場。

 赤コーナーに位置する奥田は、赤いトランクス。青コーナーの工藤は、青色トランクス。

 分かりやすくて、有り難い。

 工藤が入場するなり、近くの客席から、「工藤さ~ん!」という歓声と、激励の大声援が飛んだ。

 リングに入っても、ソレは続く。

 「工藤さん、ファイト!」「工藤さん、ファイト!!」

 声は、若者たち。おそらくジムか、職場の後輩であろう。

 沼津から、連れだって応援に来たのだ。

 とどめは、工藤と同年代と思われる男の、野太い声。

 「工藤! 頑張れよ!」

 その声に応えるかのように、工藤、チラッと客席に目をやり、右腕を上げてガッツポーズ!

 Dscf5311 奥田(写真左の左)は、アフロ・ヘア。上体をクネクネさせて、前へ出る工藤(同。右)

 奥田、ボディ狙うが、工藤、あっさりとクネクネよけ。逆に、工藤が、ジャブ、ジャブ攻撃。

 両者、フェイントかけあい。

 「下から! 下から! 自分から回れ!」と、工藤のセコンド陣から、声が掛かる。

 今度は、奥田が工藤のパンチを、クネクネかわす。

 工藤、左ジャブ、ヒット!

 奥田、左フック! 工藤、ダウン、ダウン!

 Dscf5312 してやったりと、ガッツポーズの奥田(写真上)。

 工藤、立って、1ラウンド終了。

 2ラウンド開始。

 Dscf5314 明らかに、1発必殺!を狙っている奥田。

 なのに、前へ出ていく工藤。

 「無理すんな! 無理すんな!」と、工藤のコーナーから、声が飛ぶ。

 が、出ていく工藤。

 狙っている奥田の目。獲物を狙う、目。

 Dscf5315

 パンチ、出たっ! ダウン!(写真上) また、工藤、ダウン!2度目のダウン!

 前戦の、なんと真逆のパターン。

 青コーナーポストに、立ち上がった工藤を引き戻すレフェリー。

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 Dscf5317 そこで、カウントを5まで数えて、試合をストップ!

 Dscf5318 そんな、殺生な・・・・何とか、ならんの~、ねえねえ、レフェリー様あ・・・・・・という、せつない声が聞こえてきそうな、工藤の背中。

 わしゃ、知らん!と、木造(きづくり)レフェリー。

 2ラウンド。2分32秒。奥田翔太、レフェリー・ストップ勝ち。

 Dscf5320

 Dscf5322 すまんのう、せっかく沼津から応援に来てくれたっちゅうに・・・・と、言いたそうな、工藤の顔。

 通路に降りれば、励ましの声が続く。

 根も良い人・・・・なんだろうなあ。

 試合後、不審、不満な声を承諾させるかのように、場内にアナウンスが流れた。

 「選手の健康面等を考慮し、早めのレフェリー・ストップや、試合のストップを、心掛けております。どうか、ご了承下さい」

 今年正月明けにこの世を去った、あるボクサーがいる。

 その背景も書き込んだ記事には、多くの検索を戴いた。

 なんと、1月の試合の真逆を体験した、工藤哲也。

 また新たな姿勢で、ボクシングに打ち込んで欲しい。むろん、B級に昇格した奥田翔太にも。

 

 

 

 


<リアルボクシングルポ>4月20日[西遠ボクシングアワー]第2試合詳報 エルフェロス・ベガ 対 作田祐一

2014-04-22 22:44:56 | スポーツ

 遠州浜松まで行ったんで、半ば無理やり「旅行記」にも勝手ゴリー、ゴリ、押し込んでます。

 この4月20日、富士山見えず。

 Dscf5257 とまあ、こんなカンジでげす。富士山がくっきり、はっきり見えると、よ~し!今日も頑張るぞ~!となるんですが、コレもんだと、気持ちまで、どんより、くすみがち。

 で、第2試合。

 コロンビア出身の、もろ外人ボクサーの、エルフェロス・ベガ(写真下の左側。平石ジム)と、最初ハーフ?に見えた作田祐一(富士山ネクサスジム)との、ミドル級の4回戦。

 Dscf5294 ベガ。しっかり腹に分厚く、さらしか何か、巻いてます。中南米のボクサーにこの手合い多いっす。もはや、鉄板です。だから、ボデイは逆に打たれ弱いことを証明もしているのですが。

 対する、作田(写真下。左側)は何も巻いてはいないようです。

 Dscf5296 この顔立ち。最初、ハーフかな?と、何度も目をこすり、インターバル中にセコンドが降りてきたのを見計らって、聞きましたもん。

 ---作田さん、ハーフですか?

 はあ? ナニ言うてんねん、このヒト?という、もろ表情に。

 「違うでしょ」と、あきれた顔で一言。

 作田を今、検索してみると、昨年連勝。6月2日、続いて9月30日、後楽園ホールで、ヨネクラジムの黒人ボクサー、エイドリアンを、右のフックでダウンさせ、レフェリーストップ勝ちをおさめている。

 エイドリアン、と言えば、映画「ロッキー」の、ラストシーンが、すぐ頭に浮かんだ人もいるだろう。

 で、作田。ガイジンに対しては、まったく臆することが無いばかりか、自信を持ってリングに上がっているはず。

 ジムは、富士山のふもと富士吉田市にあり、なんと、長いボクシングフアンなら、知らない者はいない、あの渡邉一久が、アマチュア時代に、そこで練習を積んでたそうな。

 反則王の異名をとって、ブイブイ言わしてた頃のこと。

 せっかく、ポイントもリードしてたのに、相手をリング上で、投げ飛ばしてしまい、「反則負け」を喰らって、ふてくされた表情でリングを降り、シャワー室へ向かう途中、フッと私に振り返って一言。

