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猪瀬・東京都知事が、おかしい。クスクス、笑える、猿芝居アクション。今夜のニュース、よ~く見てごらん

2013-08-23 18:14:56 | ニュース

 一体誰が、こんな話しかたを、この蓄膿症男に、レクチャーしてしまったんだろう?

 絶えず、キョロキョロして、落ち着かない視線。しかし、どこを、見ている訳では無い。

 みるからに、思わず吹き出してしまいそうな大げさな、両手のひらを広げて、それを上下する動作。

 首が、なく、ちんちくりんな体型と、背広。

 出陣式の、笑える光景。

 それらが、国際的にメッセージを伝える、よい方法だとでも思っているとしたら、お笑い種だ。

 どこで、どう、収集したのか? いまだに、おかしい、支持率なるもの。

 そう、東京オリンピック。9月7日に、決定するそうだ。

 石原慎太郎から、引き継いだ。いままでに、投じた巨額が、他都市に決まったら、その無駄ガネは、誰が責任をとって、返してくれるのだろうか??

 「週刊現代」は、東京決定! と、大博打を打った。

 裏どり、説得力は薄い文面。

 ウラに、何かありそうだ

 

当たらぬも八卦、当たるも八卦。

 ちんちくりんは、いさんで、また、都民の税金を、ブス妻や、取り巻きを引き連れて、散財しに往く・・・・・・

 八卦よい! か・・・・・・


[最新 テキヤ ぶる~す}お祭り、盆踊り大会、花火大会、縁日。あらゆる規制が、日に日に厳しくなり・・・

2013-08-15 04:38:18 | ニュース

Dscf7372 全国各地で今日も、あちこちで行われている「盆踊り大会」や、「お祭り」。そして、減りつつある「縁日」。

 笛がぴ~ひゃらら。太鼓が、どんどこどんと、風に乗って聞こえてくると、もう、いてもたっても、いられない読者も、いることだろう。

 そこで、欠かせない、いわば「風物詩」と化しているのが、「屋台」や、「露店」(写真左上)。

 「たこやき」に、「綿菓子」。「かるめ焼き」「金魚すくい」「射的」「ベビー カステラ」「クジで、当たるオモチャや、雑貨品」「お面売り」お好み焼き」「あんず飴」「アイス バナナ」「大串焼き」「かき氷」・・・・・などなど。

 果ては、太鼓を売る者や、花売り、鉢植え、骨董(こっとう)、どんぶりや、皿売り。

 取材してて、まずいなと思うのは、アイドルや、その類いのグループの写真をパソコンなどから起こして、焼き付けたポスター。

 これは、完全な肖像権違反。法的にやられたら、ひとたまりも無いシロモノだ。

 上の写真は、霧むせぶ北国での、1コマだが、近年、露店や屋台を広げて、日銭を稼ぐ彼ら、彼女らが、稼ぐ「テキヤ」業界も、日ごとに変わりつつある。

 というよりも、変わらざるを得なくなっている。

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 と、ここまで打ち込んで、いったん休み、改めて、構成を考えて・・・・と、思っていたところに、いきなり飛びこんできたのが、

 京都府福知山市の、花火大会会場での、露店爆発事故!

 土手にしつらえた観客席間近かで、発電機から引火したのか、まだ今の時点で、原因の、確たるものは定まっていない。

 もし、ガスボンベに引火なりしていたら、この程度の損傷では、済まないので、おそらく、他の機器による爆発であろう。

 花火6000発に対して、350もの露店が出ていた。テキヤとしては、大規模な、稼ぎ時であったはず。

だが、 これで、事故原因を引き起こした露店商は、間違いなく「業務上過失傷害罪」ならびに、同「致死罪」によって起訴されることになるだろう。

 そして、これから全国各地で開催される、花火大会や、秋祭りで、露店を呼ぶ主催団体や、市町村は、少なくとも減るはずだ。

 おりしも7月には、大阪で、当たりくじが、一つも入ってない「全部、空くじ、はずれくじ露店商」が、「詐欺罪」に問われた。

 「その影響は、もろに受けてます」というのは、ほぼ似たような業者。これから行く先々のところから、こうハッキリと言われたという。

 「あのさ、くじ引きでやるやつ、ぜんぶ

 

<つづく>


<リアル ボクシング ルポ>とあるボクサーとの、とある話。その、顛末と、余話

2013-08-13 01:48:58 | スポーツ

 始まりは、5月だった。

ある、世界戦の、控え室。取材をしている、さなか。

 ある若者が、私の元へ、寄ってきた。

 「あの~、三なんですが」

 はあ? とっさに、言われた意味が、分からなかった。

 「あの~、一、二、三、の三になる、三瓶一樹(さんぺい・かずき)と言います」

 ああ、それで、分かった。そのジムにいるボクサーの名前に一(田口良一)、二(仁平宗忍)、そして、三(三瓶一樹)がついている。

 いわば、1・2・3トリオといえる。そう書いたことが、あった。

 すでに、「一」は、何度も、無名の頃から書いていた。

 この8月25日。「一」は、あの、ボクシングファンだけには知られている井上”怪物”尚弥相手に、初防衛戦を行なう

 しかし、パンチ力、テクニック、力量、すべてにおいて、怪物がまさっており、おそらく、ベルトは失う。人間的にも、すっかり、地に落ちてしまっているだけに、再起はかなり、厳しい道になるはずだ。

