Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

バイエルン放送響&マリス・ヤンソンス@ロイヤルフェスティバルホール

2009-03-30 01:30:00 | コンサート

2009年3月29日。ロンドン、ロイヤルフェスティバルホール。

Beethoven: Symphony No.3 (Eroica)

R. Strauss: Four Last Songs

Ravel: Daphnis et Chloe (No.2)

Bavarian Radio Symphony Orchestra

Mariss Jansons: Coductor

Anja Harteros: Soprano

バイエルン放送響&マリス・ヤンソンスと、日本だったら完売だろうに、日曜の夜だからか、かなり空席が目立った。しかも、一番期待していたベートーベンで寝そうになり、休憩になったら何を食べよう、なんてことを考え出す始末。

後半の最初は「4つの最後の歌」、Harterosは良かったと思うが、いささか曲の知名度が低いか。私も以前オケで弾いていなかったら、こんなに楽しめなかったかもしれない。第三曲目、”Beim Schlafengehen (Going to Sleep)"が美しくて好き。ホルンも素晴らしく美しい音色で歌を支えた。

ここで帰る人が二桁はいた。そんなこともあってラヴェルはとても心配だった。演奏会前の講演でも、前半と後半のプログラムは入れ替えるべきではないかと、質問した人がいたことを思い出す。

しかし、最初の数小節を聴いて、この心配は杞憂であることがわかった。水が、泡が、眼に見えるようであった。フルートの熱演も良かった。息が本当に良く続く。感心。

とても楽しい演奏で、思わず、子供が居たら、この曲を聴かせて「何を弾きたい?」と尋ねてみたいと思った。-でも、「カスタネット」といわれたら、頭をはたいてしまうかもしれない-確かに楽しそうではあるけれど。

このところ、ドイツ系の重厚な音楽にはまっていたが、久しぶりにラ・ヴァルスが聴きたくなった。

アンコールでは、グリーグの「ソルヴェイグの歌」に続いて「especially for you」という説明がヤンソンスからあって、エルガーが演奏された。会場は満足に包まれてお開きとなった。


ジョシュア・ベル@ウィグモアホール

2009-03-27 00:30:00 | コンサート

2009年3月26日。ロンドン、ウィグモアホール。

Leos Janacek: Violin Sonata

Johannes Brahms: Violin Sonata No.3 in D minor Op.108

Eugene Ysaye: Sonata in A minor for solo violin Op.27 No.2 "Obsession"

Cesar Franck: Violin Sonata in A

Josha Bell: Violin

Jeremy Denk: Piano

「天才」という言葉は、何人かの作曲家に対しては使われるべきではあるが、自分には相応しくないし不適切だ、と有名なワシントンの地下鉄駅での演奏実験の記事の中に、ベルの言葉として記載がある。

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/04/04/AR2007040401721.html

(ワシントンポストの記事。考えさせられるし、笑えもします)

でも、言おう。

ジョシュア、貴方は天才だ。

最初の一音が鳴った時から、既にそれは明らかであった。最後のフランクでは、あまりの美しさに泣けた。

演奏会としての構成も、良く考えられていて、素晴らしかった。それぞれの曲で、ベルの異なる特長を見せることが出来ていたと思う。

それにしても、ワシントンポストの記事。気になる。

今日の演奏会の帰りに、オックスフォードサーカスで弾いていた人は、上手くなかった、と断言できる。しかし、2007年1月12日金曜日、午前7時51分、自分がL'Enfant Plazaを通りかかっていたら、足を止めて、涙を流すことが出来ただろうか(なんと言っても演奏された曲は、バッハの「シャコンヌ」なのである!)。


ピカソ展 "Challenging the past"@ロンドン ナショナルギャラリー

2009-03-23 00:34:16 | ロンドン

ロンドンのナショナルギャラリーで6月7日までピカソ展が開催されている。

http://www.nationalgallery.org.uk/exhibitions/picasso/default.htm

今年の初めにParisでピカソ展を見損なったので、これは見逃してはならない、と出掛ける。

チケットは時間制で、午後4時頃到着したときには既に「本日分売り切れ」とあった。もともと、通し券(30ポンドで期間中何度でも入場できる)を購入するつもりでいたので、尋ねてみると、それならばOKということで購入。普通のチケットが12ポンドなので、3回通えば元が取れることになる。