 「今日は、ちょっと、やり過ぎちまいました」

 その一言で、ファンになった。

 格闘技選手としての主戦場を探しながら、今も、時折り、後楽園ホールに客として来て、知り合いのボクサーの応援をしている。

 さて、そんな作田は、1983年12月生まれの30歳。戦績は、3戦して、2勝(1TKO)1敗。

 2012年9月1日。荒っぽいが、強打の前原太尊(たいそん)・康輝(六島ジム)とデビュー戦で闘い、完敗。しかし、その後2連勝。

 ちなみに、太尊は、いち早く昨年の、ミドル級全日本新人王となった。

 対する、エルフェロス・ベガの所属する平石ジムは、静岡市にあるが、選手の画像・プロフィール紹介のホーム・ページが無い。

 戦績が、3戦して、2勝(2KO&TKO)1敗とだけしか、分からない。

 外国人船員が、シロートなのに、このジムにスパーリングに、時折り来るのが「静岡新聞」の記事になっているので、ベガもそんなつながりで、筋が良いと誉められ入ったのか、来日前に母国のコロンビアでアマチュア経験があったのかもしれない。

 この試合。面白い出だしとなった。

 作田が、ガードを固めながら、しっかりベガの動き、パンチの出し方や、クセを見定めて動く。

 かたや、ベガ。いきなり、パンチを振ると、ズバン!と、小気味いい音を会場内に響かせた。

 さあ、どう展開していくのか!?

 出ていくベガ。足を使って回る作田。フットワークは、良い。それを追うベガ。パンチ、良いのを振るうベガと思った瞬間!

 作田得意の、右フックが炸裂!

 1発で、ベガ、ダウン!ダウン!

 コレかあ、エイドリアンをぶったおした、脅威の右フックは。

 立ったベガ。1ラウンドから、衝撃のスタートで、始まった。

 このままいけば・・・・・

 2ラウンド。今度は、ベガが倒したい気持ち一杯の、大振り、ブンブン!

 しかし、作田。しっかり、ベガのパンチを見ている。

 無駄な、当たらないパンチは1発も振らないという動きに徹底。

 振ってくるベガの顔面に、ジャブ、ビシビシッ!と打ち込む。

 たちまち真っ赤に充血する、ベガの顔面。

 上手い作田のリードで、2ラウンド、終了。

 ところが、3ラウンドになると、ありゃりゃ、展開が変わってゆく・・・

 ベガがパンチ力がさほど無いにもかかわらず、大振りで迫って来るのに対し、作田が引く。回る。どうしたの?

 Dscf5298

  迫る、ベガ。引く、作田。打ってく、ベガ。作田、何だベガ?

 Dscf5301

 ともかく手出す、ベガ。

 回りながらストレート出すものの、当たりもしなくなった作田。ダウンさせて獲った2ポイントは、次第にチャラになっていく・・・・

 両者、共にクリンチ。

 最終4ラウンド。

 上からぶっ叩く、ベガ。と思えば、下から思いっきり、アッパー!

 Dscf5305_2

 Dscf5306

 パンチ殺そうと、作田、密着。

 クリンチ、はずされ、ブレイク、また、ブレイク。

 離れ際の、ベガ、アッパー、シッパーイ。

 もう、ムチャクチャ叩く、ベガ。打つというより、叩く、ベガ。

 苦しい表情の、作田。左肩から入って、グイグイ押して行く。

 ベガの、セコンド陣から、声が飛ぶ!

 「休むな! 休むな!手、出せっ!」

 次第に、怒号に。

 「出せ、出せ、出せ、出せ!!!」

 もう、作田。もろ、スタミナ切れ、ガス欠状態。

 一転して、体、クラッ!

 おいおいおいおい・・・・・

 Dscf5307

 両者、ヨタヨタ・・・・・体、絡み合わせながら、試合終了のゴングを聴く。

 いやはや、・・・・・

 判定は、どちらに旗を挙げるのだろう? 

 リングアナウンサーが、読み上げる。

 「38対37で、ベガ」

 ということは、次は作田だベガ?

 「38対37で、作田」

 やっぱり。これで、1対1。場内、シーン。

 「三者目は、38対37で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 んもう、引っ張って、じらすんだからあ

 「ベガ!」

 そうかあ・・・・・納得

 Dscf5308 リングを降りて、通路を歩く作田に直撃!

 ---スタミナ、切れたんですか?

 「後半、疲れちゃって、しまいました」

 そりゃ、仕方ないねえ・・・・

 怒られるねえ・・・・・

 落ち込むねえ・・・・

 

 

 


< リアル ボクシング ルポ > 4月20日[西遠ボクシングアワー]第1試合 大倉達栄 対 萱嶋卓

2014-04-22 16:53:01 | スポーツ

 すでに2回、この静岡県浜松市で行われた、「第32回 西遠(せいえん)ボクシングアワー」の第6試合に向けての紹介記事を書いた。

 その佐藤通也(みちや) 対 水藤(すいとう)翔太 の試合については、後日、詳しく書こうと思う。

 この試合。スポーツ新聞や、テレビ・ラジオのスポーツニュースどころか、地元「静岡新聞」のスポーツ欄にも、なんと!結果すら載っていない。

  なので、この試合の「結果」だけ、書いておく。

 試合は、8ラウンド、フルに戦った末、勝敗は判定に持ち込まれた。

 結果は、タイトルに添えた「衝撃」通り、なんと水藤が、僅差の3-0で勝利。

 20戦目を戦った佐藤は、この試合を最後に、故郷・遠州浜松の地において「現役引退」を決意。

 そこまでに至る、私が見続けたドラマを、いずれじっくり書きます。しばし、お待ちいただきたい。

 この試合の開始を待つだけでなく、キッチリ第1試合の1ラウンドから見た。

 出場した選手たちは、いずれもチカラの限り、リング上で戦った。だが、活字にすらならない。見た人達の記憶と、わずかな記録に残るだけ。

 主催者の西遠ボクシングジムのブログには、所属選手の戦いぶりと、その結果だけが載っていた。

 ならば、せめて他の選手を、ここに記事化し、多くの人に読んでもらおう。その想いを胸に書き出す。

 この日の浜松。空には小雨が舞っていた。ヒンヤリ、氷雨。残念ながら、富士山も雲に覆われ、裾野しか見えなかった。

Dscf5265 ここが、試合会場の「アクトシティ浜松」。行って見て分かったが、JR浜松駅に通路でつながっている施設。雨が降っていても、通路に屋根があり、濡れない。