 「一」には、まさに、一から出直す、いい機会かもしれない。

 そして、「二」こと、「仁」は、この日に2試合控えている世界タイトルマッチの、いわば、露払いとして、先陣を斬って、第一試合に登場。

 すでに、相手の久野喬を、3-0の判定で下していた。

 私が試合前に書いた記事を読んで、「よ~し! テンション、上がったあ!」と、快哉を叫んでいたと言う。

 戦いに向かう「気持ち」への、効果は、何がしか、あったようだ。

 そして、今、横に立つ「三」。

 「仁」の記事を書いた時点で、すでにデビュー戦で負けていた。

 むろん、そこで負けても、その後、チャンピオンになったボクサーは、何人かいる。まあ、いずれ、タイミングが合えば、書くかも・・・・・程度に思っていた。

 それが、見るからに、書いて欲しいという、表情。

 「あの~、7月3日に試合、決まったんです。相手は」と、話し始めた。

 真剣なまなざしに、見えた。

 そもそも、それが勘違いを、産むことになるとは・・・・・・。

 「ああ、それでは、書かなくちゃ、いけませんねえ。では、一応、ケータイの番号、教えてください」

 聴いて、取材ノートに、メモした。

 「そうですね。6月に入ったら、連絡入れます。スパーリングとか、あるでしょうし。それを見て、判断します」

 聴きもしないのに、確か、「河野公平さんに憧れて、プロボクサーになろうと、思った」などと、話し始めたので、「そういうのは、また改めて、その時に」と、切り上げた。

 こちらも、今夜の取材が今からある。相手の、真剣さは、わかった。

 まあ、少なくとも、かつて現役の時の小林生人のような、失礼なクチのきき方はしていないし、まともな人物。

 そう、感じた。その時は・・・・・・・・。

 6月に入って、連絡をとった。日曜日。午後4時。

 寝てもいない。仕事も、していないであろう時。練習も、していないはず。ケータイが、手元にあると思われる時を狙って、電話をかけた。

 ところが!  ・・・・・・・・出ない! 呼び出し音が、長く続いた。

 1度、切り、また掛け直す。

 だが、同じだった。

 一体、どういうことなのだろう? こちらから申し込んだ訳では無い。三瓶の方から、お願いしてきたというのに・・・・・。

 では、と、同僚ボクサーに、三瓶の電話番号と、メールを尋ねたところ、返って来た番号は、やはり、私が先日かけた番号と、同じであった。

 こんな奴を、一瞬でも信じた自分を後悔。しかし、書いてもらいたいのだろうとも、一方で想う。

 やめようか、と思いつつも、その後、ジムへ、ファックス。連絡をくれるようにと、一文を添えて。

 だが、ここでもまた、返信無しの、無しのつぶて・・・・・。

 それから、数日して、彼の担当トレーナーに会う機会があった。

 聞いてみた。

 スパーリングとかの予定は、無いんですか? あれば、見に行きますけど。

 「いや、全然、無いね」

 試合があるのに? どこか、体の調子が良くないとか?

 「う~ん、まあ、あまり、良くないというか・・・・・練習あまり、出来てないんで」

 だから、出ない? でも、試合を中止しようか? と考えるほど、ひどくはないようだ。

 なんとも、雲をつかむ感触。クチをにごす、トレーナー。あまり、三瓶とは、意思の疎通が、うまくいってないようだ。

 トレーナーは、いっておくが、とても優秀な能力の持ち主。三瓶なんぞには、もったいない人。

 気になり、ジムの会長に相談した。

 「三瓶に、連絡させるようにする」 そう言ってくれた。

 だが、それでも、三瓶からは、まったく、何もなし。なんと、三瓶、試合は、勝ったようだ。

 そして・・・・・・・

 他のボクサーを取材してた時、三瓶が手伝いに来ていた。私の顔を見て、アッ! という、まずい人に会ったという表情。

ジムの会長が、キチンと対応して、「話すように」と、三瓶に。

三瓶は、いう。

「電話は、かかってこなかったです。どうして、来ないんだろう?と、気になっていた」

私は、 改めて自分のケータイの、送信記録をめくってるうちに、嫌になってきた。気のいい会長は、「掛け間違ったんでしょう。そうですよ」と、苦笑。

三瓶には、こう告げた。

 「間違っても、君の記事は、絶対に書かない!」

 本当に、気になっていたのなら、自分から連絡先を調べる努力をするはず。世界チャンピオンでもあるまいし、誰からも取材は、なかなか来はしないのだから。

平気で言える、生来の嘘つき、か。

 三瓶は、仕事を持ってるのかどうか、知らない。ちょこちょこ、後楽園ホールに同僚選手の手伝いに、来ており、そのせいか、会長には可愛がられているように見える。

 だから、その人まで巻き込んで、掛け間違ったなどということはない、といまさら言い直すのもなあ~。それにしても、人迷惑な性格の、三瓶。

 こんなやつに・・・・・と、想いつつ、最後の確認を、してみた。

 今度は、土曜日。午前9時50分。

  電話を入れてみた。呼び出しコール。

 辛抱強く、待った・・・・・待った・・・・・・・・・出たっ!

 「失礼ですが、そちらは、三瓶一樹さんですね?」

 「はい」

 やっぱり!

 「ライターです。ウソをつくのは、やめてもらえませんか」

 「あっ!」

 驚きの声。

 「この、同じ番号にこの前も、2度、かけたんですよ」

 あわてふためいた、三瓶。こう言って、切ろうとした。

 「今、仕事してるとこなんで」

 平気で、その時その時、想いついて、ウソをつけるこの男。

 「わかりました。では、自分のそのケータイで、着信履歴を調べて、自分のウソを認めて、後ほどで良いですから、謝罪の連絡を下さい!」

 

 あれから、15日以上過ぎた。

 いまだ、三瓶から、連絡も、謝罪の一言も無い。

 この手合いの、若者が、増えつつある。

 他のスポーツなら、これほど、書くこともない。だが、こと、プロボクシングは、支援者がいるから、続けて行ける、つらくて、苦しい格闘技だ。

 むろん、チケットを買ってくれる、金銭的支援者という意味も、合わせ持つ。

 辞めたい、という、ココロが折れかかったとき、その背中をポンと叩き、後押しと、励ましをしてくれるのが、その人達だ。

 最初は、だませても、すぐにバレるウソを平気でつく三瓶。

 この、ど~しょうもない、人間として、欠落した性格を直さない限り、支援者は増えず、引退は早いだろう。

 心許せる友達も、少ないようだし。

 今、言って置く。ボクサー、辞めなさい!

