スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

永遠のテーマ

2015年04月15日 | 雑感
トルストイの小説 『 復 活 』 の最後半に登場する奇怪な老人。 政治犯で服役している受刑者同士の会話。

おまえ、何でお祈りしねぇんだい。
  老人 ~ 『 祈るってだれにだね 』

きまってらぁな、神様によ。
  老人 ~ 『 だったら、そんなものがどこにいるか言ってみい 』

どこにだと? 決まってるじゃねぇか、天上によ。 
                             ・・・ おまえはどうやら異教徒らしいな 穴ぼこ野郎!

  老人 ~ 『 なんの宗教ももっとりやせん。他人を信じて、おのれを信ぜぬからさまざまな宗教が生れるのよ。
          わしも前には他人を信じて、森の中に入り込んだように踏み迷ったもんだ 』


老人はこうも言う。
         『 おのれの額から反キリストの烙印をとりのぞけ、そうすれば泥棒も人殺しもいなくなるこったろうさ 』

ん~なるほど・・と思ってしまう自分がいたが、トルストイがこれほどまでに無神論を老人に言わしめ、その思想
ここにありと思いきや、そのあと≪マタイの福音書≫など聖書引き合いの文字がまた延々と続く。

ロシア正教会に破門されたトルストイ、神から離れられないというトルストイの底に潜むDNAがそうさせるのだろうか。

作家・石川達三氏はトルストイの宗教論についてこう語る。 (別冊あとがきより抜粋)

  『 トルストイが宇宙の整然たる秩序のある運行は、神を考えずには理解できないといい、神はあるのだ・・・
    という結論を出しているのには、がっかりした。 神が無いと思う方がずっと合理的だ。 』


            

神はいる いないは 人類の永遠のテーマだ。   どうか 神様 教えて下さいませ !