 これは、正直、行く者にとって助かる

 試合は、このタワーのてっぺんで行われた・・・・わけじゃない。長~い通路奥に突き当たる「展示イベントホール」の1階スペース。

 昨年も、この会場で「ボクシングアワー」を敢行したとのこと。

 そこに、顔見知りのボランティア・スタッフを招集。リングを設営し、椅子を、リングを四面から囲むように、手際良く、1300席を並べ、椅子の背に、席ナンバーを張り付けた。

 中部地区のボクシング事情は、近年、厳しい。地元紙の記事でも、プロボクサー志望者は年々減っており、新人王トーナメントに出場申請者そのものが少なく、試合それ自体が組めない危機に陥っていると指摘されている。ファン、観客数も、決して多くない。

 そんな”厳状”のなか、浜松市内、及びその近辺の35会社及び団体に広告代をお願いし、そのお金でこの興業を運営。パンフレットに、広告掲載。

 また、地元企業で、ボクシングに理解あるところでは、指定席の良い席を、まるまる1列、買い取ってくれた。

 その地道な努力と尽力には、アタマが下がる。

 ホントに、西遠に、声援贈ります

 御礼代わりに、チケットを配布。見たい方に観客として来て頂く。加えて、当日券も販売し、ボクシングファンも少しずつ増やしていった。

 だが、タイトルマッチが組まれてないせいか、地元局のテレビ録画中継も、無い。

 それでも、佐藤通也や、水藤翔太を始め、出場全選手の友人・知人・親族も含め、この日も、1300席のうち、8割から8割半が埋まった。

 そのようにして、4月20日、日曜日、午後4時20分。

 第1試合の、ゴングが鳴った!

 ============================

 いきなり、重量級の試合。ウェルター級の、両者デビュー、4回戦。

 Dscf5273 右側が、大倉達栄。地元の堀内ボクシングジムの所属。

 左の長身のボクサーが萱嶋卓(かやしま・すぐる)。東京の国際ジムから来た。長身の、彫りの深い顔立ち。

 しかし、両ジムの選手紹介にその名前も顔写真も無い。それが、この日本のジムの否応の無い事実。

 萱嶋。見るからに2枚目。強ければ、且つ、連戦連勝すれば、女性ファンが、付くかも。

 が、写真で分かるように、積極的に攻めてたのが、大倉。

 スタミナ配分なんて、関係無い。イケイケ、どんどん。

 どんどこどんどこ、行くイク。

Dscf5274 クロスパンチで、アッパー!(写真上)。イケメンのアゴをぶち上げる。 

 ともかく前へ出て、手を出し続ける大倉。勝ちたい! 出来りゃあ、倒したい!という気迫と、根性を感じる。

 Dscf5276

 対する萱嶋は、終始「受け」に回ってしまうカタチに。身体が、心が、いくぶん引いている。

  1ラウンドは、明らかに攻勢点で、大倉が獲った。そう、判断した。

 2ラウンド。すぐさま、大倉、左右のフック当てていく。そして、前へ、前へ。

 対するイケメン。ショートジャブ、連発。しかし、受けてしまい、前に出られないまま。

 倒そうと意気ごんだのか、大倉、パンチが大振りになる。

 右ストレート!良いパンチだあ。

 イケメン、相変わらず、コツコツ、当てていく。ショート、左フック!

 おっ! 大倉が足を使って回る。逆に、イケメンが、パンチ、振っていく。迫る。

 Dscf5277_2

 う~ん、流れが少し変わる。

 3ラウンド。一転、イケメンが、練習の時のように、「シュツ!」、「シュ!」と声を出しながら、パンチ振りだす。

 だが、パンチにスピードが無い。

 今度は、両者、クリンチに出て、相手のパンチの効果を封じにかかった。

 大倉、離れ際のボディ! 右フック!

 イケメン、左フック、空振り・・・・

 大倉、左フック、右フック! バチーン!

 汗が、カクテルライトに照り映えて、飛び散る!

 大倉、盛り返す。だが・・・・・

 Dscf5282 大倉、3人のセコンド陣から、ハッパが掛かる。気持ちが、大暗になりかけていたのを、立て直す。

 泣いても笑っても、あと3分。

 最終4ラウンド。

 「シュ! シュ!」と、イケメン。せっかくの長身を、生かし切れていない。

 一方の、大倉。ストレート繰り出すも、スタミナが切れかかり始めているように見える。

 3ラウンド終盤から、明らかにガクッと落ちている。1、2ラウンドの時に見せ続けたパワーは、いずこへ・・・・・

 ロードワークが、足りない?

 日本人ボクサーは、皆が皆と言って良いが、ロープ、いわゆる縄跳びの量と時間が短い。やらない選手すらいる。

 驚いたのが、ベネズエラのリボリオ・ソリス。そう、来日し、河野公平や、亀田大毅と戦ったボクサー。とりわけ、亀田戦での計量オーバーの事では、疑惑のベルト事件に発展した、あの相手。

 彼の、縄跳び時間たるや、毎日1時間半!

 それも軽快に、軽快に、少しじわっと汗をTシャツに滲ませただけで、休みなし。

 「長い? いやあ、皆このくらい練習のなかでやっていますよ。もちろん、ロードワークもね」と、彼のトレーナー。

 日本は、少しだけ。この違いは、う~ん・・・・

 両者、今度は、逆パターンに

 追っていくイケメン。下がる、大倉。

 それでも、パンチ振る、大倉。当たっても、バチ~ンではなく、コツンというカンジ。あちゃあ~・・・・ 

 大倉、左フック、ヒット!