 顔を見ると、目を伏せて通り過ぎようとするので、この場を借りて、公けにした。

 三瓶一樹。人を、だまし続けると、いつか人生に破綻が、押し寄せる。

 そのことを、今、教えておきます

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 8月9日の深夜、22時10分。

 やっと、・・・・・・三瓶自身から、電話がかかってきた。

 とある、ジム トレーナーが心配し、三瓶にいろいろ、話して聞かせた「結果」の、シロモノだ。

 当然、開口一番、謝罪の言葉から始まる。そう、思っていた。

 ところが、彼のクチから出てきた日本語は、呆れ果てるものだった。

 「記事、削除してください。親が見て、心配しているので。嫌がっているので」

 

 「・・・・・・・」 はあ?????

 で、謝罪の言葉は、無いんですか?

 「あ、・・・・・・・すいません」と、消え入りそうな小声。

 キレた!

 「馬鹿野郎! 先に、その一言を言うべきだろう!」

 「・・・・・すいません・・・・」

 あとは、説教。個人対、個人への、ウソは、まだいい。会長など、周囲の人まで巻き込んでしまったウソの積み重ねは、罪だよ。と。

 まったくう・・・・・今の、ガキは。そう思いつつも、削除を決めた。

 三瓶の、すすりなく声に、負けたわけでは、ない。

 言うべき言葉の、順序を間違えると、人生の節目、節目で、予想だにしない方向へ走る・・・・ことは、しばしば、あること。

 この顛末。これにて、幕を降ろします。ほとほと、疲れました・・・・

 10日。15時まで、公開し、そして削除させて戴きます

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 これにて、一件落着。そう、思っていた。

 実際、8月12日。取材で、訪れたジムで、三瓶は、私がいることに気付き、ちゃんと謝罪の言葉を述べた。

 確認した。

 ちゃんと、会長には、話したよね? 私が、ウソを言ってました。迷惑をかけて、すいません、と話したよね?

 

 「はい」

 ほんとかなあ・・・・と、危惧感はあった。

 というのも、その直後、会長から?があり、話したいことがある、とのこと。

 なんだか、またまた、話しが、ねじれていきそうな雲行きだ。

 選手が、一致団結して、会長に・・・・とか、この先、ジムや、ホール控え室では、あなたは出入り禁止・・・・になるのは、嫌でしょう? などと、半ば体の良い脅かしをかけてきたトレーナーは、今日は、わたしが、その選手にとって、嬉しく、感動したと話してくれた以外の、きびしく書かれたボクサーは、私を、気に入らないらしく・・・・

 

何ともはや自分たちが気に入らない記事や、記者に脅かしや、嫌がらせをして、日々、排除していこう、とするジムだったのか!?

 また、裏切りか? 

 

 したたかに、・・・・静かに、また闘いが始まりそうな、気配・・・・

 気が重い

 

 そんな人ばかりだったのだろうか・・・

 今後の動きは、すべて書いてくつもりだ。

 ボクシングジムというのは、人間教育の場でもある。それが、ウソや、わがままなボクサーを野放しにしていってしまってる愚かな場に変わってきている

 それで、いいのか?・・・・


<リアル ボクシング ルポ>2013・7・30(火) プロボクサー 阿知和賢の、「絶対に勝ちたい!」想い

2013-08-09 08:39:00 | スポーツ

Dscf7363 試合の4日前。阿知和賢(あちわ・けん。写真上・右側)は、汗まみれになって、最期の追い込みに、入っていた。

 見かけたのは、実は、彼には悪いが、偶然だった。

 当初、見る予定だった、8月25日に”怪物”と闘う、心身ともに、ひ弱な現・チャンピオン 田口良一ならぬ、悪一と、村中優(すぐる)とのスパーリングが、当日になって、突然中止になった。

 だったらと、即、練習までも休む、ていたらく振りの、悪一。

 あと残すところ、チャンピオンでいられるのも、1か月を切った。

 怪物に、勝つ! と言い切れる自信と、練習量の裏付けは、まったく無い。むろん、休むことも、練習のうち。そうは、言うものの、さんざん考えた打開策で、勝てるか? というと、正直言って、かなり厳しい。

 なにしろ、それを実践する田口の根性が、腐っている。かつては、そんな性格は、見られなかったのに・・・・・・・。

 日本ライトフライ級のベルトを得てからの、慢心が、それに拍車を掛けた。

  そのひ弱。先日は、私を見かけたとたん、まずい人に会ったなあと言う表情を浮かべ、狭い廊下を目を伏せて、小走りに駆け去った。

 時給1020円のアルバイト労働に加え、以前は練習に費やした時間を、浮かれまくって会食と、遊びに切り替え,練習を休み、休養をとり、練習量を減らす”超多忙”ぶり。

 まともに、じっくり取り組んだのは、房総半島の砂浜での、3泊4日の、走り込みぐらい。そこでは、柴田明雄も一緒だった。

 むしろ、柴田のほうが、この合宿で効果と、実績をあげた。田口には、進境著しさ、まったく無し。

 日曜は、お昼まで、ぐったり御寝んね。そんな練習態度にも苦悩する、担当トレーナーは、私に漏らした。

 「ひょっとしたら、試合、1ラウンドで終わるかも知れませんよ」

 怖いことに、真顔で言った。

 スパーリング中止を、知らずにジムに来てしまった私は、・・・・・・・・・。

 ならばと、その場で、田口とは逆に、真摯に、且つ、ひたむきにミット打ちに励む、ように見えた選手に、目がいった。

 「ていたらく」、と、「必死」

 

 試合に臨む、その根本的姿勢の違いは、天と地の差ほどに、大きい

 グィッと、心が惹かれた。

 仕上げに付きあってくれてたのは、同じジムの成塚亮(なりつか・りょう。同・左)。

 どんな選手なのかの一端を知りたい人は、すでに打った、私の1文を目にしていただければ、幸いです。

 体重は、あと3キロ落とさねばならない、という阿知和。そのため、写真で見るように、しっかりカッパを着込んで、汗を流し、体重を落とす練習の日々。それも、ラストを迎えた。

 頬はこけ、見るからに、少しきつそう。

 とはいうものの、対戦相手も同じ時期、サウナにどっぷり浸かって、急激に落としていたのだから、同じようなものだが。

  つい先日の7月19日に、27歳になったばかりの阿知和。独身だ。

 想い、を寄せて、「好きだ」と、コクった彼女が、実はいる。つい最近、ケータイを代えたために、その子の?番号までも、誤って消去してしまい、まるで振られたかのように、しばらく落ち込んだという、純な1面も、合わせ持つ。

