無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

戦争する国、悪い国(その1)

2010年03月03日 | Weblog
自民党が第二次の「憲法草案」を作成中である。

私が、民主党政権になって一番「良かったな!」と思っていることは、それまで「戦争への道」まっしぐらだった日本国にブレーキがかかった事である。

自民党政権は「憲法改正」「領土問題」を党是・党の方針としている。
自民党最後の首相、麻生太郎氏は国連の記者会見で「日本は戦争(テロとの戦い)に積極的に参加していく」といい、「海外派兵が出来るように憲法解釈を変えていく」と発言、世界の「日本は戦争しない平和志向の国」というイメージをぶっ壊すとともに、世界中に「日本はアメリカと一緒に戦争したがっている、アメリカの隷属国」と再認識させ、日本の国際的地位を失墜させた。

麻生氏は帰国後「集団的自衛権は憲法違反」と言われると「早く憲法を改正するように」と指示した。

正に、海外(アメリカ・フランス)から、麻生首相(当時)は「戦争好きな民族主義者」(M:民族主義者=ヒトラーのような人物=国家主義者・国粋主義者)と評価されていたのである。


国民は気が付いていないのかも知れないが、日本は“いつか来た道”=戦争への道・全体主義国家への道・軍国主義国家への道の行程を8割~9割まで進んでいたのである。

長期に渡る一党独裁政権による民主主義の破壊・憲法違反は「強行採決」「再可決」「集会の自由・言論の自由・表現の自由・結社の自由・報道の自由等の弾圧」「国民の生存権の無視」といったありとあらゆるところに見受けられた。

デモの時、トラック上からの“呼びかけ”に対し、そのトラックが「人を荷台に乗せたまま」動き出すのを待ち構えていて「道交法違反」で逮捕したり、ビラの戸別配布を「住居侵入罪」で有罪にしたり、何と言うことはないイベント「麻生邸を見に行こうツアー」を「公務執行妨害」で逮捕したり、と例を挙げたら切りが無いが、こういった権力者による市民の自由弾圧をマスメディアがどう報道しているか(報道していないか、も含む)のいい例が、麻生邸見学ツアー逮捕報道なので、再度、掲載しておく。

インターネットでは個人のカメラが捉えた、ツアー主催者と警察官のやり取り

主催者「何人集まるか分からないけど(豪邸といわれている)麻生首相の邸宅を見に行くという企画なので(デモではないので)届出とかは不要ですよね?」
警察官(主催者の言葉は認めるような仕草の後)「うん、ただ正式なデモではないから歩道を歩くようにして下さい(デモのように車道を歩かないで下さい)」
主催者「分かりました」…M:このとき、逮捕しようと待ち構えている公安の姿も映っている。
・・・・・・・・・・・・・(別の画像)・・・・・・・・
スクランブル交差点で信号待ちをしているインターネットを見て集まった30人ほどの集団に主催者が信号が青に変わるのを見て「それじゃ、行きますよ!」と声をかけ、歩き出したところで「ソレッ!」という掛け声と共に「公妨だ!」「公妨だ!」(公務執行妨害だ!)として主催者3人が逮捕される場面が映し出されている。
この映像を見るとツアー団体が歩道上でいきなり待ち構えていた公安に逮捕されたことが良く分かる。

しかし、テレビの報道の仕方は、下記のようだった。(前に書いたやつをそのまま転載)

①画面タイトル:

                   麻生宅 見に行こう

                “無届デモ”の3人逮捕


②アナウンサー:



「『麻生首相の自宅を見に行こう』とインターネット上で呼びかけ、東京渋谷区の繁華街で無届けでデモ行進をおこなっていたグループの男3人が、警察官に暴力を振るうなどして現行犯逮捕されました。」


③映像:
現場のカメラが揺れ動き(乱闘騒ぎのように見える)どうなっているのか分からない騒動=逮捕シーンの映像を流す。

その右下のタイトルは「現行犯逮捕 氏名不詳の男3人」他に「男3人 無届けでデモを行い、警察官に暴力をふるい取り押さえられる」

④アナウンサー:

「逮捕された氏名不詳の男3人は、午後3時50分ごろ、渋谷区和田川町の路上で無届けデモを行なったり、警察官に暴力を振るったとして、公務執行妨害と東京都の公安条例違反で、警戒にあたっていた警察官にとりおさえられました。」

「3人はインターネット上で麻生総理の自宅を見に行こうとの呼びかけで集まった30人程のグループのメンバーで、渋谷駅前に集まり、麻生総理の自宅へ行く途中、無届デモを中止するようにとの再三の警告を無視してデモを行なっていました。」

