スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

読書三昧 (29) 須賀敦子著 『 ヴェネツィアの宿 』

2016年07月17日 | 雑感
ヨーロッパで過ごした時間と人物、日本での日常風景を交互に紡いだ物語集というより私小説。

須賀敦子(1929年 - 1998年)。 日本の随筆家・イタリア文学者。  『 ミラノ 霧の風景 』 で女流文学賞を受賞。
20代後半から15年余りイタリア中心に滞在する。  翻訳者として脚光を浴び、随筆家としても知られた人だ。 

最近思うのですが、小説やエッセイなども女性の方がなにか自由というか、奔放さというか、
男性が描くものよりも 【 感 性 】 という点では断トツに秀でているのではないだろうか ・・・。


それほど読み込んだわけではないのですが、読書ジャンルの修正も考えねば、そんな気がします。

      

ひとり分け入ってのイタリアでの生活などは、彼女のいう 「うっかり人生がすぎてしまう」 を許さない
人生観というか、女性ならではの感性も鋭い。  <分け入っても分け入っても青い山> の如しだ。

『 ヴェネツィアの宿 』 『夜半のうた声』 『オリエント・エキスプレス』 と連なる 【父と娘の話】 も、突然女をつくり家出
をする父、とある場所でその父と女に出会う娘の心境なども繊細で、絶妙な語り口で恐れ入る。

 
次は 『 ミラノ 霧の風景 』 を読むこととする。  イタリアといえば在住の塩野七生が有名ですよね。

私などはなかなか旅には行けないのですが、実はイタリアには一度だけですが、旅したことがあるのです。
もう5年にもなるでしょうか、チューリヒからスイス、ミラノ・ヴェネツィア・ローマ・ナポリ・ポンペイを列車乗り継いでの一人旅。


珍道中まがいのこともあったので、機会があったら思いだして書いてみるつもりです。 

ところでこの本、大活字本 での上・下巻になっているんですよ。
初めて高齢者向けの ≪でか字≫ で読んでみましたが、まだ若い自分? にはやはりこの字は大きすぎ。

こんなことで納得している自分がおりました。   満足 満足 (笑)!