 今までの戦績。19戦して、8勝(2KO&TKO)9敗2引き分け。

 負け数が、ちょい多い。だが、実は、KO負けは、ただの1度も無い。 

 単なる数字に表れない、プロボクサー、阿知和賢の、生きざまが、そこに滲む

 7月30日(火)。東京・後楽園ホール。彼の20戦目の相手は、自ら望んだ戸部洋平(とべ・ようへい。三迫ジム)。

 戸部は、高校、そして大学と、アマチュアで活躍し、国体で、2冠に輝いたエリートだ。

 その当時の戦績たるや、53戦こなして、43勝10敗。

 「スーパールーキー」と、誉めそやされ、わずかプロ2戦目で、元2階級制覇王者の、ワンディー・シンワンチャーに、KO勝ち。

 すでに、ワンディーに、全盛期のパワーは無くなっていたとはいえ、戸部の強さは、周囲の目を見張らせた。

 次いで、3戦目。元東洋・太平洋スーパー・フライ級王者(当時)河野公平にも、堂々と打ち勝ち、判定勝ち。

 ところが、勢いはそこまで。

 東洋・太平洋スーパー・フライ級王者の赤穂(あかほ)亮には、8ラウンド、レフェリー・ストップ負け。

 今年2月11日には、フィリピンから来たリチャード・プミクビークという選手には、1-0で、引き分け。

 リチャードは、東洋・太平洋バンタム級2位と、フィリピンのバンタム級6位の実力者。

 とはいえ、冷静に見ると、完全に戸部は0-3で負けていた。完敗の内容と、言い切ってもいい。

 客席からも、引き分けの採点には、驚きの声が上がるほどで、もろに、ホーム・タウン ディシジョンの悪例だった。

 結局、プロになっての戦績。7戦して、5勝(3KO&TKO)1敗1引き分け。

 本人は、おごってはいない。最近のブログでも、「課題は、山澄です」と、誤字も気付かず打ち込んでいたが、阿知和に対して、油断や余裕は、まったく見られなかった。

 対する阿知和には、華やかな経歴は、見当たらない。出身は、神奈川県横須賀市の、田浦。

 そこ、実は、かつて、遊郭があった街。オカミの目が厳しくなって、相次いで自主廃業してゆく時代の波のなか、数年前には、大正ロマンあふれる古びた建物のなかで、いまだ”営業”しているお店があった。

 阿知和には、ことさら地元愛が強い。横浜光ジムに在籍していた時も、五反田にあるワタナベジムに移っている今も、それは、なんら変わることは、無い。

 あと1歩、いや、あと半歩。ランキング入りに、届かない日々。

 これまでに、なんと都合8人のランキング・ボクサーと試合したと聞く。接戦の、惜しい内容ばかり、蓄積してきた。

 今回は、どういう結果に、なるのか!?

 自身のブログのタイトルは、「栄光に向かって、走り出す」。

 先に書いた田口”ひ弱”良一と、スパーリングする予定をドタキャンした、村中優とも、阿知和は、今回の戸部戦のように、自ら希望して、試合。

 当時、村中は、WBAの9位。結果は、0-3の判定負けだった。

 しかし、展開は、正面から、足を止めて打ち合い。

 多彩な、村中のパンチを受けながらも、がむしゃらに、常に1センチたりとも、後ずさりすることなく、前進、また前進。突っ込んで、打ち込んでいった。

 差は、パンチの的確性と、有効打数。手数だけは、文字通り、優にまさったのだが・・・・・・。

 もっと、優っていたのは、阿知和の闘う気持ちと、気迫! それに、気押された村中は、試合後、思わず、こう漏らした。

 「正直、勝ってホッとしました」

 昨年4月9日の、野崎雅光との試合も、激闘の接戦と、いっていい。

 野崎。この当時、16戦して14勝2敗。KO&TKO勝ちが6という、日本スーパーフライ級5位に位置する、強打者。

 そんな事前の評判は、阿知和にとっては、単なる、ぶちのめす標的に変わる。

 この試合でも、打ち合いまくり、結果、 判定に。1人は、引き分け。後の2人は、僅差で野崎に・・・・・・。

 阿知和は、私にこう言った。

 「強いやつと、やりたいんですよねえ」

 「だって、引退してから、あいつと、(試合)やっておけば良かったなんて、後悔したくないじゃ、ないですか・・・」

 おうおう、ホンマもんの、ファイター。本能の、プロボクサーって、気がした。

 だから、戸部洋平と闘う。勝てば、ランキングは、自然に付いてくる

 よしっ、勝っても負けても、彼を書き表したい。そう、思った。

 本音も、クチをついて出る。

 「ああ、腹一杯、食いてえ!」

 「もう、つらいっすよ・・・・・。今日も、コーラと・・・・」

 彼のブログを初めて見た。

 やはり、他の大半のボクサー同様、一見、グルメか? と、見誤るほどの、料理写真の数々。前日計量さえ終われば、喰える。アレも、コレも。

 文字通り、飢餓感が試合を誘い、食べることへの、憧れが、夢にまで見るほど、超巨大化して、膨らむ。

 「そうそう、そうなんですよねえ」と、うなづく阿知和。

犬を飼ってるボクサーも、多い。 「あっ、ウチも飼ってます」

 そういって、阿知和は、笑った。ちなみに、阿知和のは、チワワなのかどうか?までは、聞きそびれた。

 さあ、7月30日。第6試合。テレビ中継なんぞ、無い。しかし、観客席は9割近く埋まっていた。個々の選手が、一生懸命、手売りした、成果だろう。

 その証明か、目当ての選手の試合が終わると、そのたびに応援者たちが、ゴソッと帰る。

 おいおいおい、まだ、見てってよ。ボクシングって、見ごたえあるんだからさあ~と想うが、他人の足は止められない。

いよいよ、リングに、2人が、上がった

 

 Dscf7494 おおっ! 阿知和(写真左。右側)が、ガンを、飛ばしている! 戸部の顔を、睨みつけている。

 ゴングが、鳴る前から、気合い充分。

 「ああ、アレは、トレーナーがやれって、言うんで」と、試合後の、阿知和。あちゃわ~っ? 本人の、意思では、無かったか・・・・・。

 

 <1ラウンド> の、ゴングが、鳴ったあ!