 だが、続くパンチが大振りになって、当たらず。また、大振り。

 気持ちは、よくわかる。一転した劣勢を、一発で、東京から来やがったイケメンを、リングに沈めたい!というようなココロ。

 大倉、ごつい顔立ちだし。

 イケメンの、左ストレート。ヒットはするが、それまでのヒット確率と、効いた印象が、共に少ない。

 大倉、渾身のチカラを、まさに「振り絞って」、右ストレート、バシーン! 続けた右も、バコーン!!

 もろに喰ったイケメンの顔面ゆがみ、苦しげな表情。

 やっと、それまでイマイチ盛り上がらなかった客席からの大歓声が湧く!

 もう1発、お見舞いしてやらあ、と大倉出て行ったところで、試合終了を告げる鐘が鳴った。

 勝負は、判定へ。

 まあ、後半、イケメン、逆襲こそしたものの、パンチの的中率と、見た目、見栄え、効いた印象。

 なにより、攻勢点で上回る大倉が、悪くても僅差で3-0の判定勝ちだろうな。そう固く思った。

 スコア・シートが3者から集められ、その結果を受けてのアナウンス。

 「40対37で、大倉」

 「お~っ!」と、彼を応援に来た者達から、雄叫びと、歓声があがる。

 スコア差3。ずいぶん、差を付けたなあ。まあ、ココは遠州。ホーム・タウンデシジョンも有りだよなあ。

 でも、待てよ。てことは、次は、イケメンの?点勝ちかあ??

 「38対38が、2人」

 え~っ!

 「この試合は、したがって、ドロー! 引き分けという結果で終えました」

 Dscf5288

 うっそ~~~~~~!!

 そりやあ、ないでしょうが。

 そう言う顔してる大倉の、セコンド陣の気持ちが、写真からも、伝わってくる。

 あ~た、ここは浜松。地元だよ。イロを付けろなんてことは、言わない。けどさあ、森の石松がいたら、斬り込んでくるかもよお!

 戦績に負けこそ付かないが、引き分けは付いて回る。

 Dscf5290

 なんとも言えず、うつむいて1周する、2人の心の中は・・・・・

 んにしても、あの攻勢は、加味されないわけ?

 37か、39対38が3人で、3-0 大倉の勝利が、マトモな判定ではありませんか?

 イケメンにとっては、拾った傷無し。

 大倉の、正直な今の気持ちを聞き質したくて、追った。

 すぐ、ドクターチェックを受けていた。声を掛けた。

 ーーー大倉さん、1-0の引き分けでしたけれど、自分としてはどうでした? 勝ってたと思いませんでした?

 「思いました」

 ---それも、3-0で?

 「ハイ。正直、そう思ってました」

 苦笑いの笑顔が、いい。

 結果がすべてと、よく言われるボクシング。

 だけど・・・・・んまあ・・・・・次、頑張って欲しいっす。スタミナ、落とさないようにして。

 ========================

 と、書き上がって、「大倉達栄」と、検索したら、なんと友人が撮影したのだろう。

 この試合の模様の1部が、もくもくと練習している姿と構成して、ユーチューブで、早速アップされておりました

 合わせて、見たい方にはお薦めです

 カッコ良く仕上がってましたよ 

 今後も見続けたいものです

 個人的には、僅差で勝っていたと思っているので・・・・


<リアル ボクシング ルポ>4月20日[西遠ボクシングアワー]に、故郷に錦を飾る佐藤通也登場

2014-04-19 16:55:46 | スポーツ

 明日の夕方、試合開始を告げるゴングが鳴る、このスーパー・フェザー級8回戦。

 Dscf5153_2 佐藤通也(みちや)34歳 対 水藤(すいとう)翔太・25歳。

 その前日計量が、終了した。

 18日の佐藤。軽くストレッチをして、あとは、静養に努めた。その段階では、リミット一杯の体重。

 その後は、もう、飲まず食わずで、本日、東海道をひた走って、遠州浜松入り。

 今まで19戦。すべてクリアしてきた、前日計量。

 んんん・・・・今回も、体重も、気持ちも軽く・・・・・のはずだった。

 ところが! 針は、リミット一杯、微動だにせず。

 ふう・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ため息、深く吐いても、減りません。

 「いやあ、20戦目にして、今回、初めての経験ですよ」

  試合前、毎回、儀式の如く丸く刈り上げてきた坊主アタマを、佐藤は、照れ隠しにかいた。

 佐藤の人生、砂糖のように甘くはない。

 ともかく、プロボクサーにとっての難関は、クリア・・・した。

 その後、9歳下の水藤の方から、キチンとした挨拶が。

 「明日は、よろしくお願いします」

 「こちらこそ、よろしくお願いします」

 そうそう、ボクシングは、礼儀が何より大切、大切

 「いやあ、むっちゃ良い子ですう」

 ホッとした感情も混じり、笑顔で佐藤は言った。

 遠州浜松仕込みの浪速弁。

 良い子・・・・・う~ん、無意識の「おじさん」目線

 油断大敵

 早くも、0ラウンド。水藤、1手、ジャブ、リードか

 良い子やでえ、わし、好いとう・・・・な~んてことまでは、言わなかったが

 さあ、2手目からは、アクトシティ浜松に足を運んで、この目で見て下さい!

 誰もが感動する瞬間が、見られる・・・はずです!


