Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

チェロ水野優也の世界2022@浜離宮朝日ホール

2022-07-27 19:00:00 | コンサート
第1曲目はバッハの無伴奏、しかも第6番。
あたくしは一生弾けない曲。
これを選んだ勇気を先ずは讃える!
ご本人も最後の挨拶で、最も難しい曲が弾けてホッとしている、との言葉。
思わず、うんうん、と頷いてしまった。
 
前半2曲目はチャイコフスキーのベッツォカプリチオーソ 作品62
チェロが伸び伸びと鳴っている。
やはり伴奏があると、弾きやすいのだろう。
 
後半はショパンの「序奏と華麗なるポロネーズ ハ長調 作品3」と
「チェロ・ソナタ ト短調 作品65」。
いずれも素晴らしかった。録音があるならば購入したい。
とても素敵なチェロの音。
チェロって、こういう音がするはずなんだ(自分の音と比較してはいけない)。
細かいパッセージも綺麗に弾かれる。
 
ピアノも、あの反田さんですから、こんなショパンのチェロ曲、聴いたことないよ、と言うレベル。
とにかく音の粒が揃って滑らか。
しかし、もしかして反田さん、「序奏と…」はほぼ初見だろうか?
そして、伴奏なのに反田節もwww。
 
JNOのメンバーでピアノ付きの室内楽録音してくれないかな。
 
 

反田恭平 ピアノ・リサイタル 2022@愛知県芸術劇場

2022-07-24 14:00:00 | コンサート
Aプロを聴くべく、愛知県芸術劇場へ。とても良い響きのホールでピアノの音がとても美しく響いていた。今日はSteinwayのピアノ。そしてここはヤマハが音響を担当しているらしい。ちょっと見直した(すみません)。
 
今日はプログラムに変更があり、ショパンのソナタ2番に加え、前回同様シューベルトのソナタ20番が演奏された。一方で、バッハ=ブゾーニのシャコンヌが聴けなかったのは、本当に残念。
 
ショパンのソナタもシューベルトのソナタも弱音が本当に美しく感じられる。それを可能にする、この筋肉の動きよ。脳が出したい音を知っていて、筋肉を適切にコントロールしてその音を出す。。。全てができてのこの音。どうやったら鍛えられるのか、是非伝授していただきたい。。。確か、筋肉だけではダメで、脂肪も必要だといっていた。ボテロを見た直後だからか、筋肉+脂肪の美しさを考えずにはいられない。
 
今日のシューベルトはちょっとテンポ早目で「疾走する」感じであった。個人的には21番が「疾走する」感じなので、是非、今日のような感じで21番を演奏していただきたいな。。。と。
 
今日もアンコールを4曲演奏してくださった。いつまでも聴きたい思いはあるが、しかし、これだけハードスケジュールで8つのリサイタルをこなしてこられた反田さん、無理はしないでください、とも言いたい。
 
そうそう、いつも問題になる、演奏中の雑音。。。気にならないわけではないけれど、ヨーロッパに比べたら、遥かにお行儀よい日本の聴衆。いや、お行儀が良すぎるから小さなことも気になるのかもしれない。一方で、とても目立っておられる方がいらしたことは事実。反田さんも気づいて、背中が怒っていたな(勝手な解釈だが)。何か良い方法があれば良いが。
 

スタニスラフ・ブーニン 「再会」コンサート

2022-07-18 15:00:00 | コンサート
何十年振りだろう、三軒茶屋の昭和女子大学人見記念講堂へ行ったのは。
スタニスラフ・ブーニンの「再会」コンサート。9年半振りのコンサートだと言う。なるほど9年前に帰国して以来ブーニンの名前を聞かないはずだ。どこかで怪我をしていたとか病気をしていたとか、いろいろな噂は耳にしたような記憶はあったが。
 
前半は朝岡聡がブーニンと「浜辺の歌」の合奏&インタビュー。後半はブーニンによるシューマン「色とりどりの小品 作品99」の演奏。
後半、演奏のために舞台に現れるブーニン。引き摺る足が痛々しい。靴も左足は特別なものを履いているようだ。前半、緞帳を下げ、椅子に座った状態で現れた理由がわかった。しかし、残念ながら、演奏も痛々しいものだった。
 
人見記念講堂は、座席が新しいものに入れ替えられていた。ホロビッツの2回目の来日(最後の来日)もここだったはず。あの壁にホロビッツが「帰る〜!!」と蝉のように張り付いたこととおじさま方の興奮を今でも昨日のことのように思い出す。
音響におそらく問題があるわけではないのだろうが、ブーニンがリヒテルばりのスピードで弾いて、弾ききれずに音が濁っている、そんなように聞こえた。また何曲目だったか最後を外して弾き直したようにも見受けられた、。。あの衝撃的な猫のワルツと同じことを55歳がやるとこうなってしまうのかと、我が身を振り返るのであった。
 
なぜ今日ここにきたのだろう?
1985年にFM放送で感じた「何か」がそこに在って欲しかったからだろうか(去年のコンクールはYouTube配信だったが、当時はFM放送だった)。シューマンの中に聞こえる葬送行進曲のリズムとヴェルディの「レクイエム」のようなメロディが頭の中をぐるぐると巡った。
そして「浜辺の歌」をググったら、意味深に思えなくもない。
しかーし、やらねばならぬことは果てしなくあるので、これ以上考えることはやめる。
 
 
そうそう、一時期演奏会では、1000円、2000円もするプログラムが売られていたけれど、最近は無料のこうしたプログラムが主流なのかしら?共にB5(くらい?)の見開き3ページ構成。

反田恭平 ピアノ・リサイタル 2022@名取市文化会館

2022-07-17 14:00:00 | コンサート
反田さんのピアノを聴きに名取市文化会館へ。
なぜ、そんな遠くまで、というと、今回のBプロには我が最愛のシューベルトの3つの遺作ピアノソナタのうちの1曲(20番)が入っていたから。週末とバッティングしている中で一番近い(近くないけど)のが名取市の回だった、という。
 
反田さんはショパンコンクールで使われたというShigeru Kawaiのピアノを遥々ワルシャワから運び込んだとか。ピアノが舞台の上でピカピカに光っている。
席は今回も最前列で、ちょっと心配だったけれど、京都の時のようにピアノが今にもステージから落ちそう、というのとはだいぶん違って、悪くない。第四楽章のテーマが、最後に戻ってきた時、とても優しい音がして、ああ、これを弾くためにこのピアノを使ったのかな、と勝手に納得。
ああ、シューベルトの遺作のソナタって、本当に切なくも美しい。透き通った秋の日のようではないか。。。他の2曲もぜひ演奏していただきたいし、将来にわたって演奏し続けていただきたい。あとはベートーベンのlast three sonatasも。
それにしても、曲間に指をバキバキするピアニストって、他に知らない。気持ちはわからなくもないが。。。
 
前日、宮崎で演奏をして、今日は宮城(音だけでなく会場でも韻を踏むのか?)。恐ろしく疲れているに違いないが、アンコールを5曲演奏してくださった上に、自著とCDのプロモーション。反田さんは本物の、生まれながらのビジネスパーソンだと信じて疑わない。