 

 Dscf7500 阿知和(写真左。右側)が、いくっ!

 

 左ボディが、届く。グィッと膝を深く折り、体勢、低く入って、右狙い。フックを、飛ばす!

 戸部、左ジャブ、飛ばすが、パンチ、弱い。

 阿知和、戸部を追ってゆく。体をくっつけて、ショート・パンチ。逃げる戸部に、右フック。また、右フック!(写真左上。右側)。

 さらに、しつこく、ボディ打ち!

 戸部。明らかに、とまどいの、表情。こんな戦法で、来るのかよ~。予想も、していなかったぜ。どうしたら、良いか、おら、分かんない。困ったなあ、という、カンジ。

 阿知和の繰り出すパンチ。ちょいと、体勢悪く、戸部への痛打、ベスト・ショットには、なっていないが、手数は、1ラウンドから、3対1くらいの数で、まさっていく。

 

<2ラウンド>

 インターバルの間、なんと阿知和サイドのトレーナーが、戸部のコーナーを指さし、何か、言っている。

 挑発!? まさか!

 あとで聞くと、ほら、見てみろ。相手の、反応を、見てみろ。このまんまでいい。そのうち、効いてくる。そう、阿知和に指示していたとのこと。

 阿知和、左右ぶん回しながら、進む。必ず、先制。

 下がる戸部。休むことなく、手を出しながら付いてゆく、阿知和。

 左フック、ヒット! アッパーカット、失敗!

 体、大きく左右に振って、前へ、前へ。

 完全に、戸部のリズムと、コンビネーションを、狂わせている。

 面白い展開に、なってきた。

 

<3ラウンド>

 阿知和、右フック!  戸部の、阿知和へのボディパンチ、届かない。

 阿知和、戸部のリズム狂わせながら、ともかく付いてゆく。ベタベタ、付いてゆく。喰らいついてゆく。

 戸部の、ストレート、ヒット!

 しかし、打たれても、阿知和、下がらない。ひるまない。戸部、足のステップ、下がり続ける。

 

 

 Dscf7549_2
Dscf7550 コーナー近くに詰め寄ると、阿知和。断然、上手い。

 戸部、スルリと、コーナーを曲がって、避けるテクニックを、まだ充分に持てないため、阿知和の独壇場!

 ロープを背にさせ、ストレート、はたまた、アッパーと、打ちまくり(写真左上)。阿知和への、大声援がすざまじい。

 むろん、「洋平!」「行けよ! 何、やってんだよお!」「ぶっ倒せ!」の、叱咤の声も、飛び交い、リングの上で、バチン! と、ぶつかり、はじける。

 阿知和、返しのフック! 打つ、打つ、打つ!

 そこに、戸部のストレートが、スパ~ン!と、決まる。

 喰らっても、喰らっても、付いてく阿知和。喰らい付いてく、阿知和! 

 あまりの気迫と、しつこさに、やはり下がる戸部。喰らいつく、阿知和。

< 4ラウンド >

 いきなり、阿知和。両腕をダラリと、下へ下げ、そして、大きく振った。で、今度は上へ思いっきり上げて、ガッツポーズ。

 と、同時に、ウオ~ッ! と、叫んだ。

 パフォーマンスと、自分に入れた気合い。そう、理解した。

 飛べ! と、叫ばれたら、戸部の前で、大きくジャンプまでしそうだ。

 まあ、挑発とも、とれたが、すぐ、また戸部を追ってく。もう、執念!

 アッパーは、シッパーイ。すぐ防御にまわって、クリンチへ。

 そして、今度は右腕をグルグル回して、またアッパー! また、失敗!

 そんなパフォーマンスに、笑いすら起きない。

 くっ付いてゆく、執念に、ただただ、驚き、なかには、あきれながらも、見入っている観客。

 手数は、圧倒的に阿知和。パンチは少ないものの、的確に当てている確率が、高いのは、戸部。

 ひたすら前への、阿知和。ひたすら、下がって、たまに打つ戸部。阿知和が、低すぎる姿勢のため、アッパーカットを狙っても、低くした頭からの目線が拳に追いついていけず、狙い澄ましてのパンチに、残念ながら、なっていない(写真左下)。

 そのため、空振り連発。

 Dscf7524

 また、くっ付き過ぎるためか、せっかくの左右ボディへのパンチも、腕を大きくしならせ、半回転のスピードにのった加速が無いため、打ち込む、えぐる、喰い込む、までに至っていない。

  実際、試合後、戸部に聞いたところ、「効いては、いませんでした」と言う。むろん、強がりで言ったのかもしれないが、それで、グラッと膝を折り掛けたり、痛さで、顔を大きく、歪めるシーンは見られなかった。

 くっ付きから、一転、突き放してからのボディ打ちは、戸部の絶好の打撃距離になりかねなくて、出来なかったのだろうか・・・・・。

 阿知和の手数の多さと、気迫を採るか? はたまた、数少ないが、戸部の真芯に当てた的確なパンチを採るか?

 これは、3人のジャッジの個人的視点と、判断が分かれるところだろうなあ・・・・。

 

< 5ラウンド >

 Dscf7502

 このラウンドに入り、予想もしないジャッジが、待ち受けていた。

 体を低くして、付いてゆく。喰らい付いてゆく。そして、パンチの振り出しと共に、阿知和が、体を上げていたために、頭が何度も、ぶつかる。

 Dscf7510

 この”戦術”なら、止む終えないし、さほどのヘッド・バッティングとも、思えなかったのだが、中村レフェリーは、なんと、阿知和に故意のバッティングがあったと、認定(写真上)。

 なんと、減点1を阿知和と、陣営に告知。ジム会長の渡辺均は、珍しく声を大きくして不満と、抗議の声を上げた。

 阿知和は、引き続き、低い体勢から、コーナーに詰めて、ショートパンチを連打。それを、うまくさばき切れない戸部は、クリンチ。

 < 6ラウンド >

 阿知和は、減点を取られたことも手伝い、ますます必死になる。

 コーナーに戸部を詰め、ワンツーを打つなかで、必死さゆえに、上からの、振りおろしパンチが、思わず、戸部の後頭部に当たる。故意ではないが、当たった(写真左下)。

 Dscf7521 阿知和は、また注意を受けてしまう。

 彼の精神状態を考えると、なんとも、やりきれなくなる。必死さが、伝わってくるだけに・・・・・。

 このラウンド終了しての、インターバル (休憩)時、戸部の右目上が、偶然のバッティングで、切れたことが、アナウンスされた。

 

 < 7ラウンド >

 両者から、期せずしてクリンチ。疲れも、ある。

 払う、阿知和。戸部のパンチ、空を切る。

 互いのパンチ、ブンと、空を切る。

 気持ちで、はるかに勝る、阿知和。コーナーへ、戸部を押し込むと、連打、連打、ヒット!

