スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

戦争経済学

2016年04月26日 | 雑感
人類史上絶える事のない戦争が経済を活性化させる、というのは悲しいかな真理の一面でもある。

戦争が経済面でメリットをもたらすには3つの条件があるようだ。

  1. 戦争当事国の本土が戦場とならないこと
  2. 戦争開始時点で経済成長率が低いこと
  3. 戦争が長期化しないこと  


都合のいい話かもしれないが、これが現実なのだろうか。 

過去の戦争を振り返ると、絶対王政が行き詰まり国民国家が形成され、これが帝国主義に変貌し
植民地政策に邁進、そして二度の世界大戦によって帝国主義が終焉、現在のような民主資本主義的
な体制に至っがこれもピークに達する。 右肩上がりでしか成り立たない経済至上主義の終焉だ。

先進国では耐久消費財も行き渡り、人口も減少。 そこで発展途上国へのグローバリズムになんとか活路を
見い出そうとする。 TPPなどの自由貿易への動きもその一連の流れとは言えまいか。


      
        
上の雑誌に ≪ 株式会社というシステムの生き残り策が戦争を生む ≫ と題して投稿された評論があった。
執筆者は平川克美。(実業家・文筆家、著書多数)  なるほどと思ったので抜粋、掲載してみる。

今日私たちを支えている技術、その殆どが軍事技術の民生転用だが、次にはその逆の方向に向かうという。
(インターネットや携帯電話、光ファオバー・GPS・原子炉、近年話題のドローンもしかり、みな軍事技術の民生転用だ)

昨年9月、経団連が武器輸出を「国家戦略として推進すべき」との提言を出した。
あれは別に戦争をやりたいわけではなく、たんに金儲けをしたいだけの株式会社の生き残り策。

アメリカの軍産複合体で経済をまわし続けたのと同じことを、日本でも始めようとしている。

『 戦争を知るということは、単に頭の中で過去の出来事を再編成することではなく、こんな時こそ
  その時人は何を考えていたか、どんな風景が見えて、どう圧力がかかれば、どう心が動いていく
  のかを検証すること、何がそこに入れば、もう少し未来を冷静に見る事が出来たのか。』


戦争を知ると言うことは、その作業が出来て初めて「知る」ことができるとも指摘していた。