<リアル ボクシング ルポ>4月20日[西遠ボクシングアワー]は、佐藤通也戦始め好試合の連打

2014-04-18 20:56:26 | スポーツ

 ボクシングは、人間修行の場人間教育の場、だと、よく言われる。

 当初は、そんな大げさな、と思っていた。

 ところが、さまざま、全国各地、数多くのボクシング・ジムをこの足で訪ね、じっくり見定めていくと、まんざらソレ、当たらずとも遠からず。

 そう、思えてきている。

 ジムの会長が、人間的にクビを傾げざるを得ない人格のジムは、ソレが、やっぱりどこか歪んで、おかしいことが多い。指導者・トレーナーにも、それが言える。

  人として、最低限の礼儀作法。

 「こんにちは」 「失礼します」 「帰ります」 「ありがとうございました」 「すいませんでした」

 それすら言えない選手や練習生が、いる。

 驚くことに、指導者にもソレがいる。だから、選手・練習生にも礼儀指導しない、言わない、言えない、していない。必要性を、ハナっから、感じてもいないふうだ。

 ジムの出入りの際、みんな無言。会話も、無い。聴こえるのは、エンドレスに流れる、CDミュージック。

 それも、心や体はずむような曲、一切流れず。

 指導歴だけは、ある。だが、プロ経験は、まったく無い。だから、技術指導に見るべきものは、無い。

 その1人が、佐藤通也(みちや)の、現在の所属ジムである「石丸ジム」の会長(代行)の小倉だった。

 「志望者は来るには来るんだけどね。1回見学に来ただけで、もう2度と来ないんだよね。なんでかねえ? 理由が、わからないんだよねえ」

 日焼けし、歯の抜けた顔で苦笑する。

 そりゃあ、わかりますよ。何故ならば・・・喉まで出かかったが、言わなかった。

 階段を下りて、地下にあるジム扉にたどり着くまで、驚くほど薄暗い。まるで、ホラー映画の導入部のよう。

 そこを毎夜降りていく。そのことだけでも、世界チャンピオンを夢見る若者の気持ちはドン引きになるのかもしれぬ。

 外のジムからスパーリング来た進境著しい強打者に、守崎なる選手が、スパーリングでめった打ちされた。

 守崎、そんな自身のふがいなさに、いらだっていたのか、その直後のサンドバッグ打ちで、練習しながら、私の背中めがけて、サンドバッグを、勢い良くチカラ一杯叩き、揺らし、ぶつけてきた。

 最初は、偶然か?と、思った。

 ところが、立ち位置をずらしての2度目に、またサンドバッグが、私目がけて、飛んできた。

 これは!・・・・・・・

 いさかいを起こすためにジムを、訪れているわけでは無い。だが・・・

 後日、折りをみて、曲がりなりにも「指導者」たる小倉に、その状況を話しした。

 そのとたん、小倉は、大口を開けて爆笑! ひとしきり笑い終えたあと、こう言ってのけた。

 「ねっ! いろんな選手がいて、面白いでしょ? いろんなジムに行ってるとさ」

 ・・・・・・・・あきれる他なかった。

 自身の、あらゆる指導力の無さに気付いてもいないことにも。

 ある時、少しだけ資料の助力をした。佐藤のチカラになれば。そう、思った。ライターとしての許容範囲内で、そうさせる魅力が、佐藤にはあった。

 小倉に告げた。

 コレ、あれば、佐藤さん、助かりますよね?

 「ん? ああ、そうだね」

 それだけ。後にも先にも、そっけなく一言。それだけ。

 佐藤通也(写真下)は、 そんなジムにいた。

 Dscf1269

 「いや、僕もね、このジムに初めて来たときから、こんにちは、とか、失礼しますとかの、前にいたジムでは、当たり前にしていた挨拶が無いのは、おかしいなとは思っていたんですけどね」

 佐藤は、私が指摘すると、そう言葉すくなに言った。

 佐藤の性格、実力などは、すでに数本書いているので、そちらに目を移して欲しい。

 素晴らしい人柄。そう言っていい。

 だからか、日本の水産物を一手に担う、築地の威勢のいい若集たちと、店舗、会社が、応援している。

 だが、以来スッパリ、私は、そのジムには足を運んでいない。

 関東に点在する他のジム同様に、入会金は、1万8000円。ジムを選択する権利は、志望者にある。と、なれば・・・・・。

 かたや、この20日に対戦する水藤翔太(写真下)の所属する「とよはしボクシングジム」。入会金、9000円。なんと、半額だ。ホーム・ページによれば、月謝も9000円。 

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 愛知県の豊橋市。名古屋という大都会にほど近い。

 ほんの数年前まで、まるで高倉健が着流しで出てきそうな、古色蒼然たる遊郭も数店あった。

 そんな古い歴史のある地方都市にあるボクシングジム。そういう背景があるにせよ、この違いは、いざ入門しようとする若い志望者にとっては、大きい。

 加えて、会長兼トレーナーの松尾哲也は、元・日本スーパー・フライ級1位という実績を持つ。

 3月、その「とよはしボクシングジム」に、元いたプロボクサーを追ったドキュメンタリー番組を偶然見かけた。

 いささか常識と礼儀を失するその若者に対して、グッと感情を押さえて、移籍後の初試合と当人を、無言のまま、何も声をあえて掛けることもせず、見つめていた姿が、強く印象に残った。

 あえて、松尾会長に言ってみた。

 -----やさしい、ですね?

 「やさしいのは、ダメですよねえ。・・・・・そう、思います」

 佐藤の相手の、水藤。

 これ、「すいとう」と、読む。「すいとう・しょうた」。

 パソコンを開き、彼のデータを探し巡ってゆくなかで、「みずふじ」と、フリガナが付いた類いのものを、いくつか見かけた。

 全国、どこのボクシングジムでもそうなのだが、所属選手の名前を全員キチンと掲載していない。そればかりか、載っていても、フリガナを付けてくれているジムは、皆無に等しい。

 なので、試合会場で、選手入場時の際や、選手紹介の際のアナウンスを聞いて、えっ!と、驚くことも少なくない。

 彼の、水藤の試合を、実は私、ナマで見たことは無い。その映像すらも。

 佐藤の、この試合が決まった後から、調べまくってガックリ、肩を落とした。記事にする為と同時に、他ならぬ佐藤通也の、助力になるならと。

 そう想わせるほど、佐藤は、魅力あふれる人柄であった。

 が、彼は小倉を、「先生」と呼んで慕い、全幅の信頼を置いていた。私の知らぬ、何かを、持ち合わせているのであろう。

 ちなみに、通也は、これまた「みちや」と、読ませる。人の名前の読み方は、まして難しい。今の若者は、親の命名のせいで、当て字としか思えぬ、標記ズラリ、ボクシングの試合でも居並ぶ。

