Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

スティーブン・イッサーリス&チェコフィル@カドガンホール、ロンドン

2009-10-31 23:00:00 | コンサート

カドガンホールは900席ほどの小さなホールであるが、今日はここにチェコフィルがやって来た。弦がドボコンで6-5-4-4-3、ドボ7で7-6-5-5-4とかなりぎゅうぎゅう。音も大きいが、奏者の体格が皆良いことも舞台を狭く感じさせる一因か?Royal Festival Hallのように大きくて音響がそれほど良くないホールでの音に慣れつつある今日、前述の通り、ホールの割りにオケが大きいため、オケの音がうるさいとは言わないが、相当大きく聴こえる。

ドボコンのソリスト、スティーブンは、第一楽章は情熱的、第二楽章は美しく歌い、第三楽章はのびのびと、素晴らしい演奏であった。第一楽章を聴いていて、ストラドなのかな、清楚な音だな、と思って楽章の間にこっそりプログラムを見ると、彼の使用楽器として2つのストラドの名前があった。そこで会場の人に尋ねてみると、今日はthe Royal Academy of Musicから貸与されている1726年製ストラドのMarquis de Corberonを使用したとのことであった(彼は日本音楽財団からも1730年製ストラドFeuermannを貸与されている-どちらか好みがあるのだろうか?あればもう一つを別の人に回してあげたらよいのに?)。とにかくオケが大音量だったので、正直、もう少し音量があればバランスが取れるのに、と思った。

帰ってWikiで調べてみると、彼は音量より音質をとってスチール弦を使用しない、とあった。なるほど、あの音量はガット弦によるものだったのだ。う~ん、それであれば、オケの規模をもう少し小さくは出来ないのか?

とても良い演奏に思えたので、スタンディングオベーション。スティーブンはお茶目にも、最後は楽器にもお辞儀をさせて去っていった。流石は英国紳士、礼儀正しい。


エベーヌ・カルテット@ロンドン、ウィグモアホール

2009-10-30 23:00:00 | コンサート

エベーヌ・カルテットはフランスの弦楽四重奏団である。昨年5月に同じウィグモアホールで聴き、印象に残っていたので出掛けた。今夜の曲目は、

Brahms: String Quartet in C minor Op. 51 No. 1

Bartók: String Quartet No. 3

Schubert: String Quartet in D minor D810 ‘Death and the Maiden’

今日の演奏で気に入ったのはバルトーク。本来、バルトークのような曲より、ロマン派が好きな私ではあるが、エベーヌを聴くならば(この3曲中では)絶対的にバルトークだ。彼らの持っているものに近い気がする。

厳しいことを言えば、ファーストがトチったり(ブラームス、シューベルトで大事なフレーズの音をとり損ね・・・)、ヴィオラのオクターブが怪しかったり、チェロがノリ過ぎて飛んでしまったり、客席前方の年齢層の高い常連客(私?)はちょっと不満気。一方、後方学生席は大変な盛り上がり。確かに、ノリという意味では、彼らには独特のアーティキュレーションと情熱的な演奏がある。

アンコールでは「パリではなくリバプール出身4人組の曲を、特別にイギリス人である皆さんに」といってザ・ビートルズの曲を演奏-しかし、疎い私には題名が分からない(反省-でも、イギリス人じゃないから許して)。彼らのアンコールは大変に人気があるらしく、来年アンコール曲を集めたアルバムがリリースされるとの事。

サイン会があったので、バルトーク曲集を購入して持っていったところ、チェロのラファエルが「Aimez-vous Bartok?」と聞いてきた(Brahmsではない)。いやぁ、あなた達の演奏を聴いて、他は買わないでしょ?とはいえないので、「Oui, ses oeuvres sont magnifiques」と、とりあえず当たり障りのない答えをする。

皆の写真が撮りたいというと、勿論、勿論、とポーズをとってくれた。

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が、いえ、あの、手の写真が。

手?え、皆一緒に?ちょっとこんなの初めてだよ~。面白~い。どこに手を置く?お前、その手どけてくれよ。あ、水、邪魔。そっちへよけて。

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なんていい人たちなんだろう。辛口批評をちょっと反省?


