昨日に引き続き、Gustavo & VPO。今日の会場はGrimaldi Forum in Monte-Carlo。
大変に素晴らしい席を用意していただいたものの、到着してみると、昔の「市民文化会館」然としたホール。座席や絨毯もケバケバしていて、どれだけ吸音されるだろうかと心配になる。
集まる人々。今日のモナコはよく晴れて、暖かいのに、ロシアでも要らないのではないかと思うようなゴージャスな毛皮、耳から落ちるのではないかと心配になるような巨大な宝石でできたイヤリング、クロコダイルのエルメスのバッグ・ピアノ(音楽会だし!)。見ているだけで目の保養。
さて、演奏。昨日と同じプログラム。マーラーの交響曲第10番 Agadioとベルリオーズの幻想交響曲。
ヴィオラの静かなメロディーで始まる、「Adagio」。。。だから静かにしてほしいのに、咳の輪唱が始まる。しまいには、1st Vnのおにいさん思わず吹き出す。観客もブーイング。誰かの携帯の着信音、ピロピロピロ〜♪
ゲルマンの曲をラテンの国で聴くことが間違っているのか。こんなにいい曲で、こんなに素晴らしい演奏なのに。。。
後半の幻想交響曲。相変わらず咳の輪唱止まらず。もう、こういうものだと諦めるしかないのか。今度咳をしたら、断頭台に送ってやる!みんな一緒に幻想交響曲の登場人物にしてやる!!と思えてくる。
ホールを心配したけれど、昨日に比べて、管楽器の音もクリアに聞こえる。幻想交響曲って、ただ聞いても面白いけれど、今度ちゃんとスコアを見ながら聴こう。これまで、どれだけすっ飛ばして聴いていたのかと反省する。
舞台裏のオーボエやカリヨンも、昨日よりタイミングが合っている感じ(今日は舞台が少し広いからか、指揮の正面にカメラが備え付けてあるのが見えた。昨日は、録音用マイクは多数下がっていたけれど、カメラはなかった)。
今日も弦楽器を始めとする奏者のプロ意識は十分。この運動神経の良さというのだろうか、反射神経の良さというのだろうか、素晴らしい。こんな風に幻想交響曲を弾けたらどんなに素晴らしいだろう。ベルリオーズもびっくりではないか?彼の見た白昼夢が、目の前でより生き生きと展開する、どんな反応を示すだろう?
隣でスマホをいじっていた、土地の名士らしいおぢさま、曲が終わるなり、素晴らしい!とか言っているし。聴いてたんかい?と突っ込みたくなるが、ラテン人は器用なのかもしれないな。ブラボーの嵐と拍子から手拍子へ。
ウィーンではなかったアンコールは、バーンスタインのDivertimento for Symphonic Bandからワルツ。Gustavo & VPOはよくこれをアンコールに使う。。。いろいろ思いのつまった曲だけれど、そろそろ違った風に聴けるような気がしてきた。良い兆候だ。