 戸部、またも空振り。

 必死に喰らいついてゆく阿知和。もう、メチャ振り、めちゃくちゃ!

 気持ちが、パンチを、前へ、前へと、出させている。もう、それだけ。

 ラウンド終了後、阿知和。少し、足元が、つまづくようにしながらも、ガッツポーズ!

 客席に、アピールか。

 精も根も、尽きては、まだまだいない。

 まだ、やりきってない、よな?

 このままでは、こと、採点は、きつい。

 

< 8ラウンド >

 「ラウンド、エイト! ラスト、ラウンド!」

 リング・アナウンサーの声が、高らかに、会場に響き渡る。

 阿知和、相変わらず、低く入り、体付けて、打つ。

 また、ヘッド・バッティングを、注意される。

 そうかあ? 今度は、そう見えないけどなあ・・・。

 阿知和、下がる戸部を追って、コーナーに詰めて、快心の右フック、ぶち当てた!(写真下)

 

 Dscf7550_2 パンチ、喰らって、激しく揺れる戸部の、茶髪。

 その流れの直後だった!

 また、阿知和が、ヘッド・バッティングしたという理由で、減点1!

 ホントかよ? 今度は、そうは、見えないけど。

 ここで、計2点減点ということは、阿知和に、お前、負けだ!と、宣告してるかのようなもの。

 気を取り直し、振る、振る、腕、フルに振りまくる、阿知和。

 応戦する、戸部。だが、空振り目立つ。

 戸部の足に付いてゆく、阿知和。

 コーナーに詰めるや、フック、ヒット! 次、空振り。めげない。腕、振る振る、フル回転。

 わ~つ! という、大歓声のなか、終了を告げる、鐘が鳴った。

 Dscf7555_3右腕を上げ、ガッツポーズで、プロらしく、勝利をアピールする阿知和(写真上)。

 この試合。ホントに、やりきったか? 練習したこと、やり切れたか?

 これじゃあ、やりきれないんじゃないか? 内心は・・・・・・ 

  判定への、採点が、読み上げられてゆく。

  77-75。77-73.そして、78-72.

 3対0の、判定負け。

 4と6? それほどの差だろうか・・・・・・

 もし、あの不可解な減点が無かったなら、1人は、77-77。

 2対0の、負けではあるものの、いつものように接戦だったことを、偲ばせる結果となったに、違いない。

 Dscf7559_3 腕をレフェリーに挙げられ、勝利のアピールをされてる前での、阿知和の”真情”を想うと、何度見ても、胸が詰まる(写真左上)。

 中村レフェリーに、あの減点について、聞いた。

 「あれは、私で無くとも、だれがやっても、取るでしょうね。あの姿勢が、戦法だということは、分かったうえでもねえ・・・・」

 控え室での、阿知和に会いに行った。

 Dscf7567
 

 顔面。とりわけ、ヘッドバッティングの影響か、頭の左半分を大きく.腫らし、うつむいていたが、ポツリ、ポツリと、話し始めた(写真上)。

 「くやしいよ」 「全力、出したよ」 「俺、あきらめないっすよ!」

 「(あの作戦で)チャンス、ものにしたかった」

 「ホントは、倒してみせたかった」

  「ガッツポーズですか? 客を、盛り上げようと思って」

 「レフェリーは、公正な立場なんだから・・・・・・」

 「相手の? パンチ力、無かったですよ」

 「俺は、倒してやるんだと、上がったのに・・・・・・・」

 あとは、言葉にならなかった。

 彼から、ひとつ、聞かれた。

 ---どう、でした?

 感動しました。あなたの、気迫と、必死さが、伝わってきて・・・。

 そう、答えた。

 それは、お義理でもなく、本音だ。

 それが、ここまで、書かせた。グィツと、後押しさせた。

 戸部は、言った。

 「あんな戦い方をして、向かってくるとは、思ってもいなかったので、どうしょうか、どうしたらいいかなとか、思ってるうちに、どんどん、ラウンドが過ぎて行ってしまって・・・・・・」

 「ホント、勉強になりました。次へ向けての、良い勉強になりました」

 

 この今日のような戦法では、絶えず、ヘッドバッティングの注意と、負傷と、減点の危険性をはらむ。ボクシングは、倒さない限り、「採点競技」に、良くも悪くも、すげ変わる。

 どのようにすれば、ベストなのかは、1記者には、今は、思いつかない。

 ただ、あと1歩どころか、半歩で、相手を引きずり降ろせるチカラを、どう展開して、結実してゆくのか・・・・・

 しばらく、じっと、見つめ続けていきたい

 阿知和賢の、気持ち、気迫が、熱いままならば、だが・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


<リアル ボクシング ルポ>8月5日(月)大川泰弘、2年3か月振りの試合に臨む。気力充分だが・・・

2013-08-04 01:25:43 | スポーツ

 何!? 2年3か月振り? いくら、29歳とはいえ、きついんじゃないの? 勝つのは・・・・・

 外野席から、そんな声が、聞こえてきそうだ。しめて、なんと820日振り!の、試合

 

 Dscf7377 そりゃあ、練習を休んでりゃあね。そう言われても、仕方ない。

 ところが、この、大川泰弘(やすひろ。写真・上)。

 ず~っと、練習は、殆んど休まず、キチンと続けていた。午後6時に会社の仕事終わって、いったん自宅に戻って、気持ちを、会社員から、キリリと、プロボクサーに戻し、自転車でジムへ、通勤。

 着くまでに、ペダルを、ぐいぐい漕いで、足鍛え、ジムに入れば、ラクせず、シャドー、ミット打ちをこなし、サンドバックをぶっ叩き、時にスパーリングも重ねてきた。

 ひたすら、もくもく、もくもく、と・・・・・・。

 試合が出来ないのに、一体、苦しい練習を、何のために? と、自問自答してきたと思える言動も、さりげなく、見てきた。

 対照的なボクサーも、いる。河野公平。この5月に、世界のベルトを失った。それが、否応も無い、彼の実力だった。

 今まで、何度か直面した「引退」の決断。まだ、やれる? いや、もう、無理?