Abreu博士、ドゥダメルの受勲@Paris

2009-10-25 03:30:00 | Gustavo Dudamel

24日の演奏会で予定演目が終了した後、なにやら指揮台の前に演説台が用意された。何かと思っていると、どこかで見たことがある偉そうな人が出てきた(文化・コミュニケーション大臣のミッテラン氏。故ミッテラン元大統領の従兄弟)。

なんと、Abreu博士にレジオンドヌール勲章(等級はOfficier)、ドゥダメルには芸術文化勲章(同Chevalier)が授与されたのである。我々聴衆、プログラムと一緒に、この叙勲式への招待状を貰っていたのであった。

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アンコールを演奏するドゥダメルの胸に、勲章が輝く。

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友人達が帰るというので、出待ちをどうしようかとも思ったが、やはりお祝いを言わなくては!と決行。

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この芸術文化勲章、普通は(フランス人だと?)30歳以上が受勲できるようだが、彼はまだ28歳。勲章は後からついてくるもので目標にするものではないけれど、このまま活躍が続けば、彼もレジオンドヌール-しかもかなり高位のものを-受けることだろう。


ドゥダメル指揮、SBYOV@Salle Pleyel(その2)

2009-10-25 01:00:00 | Gustavo Dudamel

1024日、ParisSalle Pleyelにてドゥダメル指揮、SBYOV2日目。この日の演目は、ヴァイオリン独奏ルノー・カプソンでチャイコVn協奏曲とR.シュトラウス「アルプス交響曲」。

チャイコのVn協奏曲は、すごい速さ。ドゥダメルの趣味なのか、ルノーの超絶技巧発表会なのか-ルノーはそういうタイプとは思わないが。先日のドゥダメル指揮、ウィーンフィル&シュナイダーinザルツブルクよりかなり早い。オケはちょっと雑な感じが否めない。SBYOVはこういう曲(協奏曲)にはあまり向かないか。しかし、第3楽章のヴァイオリンの早いパッセージを弾ききったのは天晴れ!私も練習しよう。

「アルプス交響曲」は出だしでいきなり舞台が暗くなった。あら、これでは譜面が見えないじゃない、と一瞬思って気がついた。最初が「夜」「日の出」だからだと。普通のオケだったら絶対「譜面が見えない」と却下だろうな。「日の出」のライトアップのタイミングが微妙にずれて残念。途中の「雷雨と嵐」で、雷が光るかと思ったが、そこまでは文化祭のノリではなかった。この曲で残念だったのは、このホールには備え付けのオルガンがなく小さなオルガンを借りてきて、スピーカーで増幅した音を流していたことか。

いずれにしても、ドゥダメルの演奏会で最も重要なことは、そしてそれこそ私がこれだけ彼の演奏を追いかけている理由なのであるが、演奏中一瞬たりとも気持ちが抜けていることがない点である。演奏のことだけを120%、いや200%考えていることが見て取れる。彼の指揮で演奏するオケのメンバーも多くは(勿論全員ではないが)そうなる。人間が本気で勝負を挑む姿は最も美しいし、そこから結果は生まれる。結果がよければ演奏態度に問題ない、という人が居るかもしれないが、私はそうは思わない。それならもっと真剣にやったらもっと良い結果が出るかもしれない、と考える余地を残すからである。全力で挑んで成果が出たとき(出なければ残念だが)その喜びを演奏者と聴衆が分かち合う、その瞬間を求めて彼の演奏会を追いかけるのである。

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叙勲式の後は、マンボとマランボ。それでも興奮冷めやらない聴衆の拍手に応えて、最後はラデツキーマーチ。リズム感の悪いパーカッション多数でごめんなさい。友人はドゥダメルの指揮で演奏できた!と喜んでいた。多分、皆そう思って家路に着いたはずだ。


ドゥダメル指揮、SBYOV&フランス放送フィル@Salle Pleyel(その1)