さて、内容であるが、展示は6つの部屋から成っていて、

1. Self Portrait

2. Models and Muses: Nudes

3. Characters and Types

4. Models and Muses: The Pensive Sitter

5. Still Life

6. Variations

今日の一枚は、これ。

http://images.google.co.jp/imgres?imgurl=http://www.bbc.co.uk/london/content/images/2009/01/23/portrait_olga_270x360.jpg&imgrefurl=http://www.bbc.co.uk/london/content/image_galleries/picasso_national_gallery_gallery.shtml%3F3&usg=__oYweEZaaUS_WeTlhXtuj8zyDi8Y=&h=360&w=270&sz=25&hl=ja&start=2&um=1&tbnid=vLJTWl-OPJeN8M:&tbnh=121&tbnw=91&prev=/images%3Fq%3DPicasso%2BPortrait%2Bof%2BOlga%2B1923%26hl%3Dja%26lr%3D%26sa%3DN%26um%3D1

ピカソの最初の妻、オルガの肖像。ピカソの死まで彼の手元にあったらしい。

4の部屋に入ると正面に飾られていて、あまりの美しさに、まるで毒気に当てられたかの如く目が離せなかった。特に顔の左側、目の下の辺りのハイライトの部分。とりわけ細密に描かれているのではなく、化粧崩れしているようなタッチなのだけれど、その色の美しさや、絵画独特の、見せる部分とそれ以外の対比、人間の眼の錯覚の利用など、どれほど眺めても飽きることがなかった。

これを観て、アルルカンの絵を思い出した(調べてみると、両方とも1923年に描かれていた)。中学の教科書にアルルカンが載っていて、これを模写した記憶がある。家庭科室横の廊下に飾られたあの絵、今見てみたい(相当自信過剰?)。それにしても、日本の教育も捨てたものではない。思わず子供の頃の美術や音楽の先生を思い出して感謝してしまった。まあ、こちらに生まれていたら、ナショナルギャラリーや、ピカソ美術館、オルセー、ルーブルで本物を見ながら模写できたのだろうけれど!

Variationsの部屋のManetの作品を参考にしたものは、幾ら天才ピカソといってもねぇ、というのは素人感想か。とにかく今日は、他の全作品とオルガ一枚、どちらを選ぶ?ときかれても、「オルガ!」と答えたいほどにこの作品にはまった。

通し券、次回はどの絵に魅かれるだろう?やっぱりオルガ?


アルバン・ベルク&マーラー@ロイヤルフェスティバルホール

2009-03-23 00:30:00 | コンサート

2009年3月22日。ロンドン、ロイヤルフェスティバルホール。

Esa-Pekka Salonen: Conductor

Mitsuko Uchida: Piano

Christian Tetzlaff: Violin

Berg: Piano Sonata. Op.1

Berg: Kammerkonzert

Mahler: Symphony No.9

Esa-Pekka Salonen指揮のCity of Dreams Vienna 1900-1935と題したシリーズ物の1つ。

アルバン・ベルクのKammerkonzertは初めて聴いたけれど、曲も、またパフォーマンスも、とても面白かった。

ピアノ1、ヴァイオリン1、管楽器群で演奏されるこの曲に、ヴァイオリン用と思われる譜面台が2つ用意されていた。この曲もサロネンが指揮をしたけれど、別に居なくてもいいのかなぁ、なんて思っていたのだけれど、Violinの譜めくりに必要だったことが判明(勿論冗談)。

最初Tatzlaffは指揮者に近い譜面台の横に立って演奏をしていた。途中、彼は突然もう一つの譜面台へ移動、ヴァイオリンソナタのような演奏形態になった。

この間にサロネンが、指揮台の近くの譜面台にのっていたViolin用の譜面をめくって、後に戻ってくるTetzlaffのために準備をするのであった。

内田のパフォーマンスもすごい。かなり前衛用なのである。左手が後ろへ飛んだり、右足が左足の前の方へキックされたり。管楽器ももう少しこの内田のノリについていってあげないと。。。

彼女は12歳でウィーンに移り住んで青春時代をそこで過ごしているだけあって、このシリーズにはうってつけのピアニストなのだろう。彼女にとっては、パリではなく、ウィーンが「移動祝祭日」なのだろうか?ちなみに、この演奏会シリーズのプログラムは、3.5ポンドだが、20世紀初頭のウィーン芸術(含む、学問)についての解説が見事である。

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後半はマーラー。ベートーベンのように交響曲を9曲作曲したところで寿命が尽きることを嫌って、大地の歌に「第9番」とつけず、この曲に「第9番」をつけたことは有名。で、結局第10番を作曲し終える前に亡くなってしまう。いっそうのこと、この曲にも番号を振らなければ良かったのに。。。人生を回想するかのような曲である(実際に自作曲、その他の引用が多いので、余計にそんな風に聴こえる)。

チャイコフスキーの第六番と同様、第三楽章が派手に終わるので、ここでブラボー屋さんから拍手が飛び出す。ちょっと待って、この曲は「死に絶えるように」終わる曲だから。。。


