友人の友人が住むブルゴーニュ地方の小さな村へ週末出掛けた。朝一番のユーロスターでパリへ入り、友人とGeorge Vで朝食、お昼にもう一人の友人と待ち合わせて、車でブルゴーニュに向かう。
お天気は晴れと曇りと雨を繰り返す感じ。高速道路に入ると、広々とした平野が広がり、雲が流れてゆくのが良く見える。晴れ間が覗いたと思うと、黒い雲と嵐がやってくる。でも暫くするとまた晴れ間が覗く-と言った具合。
友人宅に着くと、先客が。その方を含め5人で早速ランチ。烏賊のトマト煮、根セロリのステーキ、マッシュポテト。根セロリのステーキがとても美味しい。セロリは葉の部分は少々香りがきつすぎて、ポトフなどにしか使わないが、根セロリはほんのりセロリ特有の香りがして、食欲をそそる。合わせるワインは勿論シャブリ。蜂蜜の香りがするでしょ?といわれたが、私には日本酒と通じる味に思われた。
先客の方が帰られた後、夕飯と翌日用の買出しに出かける。2~3分で歩き終わってしまうHigh street(?)に肉屋、乾物屋、パン屋がある。パン屋のお姉さんは無愛想だがパンは美味しい。また、大きなパリブレストも購入。乾物屋のお兄さんはとてもいい人だった。肉屋のおじさんも、よそ者の私達にとても良くしてくれた。
買い物の途中で、Dance Macabre(死の舞踏)の壁画が残るという教会に立ち寄った。元々の歴史は11-12世紀に遡る、という由緒ある教会で、天井などは木の素朴な梁だった。地震の多い日本では、こんな建物は残れないだろう。
夕食は、肉屋で購入したFromage de tete、パテに続き白身魚をアイオリソースで。これに蒸したニンジン、蕪(のようなもの)、ジャガイモが付け合せ。シンプルで素材の味が堪能できる。ゲラントの塩がこれまた美味しい。この後はフランスであるから、勿論チーズ。シェーブル2種とブリ。デザートは先ほど購入したパリブレスト。
食事の後はワインを飲みながら、暖炉の前で延々とおしゃべり。これは翌日の朝食後、昼食後も続いて、音楽、インターネット(Facebook)、比較文化、地震・津波と社会、宗教、秘密結社、異国に暮らすこと、勿論ゴシップ、と果てしなく続いた。
朝食は、友人達はタルティーヌ、私はパリブレストの残り。そのままおしゃべりに突入し、暫くして昼食の準備にとりかかる。昼食は鶏のロースト。小ぶりの鶏肉を丸ごとハーブとともにロースト。塩とオリーブオイルをかけて頂いたら幸せな味だった。懐かしいマイユのフランボワーズビネガーがあったので、勝手にドレッシングをつくりサラダを供す。昼食は相当美味しくて、私も良く食べたし、いつもあまり食べない友人がお代わりをしていて微笑ましかった。
気がつくと時計は16時半。18時には出発しないといけないので、それまで散歩。雨が多く何が出来たわけではなかったけれど、友人と暖炉の前でおしゃべりをしたり、春が萌し始めた野原を歩いたり、これが本当の豊かさなのではないか、と思った週末だった。