Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

ドゥダメル&ロスフィル 第2日目:マーラー交響曲第9番

2019-03-22 19:00:00 | Gustavo Dudamel

Gustavo with LA Phil。サントリーホール第2夜。

マーラー:交響曲第9番 ニ長調

Gustavoのマーラー 9番は以前Gothenburg Symphonyとヨーテボリで演奏した時と、今回と同じくLAフィルとバービカンで演奏した時の2回を聴いているのでこれが3回目。全体の仕上がりとしては今回が一番細部にまで神経が行き届いていたように思う。

最初のホルンがちょっと高い?と相変わらず出だしは気になったものの、そのうち引き込まれていった。

第二楽章の舞曲、今日もGustavoは指揮台の上で踊る。

それぞれの楽章にマーラーはどんな思いを込めたのか。いつの時代を反映したのか。少し狂ったようなデフォルメされたような表現と思わなくもないが、しかし、あの時代のウィーンとは、そんな雰囲気を持っていたのではなかったか?

第四楽章の圧倒的な美しさ。少しも恥じらうことなく、その美しさを前面に押し出してくる。フローレスな演奏。それゆえに一つ間違うと生きる日々を肯定できなくなりそうな、そんな演奏に聴こえた。

最後の音が消えた後、Gustavoは祈るように動きを止め脱力をしない。真面目な日本の聴衆は固唾を飲んで指揮棒を持つ手が緩む瞬間を待っているし。もう、最後はほぼ我慢大会。リストの時代なら、失神者が出ても不思議ではない長さ。実際私も失神寸前であった。

Gustavoをはじめとして、演奏者、そして聴衆、お互い全てを出し切った感あり。不思議な演奏会だった。


ドゥダメル & ロスフィル 第1日目:マーラー交響曲第1番

2019-03-20 19:00:00 | Gustavo Dudamel

Gustavo with LA Phil。一夜目の今日は

J. アダムズ:Must the Devil Have All the Good Tunes? 〈日本初演〉
マーラー:交響曲第1番 ニ長調 「巨人」

アダムズ、これも暗譜なのね。すごいGustavo。ま、世界的指揮者と自分を比べる方がどうかしている。

後半は、マーラーの交響曲第1番。

第一楽章。出だしは、トランペットのありえない事故で始まった(あれは事故よね?)。バンダのトランペットよ、何があった?そしてバンダトランペットの音は、もう少しちゃんと聴こえても良かったのでは無いか?と頭の中をぐるぐるしてしまう。

しかし、その後の歌い方のなんと美しいことか。思ったよりテンポがゆっくりな気がする。前からこんな演奏だったかしらん?第一主題は滔々とした流れのようにゆったりと。そして第二主題からは持ち味のキレの良い演奏に。Gustavoが腕をぐるぐるさせるのに合わせてオケが加速する。あー、こういうオケが欲しいんですよね、佐藤先生!

第二楽章。低弦渾身のリズム。そしてワルツ。Gustavoは指揮台の上で踊っている。あら、ちょっと体の線が締まったんじゃないかしら?La valseを聴きたし。

第三楽章。ティンパニの憂鬱なリズムの上にコントラバスの独奏。昔、Gustavoがドイツだったかオーストリアだったか公開リハーサルで「Please, I’m hungry〜」とやって聴衆を沸かせた場面が蘇る。ロスフィルに説明をするときにあの話をしたのだろうか?

第四楽章。第三楽章の最後、くるくるくるくる、で、シンバルがばしゃ〜ん!弦さすが、プロは違うなー。あれがちゃんと弾けるんだ〜(当たり前)。リズム感が素晴らしい。指揮にぴったり合ってるし!Gustavoがどんなに揺らしても、腕をぐるぐるして加速しても、一糸乱れず付いてゆく。見習いたい。佐藤先生、本当にごめんなさい!

この、青春の真っ只中のような曲。しかし、明後日がマーラーの9番と知っている身としては、明後日には死んじゃうんだよ、君。。。みたいな。

大興奮の中で終わる、Gustavo & LA Phil第一日目。流石に明後日はこういう訳には行かんであろう。。。どうせなら、今日家人と来たかった。