Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

マーラー「大地の歌」@ベルリン、フィルハーモニア

2011-05-18 20:00:00 | コンサート
学生時代を思い出す。授業が終わると、慌てて駅に向かい新幹線に飛び乗る。夜、東京で行われる演奏会を聴くために。当時はまだサントリーホールがなく、昭和女子大学人見記念講堂が主な演奏会場だった。東京駅からの便は必ずしも良いとは言い難く、よく走った。渋谷駅も、三茶の駅も。そういえば、品川に新幹線駅も無かったわ。。。

「三つ子の魂百まで」。友人が演奏会のチケットが当たったので、と誘ってくれた。2011年5月18日ーマーラー没後丁度100年目なのだそうである。カレンダーを見ると、18日はミーティングが14h30まで入っているけれど、タクシーを飛ばせば、16h10のBA0986便には間に合う。19日も、ミーティングは午後からだ。なぜか余裕がありすぎても熱くなれない、ぎりぎりなんとかがんばると、というのが大事らしい。ということでベルリンに向かった。

http://www.digitalconcerthall.com/ja/concert/2922

マーラー「交響曲第10番」よりアダージョと「大地の歌」。白状すると、「大地の歌」は今まで聴いて良いと思った事がなかった。このところ、マーラーを一番聴いているのだから、もしかしたら好きになっているかも、と、友人から連絡をもらってすぐiTuneで「名盤」といわれている演奏を聴いてみたが、やっぱり好きになれなかった。このところのハードスケジュール、演奏会途中に寝たらどうしよう。。。

さて、演奏が始まる。最初のホルンとか、なんと言うか「古い」(ごめんね、マーラー)、といつも思う。でも、弦が重なって来ると、やっぱりベルリンフィル、素晴らしい音ではないか?それに、テノールのヨナス・カウフマンの声も声量があるわけでも、声質がクリアな訳でもないが、聴いているうちにこの曲にはこれでもよいのかな、と思い始めた。最初はフローレスみたいな人が良いな、なんて思っていたけれど。また、アンネ・ソフィー・フォン・オッターも、この曲に向いた声質だと思ったーって、聞き込んでいる曲ではないから、偉そうな事は言えないけれど。でも、これまでに聴いた「大地の歌」の中で一番心に沁みた。ベルリンフィルの音も本当に素晴らしかった。

隣のおじさん、そうとう聞き込んでいる人で、指揮を始めた。本当にかなり聞き込んでいる。途中で入る金管やハープに出だしを指示するのがぴったりだ。もうちょっと下手な演奏だったら、おじさんを観察して楽しめたが、これだけ良い演奏になると、おじさん、今日の指揮はクラウディオ・アバド先生で十分ですから、と言いたくなって来る。。。

それにしても素晴らしい、マーラーの没後100年を記念するにふさわしい良い演奏会だった。アバドとフォン・オッター、カウフマンはオケが席を立った後も3回呼び出された。本当に素晴らしかった。多分、もう「大地の歌」は暫く、いえ、かなり長い間聴かないだろうな、演奏会では。だって、これを上回る演奏会なんて、とても簡単にはお目にかかれそうにないもの。

誘ってくださってどうもありがとう。ロンドンから来た甲斐がありました。




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3 コメント

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突然の書き込み失礼します。 (Maho)
2011-06-03 15:38:09
突然の書き込み失礼します。

2年ほど前よりクラッシック音楽の記事などを
拝見しておりました。
私はジョシュア・ベルのヴァイオリンが大好きで
こちらの記事をいつも楽しみにしておりましたが
彼のコンサートにはその後行かれてはいない
でしょうか?

お忙しいことと思いますがまた彼の演奏のことなども教えて頂けたら嬉しいです。
返信する
Mahoさん (que ma vie est belle!)
2011-06-08 20:19:32
Mahoさん
コメントありがとうございます。
4月と6月にウィグモアホールの演奏会に出演されていました。チケットも用意していたのですが、4月は急に旅行に出かけることになり、また6月は仕事が終わらずに聴き逃してしまいました。夏はウィグモアでもヴェルビエでも演奏するようなので、聴く機会がありましたら、またレポートさせていただきます。
Mahoさんは彼のヴァイオリンのどんなところがお好きですか?私は以前にも書きましたが、色気のある音が好きです。
返信する
お返事ありがとうございます。 (Maho)
2011-06-09 15:26:39
お返事ありがとうございます。
コンサートの感想など楽しみにしております。

私はジョシュア・ベルの艶のある豊かな音色が
とても好きです。2年前ヴェルビエ音楽祭のネット
放送を聴き是非一度実際に聴いてみたいと思い
去年のアジア公演、ベートーヴェン・メンデルスゾーンコンチェルトの指揮振りをセントマーティンフィルズ
で聴きました。感動はありましたがそれほど大きな
ものではなかったような気がします。
今年プラハを訪れた際今度はリサイタルを聴く
ことができました。このときばかりはヴァイオリン
の音の美しさにまるで天国にいるかのような気持ち
でした。
私はピアノを聴くことが多かったのですが
ジョシュア・ベルは特別です。機会があれば
ブラームスコンチェルトをいつか聴いてみたい
です。

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