2009-10-24 02:00:00 | Gustavo Dudamel

1023日、ParisSalle Pleyelにてドゥダメル指揮、SBYOV&フランス放送フィルで「ダフニスとクロエ」第2組曲、Santa Cruz de Pacaigua、幻想交響曲を聴いた。

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ダフニスはフランス放送フィル、Santa CruzSBYOV、幻想交響曲は合同軍、と少々変わった編成。普段より舞台が座席3列分拡張され、舞台と座席が半分ずつ位にさえ見えた。

ドゥダメルの振るラヴェルを聴くのは初めてだったが、彼のリズム感の良さとラヴェル御当地オケの成せる業か、加速円運動の流れが非常に心地よい。是非La Walseをこの組み合わせで聴いてみたい。いつぞやのバービカンの悪夢を忘れさせてくれることだろう。

幻想交響曲は以前から彼の指揮で聴きたいと思っていて、今回の2日間に渡る演奏会の中でも最も楽しみにしていた曲。ドゥダメルはチェロのような中低音の楽器によるリズムの刻みをなおざりにせず、逆に効果的に使う。ザルツブルクでウィーンフィルと共にチャイコのVn協奏曲を演奏した時と同様である。そして勿論「幻想」なので、管楽器の響き-如何に怪しい感じを引き出すか-が重要。ふと、ベネズエラには「魔女」っているのかしら、と思う。勿論、想像力によってベルリオーズが幻想で観た魔女を再現しようとしているのだろうけれど。今回残念だったのはカリヨンの音。先日のロイヤルアルバートホールでのカリヨンが素晴らしかったからか、お仏壇の輪のような音でがっかり。

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ホールに関しては、思ったより残響が短く、これがベルリンのフィルハーモニーだったら、SBYOVのメンバーは更に気持ちよく演奏ができたのではないだろうか、彼らにあのホールを体験させてあげたい、と思った。


ギル・シャハム@ロンドン、ウィグモアホール

2009-10-23 00:30:00 | コンサート

ギル・シャハムの演奏でバッハのパルティータ3番、ソナタ2番、パルティータ2番をロンドン、ウィグモアホールで聴いた。

使用楽器は1699年製の「ポリニャック伯爵夫人」の銘を持つストラド。しかし、ストラドにしては太く艶やかな音、音量も豊かで、少しガルネリのように思われた。(それにしても、あんな田舎娘の名前をこんなに素晴らしいストラドに付けるなんて!)

バッハだからか、ビブラートを多用せず、特に曲の終わりやフレーズの最後など、真直ぐで、恐ろしく澄明な音に思われた。こんな風に自信を持った音を出したい(いつもビブラートをかけて音程を誤魔化す私)。

演奏方法は、右手首をあまり動かさず、また演奏中に舞台の上を前後左右に動くところなども、五嶋みどりの演奏方法と非常に似ていると感じた。果たして家に帰ってぐぐってみると、彼もドロシー・ディレイ門下らしい。早いパッセージで弓も激しく動かす必要のあるときには手首で弓を動かしたくなるものだが、彼は腕全体を弧を描くように動かしていた。今度この方法を試してみよう(無駄な試み?)。

生演奏であるから、ところどころ音程が怪しくなるのは止むを得ないのだろう。しかし最後のシャコンヌは流石。弾いている回数が、恐らく他の曲とは違うのではないかと感じた。曲作り自体は、私の中にあるシャコンヌとは異なる部分も多かったが、早いパッセージの正確さ、速さは流石だ。シャコンヌはとても素晴らしかったので、却って拍手が出来なかった。体から力が抜けてしまったようであった。アンコールを弾いてくださったが、シャコンヌの後には何も要らない気がする。

勿論、恒例の手の写真を撮らせていただいた。本当はストラドの銘を「ポリニャック伯爵夫人」から「ポンパドゥール侯爵夫人」に変更するよう提案したかったのだが、すっかり舞い上がって言い忘れてしまった。残念だ。