私もそうだが、このテレビを見た国民は「法を犯し警官に暴力をふるった悪人が捕まった」としか思わない。

「再三の警告を無視して無届デモを行ない、警察官に暴力を振るえば『公務執行妨害』で取り押さえられるのは当たり前だ」と…。
ブログで他のビデオ映像を見ていない多くの国民は当然そう思う。

これが、洗脳なのである。サブリミナル効果の狙いもある。津久井進弁護士が言うように、国民の民主主義行動の萎縮にも繋がってくる。

たとえ、ある意図を持った「麻生邸見学ツアー」であったとしても、この程度の行動でも起こすと、権力者に盾つく者として逮捕され10日以上も拘留されてしまう。「デモなど出来ない、クワバラクワバラ」と国民は萎縮してしまうのだ。

「ただ歩いていたら、いきなり大勢の警官にねじ伏せられ逮捕された」が参加者のコメントであり、それが実感(現場の真実)なのだと思われる。


国連人権委員会の意見書

当委員会は、日本国で表現の自由と選挙運動の自由が不合理に制約されていることを危惧する。

例えば、公職選挙法は戸別訪問を禁止し公示前のビラの枚数や種類に制限を加えているが問題である。

また、政治活動家や公務員が民家の郵便受けにビラをまいたことで、住居侵入や国家公務員法違反で逮捕され、起訴されたことも問題である。

日本政府は、表現の自由や選挙運動の自由に対する不合理な法的制約を撤廃し、また自由人権規約19条及び25条で保障されている政治活動やそのほかの活動を警察、検察、裁判所が不正に制限することのないようにしなければならない。


日本人は日本国内で「再三の警告を無視した無届デモを決行し、警察官に暴力を振るったとして逮捕」といったニュース報道に洗脳されているため、こんなにも国民の人権が侵害されていることに気が付いていない。
ついでに言うと、日本政府はこの国連の意見書を完全に無視している。報道もされない。

日本国民は北朝鮮の国民と大差ない「権力者(旧自民党体制)」「報道」に接しているのだ。

こんなことを言うと「お前がそれを言えるのも自由の国日本だからであり、お前は北朝鮮でそんなことを言えるのか」という決まりきった反論が上がる。考える基本が出来ていない人の考え方、言動はワンパターンである。

「北朝鮮が日本に核ミサイルを発射してきた時に、それに向かって『日本国憲法!』と唱えて国が守れるのか!」といった類の意見?である。…昔書いた日記の再掲終わり

また、話が脱線してしまった。本題に戻す。

何故、私がほっとしたか?

民主党政権が出来て一番の関心事は「憲法改正についての政府見解」であった。

それは鳩山氏も小沢氏も改憲論者だったからだが、鳩山首相は就任時に、記者会見の席や国会の代表質問で「憲法改正について」こう答えている。

「憲法に関しては、政治家ですから一人ひとりが(憲法論を)持ち合わせるべきだと思います。
(私も理想の憲法を試案したこともあります。)ただ一方で、内閣総理大臣として憲法の遵守義務というものがある。
その遵守規定に則り、当然憲法を守るという立場で公務を行う必要があります。」

「首相という立場においては、特に重い憲法尊重擁護義務が課せられている。私の在任中、改憲は考えない。」

「憲法改正は一政党・特定の団体?(特権階級)が行うことではなく、広く国民の意見を聞き・国民の意志に添って行なわれなければならない。」


最後の行の言葉を確認しようと「鳩山首相 憲法」でネット検索をしたら「鳩山首相、憲法改正に意欲」の項目が並んでおり、鳩山首相の“一党派が憲法改正をするのではない”といった類の発言は検索出来なかった。
私は、自民党政権が「憲法改正」「憲法改正」と騒いでいた時に危機感を抱いていたが、政権交代後に、この鳩山首相の言葉を聴いてホッと安堵の胸をなでおろしたのだ。

余談:「ネット検索」もひどくなった。昔は法律が成立した時に、その検索をすると「問題あり」とする批判意見が真っ先に項目として並んだものだ。今は政府公報的な、その法律の説明(「こんな良い法律ですよ」的な説明)が前面に並んでいる。逆に痛烈な批判ブログは検索に引っかからないように“自主規制”のフィルターがかけられている。…余談終わり


国民は「民主党政権になっても何も変わらない」「(自民党も民主党も)どっちもどっち」といったマスメディア(旧体制側勢力)の情報操作・世論誘導に騙されてはいけない。

私は「政官財」の特権階級の為の政治から、国民を向いた政治に180度転換されようとしている、そのイブキ(憲法遵守等)をいたるところで感じるのだが…。
「鳩山邸を見に行こうツアー」は無事何事も無く終わっている。この差は国民にとって大きなことなのだ。