 まだ、と、もう、が、常に心の中で交錯してきたはず。今、だって、そう。

 今度こそ? そう、思っていたら、ジムで、「練習」を、始めたという。

 偶然、会った時に、思い切って聞いた。

 ーー現役、続けるんですね?

本人、シューズの靴ひもを結びながら、たった一言。

 「・・・・・試合が、決まったならね」

 ・・・・・・・・・条件付き、か。”その程度”の、軽い想いか・・・・・・

 河野。息子を溺愛する父のもと、仕事はせずとも、長年にわたって、食べさせてもらって、生活出来てきた。

 恵まれた環境。とも、いえる。明日からの生活を、常に念頭に置く、大川とは、まったく違う。勤めなくても、練習に専念出来る環境。すでに、大川より3つ上の、32歳にも、なっている。

 その、河野の、「練習」の一端を、この目で久しぶりに見て、がく然とした!

 ミット打ち。なんと、マス、だった! チカラを込めて、ミットに拳をぶち当てない。軽~く、触れる程度に、パン、パパ~ン。そ~れ、パン、パン、パン、菓子パン。

 拳を、痛めてるとは、聴いていない。

 その程度の、軽~い想いか・・・・・・・。ふ~っ、ため息が、出た。

  片や、大川。試合が決まってからは、いつも以上に、ガンガン、スパーリング。試合を離れて、一番怖い、試合勘、当て勘も、取り戻しつつある。

 この7月30日には、総仕上げの意味も込めて、東洋・太平洋ミドル級チャンピオンの柴田明雄と、スパーリングを行なった。

 じゃ、何で、820日も? 

 

 実は彼、結婚して、所帯をもち、昨年の11月には、子供も授かった。

 友人のボクサーのブログには、純白のタキシードを着こんだ、披露宴での大川の写真や、愛児・泰駕(たいが)君との、いかにも幸せに満ちた写真も、載っていた。

 「泰駕の、泰は、ボクの泰を付けて。おだやかな、という意味があるんですよね」

 そう言いながら、ごく自然に目を細める、大川。

 「駕は、人を凌駕(りょうが)するというように、すぐれた人間になって欲しいという、親の想いを込めたってゆうか・・・・・。まあ、タイガー、虎っていう意味にも、引っ掛けたんですけどね」

 説明しながら、笑顔!

 大川の性格は、とても明るく、気さく。まったく、飾らない。カッコつけない。

 だから、友人・知人多く、先輩・後輩にも慕われている。

 

 そんな大川は、将来を見据えて、「正社員」になった。

 仕事は、新築の建物への、エレベーターの、据え付け、整備など、幅広い。

 夫としても、新米パパとしても、一生懸命、働いた。

 その代わり、試合が近づくと仕事を休んだりすることは、厳しくなった。

 試合前後の、減量と、体調維持。そして、腫れの引くのを待つための、有給休暇日数を超える休みなど、取れるわけもない。

 「正社員」に望んでなったのちも、どこか、心の片隅で揺れていたように、見えた。

 実は、この2年3か月の間、ジムの前の舗道で、大川を何度か、見かけていた。

 ある時は、仕事が忙しく、ジムにしばらくぶりに来て、キツイ練習をして、自分の心も体も、いじめ抜いたせいか、バテたのだろうか? 自信喪失か? 放心状態のまま、何かを思い悩んでるふうだった。

 じっと、遠くの空や、舗道に、目をやっていた。”何か”を、考え込んでいる。

 そんな風に、私の目には映った。

 また、ある時。

 練習をしている姿は、見ていたものの、試合スケジュールには、その名前がいつまでたっても書き込まれないので、ジムの前で、思い切って声をかけた。

 大川さん、次の試合は、決まったんですか?

 「いやあ、仕事があって・・・・忙しいもんで。なかなか、難しくって・・・」

 どこか、苦笑いを浮かべていた。それでも、練習は、回数は減っても、欠かすことは、無かった。「試合」という、「目標」が無くとも。

 こちらも、返した。

 見たいですねえ、あの左フックが、決まるトコ。ただし、後楽園ホールの、リングでね!

 また、何とも言えぬ、苦笑いが、返ってきた。

 勤める会社の「協力」無くして、プロボクサーとして、正社員は続けられないのが、我が国の”厳状”。

 だから、試合をすることは、なかば、あきらめていたようだ。

 日本のプロボクサーは、約3000名弱が、登録されているが、そのうち、たった10名ほどが、ジムから給与をもらって、生活がやっと維持できたり、スポンサーや後援者から戴くおカネで、少し豊かな生活が成り立っている。

 しかし、そんな人は、極めて”特殊”。

 それは、今は、現役の、チャンピオンだから。

 ベルトを失い、負け続ければ、タダの人。給与も、”助成金”もゼロになり、厳しい世間に、放り出される。

 そんな環境のなかで、リングで闘っているのが、否応の無い現実だ。

 そんな背景があるなか、「仕事とかの関係もあるんですけど、会社が(試合)やってもいいよと、言ってくれて」

 それで、この8月5日(月)の試合に、臨めることとなった。

 ここは、ひとつ、練習の成果を、「勝利」という形で証明。そうしなければ、次は無い・・・・・かもしれない。

 Dscf7397 この日も、鋭く、スピードある、パンチが、連続炸裂!(写真上・左)。

 得意の左フックは、むろんのこと、アッパー、ボディ打ち。はたまた、ジャブに、ストレート! 見事な、早いテンポの、上下、打ち分け。ガードは、怠らない。足も、使う。コーナーに、押し込まれても、スルリとかわし、回る。

 甦ってきた、多彩なコンビネーション。

 左フック、威力、落ちてませんねえ、と言ったら、大川

 「いや。上がってます!」

 力強い言葉が、速攻で返って来た。

 石原雄太トレーナー(写真上・右)の構えるミットに、小気味よい音を、響かせ続ける。

 いいじゃん、いいじゃん!