ラズモフスキーアンサンブル@Wigmore Hall

2009-03-21 00:30:00 | コンサート

2009年3月20日。Wigmore Hall、ロンドン。

Mozart: Duo for violin and viola in G major, K.423

Schumann: Piano Trio No.1 in D minor, Op.63

Schostakovich: Piano Quintet in G minor, Op.57

Henning Kraggerud: Violin

Alexander Sitkovetsky: Violin

Lars Anders Tomter: Viola

Oleg Kogan: Cello

Christian Ihle Hadland: Piano

Schumannのピアノトリオは、これまでSchumann=「子供の情景」「クライスレリアーナ」以上に発展しなかった私にとって新たな発見であった。曲が始まってすぐに、一瞬、ブラームス?シューベルト?と思ってしまった。すなわち、結構私のツボにはまったのであった。作曲家に対して、わずかな経験で先入観(カテゴライズ)する悪い癖を治さなければと反省。演奏も良かった。エキサイティング。

Shostakovichも、Shostakovich=「交響曲」で室内楽曲を生で聴くのは初めてと思われる。ちゃんと曲にSchostakovichの匂いがする。いつも、これがすごいと思う。自分の「御徴」みたいなものがあるのって。ショパンやドビュッシーに顕著に感じるのだけれど。きちんと楽典を習ったら、何に対して私が「御徴」と感じているのかが分かるのだろうか。

これもとてもエキサイティングな曲なのだけれど、最後が「がちゃがちゃがちゃがちゃ、ばばばば~ん!」と終わらないので、「ブラボー」屋さんの出番がない。かといって、しんみり良い曲、という感じでもなく、普通に綺麗な曲想で終わるので、演奏会の最後の曲にするには、かなり通向け?勿論十分「トリ」を取れるレベルの曲のように聴こえたので、演奏家にとっては前半の曲にするのもつらいか。

特にSchumann、Shostakovichは出来もよかったし、良い演奏会だったと思うけれど、帰宅する観客に「素晴らしい演奏会を体験した」と思ってもらうようにするには、これ(この選曲)でよかったのかな、と少し考えた。聴衆に阿る必要も無いけれど、聴衆に幸せになってもらってこその演奏会と思うと、演奏会の選曲をマネージメントするのも楽じゃないだろうな、と感じる。


ベルリン散策@ベルリン

2009-03-16 19:00:00 | ヨーロッパ

Checkpoint Charlie。昔の壁の跡が残る数少ない場所。

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近くにあるのはトタンのような壁に当時の写真を展示したものと、安いTシャツ売りと、昔の映画館のような廃れた感じの博物館と。

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20年の歳月を感じる。歴史がいとも簡単に風化することを嘆いたら、それが人間の強さでもある、とある同僚は言った。確かにそれは真実だ。けれども、まずは「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉を思い返したい。

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ベルリンには、こんな感じの立派な石造りの建物が多い。飾り気の少ない、こうした威圧的な建物を見ると、旧共産圏に居る感じがする(勝手な想像)。ドイツ人はこういう建物が好きなのだろうか?確かにとてもドイツ人っぽい気がする(勝手な想像)。

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また、ガラス張りのモダンなビルも多い。下の写真の右端にわずかに写っているのがSonyのビル。これもガラス張りの立派でモダンな建物である。

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ベルリンは決して裕福な街ではなさそうだし、タクシーの運転手もフランクフルトやミュンヘンに比べてベルリンは貧しいといっていた。しかし、この建物の立派なこと。

国からのお金がゼネコンに回るのだろうか。いろいろと話が聞いてみたいのだが、ドイツ語が出来ないので、街の人と話をする機会が限られてしまう。

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ドームが見えて何かと思ったら、シナゴーグ。ドイツだから?まるで大使館かそれ以上に警備が厳重であった。


Fischers Fritz-その3@ベルリン

2009-03-16 17:30:00 | ホテル

今回もFischers Fritzにて昼食。

アダプターを忘れてデジカメの電池切れ。残念。

前菜:Crispy anchovies with a soft mayonnaise of red mulled

簡単に言ってしまえば、鰯のてんぷらみたいなもの。マヨネーズより、レモンと塩で十分。ただ、2ツ星の前菜としてはちょっと物足りない。

メイン:Gamba and confit of duck stomach with Cima die Rape and jus of calamaretti

フレンチにタイ料理のエッセンスを加えて。Fischers Fritzのシェフはスパイスや酢の使い方が非常にうまい。この料理も、イカ墨のソースや付け合せの野菜、それぞれだけを頂くと、スパイスがきつすぎるように思われるのだが、お皿の上にあるものをいくつかあわせていただくと、スパイスの融和が起きて口の中で素晴らしいハーモニーを奏でてくれる。