 だからか、業界誌も、スポーツ新聞も、記事中に、フリガナ付けぬ。そのまま、文字が連なり、突っ走る。

 今後、その傾向は、さらに定着するであろう。

 さて、あと数日に迫ったこの試合のポスターを、一部掲載する。

 Dscf5154 水藤翔太(両腕を組んでいる右側)は、まだ25歳の若さ。

 対する、佐藤通也より、9歳も年下だ。

 水藤の、これまでの戦績、12戦して、8勝3敗1引き分け。8勝のうち、KO勝ちは1勝。

 が、だからといって、みくびってはいけない。

 2012年には、スーパー・フェザー級の「中日本新人王」に登り詰めた。

 残念なことに、同年10月28日に行なわれた、「西軍代表決定戦」で、山口翔太(真正ジム)と拳を合わせ、0-3の判定負け。

 ”翔太対決”として、関西では記事になっていた。

 この試合で敗れたことにより、地方のプロボクサーにとっては、ボクシングの殿堂とも言うべき後楽園ホール初登場とはならなかった。

 だが、翌年3月、判定勝ちで再起。

 そして続く7月7日。A級ボクサーのランク入りを賭けて、刈谷市あいおいホールで、川瀬源と対戦。

 結果は、際どい判定に持ち込まれ、ジャッジ3人とも、58-57で、水藤が勝利を挙げた。

 そして、この20日(日)の試合は、水藤、初の8回戦となる。

 佐藤は、今のジムで、実は3つ目。

 最初は、この20日の興業を行なう「西遠ボクシングジム」に在籍。その当時、同期のボクサーは、すでに引退。この西遠のトレーナーをしており、今も佐藤と親交がある。

 その後、大阪の大手ジムに在籍。そのつてを頼って、両ジムに連絡。

 自分の手で、やっと1試合分だが、水藤の試合動画を入手。この目で戦いぶりを、じっくりと確認したと言う。

 ジムがジムだけに、傾向と対策は自分自身で行わなければ、いけない。

 このように、佐藤には、積み重ねてきた人脈と、誰にも好かれる性格がある。

 「いやあ、戦績なんて、あてにしていたら、いけまへんで。正味、強いです。かなり、パンチ力もある。上手さもある。こっちも、気を引き締めて、油断せず、リングに上がるつもりです」

 その佐藤。デビューは、2003年、大阪で。

 だからか、妙に不思議な関西弁が混じる。

 かつて、2005年9月3日、西日本新人王になった。

 10戦戦い、1度、引退。

 だが、今度は故郷をひょいと飛び越えて東京・築地に職を求め、再び、グローブを手にする。

 そして、水藤が、中日本新人王になった丁度その頃、佐藤は2012年9月、日本スーパー・フェザー級タイトルマッチに出場!

 王者・金子大樹に挑戦し、鮮やかに! 2ラウンド、それまで3度倒れ、タオル投入のKO負け・・・・

 しかし、彼もまた、再起、勃起。

 最近2戦は、私なりに、詳細に、リアルに、ルポルタージュしてきた。

 この20日の興業は、「西遠ボクシングアワー」と題し、タイトルに記したように、なんと佐藤の生まれ故郷、静岡県浜松市に建つ「アクトシティ浜松」で、執り行われる。

 この試合、区切りの良い20戦目。

 なんと、宿泊場所も、前日計量の場所も、自分が幼い頃、よく歩いた近所。

 絶対に! 負けるわけには、いかない。

 もし負けたもんなら・・・・・

 いやあ、緊張する・・・・はずだ。気負いを捨てろ!といっても、無理。

 おそらく、会場をぐるり見渡せば、知っているかつての、アクトならぬ、悪童たちが、「みち~っ!!」「みちやあああああ!!」と、声を枯らして大声援を送るはず。

 それが、拳を繰り出す気持ちに、良かれ悪しかれ、どう影響するか?

 体調、調子、万全とは言えないまでも、順調?に、仕上げてる・・・・・・はず。

 Dscf5246 アクトシティ浜松の中にある、この控え室で、両雄は、何を想い、どう気持ちを集中させていくであろうか・・・・・

 水藤も、松尾会長によれば、この試合会場で試合するのは初めてとのこと。

 1月にジムに連絡を入れた時も、最近入れた時も、松尾は言った。

 「次の相手は、強いですから」

 多分に、警戒を心なしか滲ませたリップサービスと、受け取った。

 さて、本音のところは・・・

 「仕上がりですか? いつも通りですねえ。どうなんですかねえ・・・・自分の中では満足してないけど、彼(水藤翔太)の中では、同じ感じで。まあ、欲を言えばですけど」

 「次の相手は強いので、(この試合を経験して)成長していけば良いかな、と」

 「減量ですか? それは、問題無いですね。今まで、それで苦労したこと(水藤は)無いので」

 「本人にインタビュー? いやあ、今、練習中なんで。後日ですか? いやあ、試合に集中させたいので・・・」

 と、やんわり、2度も断られた。

 ボクサーと、指導者の関係は、ホントにケース・バイ・ケース。上手くいっていれば、はたがとやかく言う必要は無いことは、百も二百も承知だ。

 それだけに、人間教育、限りなく難しい。

 インターバル期間も含め、佐藤通也のボクサー生活、12周年。演歌歌手なら15周年、さらに20周年を目指す。売れても、売れなくても。

 佐藤の、「拳年齢」は、まだまだ大丈夫。今まで2度、痛めてはいるが、気持ちさえ保っていければ。

 昨年のこと。実は、「結婚しようと思っています」と、打ち明けられた。

 かつて、1度、失敗。「再婚になるんですけどね。実は、向こうもですが」

 そう言って、照れ笑い。

 どうやら、故郷・浜松時代の幼馴染み・・・・らしい。この正月。互いの実家に挨拶に、しっかり出向いてきた。

 彼女、佐藤の試合は、見に来ている・・らしい。試合後か、すっかりパンチ・ドランカーに成り果てた、浪速のジョーこと、あの辰吉丈一郎と後楽園ホールの控え室でひさびさに再会。

