学生時代を思い出す。授業が終わると、慌てて駅に向かい新幹線に飛び乗る。夜、東京で行われる演奏会を聴くために。当時はまだサントリーホールがなく、昭和女子大学人見記念講堂が主な演奏会場だった。東京駅からの便は必ずしも良いとは言い難く、よく走った。渋谷駅も、三茶の駅も。そういえば、品川に新幹線駅も無かったわ。。。
「三つ子の魂百まで」。友人が演奏会のチケットが当たったので、と誘ってくれた。2011年5月18日ーマーラー没後丁度100年目なのだそうである。カレンダーを見ると、18日はミーティングが14h30まで入っているけれど、タクシーを飛ばせば、16h10のBA0986便には間に合う。19日も、ミーティングは午後からだ。なぜか余裕がありすぎても熱くなれない、ぎりぎりなんとかがんばると、というのが大事らしい。ということでベルリンに向かった。
http://www.digitalconcerthall.com/ja/concert/2922
マーラー「交響曲第10番」よりアダージョと「大地の歌」。白状すると、「大地の歌」は今まで聴いて良いと思った事がなかった。このところ、マーラーを一番聴いているのだから、もしかしたら好きになっているかも、と、友人から連絡をもらってすぐiTuneで「名盤」といわれている演奏を聴いてみたが、やっぱり好きになれなかった。このところのハードスケジュール、演奏会途中に寝たらどうしよう。。。
さて、演奏が始まる。最初のホルンとか、なんと言うか「古い」(ごめんね、マーラー)、といつも思う。でも、弦が重なって来ると、やっぱりベルリンフィル、素晴らしい音ではないか?それに、テノールのヨナス・カウフマンの声も声量があるわけでも、声質がクリアな訳でもないが、聴いているうちにこの曲にはこれでもよいのかな、と思い始めた。最初はフローレスみたいな人が良いな、なんて思っていたけれど。また、アンネ・ソフィー・フォン・オッターも、この曲に向いた声質だと思ったーって、聞き込んでいる曲ではないから、偉そうな事は言えないけれど。でも、これまでに聴いた「大地の歌」の中で一番心に沁みた。ベルリンフィルの音も本当に素晴らしかった。
隣のおじさん、そうとう聞き込んでいる人で、指揮を始めた。本当にかなり聞き込んでいる。途中で入る金管やハープに出だしを指示するのがぴったりだ。もうちょっと下手な演奏だったら、おじさんを観察して楽しめたが、これだけ良い演奏になると、おじさん、今日の指揮はクラウディオ・アバド先生で十分ですから、と言いたくなって来る。。。
それにしても素晴らしい、マーラーの没後100年を記念するにふさわしい良い演奏会だった。アバドとフォン・オッター、カウフマンはオケが席を立った後も3回呼び出された。本当に素晴らしかった。多分、もう「大地の歌」は暫く、いえ、かなり長い間聴かないだろうな、演奏会では。だって、これを上回る演奏会なんて、とても簡単にはお目にかかれそうにないもの。
誘ってくださってどうもありがとう。ロンドンから来た甲斐がありました。
「三つ子の魂百まで」。友人が演奏会のチケットが当たったので、と誘ってくれた。2011年5月18日ーマーラー没後丁度100年目なのだそうである。カレンダーを見ると、18日はミーティングが14h30まで入っているけれど、タクシーを飛ばせば、16h10のBA0986便には間に合う。19日も、ミーティングは午後からだ。なぜか余裕がありすぎても熱くなれない、ぎりぎりなんとかがんばると、というのが大事らしい。ということでベルリンに向かった。
http://www.digitalconcerthall.com/ja/concert/2922
マーラー「交響曲第10番」よりアダージョと「大地の歌」。白状すると、「大地の歌」は今まで聴いて良いと思った事がなかった。このところ、マーラーを一番聴いているのだから、もしかしたら好きになっているかも、と、友人から連絡をもらってすぐiTuneで「名盤」といわれている演奏を聴いてみたが、やっぱり好きになれなかった。このところのハードスケジュール、演奏会途中に寝たらどうしよう。。。
さて、演奏が始まる。最初のホルンとか、なんと言うか「古い」(ごめんね、マーラー)、といつも思う。でも、弦が重なって来ると、やっぱりベルリンフィル、素晴らしい音ではないか?それに、テノールのヨナス・カウフマンの声も声量があるわけでも、声質がクリアな訳でもないが、聴いているうちにこの曲にはこれでもよいのかな、と思い始めた。最初はフローレスみたいな人が良いな、なんて思っていたけれど。また、アンネ・ソフィー・フォン・オッターも、この曲に向いた声質だと思ったーって、聞き込んでいる曲ではないから、偉そうな事は言えないけれど。でも、これまでに聴いた「大地の歌」の中で一番心に沁みた。ベルリンフィルの音も本当に素晴らしかった。
隣のおじさん、そうとう聞き込んでいる人で、指揮を始めた。本当にかなり聞き込んでいる。途中で入る金管やハープに出だしを指示するのがぴったりだ。もうちょっと下手な演奏だったら、おじさんを観察して楽しめたが、これだけ良い演奏になると、おじさん、今日の指揮はクラウディオ・アバド先生で十分ですから、と言いたくなって来る。。。
それにしても素晴らしい、マーラーの没後100年を記念するにふさわしい良い演奏会だった。アバドとフォン・オッター、カウフマンはオケが席を立った後も3回呼び出された。本当に素晴らしかった。多分、もう「大地の歌」は暫く、いえ、かなり長い間聴かないだろうな、演奏会では。だって、これを上回る演奏会なんて、とても簡単にはお目にかかれそうにないもの。
誘ってくださってどうもありがとう。ロンドンから来た甲斐がありました。