デザート:Persian figues with rosemary, honey, olive oil and gianduja of pines

う~ん、美味しい!これまでこのお店で頂いたデザートでは一番。溶ける寸前のアイスクリーム(乳脂肪分かなり高い-前回のあっさりパンナコッタが気に入らなかったことに気づかれた?)、甘い無花果、チーズケーキ様のケーキ、付け合せのライスペーパーを焼いたようなものにはパンジーの花が押し花のように挟まれていた。

何時ものようにエスプレッソを頂いて、大満足のランチ。これまでのところ、前菜のお気に入りは鰻、メインとデザートはこの日のチョイスか。季節が変わったらまた訪れてみたいものである。


ドゥダメル - ドンジョヴァンニ@ Staatoper ベルリン

2009-03-16 00:00:00 | Gustavo Dudamel

2009年3月15日。ドゥダメル指揮、ドンジョヴァンニ。Staatoper、ベルリン。

Conducctor: Gustavo Dudamel

Don Giovannni: Andrea Concetti

Donna Anna: Anna Samuil

Don Ottavio: Tomislav Muzek

Komtur: Andreas Bauer

Donna Elvira: Aga Mikolaj

Leporello: Hanno Muller-Brachmann

Maseto: Arttu Kataja

Zerlina: Sylvia Schwartz

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劇場の入り口では、チケットを求める人の姿も。ドゥダメル指揮の初日とあってか満席のよう。

第一幕の幕が下りたところで既にブラボーが飛び出していた(ブラボーの声がオペラ歌手張りだった)。休憩にロビーに出る人々の表情からも満足と興奮が読み取れる。場所柄か出演者のためか、音楽関係者と思しき人々も非常に多い。

指揮者も歌手も若く、演出もモダンで、とてもエネルギッシュ。ドレスデンのモダンな演出には文句をつけていたが、スクーターが舞台を走るこの演出を笑って観ているのだから、単純に出来の問題か。

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休憩時間に指揮台を観てみると楽譜がない。もしや、ドゥダメル、オペラまで暗譜か?恐ろしい。

ドンジョヴァンニが地獄落ちする場面では、ドゥダメルの指揮の真骨頂。彼の指揮を左目で捕らえ、歌手を右目で押さえ、耳は音楽を聴き、脳みそはその全てをインテグレートする。オペラの醍醐味である。

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Donna Elvira役のMikolaj(写真中央右)が出色の出来。でも、モーツァルトのイタリア語オペラを演じるのならば彼女にももう少しラテンの血が欲しい、と思うのは私だけだろうか。

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ドゥダメルの指揮でワーグナーのオペラを聴きたい、観たい!!

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特に第一幕ではLeporello役のBrachmannが良かった(写真右)。ちょっと抜けていて、ルパンのようなイメージ。ドンジョヴァンニよりモテるんじゃないかしら?

Londonに着いてから、Heathrow Expressの中でモーツァルトのレクイエムを聴いていて、これもドゥダメルに振って欲しくなった。あ、マタイも。結局、自分の好きな曲を一通りドゥダメルで聴きたい、というだけのことなのだわ。


The Tao of Regent@ベルリン

2009-03-15 17:00:00 | ホテル

Regent hotelのカードキー入れに、こんな記載があった。

The Tao of Regent

To serve others is to serve oneself

To hear without being told

To see without being shown

To know without being asked

良いホテルだ、と思った。

なぜなら、これを読む前に、「良いホテルだ、その秘密は何だろう?」と思っていたから。

「企業理念」を掲げる会社は今時多いけれど、それが一人一人の社員によってきちんと実践されている会社は少ない。


Regent hotel@ベルリン

2009-03-15 16:45:00 | ホテル

先週、ベルリンを訪れた際に、靴屋のお兄さんに薦められたRegent Hotelに宿泊。元フォーシーズンスホテルだっただけあって、大変豪華な内装。

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ふんだんに使われた赤い大理石はポルトガルから、白い大理石はイタリアから、とのこと。

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1泊204ユーロにしては良いお部屋。窓との境目の床は大理石だった。

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化粧室は全体がピンクの大理石で覆われている。これはなかなか贅沢な雰囲気。シャワー室が少し排水溝のにおいがしたことが少々残念。

朝食はミシュラン2ツ星のFischers Fritzとのこと。私はランチを予約してしまっていたので、朝食はスキップ。

これでホテルにプールがあれば完璧なのに。20ユーロで近くのフィットネスセンターが使えるとのことだったけれど、ホテルに泊まってのプールの良いところは、部屋から水着にバスローブでプールに行けることなのに。。。残念。