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ブラームス三昧byカプソン兄弟@Salle Pleyel、パリ

2009-10-18 22:00:00 | コンサート

カプソン兄弟がブラームスのピアノトリオ、弦楽五重奏、クラリネット五重奏、ピアノ五重奏を2日間3回の演奏会で弾くというので、Parisまで出掛けた。

土曜日はピアノトリオ3曲。最初は少し演奏が「ごちゃっ」とした感があったが、そのうちチェロ(ゴーティエ・カプソン弟)の美しい音が聴こえてきた-以前、CDDVDで彼らの演奏を聴いていた時より良く聴こえた。この日は場所が2階席正面だったため、ヴァイオリンより楽器の大きいチェロのほうが良く聴こえたのかもしれない。また、ピアノのアンゲリッチはかなり体格の良い人だが、演奏する指は非常に繊細で美しく見えた。とても良い感じだったので、この3人でチャイコの「偉大な芸術家の思い出に」を弾いて欲しくなってしまった。

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サイン会が演奏会後に開催された際の写真。フランスでも、写真を撮るときには「あごを引け」といわれるのだろうか?

日曜日は朝が弦楽五重奏とクラリネット五重奏。クラリネット五重奏の第3楽章の始まるあたりからルノー(ヴァイオリン・カプソン兄)がE線を気にしだした。後から伺ったところによるとE線が切れそうだったそうだ。日曜午前中の演奏会とあって、聴衆の数も少なめ(といっても8割方は埋っていたが)。演奏をする側、聴く側、もう少し気合が必要だったか?

とは言うものの、この日は午前中が1列目とかぶりつき、午後が通路を挟んで4列目とかなり前方だったため、ヴァイオリンの音が美しく聴こえた。Panetteの音は、喩えるなら「炊きたてつやつやコシヒカリ」か。本当に艶々とした音なのである。

最後のピアノ五重奏は大変有名な曲であるが、第3楽章のスケルツォも含め、全体的に品の良い演奏だったように思う。もっと情熱的でも良いのではないかしら(最近の私のノリは少々派手にすぎるかしら-でも黒檀四重奏団+ピアノで聴きたい)。第4楽章は最初のコード進行が不思議な(分からない)感じ。その後、チェロで主題が始まるところはとても美しい音で、今も左手の動きとともに耳と目に焼きついている。

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日曜日も夕方の演奏会後にサイン会があったので、ゴーティエに昨日すっかり忘れていた手の写真を撮らせていただきに伺った。彼はとても気さくな方と伺っていたが、確かに、「手の写真を撮らせてください」とお願いをしたら、次の人に向かって「今手が使えないのでサインが出来ないんです!」と話しかけたり、彼がフランス語でそう言ったので、無意識に「ゴメンナサイ、私のせいです」とフランス語で応じると「何でフランス語ができるのに英語で話すの?」と尋ねてきたり、コミュニケーションのとりやすい方と感じた。また、使用していると聞いていたGoffrilerの他にプログラムでContrerasという楽器に触れられていたので伺ってみたところ、こちらは売りに出してしまうのだとか。ま、Goffrilerが素晴らしいので、もう一つは不要なのだろう。

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来年2月に彼らがWigmore hallにやってくる。WigmoreSalle Pleyelに比べずっと小さく室内楽専用ホールであるから、彼らの音がどんな風に聴こえるのか今からとても楽しみである。どうぞバランスよく聴こえますように!