 少し、挨拶がてら、佐藤がジョーと会話をかわした。

 ロレツの回らないしゃべり。話しが、今のジョーのパンチのスピード以上に、飛ぶ、飛んでく、いきなりプツンと途切れる、理解が遅い・・・・・・

 それを、彼女がさりげなく控え目に、見つめていた。

 帰り道、彼女が、ポツリと小声で、佐藤に漏らした。

 「もしかするとさ、佐藤クン、ああ、成っていくの? だったら、嫌だなあ。・・・・・・・心配だなあ」

 心優しい佐藤は、返す言葉が無かったと、言う。

 パンチ・ドランカーに成り始めている気の良いボクサーを、私は知っている。話しが、うまくつながらない。話しが、飛ぶ。

 そんな彼もまた、今年2月、結婚した。

 佐藤は、37歳の誕生日で終えるボクサー定年まで、あと3年と少し、試合は出来る。応援をかてにして、リングに上がれる。

 ふと佐藤と重なり、想うのは、5階級制覇した湯葉忠志のこと。

 「ポンコツ車が、スーパーカーを抜き去っているようなもんだよ」と、トレーナー。

 だがついに、前回、目を疑う惨敗をした。まだやれる、もうやれない、いや、まだ・・・・

 苦悶、反すう、自信、揺らぐ心。

 故郷、宮崎県都城市に行き、結論を出した。

 <あと1試合やって、引退します>

 拳年齢は、とうにパンクしている。

 しかし、勝ったら、また、虫がうずく、心がうずく・・・

 なにより、後楽園ホールが、ほぼ満員になる。

 20日の試合ののち、佐藤通也が、どのような結論をまた出すのかは、おそらく、当の本人にもまだ、分からない。

 おそらく、水藤以上に、「気負い」との勝負になるであろう。

 試合開始時刻と、ほぼ同時刻の午後5時半。同じ「アクトシティ浜松」の大ホールでは、佐藤が進学しなかった、浜松市立高校マーチングバンド部のリサイタルが開演される。

 出来るならば、それを聴きに行くつもりの人も巻き込んで、この試合を見て欲しいと、切に想う。

 故郷が産んだ、日本ランキングボクサーは、僕さあ!

 勝てば、リング上で、映画「ロッキー」のラストの如く、新妻の名前を叫ぶ・・・・かも知れない。

 それも、いつものように、軽やかにロープに飛び乗って、拳を振り上げて!

 いやあ、やりかねませんよ、通也さんなら(笑い)

 

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 この日の試合は、全7戦。

 開場は、午後3時半。第一試合開始は、午後4時20分だ。

 第6試合の、佐藤通也 対 水藤翔太以外にも、元全日本新人王同士の、見逃せない試合がある。

 メインの、堀池雄大が、世界への足掛かりを掴めるかどうか?も、気になる。

 このボクシング・イベントの、キャッチ・フレーズ

 < 浜松から、世界の頂点へ! >

 その意気や、良し!

 このような地方発の興業が、大盛況に終わって欲しいので、すべての試合を、以下列記します。

 さらに、この日。第4試合終了後、あの「袴田事件」で、48年もの間、まったく無実にも関わらず、獄中の生活をさせられた袴田巌さん。

 その、再審開始報告と、現状報告が、日本ボクシング協会のなかにあって、一番東奔西走してきた新田渉世(川崎新田ジム会長)のクチから語られるので、是非、耳を傾けて戴きたい。

 いかに、この裁判が歪んでいたか。

 再審決定の断を下した裁判長が、実は、あの「のりピー」こと、酒井法子を裁いた裁判長であったことなど、新田渉世ですら知らなかった、他では一切触れられていない裏側を、私がすでに書いているので、合わせてお読み戴ければ幸いです。

 また、この袴田事件は、静岡県静岡市清水区(当時は、清水市)で発生しているのだが、実は袴田さんは、この浜松市でかつて生活していた縁もあり、本当の意味での地元は、ここ浜松市。

 今後の、再審の流れに、是非是非、目を注いで欲しい!

 さて、試合に戻る。

 [第一試合]  ウェルター級、4回戦。

 大倉達栄(堀内ジム) 対 萱嶋卓(国際ジム)

 いきなり、重量級の対戦だが、両者ともに、デビュー戦。緊張感が解けてから、どんなパンチが出せるか、興味が尽きない。

 [第2試合]  ミドル級、4回戦。

 エルフェレロス・ベガ(平石ジム) 対 作田祐一(富士山ネクサスジム)

 [第3試合]  56・5㎏契約、4回戦。

 奥田翔太(ヨコゼキジム) 対 工藤哲也(沼津石川ジム)

 [第4試合]  ライト級、4回戦。

 山口祥吾(西遠ジム) 対 平野麻幸(花形ジム)

 [第5試合]  バンタム級、8回戦。

 2010年全日本バンタム級新人王・柘植雄季(駿河ジム) 対 2009年全日本バンタム級新人王・坂本英生(フジタジム)

 1年違いの、同級新人王の対戦。これは、ボクシング・ファンにとっても、見逃せない1戦になりそうだ!

 そして、メインの[第7試合]

 スーパー・バンタム級10回戦。

 日本スーパー・バンタム級14位・堀池雄大(西遠ジム) 対 OPBF(東洋・太平洋)スーパー・バンタム級9位 ・ロリ・ガスカ(フィリピン)

 ロリ・ガスカは、現在こそ9位だが、元・同級のチャンピオン。勢いに乗ってる堀池が、ロリをぶっ倒せば、ランキング入りに可能性がひらける。

 それとも、ロリが、元チャンピオンの意地とテクニックを見せるか!?

 見ごたえのある激闘になるだろう!

  

 

 

 

 

 

 

 


<異聞 蟹江敬三 追悼> あれっ? 「ガイアの夜明け」の、ナレーションの声が違う! 蟹江敬三じゃない

2014-04-06 19:42:04 | テレビ番組

 ああっ!亡くなっていたんだあ・・・・・

 変だなあ・・・とは、思っていた。

 というのは、いつも録画している「ガイアの夜明け」のナレーションが、古谷一行らに変わっていたから。

 いつも見ているせいだろうか?