 4年位前だったろうか。偶然、見た、スパーリングは、衝撃的だった。左の腕がしなり、相手の顔面、頬、そしてアゴ、胸。所構わず、左フックが、うなりを上げて、相手の体に、突き刺さっていた。

 一体、誰だ!?

 これが、ぴったり、はまったら、内山高志ですら、倒れるのではないか!? とさえ、思った。そのくらい、強烈! だった。

  汗をしたたらして、ヘッド・ギアを脱いだ顔を見ても、分からない。

 失礼ですが、お名前は? と聞いて、初めて、「大川泰弘」という名のボクサーと知った。

 その左フック見たさに、彼の試合に、何度か、足を運んだ。その中の1試合は、CSで放送され、彼に録画した試合のDVDをプレゼントしたこともある。

 とはいうものの、相手ある試合。なかなか、左フックでは、相手をKO出来ず。改めて、スパーリングと本試合は違うモノと、痛感させられた。

 しかし、いつも、良い試合を見せてくれた。「結果」は、伴ってなくても、満足だった。

 通算戦績、9勝11敗3引き分け。3KO&レフェリーストップは、している。

 「こう言うと、負け惜しみに聞こえるかも知れませんが、負けた相手は、下川原雄大とか、斉藤幸伸丸とか、強いのとばっかりと、やってきた結果です」

 確かに、そうだ。

 それも、打ち合っての接戦。例えば、先の斉藤幸伸丸とは、1-2の、際どい接戦。勝っていたのではないか? と、私は思ったほど。

 坂本大輔とも、真っ向勝負で打ちあい、坂本が、右目流血。結局、7ラウンド、負傷判定となり、4ポイントから、3ポイントの差をつけて、この時は、3-0で勝った。

 久しぶりの、後楽園ホール。

 相手は、有川稔男(ありかわ・としお。川島ジム)という、ただいま日本ウエルター級4位へと、ランキング上昇中の、28歳。

 2011年の、同級新人王だ。プロデビューして、5年2か月。

 これまで、10戦して、8勝2敗。なんと、8勝のうち、7勝が、ノックアウトと、レフェリーストップ勝ちという、強打者。

 実際、その裏付けの如く、昨年9月末には、右手甲を、練習中に骨折。

 強打者や、KOパンチャーは、ほとんど、自分の拳も、痛める。宿命。そう言い切っても良い。

 それでも、12月。川崎新田ジムの、異色ふらふら風来坊、西禄朋と、対戦。

 西は、事実上、ジムへ理由なく、練習に来なくなって、引退同様の身だった。そこで、ジムの新田会長から、「引退を正式にするか? それとも、最後の試合をやって、辞めるか? どっちにする? 決めてくれ」

 そう言われ、西は、負けたら、もちろん引退。勝っても、これで引退という条件のもと、試合を出来る体にしていった。

 で、1年半振りに、有川と試合。

 西は、大方の予想を超える頑張りで、文字通り”大拳闘”。

 結局、打ち合いの末、6ラウンド、有川がレフェリーストップ勝ち。もしこれで、有川が、惨敗していたら、新人王の冠は汚れ、強打者の名は、泣くところだった。

 で、この有川、どことなく変。どことなく、異色。

 顔立ちは、中国や、韓国系。都内で産まれ育ち、天下の東京大学に晴れて合格したっちゅうに、3年生で、中退するという、親泣かせ。

 で、そっから、なんと、一転、自衛隊に入ったという、変わりもん。

 ジムの、プロフィール欄でも、その本領発揮。

 ーー好きなオンナの子の、タイプは?

 「すごいひと」

 --自分の性格は?

 「ふくざつ」

 

 --ボクシングを、始めたキッカケは

 「ちょっとした、思いつきで」

 ーー夢は

 「ありません」

 

 いやはや、人を喰った、お答えぶり。しかし、なかなか、パンチは芯に、喰らわない。

 そこを、どうやって、打ち崩し、大川が勝利へ、結びつけるか?

 勝てば、ほぼ間違いなく、ランキングに復帰する。

 実は、ここでは、あまり書けないが、有川の戦いぶりには、抜け切れないクセがあり、そこから、崩して、突破口を切り開き、パンチを、つなげていこうという作戦のようだ。

 これは、こと練習をつぶさに見つめ、疑問に思ったことを、聞き質す限りにおいてではあるが、どうやら、成功しそうだ。

 有川にとっては、ブランク、1年半に続いて、今度は、2年3か月!

 楽勝!ラクしようと、舐めてかかれば、とんでもないことになりそうだ。

 西は、1年間以上、さぼっていたが、大川は違う。心してかからなければ、文字通り、”痛い目”にあう。

 

 

 Dscf7407 背中に、しっかり背負うは、「ボクシング魂」。

 それ、大川は、しっかり、持ち続けている。

 サンドバッグを叩くグローブは、バッグにぶち当てる部分が、ボロボロ。いかに、破壊力のあるパンチを2年3か月、打ち込み続けてきたかを、気付かされた。

 「相手が、ランカーだから、どうだという意識は、ありません」

 「身長は、180センチ近くあるし、パンチあるし。ただね、体が、堅いんですよね。だから、作戦としては、有川の特徴と、クセを突いて、******と」

 「だから、+++++++から、こう入って」

 おうおう、ノーモーションのパンチが、思わぬところから、ぐわ~んと伸びてくるわい。

 「絶対に、@@@@@@@と、打ちに来るから、そこを、こう####」

 

 戦法、確認に余念がない。四年? いえいえ、2年3か月。

 ブランクなんて、無いことが、8月5日、証明される?

 まあ、見て下さいな。面白い、結果になりそうですよ!