Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

ラズモフスキーアンサンブル@Wigmore Hall

2009-03-21 00:30:00 | コンサート

2009年3月20日。Wigmore Hall、ロンドン。

Mozart: Duo for violin and viola in G major, K.423

Schumann: Piano Trio No.1 in D minor, Op.63

Schostakovich: Piano Quintet in G minor, Op.57

Henning Kraggerud: Violin

Alexander Sitkovetsky: Violin

Lars Anders Tomter: Viola

Oleg Kogan: Cello

Christian Ihle Hadland: Piano

Schumannのピアノトリオは、これまでSchumann=「子供の情景」「クライスレリアーナ」以上に発展しなかった私にとって新たな発見であった。曲が始まってすぐに、一瞬、ブラームス?シューベルト?と思ってしまった。すなわち、結構私のツボにはまったのであった。作曲家に対して、わずかな経験で先入観(カテゴライズ)する悪い癖を治さなければと反省。演奏も良かった。エキサイティング。

Shostakovichも、Shostakovich=「交響曲」で室内楽曲を生で聴くのは初めてと思われる。ちゃんと曲にSchostakovichの匂いがする。いつも、これがすごいと思う。自分の「御徴」みたいなものがあるのって。ショパンやドビュッシーに顕著に感じるのだけれど。きちんと楽典を習ったら、何に対して私が「御徴」と感じているのかが分かるのだろうか。

これもとてもエキサイティングな曲なのだけれど、最後が「がちゃがちゃがちゃがちゃ、ばばばば~ん!」と終わらないので、「ブラボー」屋さんの出番がない。かといって、しんみり良い曲、という感じでもなく、普通に綺麗な曲想で終わるので、演奏会の最後の曲にするには、かなり通向け?勿論十分「トリ」を取れるレベルの曲のように聴こえたので、演奏家にとっては前半の曲にするのもつらいか。

特にSchumann、Shostakovichは出来もよかったし、良い演奏会だったと思うけれど、帰宅する観客に「素晴らしい演奏会を体験した」と思ってもらうようにするには、これ(この選曲)でよかったのかな、と少し考えた。聴衆に阿る必要も無いけれど、聴衆に幸せになってもらってこその演奏会と思うと、演奏会の選曲をマネージメントするのも楽じゃないだろうな、と感じる。