 進行役が、役所広司から江口洋介に変わった時も、見ていて非常に違和感を覚えた。

 元々、自ら取材していない俳優。それは、役所も同様なのだが、信用度に明らかに差がある。

 ましてや、全篇流れる声が、蟹江敬三では無いとなると、さらに信用度がガタ落ち。

 もう、扱うネタ次第で、録画することになりそう。

 かつては、良い番組と思い、この「ガイア・・」の、DVD集が発売された時、紹介記事を書いたほど。

 蟹江の声と、そのトーンに、さらに「信用」が重なっていった。

 一方、彼が出演していた2時間ドラマや、「あまちゃん」。

 「あまちゃん」などは、むしろ批判的に見ていたし、そんな記事も書いた。

 脚本が場当たり的。思い付きの、突拍子も無い展開。受け狙い、見え見え。海女ちゃんでは無い、甘ちゃん、ないしはアマちゃん。

 この程度で、視聴者は楽しまるのかと、いささか、がっかりした。

 基本的に、テレビドラマや映画は、監督や脚本家で選別して見る、見ない、録画する、しないを判断している。

 なので、殆んど見ていない。

 見た記憶があるのは、「うちのホンカン」「阿部一族」、松本清張・原作の2時間モノ、「下町ボブスレー」、そして「ソープ嬢モモ子」のシリーズ。

 とりわけ、「ソープ嬢・・・」。モモ子に扮した竹下景子との掛け合いは素晴らしく、このコンビは絶妙だった。

 このシリーズには、絶対に欠かすことの出来ない役者であった。

 そう、俳優というより、その数段上の「役者」。

 かつて、演出家として、すでに高名となっていた蜷川幸雄を長期取材。

 学生運動の嵐吹き荒れるさなかの「現代人劇場」、その後は「櫻社で、演出家と主演俳優として、蟹江敬三が、体張って、ひたひたと忍び寄る権力と闘っていたことを知り、蜷川との当時のエピソードを聞きたく、取材を申し込んだが、結局、応えて戴けなかった。

 どうやら、スケジュールが、会う合わないの問題ではなく、かつて蜷川と、お互いに若かったせいもあり、何らかの軋轢が生まれ、越えられない溝が出来てたからじゃないかと、人づてに聞いた。

  当時の舞台映像を見せてもらったが、モノクロのなかで、はじけるパッション! が、鮮やかに甦ってきた。

Dscf4542 この写真は、櫻社公演「盲導犬」での1カット。右が、蟹江敬三。そして、左は石橋蓮司

 反権力を滲ませた、演出家、脚本家、そしてその想いを板の上で体現する役者たち。今もって名作の輝きを放つ「心情あふるる軽薄さ」。

 その舞台を監視する機動隊と警察官。いつでも公演を阻止するかのように見つめていた、ぎりぎりとした緊迫感。

 創造する自由さえも、圧殺しようとする時代であった。

 一本の芝居に賭ける、想い。全身全霊を傾け、演じるというより、熱く闘っている! という印象が、今も消えない。

 先日、3月26日、これらの脚本を書き続けた清水邦夫。彼の妻であり、清水が立ち上げた劇団「木冬社」の主演女優でもあった、松本典子が、肺炎でこの世を去った。

 78歳であったとはいえ、あの激動の時代を知る人が、また1人、他界したのか・・・・・と思った矢先の、蟹江敬三の死。

 それも、胃がんであったとはいえ、わずか4日後の、3月30日に亡くなったとは・・・・・。

 蜷川は、今、どんな想いを胸に抱いているであろうか・・・・・。

 松本に関しては、蜷川について話を聞こうと、清水宅にお伺いした折り、お茶を持ってきて戴いた姿を見てびっくり。

 一言も、松本とは話しせずに終わったが、女優がお茶を!

 そりゃあ、妻なんだから、当たり前のことなんだけど。帰り道、そうフト、思った。 

 石橋蓮司には、新宿の地下通路で、偶然逢い、緑魔子とのことまで、エピソードが聞けた。

 顔に似合わず、気さくであったことが、今も印象に強く残っている。

 さて、役者、蟹江。

 映画出演のデビュー作品、「あゝ、同期の桜」も見ているが、さほどの印象は残っていない。

 近年は、上記のいくつかのドラマを除いては、ああ、「演技職人」だなあと、感じていた。

 出演作が多い。

 どんな役柄でも、見事に、こなせたからだろう。

 昨夜、録画しておいた「おとり捜査官 北見志穂」シリーズの最新作を、初めて見た。

 べーやん、生前、長らく監督をやっていたこと。その実の娘が女優をやっていて、このシリーズにも、回数多く出ていたこと。

 パキさんの女房だった赤座美代子も出ていたことを知った。

 元の芸名・真中瞳も出ていたが、何年たっても、セリフ、棒読み。まったく成長していなかったのには、驚いた。表舞台から消えた間、一体、ナニを蓄積してたのであろうか?

 で、蟹江。闘病生活のなか、声が完調でなくて、「ガイア・・」も、降りたりしていたのに、この「おとり・・」では、まったくソレを感じさせなかった。

 声、体格も変わらず、頬もこけず。足の運びも、違和感なし。

 何の異変も感じさせていない。軽妙で、ともかく上手い。

 だが、「ガイア・・・」は。アレッ?と、想い続けていた。

 かつての私なら、そう疑問に思った翌日には、とりあえず、所属事務所に?を入れていたものだ。

 そこで、「体調不良ですが、大丈夫ですよ。ご心配するようなことは、ございませんので」と言われるだろうが、その言葉の微妙な裏側に、何か?を、感じとって、次の行動に移ったかも知れない。

 69歳、まだ逝くには早い年齢

 脂ぎったまま、「まだまだ芸能界にしがみついてでも、すがって生きていきたい」とクチにしたみのもんた、こと、御法川法男。

 消えてもいい人間が、まだ生き続け、まだまだ見続けたい役者が早くこの世を去る。

 なんだか、むなしさが募る、春の宵・・・・・