Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

Gustavo & VPO in Monaco

2018-01-12 20:00:00 | Gustavo Dudamel

昨日に引き続き、Gustavo & VPO。今日の会場はGrimaldi Forum in Monte-Carlo。

大変に素晴らしい席を用意していただいたものの、到着してみると、昔の「市民文化会館」然としたホール。座席や絨毯もケバケバしていて、どれだけ吸音されるだろうかと心配になる。

集まる人々。今日のモナコはよく晴れて、暖かいのに、ロシアでも要らないのではないかと思うようなゴージャスな毛皮、耳から落ちるのではないかと心配になるような巨大な宝石でできたイヤリング、クロコダイルのエルメスのバッグ・ピアノ(音楽会だし!)。見ているだけで目の保養。

さて、演奏。昨日と同じプログラム。マーラーの交響曲第10番 Agadioとベルリオーズの幻想交響曲。

ヴィオラの静かなメロディーで始まる、「Adagio」。。。だから静かにしてほしいのに、咳の輪唱が始まる。しまいには、1st Vnのおにいさん思わず吹き出す。観客もブーイング。誰かの携帯の着信音、ピロピロピロ〜♪

ゲルマンの曲をラテンの国で聴くことが間違っているのか。こんなにいい曲で、こんなに素晴らしい演奏なのに。。。

後半の幻想交響曲。相変わらず咳の輪唱止まらず。もう、こういうものだと諦めるしかないのか。今度咳をしたら、断頭台に送ってやる!みんな一緒に幻想交響曲の登場人物にしてやる!!と思えてくる。

ホールを心配したけれど、昨日に比べて、管楽器の音もクリアに聞こえる。幻想交響曲って、ただ聞いても面白いけれど、今度ちゃんとスコアを見ながら聴こう。これまで、どれだけすっ飛ばして聴いていたのかと反省する。

舞台裏のオーボエやカリヨンも、昨日よりタイミングが合っている感じ(今日は舞台が少し広いからか、指揮の正面にカメラが備え付けてあるのが見えた。昨日は、録音用マイクは多数下がっていたけれど、カメラはなかった)。

今日も弦楽器を始めとする奏者のプロ意識は十分。この運動神経の良さというのだろうか、反射神経の良さというのだろうか、素晴らしい。こんな風に幻想交響曲を弾けたらどんなに素晴らしいだろう。ベルリオーズもびっくりではないか?彼の見た白昼夢が、目の前でより生き生きと展開する、どんな反応を示すだろう?

隣でスマホをいじっていた、土地の名士らしいおぢさま、曲が終わるなり、素晴らしい!とか言っているし。聴いてたんかい?と突っ込みたくなるが、ラテン人は器用なのかもしれないな。ブラボーの嵐と拍子から手拍子へ。

ウィーンではなかったアンコールは、バーンスタインのDivertimento for Symphonic Bandからワルツ。Gustavo & VPOはよくこれをアンコールに使う。。。いろいろ思いのつまった曲だけれど、そろそろ違った風に聴けるような気がしてきた。良い兆候だ。


幻想交響曲@楽友協会

2018-01-12 17:56:46 | Gustavo Dudamel

1年ぶりの楽友協会。再びGustavoのマーラー交響曲第10番(adagio)とベルリオーズ幻想交響曲。彼らがやったら間違いなくexciting、ということで、はるばるウィーンへやってきた。

今回もオーケストラ近くの素晴らしい席で、自分がファーストヴァイオリンを弾いているような気持ちで、Gustavoを見ながら鑑賞。

マーラーのパート譜は手書き。。。見づらいだろうな、と思いながら。こんな高音、こんな不協和音、我々が弾いたら、本当になんだか訳のわからんものになりかねないが、どうしたらこんな澄んだ音になるのだろう。マーラーは何を言いたかったのだ、この不協和音で?9番では、ああ、ここはセカンドヴァイオリンなんだ、と思ったことがあったけれど、10番はヴィオラ大活躍。アマオケでは大変だな。。。

ベルリオーズ、これこそ、私が高いお金を払ってわざわざ東京からここへ来る理由。名人芸になると、奏者が楽しそうに微笑む。Gustavoの演奏会のうち、どこよりウィーンフィルを選ぶのは、何よりこの楽しそうなperformance。演奏会前のクラリネットも楽しそうだったし、演奏会に入ってもヴァイオリンは「どや!」な笑みがあちこちで漏れる。音色も七変化。皆がとても同質な音ではあるけれど、隣にいたおぢさんのヴァイオリンの音、とっても綺麗だった。楽器をみただけではこういう音がするなんて、想像がつかないけれど。

(しかし、どう聴いても難しい曲だ。。。来年自分が弾くときにはこんな風には絶対に弾けないし、一生、こんな風には弾けるようにならない(なるわけない)、ということを確認しにきただけなような気もする。。。どうしよう。)

Project managementの話をするときに、よく持ち出す指揮者の話。弾けない奏者がいるからといって、冷たく当たっても、決して良いoutcomeは得られない。それより、やる気にさせて、持てる力を出し切らせるのがProject leaderの役割、なんていっているけれど、こんな風に、自分の想像を上回る力を持つ人々がチームメンバーだったら、どうだろう?Gustavoに聞いてみたいー彼らはあなたのexpectationを上回っているのか、そんなときにはどうするのか。あるいは、こういうオケを振っているうちに、求めるものがもっと高くなるのか、それとも、もともとGustavoの求めているものは、遥か先にあったのか?

明日はモナコ。今日の演奏とどのように同じでどのように違うのだろう。Gustavoはモナコに行くのが初めてだといっていた。彼は好きだろうな。。。