シカゴ美術館@シカゴ

2009-10-11 17:00:00 | アメリカ

アメリカ三大美術館の一つに数えられるシカゴ美術館。

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正面玄関はこちらだけれど、新館(?)側からも入場可で、こちらからは待たずに入れる。

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内部も美しい。建物自体が芸術的だ。

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悔しいけど(ってどういう意味?)、やっぱりピカソは上手い。

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この手が、狐と狸の尻尾に見えるのだけれど。。。

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ゴッホは自分から自画像を書いているくせに「な、何故私を見るのですか」と小心者モード。

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写真では色が異なって見えるけれど、「ひまわり」を分解して貼り付けたような画面だった。

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この人の作品には、本当にオーラがある。存在感が違う。

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年老いた人の、少し鶏の皮のような黄味がかった皮膚が上手い。

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おっと危ない。エッチングだからと見過ごすところだった。

3時間でも足りない、素晴らしい美術館だった。18ドルの価値は十分にある。またChicagoを訪れることがあれば再訪したい。


ほ、包囲された!@シカゴマラソン

2009-10-11 13:30:00 | アメリカ

どうも旅先で偶然マラソン大会に遭遇することが多い。今年に入って、3月1日バルセロナ、9月20日ベルリン、そして10月11日のシカゴマラソン。

マラソンがあるとはタクシーの運転手から聞いて知っていたが、まさか朝7時から走っているとは。。。

眠気覚ましにスタバへコーヒーを買いに行った帰り道。ホテルのすぐ手前の道路を選手が走っているところに遭遇。

向かって左側

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右側

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何が起こったかというと、ホテルの横の道でこの群れに遭遇。あまりの数で、何とか中央分離帯まではたどり着いたが、もう一車線が抜けられず、私は氷点下の気温の中、分離帯でこの人たちが通り抜けるのを待たされたのである。

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結局隙を見て、もう一車線も無理やり横断。

ホテルの部屋からはこんな光景が。まだまだ、続々。最後まで待っていたら、今頃凍死してたかも。

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ジョシュア・ベル&ガルネリ(Vieuxtemps)@シカゴ

2009-10-11 02:00:00 | アメリカ

ジョシュア・ベルがVieuxtempsというガルネリ・デル・ジェス(約16億円相当)を演奏する、というので、急遽週末シカゴへ飛んだ。

ジョシュはご存知の通り、通常自身所有のストラドを弾いているが、今回はStradivari(ガルネリではなくストラド) society of Chicagoから貸与されて、ブルッフのVn協奏曲とサンサーンスの序奏とロンド・カプリチョーソを弾いた-金曜日の夜、ググっていて偶然Chicago Tribuneのこの記事を見つけた。ガルネリの音が大好きで、常日頃からジョシュにガルネリを弾いて欲しいと思っていた私にとってはうってつけの演奏会である。

調べると土曜日も夜8時からシリーズ最後の演奏会があり、飛行機の時間を見ると、何とか月曜日の朝会社に直行すれば、行って来られる-そうと知って黙っていられないのが私。早速チケットの手配をして、シカゴへ。

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シカゴ交響楽団の本拠地、オーケストラ・ホールは相当古い。1904年に建てられたとのことで、そのためか、音響的に少し残念な気がした。ジョシュのVieuxtempsの音も、ガルネリの割りにストラドに近いとても品の良い音。このVieuxtempsの性質なのか、女性的で神経質なジョシュが演奏するとガルネリもこういう音になるのか、はたまたホールのせいなのか。

正直、ガルネリには芳醇で、少しくらいお転婆な音を期待する私としては期待はずれだったように思うが、アンコールで銘になっている過去の所有者Vieuxtempsが作曲したアメリカ民謡『アルプス一万尺』変奏曲を演奏してくれたのはとても面白かった-高度なヴァイオリンテクニックで聴く『アルプス一万尺』。そうは言っても『アルプス一万尺』である。16億円のガルネリで聴く、というのは相当酔狂である。

演奏会後、New Album 『Joshua Bell at home with friends』 releaseを記念したサイン会があったので、行ってみた。Album自体はクリスマス商戦を意識したと思われるイージーリスニングで、最近の彼の路線は私の好みとは異なっているのではあるが、サイン会では顔を思い出してくれたので、シカゴまで行ったことは30%くらい報われたような気がした。

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追記:なおこのVieuxtempsは今$18millionで売りに出ていて、そのプロモーションも兼ねて演奏が行われたようである。個人的に$18milはちょっと信じられないし、お金があっても買わない。大好きなPanetteだったら$5milくらいだったら。。。