マスメディアが取り上げない重要な問題に、自衛隊幹部による政治批判がある。その前の田母神航空幕僚長(当時)の問題と合わせ、これは国民が見過ごしていてはいけない事件なのだ。マスメディアは本来、国民に警告を発しなければならないのに、読売・産経はじめ、憲法を改正して日本を戦争に持っていこうと主張しているマスメディアは沈黙を保っているばかりか、これを問題として取り上げる人々を嘲笑し、批判する。

(共通事実)
2月10日宮城県の陸上自衛隊王城寺原演習場で開かれた米陸軍との共同訓練の開始式で、陸上自衛隊第6師団第44普通科連隊の中沢剛連隊長(一等陸佐)が訓示で「同盟というものは、外交や政治的な美辞麗句で((日米同盟は外交や政治で)維持されるものではなく、ましてや『信頼してくれ』などという言葉だけで維持されるものではない」と発言。

(産経新聞「主張」の記事)
宮城県で行われた日米共同訓練の開会式訓示で、陸自第44普通科連隊長の中沢1等陸佐は、“同盟は『信頼してくれ』という言葉だけで維持されるものではない”と述べた。
防衛省はこの発言を不適切として文書による注意処分を下した。

“信頼してくれ”というくだりが、昨年11月の日米首脳会談で、鳩山首相がオバマ大統領に伝えた“トラスト・ミー”という言葉とオーバーラップし、これを引用して批判したものと断定された。

日米共同訓練は、自衛隊、米軍双方の幹部、兵士らが信頼関係を築く重要な場だ。
文字通り“言葉だけでは守れない”ことを体験する機会だ。
第一線の責任者が当然持つべき認識である。

鳩山首相の“信じてほしい”という発言は、普天間飛行場の移設先を見直すことについて米側の理解を得るため、大統領に語ったもの。首相は翌日、これを覆した。首脳会談から3カ月を経ても移設先は決まらず、同盟の空洞化を招いている。

国防の最前線にいる自衛官が危機感を持つのは当たり前だ。
文民統制とは、政治が軍事をいかにコントロールするかであり、国の防衛政策の最終決定権を政治が支配することでもある。

自衛隊法61条は“政党または政令で定める政治的目的のために政治的行為をしてはならない”と規定する。
陸自幹部の発言はこれに抵触しておらず、政治的中立性をいささかも損なっていない。
処分は不当である。

政策決定過程で幹部自衛官がもっと議論し、政策に生かすことの方が重要だ。
米国では軍の責任者による議会証言が定着しており、軍事政策の決定過程でも一定の発言権を有している。

平成20年10月、“村山談話”を批判して更迭された田母神前航空幕僚長の問題についても、政府や国会は異なる意見を封じた。
安保政策や憲法論のひずみは、こうした本質を避けようとする政治の対応から生まれている。

以上、産経新聞「主張」の記事おわり、それについていたブログが以下。

(ブログ引用)
最高司令官がいかに阿呆でも、自衛官はそれを批判することはできないのか。
自衛官は、どんな阿呆な命令にも、黙って従い死んでいかねばならないのか。
どう言い訳しても、この幹部が鳩山を念頭において発言したことは明白である。
開会式の訓示でここまで言うのだ。宿舎や飲み屋でどれだけボロクソ言っているか。白昼堂々と、米軍もいる開会式の訓示で、部下から同盟について説教された首相と防衛相。情けないではないか。
処分をするなら、まず反省し自らを罰してから行なえ。…ブログ引用終り


もう一つ、

(土屋正忠氏のブログ引用)
陸上自衛隊幹部の発言に北澤防衛大臣が「クーデターにつながる」等と過剰反応、陸上自衛隊の幹部の連隊長が、米軍との合同訓練の挨拶で「同盟は美辞麗句で維持されるものではなく、ましてや<信じてくれ>などという言葉だけで維持されるものでもない」と訓示したことが波紋を呼んでいる。
防衛省は、(文書による)注意処分にしたという。

ところが北澤大臣は、連隊長の発言は、政府の意思決定をないがしろにする行為だとして「クーデターにつながる極めて危険な思想だ」と指摘したとの報道。(2月14日・朝日)

なんと大げさな…と、思わず笑ってしまった。

逆ではないのか?現場で米軍と常に連携を取り、いざというときは一緒に戦う立場の現役幹部が首相や大臣の無責任な発言で現場がギクシャクしてはならないと思うのは当然だろう。
反省するのは言葉の軽い総理や大臣だ。ましてや、この幹部は鳩山総理を名指しで批判したわけではない。

北澤大臣、あなたは部下に「命をかけて戦え」と命令する立場ですよ。
それを忘れて第一線の隊員を批判してどうするのだ。日本ほど軍人が軽ろんじられている国はない。
命をかけて公務につく人を尊敬し、激励する気風をつくろう。 (土屋正忠氏のブログ20100216)…終わり

文字数制限に引っかかった為、ここまでを前日付けで投稿。次の日と続けて読んでください。